ステータス画面

ゴーレムと共に立て!

<オープニング>

「あれが遺跡か兄貴?」
「おうよ。書いてある通りの位置に入り口があらあな」
 ぽっかり空いた入り口の前、男たちが群れている。
 大勢の男たちが控える先で、何人かが羊皮紙に描かれた地図を見入っていた。
「兄貴、これどういう意味なんだ?」
「水路の真ん中でゴーレム達が守って居るみたいだな。攻撃は単発らしいからこの人数だと押しきれそうだ」
 兄貴すげーなあ!
 弟分は対策を口にする兄貴分を頼もしそうに見上げている。
 そう書いてあるだけなのだが、ロクに読まない奴に説明する事もあるまい。
「それじゃあ行くぞー!」
「おーう」
 兄貴分やムードメーカーらしき男の声に従い、海賊たちは次々に侵入したのである。
 
 旅人の酒場に、猫のライムを連れた、邪悪な面相の老人が現れた。
 老人は日当たりの良い席に居座ると、猫に自分の前を皆に椅子を勧めながら話しかけてくる。
「エンドブレイカーの皆様、お久しゅう。わしじゃ、長老衆のハンクスじゃ」
 その言葉に、多くのエンドブレイカーは、思わず老人を凝視してしまう。この老人は確か、ヘレノス監獄に囚われていた筈、もしや、また脱獄してきたのか? と。
 猫のライムが優雅に尻尾を振って髭を撫でると、ハンクス長老はその疑問を払拭した。
「いやいや、脱獄したのではないのじゃよ。懲罰騎士団の団長であるドラゴン刑事とやらが、己の非を認め、わしを解放してくれたのじゃ」
 ぺったりと座り込んだライムの前で、ハンクスは胸を張ると、ヒヒヒと邪悪な微笑みを浮かべてエンドブレイカー達に両手を広げて親愛の情を示す。
 その邪悪な微笑みは、エンドブレイカー達への敬意と親愛で満たされているようだ。
「本来であれば、エンドブレイカー様達との再会を祝して3日3晩でも語り合いたいところなのじゃが、実は、緊急のお知らせがあるのじゃ」
 そういうと、長老ハンクスはエンドブレイカーにその内容を説明し始めた。
 なんでも、世界の瞳からの伝言のようなものを受け取ったというのである。
 そして、その伝言とは……。
「ラッドシティに海賊島の海賊達が攻めてくるのじゃ!」
 というものであった。
 
「ここからはボクの方から解説するね。海賊島の海賊らしき集団が、何を考えたのかこんな内陸部までやって来るんだよ」
 珍しいよねと言いながら、狩猟者・セラ(cn0120)が幾つかのメモを取り出しながら説明を始めた。
 海賊の多くは金品強奪や市民の虐殺が目的らしいんだけど、一部は放棄領域にある遺跡を目指しているんだよ。これを防いで欲しいって依頼だね」
 彼らは全てがマスカレイドであり、エンドブレイカーの手で解決すべき事であろう。またこの遺跡には結構な人数の敵が来る予定である、今後を考えれば此処で倒しておくことは、単純に街を守る意味でも重要だろう。
 
「敵は数十名の海賊。全員マスカレイドで、殆どは弱いとはいえまともに戦えば大変なんだけど……」
 どうやらエンドブレイカーを援護してくれるゴーレムに指示ができるらしく、上手く使えば有利に戦えるのだと教えてくれた。
「基本的には単純な戦力ってやつだね。それだけに効果が大きいんじゃないかなと思うよ。みんなのアイデア次第で有効に使えるんじゃないかな?」
 遺跡の位置や使い方を記したメモを順に渡してくれた。
 小部屋やL字の道を通ったりするが、最後の部屋はプールとか浴場の様な水3か所で区切られた小島が最後の部屋になっている。
 途中で迎え撃つか、ここで待ち構えるかになるだろう。
 
「ラッドシティの外から海賊のマスカレイドがやってくる……のは、可能性は低くても、ありえない話では無いかも知れない」
 しかし、この時期に急に現れたという事には、何か裏がありそうだと言うのだ。
「裏自体はありそうだけど、ラッドシティのマスカレイドとの関係や、真の目的が有る無しを考えるときりがないよ。まずは海賊の手から守るのが先決ってやつかな?」
 そう言うとセラは健闘を祈りつつ、皆を送り出して行った。


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参加者
紅月の双眸・ユン(c00020)
黒鋼・エドガー(c01811)
霊銀のベアトリクス・アレクシア(c02594)
白薔薇兎・ノシュアト(c02822)
天藍・レンマーツォ(c07929)
傭兵・エレン(c12545)
クラウディミラージュ・トレノ(c14539)
鼻の刑事・ルーシア(c20641)
立ちはだかる巨像・リズナ(c21262)
幻朧燭灯・ファウナ(c22864)

<リプレイ>


「えーっと、エンドブレイカー反応発見。反応あり……ですか。ではお願いします」
 放棄領域の遺跡、最後の部屋。
 光る板を眺めていた白衣のクラウディミラージュ・トレノ(c14539)が、後方へ声を掛けた。
「ゴーレムたちよ、私達に力を貸してくれ! この都市を……、世界を護る為に!!」
 動けえぇぇ……!
 立ちはだかる巨像・リズナ(c21262)の叫びに、次々とゴーレム達が起動した。
 同じ石から切り出された防人の兄弟たちは、
 都市を、世界を守る、運命の兄弟達の声に呼び覚まされる!
「ゴーレム、悪いけど宜しくね? 荷物運びに戦に、ロクな命令じゃないけど……」
 その様子を見て、傭兵・エレン(c12545)は眩しそうに見つめる。
 何年ぶりに目を覚ましたか判らない彼らは、命令に対して一心不乱に動く。
 ゴーレムに心は無い? ああそうだ、だが彼らは0から1に、実に躍動していた。
「じゃあ始めましょっか。バリケードを作って加工して、時間足りるのかしら」
「その事なんだけど、ゴーレムはひたすらバケツリレーさせない? 最後の調整こそ私達の出番よ」
 疲れる事ないしね。
 白薔薇兎・ノシュアト(c02822)の懸案に、霊銀のベアトリクス・アレクシア(c02594)は案を補正した。
 調査団か何かが置いた瓦礫置き場から、目的の場所まで測って場所を区切って行く。
「確かに加工をこっちがやるなら細工はし易いわねん。で何してるの?」
「こうしておけば番号で指示できるし、ダメージを食らってる奴も分かり易いからな」
 ゴーレム一体一体に数字を書き込んでいた黒鋼・エドガー(c01811)は、ガコンと叩いて完了だと告げる。
 その数字はゴーレムには影響を与えないが、指示を出す側の効率を上げるものであった。
「確かに『そこの』と言うよりは便利ね。早速……、マーカー1から順に等間隔に並びなさい、出番よ」
「素敵! 完璧よ、皆ありがとう♪」
 アレクシアとノシュアトの指示で、次々とゴーレムが荷を受け渡す。
 1番は2番に、2番は3番に、怯むことなく疲れることなく……。
 背筋を伸ばしているので、頭のサインが誇らしげに見えるのは、気のせいだろうか?
「では順次加工を始めましょう。優先順位は大丈夫ですか?」
 紅月の双眸・ユン(c00020)の確認に、担当の仲間が手を挙げて加工作業が始まった。
 道幅を狭くしながら、崩すべき場所や蓋になる場所へ追加で積み上げていく。
 物音がする度に、10人は並んで戦えそうな広い道が、徐々に狭くなる。
 さあ急ごう、戦いの時はもう直ぐなのだから。


「海賊は何狙ってここまできたんだろうね? 退屈してたから遊びに来たんじゃないだろうし」
「地図ってのが気になるなぁ……。これが『本命の何か』を狙った陽動とかじゃないといいけどね」
 グルメ地図や遊び場ガイド持って来てたら?
 勿論奪う!
 そんな会話を陰で繰り広げながら、鼻の刑事・ルーシア(c20641)と幻朧燭灯・ファウナ(c22864)は作業状況を見渡す。
 予想外に早くも遅くも無く、予定通りに順調に進行。
 仕掛けたアイデアの分だけ遅れ、思いついた改善の分だけ早い。
「まぁ取り越し苦労かもだし、陽動だとしても海賊を倒しておかないとね。っとそっちは?」
「んー、泳いで通ろうとは思わないレベル?」
 つまらなさそうにルーシアは足元の水面を蹴って、ファウナの質問に応えた。
 繰り返すばかりの作業は流石に飽きる、相談の続きと洒落込むにも出口の見えない問いである。
「罠用じゃないし、そんなもんさ。ブーたれてないで急げ急げ、敵はどんどん迫ってるからな」
 エドガーの催促に反応するよりも速く、警戒に当たる仲間の声が響いた。
「目標、捕捉しました! 向こうの先手が下がって行きます!」
「作業停止、あなた達は1から順に横一列よ! 位置は私達の前で」
「1と2、9と10は少しだけ前にお願いね」
 音で気がついたのかな?
 鷹目で監視していた天藍・レンマーツォ(c07929)の声に、仲間たちが戦列を整える。
 アレクシアの指示でゴーレムは前衛を築き、ノシュアトの指示で陣形を凹型に修正していく。
 その間にも向こう側で怒鳴り声と雑踏が、うるさく交差していた。
「奥の島に誰かいるぞ!」
「間に合いましたね、蹴散らしましょうか」
「残念ゴーレムだけじゃぁねんだよ。それじゃ、海賊狩りの時間だ!」
 三面を水で囲まれたこの位置は、通りこそ限られるが視界は悪くない。
 見出したお互いの姿に、火ぶたは切って落とされる。
 ユンの呼び出した黒鉄の兵たちが、エドガーが巻き起こした風を連れて渡ると、
 お返しとばかりに、海賊たちは一斉に足を踏み鳴らす。
 右列の男たちは右足を踏み、左列の男たちは左足を踏み鳴らすと、一斉に飛び出し始めた。
 ウェーブかけてダイビング、自分達の都合へノリノリに乗っている!
「全砲門開け!」
「ようこそ、ノシュアトちゃんのコンサートに! 沢山聴いてって♪」
 アレクシアとノシュアトの攻撃が、ゴーレムの攻撃に先駆ける。
 敵から見れば入り口側、仲間たちから見ては出口側に積んだ瓦礫を突き崩す。
 群れなす白い獣や黒の鳥たちが、そこを拠点に攻撃し始めた様にも見えるが……。
「かけた時間分くらいの効果ね、残念と言えば残念」
「直ぐには出入りできない……、くらいですね」
 足止めになったなら十分でしょう。
 位置的にも遠い場所であり、思った程の世界ではないと残念がるアレクシアをユンが慰める。
「僕の新しいARMS……。ヌアザが銀の腕よ、穿て! Airget-lamh!」
「敵は後29……、28人ね。この調子で行くわよ」
 レンマーツォが伸ばす指先で、鎖を持った男が崩れ落ちる。
 引き続いてエレンが飛び込むと、羽交締め傷ついた男の一人を捕まえた。
 連弾し飛来する衝撃波が、その男を打ち倒す。
「当ててんのよ……。貴方の事好きだから……」
「変な吹き替えしないで」
 腹話術で可愛いセリフを囀り始めたルーシアに、エレンが突っ込み1つ。
 同時に、海賊へ豊かな胸を当てていた幻影のエレンが崩れ去った。
 ちぇ、駄目かーと言いながら、ルーシアは有象無象へ向けて種を幾つか放る。
「女の子より戦いが好きな変態どもに、御仕置きDA!」
 それとも御宝そんなに魅力的なのかな?
 彼女の白魚のような指先がパチンと弾くと、次々に矢と化して踊る様に飛んでいく。
 戦いはまだまだ始まったばかり、いきてる奴がいれば聞いて見ようと思うのであった。


「盾を身を守る物だけの物と侮るな! 防御こそ、最大の攻撃!」
 さぁ、我が思いを受け止められるか!
 ガンガンガンガン!
 リズナの展開させた盾が、無数の煌めきを放つ。
 ゴーレム達の紫煙の光、諸共に海賊たちへと突き刺さって行く。
 だが津波の様な敵は戦意旺盛で、逆にゴーレムは一騎また一騎と倒れて行く。
「お前達も共に戦う者として、私が守り抜く! 意味が判るなら、無理はするな」
「判って居ても、無茶しそうな気がするなあ……。さてと、ヒャッハー! 新鮮な海賊だー!」
 本望そうだもんねー。
 紫煙銃を構えたゴーレム達は、壊れそうになっても一歩も下がらない。
 彼らの意思を無駄にはしない、とファウナは破壊と破滅の意思を解き放った。
「ヲイ、暇なヤツこれを片して置いて……てっオヴア」
「海賊は消毒だー! 汚物が小賢しいんだよ!!」
 ラチを開けようと、退路と進路を塞ぐバリケードを退ける様に指示した海賊に向け、
 ヒャハー、ヒャフー、ヒャッヘスト! 悪ノリ気味に衝撃波を解き放っていく。
「これが……。棘の影響なの……? これがソーンイーターの力……」
「違います」
「違うと言ってるだろう」
 暴走する力に自戒しつつ、同じくノリノリでメモを書き綴るアレクシアに仲間が冷静に突っ込む。
 きっと友人や恋人にソーンイーターの居る人たちであろう。
「てか言い合ってる暇はねえよ。出番だぜ、切り刻まれたいヤツから掛かってきな」
 四番五番、連続解放……。
 倒れたゴーレムを踏み越えて、次々と海賊たちが雪崩れ込む。
「随分と撃ち合ったもんね、じゃ前奏は終り。さぁ、いらっしゃいノシュアトちゃんの白い獣ちゃん達……♪」
 貴方達に捧げる葬送歌、幻より壮絶な白昼夢で埋め尽くしてあげる。
 真っ先に迎え撃つのはエドガー、残った碇持ちを処分するのはノシュアトの仕事。
 ゴーレムの始末を優先し始める海賊を、横合いから殴りつけて炎柱があがる!
「流石に学習し始めましたか、こちらもスピードを上げて行きましょう」
「学習ですか……。これも確かにそうですね」
 あまり人型の知識はありませんでしたから助かります。
 ユンが相手取った敵は、黒の兵団に突き飛ばされて吹き飛んでいく。
 それを追い駆ける様に、逃がさない様に、
 アレクシアの投げた撒き餌を狙って、ギャアギャアと死の使い達が追い駆け始めた。
 もがき苦しむ最後の様子まで詳細に、彼女はメモに書き留め『書』の1ページに挟み込む。
「これで14人目! さディノさん、お仕事の時間だ、がんばろうね」
「我が騎槍は天に誓いし信念の力! 貴様を天へと導く美技、その身でとくと味わうが良い!」
 レンマーツォが、リズナが、
 次々に倒れたゴーレムの穴を埋めて行く。
 海賊たちは気が付かない。
 間に合わなかった防御壁に、半壊した防衛部隊。
 自分達は優先だと信じて、仲間が倒されるたびに飛び込んで行く……。
 反対側から飛び込むのは恐竜に乗った少年と、騎士たちの幻影。
 同じような光景、だが異なる内容。
 それこそがエンドブレイカーの作戦、そしてゴーレム達がもたらした戦果であった!


「随分とボロボロじゃねえか? 手こずらせてくれたお礼に、可愛がってから殺してやるよ!」
「10対10……。なら本気で行くわよ? 覚悟してね!」
 戦う為に生れて来たゴーレムは、最後まで戦い抜いた。
 使命を果たし、満足そうな彼らを踏み越えてエレンが太刀を引き抜く。
 都市を、遺跡を守り抜く使命を受け継ぎ、世界を守る意思へと繋ぐ。
 雷光を背負い、彼女もまた戦線を埋めるべく飛び立っていく。
「ボロボロ……、ねえ。確かにそうだな、うん。さっきまでは?」
 ルーシアは撃ち込んで行った弾丸の位置を確認すると、込めた祈りを解き放つ。
 振りまわされる碇に巻き込まれ、飛び込む敵と相打って傷ついた仲間に……。
 数々の祈りを捧げた、『彼女』の世界樹から、癒しの輪を妖精たちに描かせ始めた。
「仕切り直しだ、仕切り直し。マンネリで退屈してんだ、なんか情報よこせや。でないと……」
「殺してしまうぞ、ですか?」
 幾重もの環の中で、笑う彼女に向けてトレノが相の手を入れる。
 応えず、ただ笑って海賊たちに仲間たちと向き直って、武器を掲げ直した。
「を、をいヤべぇんじゃねえのか?」
「ハッタリだ、傷がそうそう早く治るかよ!」
「信じるかは好きにすれば? ま、あんたらの運命は決まってるんだけどさぁ!」
 有罪有罪有罪、判決は死刑!
 ファウナの投げる十字架は、突き刺さった場所を中心に赤く弾けた。
 拡大する領域に籠るのは殺意、海賊が本命であろうと陽動であろうと、容赦なく断罪の剣が飛ぶ!
「随分とウチのゴーレム達を倒してくれたしな、その判決に不服はねえよっと、逃がすかボケェ!」
「残念ね? 逃さないわ♪ その行動は予想済みなのよん」
 獣の様な叫びでエドガーが咆哮を上げ、獣そのものをノシュアトが造り上げる。
 ファウナが攻撃したのは逃げようかと迷った後方の敵、容赦なく追撃に追撃を重ね撃ち殺す。
「死ぬ前に、大海賊について聞きたいです。いきなりやってくるとか怪しすぎですよ」
「その返答は、少ない資料からでも予想できそうなのよね。でも教えてくれるなら……」
 助けてあげても、良いかも?
 ユンの呼んだ鋼の兵士に紛れて、アレクシアが蹂躙を開始する。
 叩きつける様に押し当てた腕に、棘を纏わせて巨大な顎と為し食らいつかせて行くのだ。
「やはり降伏しない……。知らないのか知らされてないのかな?」
「本格的に撤退ですか? 追撃戦を開始しましょう!」
 悪喰なデモンに並んで、悪喰なスピリットが追い打ちをかけて行く。
 レンマーツォはため息1つ、悲しい結末を終わらせる為に号令を開始した。
「海賊は盗まないと生きていけないのかな? そうだったら、とても悲しいね」
「禁止海域を進むだけの海賊なら、判りあえるとは思うがな……。お前達に美しい華を贈ろう。……手向けの華を!」
 殺戮者には、絶望を渡そう。
 リズナは印を刻んでおいた、最も離れた敵に接敵するとトドメの一撃を繰り入れた。
 皮肉な事に逃げるタイミングを失っていたようで、自体を把握する前に呆然と倒れて行く。
「あ、尋問するの忘れてた。まあ何か言ってたような気がするから、後でみんなの話を総合だな」
 最後の一人にルーシアがトドメを刺した。
 あれほどうるさく飛びまわっていた妖精たちが、気がつけば姿を消している。
 煌めく輝きだけが、戦いの名残を留めていた。


「お疲れ様。頑張ったね……」
 倒れたゴーレムに、エレンがねぎらいの言葉を掛けた。
 思うに任せ、殺意のまま踊り掛かってきた海賊と違い、ゴーレム達は使命に準じたのだ。
 自然と敬意も違って来る。
「念の為に何人か来てくれる? 連絡役や見張りとかいたら、後をつけるなりしてくるからさ」
「じゃあボクが行った方が良いのかな。誰かいたら皆を呼ぶね」
「では僕もご一緒しましょう」
 遺跡の入り口に向かうファウナに、レンマーツォとトレノが追随して行く。
 もう1チーム居ても困るし、計測されてても厄介だから探して損は無いだろう。
「湯もすっかり汚れちまったな。一番奥の水を沸かし直すか、俺らの後ろだったし綺麗なもんさ」
「その間に一曲歌うわよ、その後は気分がノればかな?」
 プールか池か知らないが、血で汚れた水を指してエドガーが遺跡の一部を触ると、
 奥の水が少しずつ変化し始める。
 その様子に、足洗い場を作るべく残骸を動かしながら、ノシュアトが謡い始めた。
「何書いてるの?」
「忘れないうちにゴーレムの記録をしてますの」
 海賊の話かと思った。
 ルーシアの言葉に、ヒラヒラとアレクシアはメモを片手に笑って見せる。
「何時の間に書いていたのですか?」
「好きこそ物の上手なれかな? 速記というやつか」
 その早技に、ユンとリズナは顔を見合わせて笑い合った。
 そもそも知らない可能性や、出まかせの可能性もあるが、検証の価値はあるだろう。
 ゴーレムが全て撃破される激闘の果てに、戦いは勝利に終わる。
 一同は倒れた仲間を思いつつ、街へ凱旋した。



マスター:baron 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2012/03/25
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