ステータス画面

操り人形が踊る

<オープニング>

「ウェスター! ちょっと、どうしたのっ!?」
 アルチェは何が起こっているのか理解出来なかった。
 ここはアルチェの家である。ほんの少し前、幼馴染のベケットと一緒にいるところに、同じく幼馴染のウェスターが訪ねて来たのだ。
 三人は昔から一緒に遊んでいた仲だ。快く家に迎えたのだが、直後、ウェスターは見慣れない本を取り出し、ベケットに毒の煙を放ったのである。
 ベケットはウェスターの足元でもがいている。
「ウェスター!?」
 ウェスターがアルチェの方を向いた。
「ひっ!?」
 ウェスターの目は人形のようだった。焦点の合わない目をかっと見開いている。
「ごきげんようだね、お嬢さん」
 ウェスターが口を開いた。しかし、顔は無表情なままで、口だけが動いている。その上、その口調はウェスターとは似ても似つかなかった。ウェスターは無口で、こんなにペラペラしゃべらないのだ。
「ちょっと待っていてね。まずはこのベケット君にとどめをね、刺さないとね」
 ウェスターはベケットを見下ろすと、再び毒煙を放つ。もがき続けていたベケットがびくりと震えて動かなくなった。
「これでよしだね。さて、お待たせしたね、お嬢さん」
「ウェ、ウェスター……?」
 アルチェが震えながら声をかけると、ウェスターはくるりとアルチェを振り返った。
「いや、お嬢さん。何が何だかって顔だけどね、簡単な話なんだよ、これ。つまりだね。我らがウェスター君はだね、キミのことが大好きなわけなんだね。ところがどっこい、キミはベケット君とばかり一緒にいる。だからだね、ボクは可哀相なウェスター君の願いを叶えてあげようと思ってね。つまりこの行動はウェスター君のためなんだよね。うん、決して、ボクが楽しいからじゃないよ」
 ウェスターは無表情のままアルチェに指先をむけ……嫌がるように首を振る。
「ああ、ウェスター君、悲しそうだね。でも大丈夫。すぐにどうでもよくなるから」
 口は楽しそうに笑い、その身体は無造作に光が灯った指先をアルチェに向けた。
「じゃあ、お嬢さん。ウェスター君に諦めてもらうためにも、苦しんで死んでね!」


「例によって、いつものマスカレイドの殺人事件だ。……まだ完全にマスカレイドになったわけじゃなさそうだから、そこだけはいつもと違うがな」
 大剣の城塞騎士・ルド(cn0117)は、にやっと笑った。
「殺人現場はアクスヘイムのごく普通の家だ。だが、俺の見たところでは、マスカレイドがその家にたどり着く前に止められそうだな。マスカレイドは現場の家に、裏の通りから向かうようだった」
 ルドが簡単な見取り図を描く。裏の通りは、両側を石壁に囲まれており、道幅は四人の人間が並べるほど。まわりの家の裏口がいくつか接している。
「このマスカレイドは、元から使い方を知っていたのか、マスカレイドになって使えるようになったのかは判らんが、魔道書を使って毒の煙や衝撃波を操る。それに五匹ほど、マスカレイドの毒蛇を連れているようだ」
 ルドは記憶を探るように目を閉じ……、また開いた。
「何はともあれ、このマスカレイド……ウェスターと呼ばれてたが……は、まだ完全にマスカレイドになったわけじゃない。殺しをやっちまう前に、マスカレイドを倒してしまえば解放出来るだろう。何と言っても、殺しをしないで済むのにこしたことはない。よろしく頼むぜ」


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参加者
緑の観測者・ゼロ(c00611)
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
天狼の黒魔女・サクヤ(c02573)
小悪魔ティアラ・ジュナイツ(c02799)
笑顔の戦士・リュウ(c03200)
金剛ノ千目・ジルド(c04696)
ダンシングブレード・エリーシャ(c15180)
迷迭香・マリカ(c17571)
爆笑する筋肉魔人・オルトラ(c24254)
野太刀の武芸者・シオウ(c30229)

<リプレイ>

●無邪気
 真昼の裏通りは穏やかな空気の中にあった。昼食時のためか、人通りは全くない。
 これからここで戦う者としては、無関係な人間を巻き込むことがないので、都合がよかった。
「あそこがアルチェの家だよね?」
 天狼の黒魔女・サクヤ(c02573)が、通りに面した家のひとつを見上げる。耳を澄ますと明るい笑い声が聞こえて来た。これから起きる惨劇の気配は欠片もない。
「なら、待ち伏せはもう少し戻った場所がいいな。ここだと戦闘の音が届いてしまうし、民家の裏口が無い場所がいい」
 野太刀の武芸者・シオウ(c30229)が通りを振り返る。
 一行の作戦はマスカレイドの挟撃だった。
 そのまま一区画ほど道を戻り、待ち伏せ組のシオウ達は立ち止まる。
「ではボク達はこの先に隠れるとするよ」
 緑の観測者・ゼロ(c00611)が挟撃組の仲間と通りを進み、路地に入って行った。
 待ち伏せ組もそれぞれに物陰に身を潜める。
 無言の時が流れた。
 爆笑する筋肉魔人・オルトラ(c24254)が壁際に張り付くようにしたまま、ポージングを始める。
 と、じっと通りの先を見つめていた小悪魔ティアラ・ジュナイツ(c02799)が、身を固くした。
「どうかした?」
「……ちょっと怖くなってしまっただけですわ」
 怪訝そうなサクヤに、ジュナイツは答える。
「大切な方々を殺めてしまうなんて、もし、わたくしだったらと思うと……」
 今回の事件はマスカレイドに支配された青年が、幼馴染を殺してしまうと言うものだ。その青年、ウェスターは幼馴染のアルチェが好きなようだが……。
「それにしても」
 笑顔の戦士・リュウ(c03200)がアルチェの家の方を振り返る。
「またアクスヘイムでマスカレイドの活動が活発になったみたいだねー。これも海賊と関係あるのかな?」
「それは分かりませんが……、来たようです」
 阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)が言った。
 通りの先から一人の青年が歩いて来る。
 それがウェスターだった。
 路地に身を潜めている挟撃組の眼前を通り過ぎて行く。
 ウェスターは無邪気な声で独り言を話していた。
「もう少しでアルチェ君の家に着くね」
 だが、半分だけの仮面がついた顔には何の感情も浮かんでおらず、焦点の合わない目つきで、ただ口だけがペラペラと動いている。
「まず、ベケット君を殺すとしよう。そうすればアルチェ君がどんな反応をするか楽しめるからね。それからアルチェ君だね。キミの愛する人間は、誰にも渡すわけにはいかないからね。これはキミのためになるし、ボクは楽しい。素晴らしいね」
「あのマスカレイド……許せないよ」
 同じく隠れている迷迭香・マリカ(c17571)が呟いた。
「気持ちを押し殺した結果としてソーンに憑かれたのか、それとも、何者かに仕向けられたのか……」
 ウェスターを見送り、ゼロが言った。
「最近、似たような事件が起きているようですが、これは偶然なんでしょうか?」
 金剛ノ千目・ジルド(c04696)が鎧の中からゼロを振り返る。
「何か起こる前触れでしょうかー?」
 ダンシングブレード・エリーシャ(c15180)も首を傾げた。
「どちらにせよ、あの観測結果は阻止させてもらおう」
 問いには答えず、ゼロが宣言する。
「そうですね、ウェスターさんを助ける事に集中しましょう」
「犠牲は出させませんよー」
「絶対、マスカレイドから解放しようね」
 仲間達も頷いた。
 その時、道の先を行くウェスターの前に、ぬっとオルトラが姿を現した。
「ここから先には行かせられんなっ!」
 力を込められた大胸筋がぐっと膨れ上がる。
 待ち伏せ組の仲間達も姿を見せた。
「おやおやだね」
 ウェスターは……いや、彼を支配したマスカレイドの声は、それでも楽しげだ。
「悪いけど、悪夢はここで終わらせて貰うよ」
 リュウの言葉に、挟撃組も路地から飛び出した。

●嘲笑
 背後を突かれたマスカレイドは、人形じみた動きで振り返った。
「ウェスター君のためにしてることを邪魔するなんて、ひどい人達だね」
 その声にはまったく悪気がない。
「キツイ気付けとなりますが、覚悟してください」
 ジルドが一歩前に出た。
 マスカレイドは首を傾げる。足元の影から数匹の蛇が現れ、待ち伏せ組の方へ向かった。
「ずいぶんと、余裕だな」
 ゼロが腰の後ろに付けた矢筒から、一本の矢を引き抜いた。矢柄を握ると、マスカレイドの頭に矢尻を叩き込む。
「やってくれるね」
 マスカレイドが頭を押さえてよろめいた。蛇が威嚇するように牙をむく。牙から滴り落ちるのは毒だろう。
 すかさずエリーシャはソードハープの刃に手を走らせた。
「赤き猟犬達の狂想曲、行きます!」
 エリーシャが弦をかき鳴らすと、こぼれ落ちた鮮血が猟犬の群れに姿を変えた。猟犬は毒蛇達を踏み潰し、容赦なく喰らいつく。
「これ以上、好き勝手はさせないからね!」
 マリカの歌声がエリーシャの演奏に重なり、毒蛇の一匹が身を震わせた。
 マスカレイドは古びた書物を開くと、大きく手を振り払った。不可視の衝撃波がゼロを撃つ……が、広がった衝撃波はジルドとエリーシャには届かず、空気を揺らすだけで終わった。
 舌打ちして、マスカレイドは頭を振る。頭を打たれた衝撃で、力が思うように働かないようだ。
 さらに書物を持つ左腕に、ルーンの放った刃が突き立つ。
「手足を射抜かれては存分に動けまい」
 弓を構えたルーンが次の刃をつがえる。ルーンは矢の代わりに、柄を外した刀を射ていた。
「貴方は一体何者ですか? 口ぶりからして、ウェスターさんではないようですが」
 ジルドがウェスターの口を借りて喋っている者に訊ねる。
「ははっ。ボクは彼の願いを叶える者だね。だから、代償にボク自身も楽しませてもらってるんだ」
 マスカレイドは面白そうに笑った。
「ウェスターさんは、そんなことは頼んでいないようですが」
 ジルドはマスカレイドの動きが鈍っているのを見てとると、毒蛇に狙いを変えて獅子のオーラを放った。毒蛇達も威嚇音を立てて牙をむき、一行の様子を窺うように身体を揺らし始める。
「ジルド、こいつは自分が悪だなんて、考えることも出来ないようだな」
 シオウがガントレットを変形させ、巨大なブレイドで邪魔な毒蛇を薙ぎ払った。毒蛇は尾で地面を叩き、飛びかかろうとするが、
「まぁまぁ……そう急ぎなさんなって!」
 オルトラが鉄下駄で蹴り飛ばした。
「行くぞ、ダークソウル! 悲劇を打ち砕く!」
 リュウが漆黒の剣を抜く。刀身からその名にふさわしい黒い冷気が吹き出し、吹雪となってマスカレイドを襲った。
「それじゃ、いくよ〜」
 サクヤが九節鞭を振るう。それは蛇に姿を変えると、マスカレイドの毒蛇に牙を立てた。噛みつかれた毒蛇はびくりと震えると、動きを止める。
「わたくしも行きますわよ!」
 ジュナイツが右手でぱっと扇を開いた。頭上に招くように振り上げると電光が尾を引く。扇はくるりと翻され、雷鳴を響かせながら振り下ろされた。
「ぎゃあああっ!」
 電撃に撃ち抜かれたマスカレイドが悲鳴を上げた。

●救出
「ぐ、よ、くも……」
 マスカレイドが頭を押さえ苦痛にうめく。
 その一瞬の隙に、ゼロは恐竜のスピリットを召喚した。その背に乗り、マスカレイドに突進する。交差した瞬間に一撃を加えたが、その速さにマスカレイドは動きを目で追うことも出来なかった。
 毒蛇達がゼロに牙をむいた。
「もう一回、行きますよー」
 だが、エリーシャが再び鮮血の猟犬を呼ぶ。猟犬の牙により、一匹の毒蛇が宙を舞い、すかさずジルドが放った獅子のオーラによって肉片に変わった。猟犬の標的になったもう一匹の毒蛇は、猟犬の懐に潜り込むようにして攻撃を回避したが、マリカの歌声が高まり、旋律の中に取り込まれるようにして力尽きた。
「この身体はボクのものだね!」
 マスカレイドが絶叫する。
「くっ!」
 狙いも何もない衝撃波がリュウに直撃した……が、
「流石にやるな!」
 リュウは不敵に笑って、それに耐えた。
「迅雷・紫電、我が敵を貫け」
 ルーンが刃の矢を放つ。刀はその銘通り、電光のように宙を走り、マスカレイドの身体を貫いた。
「蛇ども! こいつらを殺せ!」
 マスカレイドの叫びに応じ、毒蛇が襲い掛かって来る。しかし、標的になったオルトラは避けようともせず、全身に力を込めた。
「バーッハッハッハァッ! そんな鈍らな牙で俺の筋肉を貫けると思うかっ!」
 言葉通り、毒蛇の牙をオルトラは鍛錬された筋肉によって弾いてしまう。
 毒蛇はシオウにも飛び掛かり、背後を狙って噛みついて来たが、シオウは負傷を気にせずブレイドで毒蛇を薙ぎ払った。
 リュウがマスカレイドに向けて、ダークソウルの切っ先を向ける。
「何故こんな人の心を弄ぶ様な真似をする!」
 マスカレイドは無事な右手を突き出し、漆黒の吹雪を受け止めた。
「ボクは彼の心の中の願いに応えただけだね! 好きなら奪えばいい! 相手の気持ちなど考えるから、何も出来なくなるんだ! だから、代わりにボクが動いているんだね!」
「それがどうして、殺すことになるんだよ!? それに今、ウェスターの身体を自分のものとか言ったじゃないか!」
 サクヤが九節鞭を振るいながら叫ぶ。
「だからそれは代償だね!」
「どこまで身勝手なんですの!?」
 毒蛇に雷撃を落として、ジュナイツも怒った。
「マスカレイドの価値観など、耳を傾けるに値しないな」
 ゼロが毒蛇をバラバラに解体して、毒蛇は残り一匹になる。その一匹もエリーシャの猟犬とマリカの歌、そしてルーンの射撃によって動かなくなった。
「せめて、キミ達を殺して、その死を楽しませてもらうね!」
 マスカレイドが毒の雲を放ち、エリーシャが巻き込まれる。
「大丈夫!?」
「へ、平気ですー」
 マリカが振り返ると、エリーシャはせき込みながらも笑顔を見せた。
 マスカレイドの攻撃は弱体化しておりほとんど威力がなかった。
「いきます。手加減はしません」
 ジルドの獅子のオーラが咆哮を上げてマスカレイドを直撃する。
「もういい加減にして消え去れ」
 シオウのガントレットがプレス機に変形してマスカレイドを挟み込み、
「打ち砕け! ダークソウル!」
 リュウの突きが胴を捉えた。
 よろめいたマスカレイドに、サクヤの召喚した星霊クロノスが赤い瞳から光線を発し、懐中時計が逆行する。同時に、ジュナイツが放った白銀の鎖がマスカレイドに絡みついた。
「あ、ぐ、待て……!」
 マスカレイドの顔……ウェスターの顔には、やはり表情がなかった。だが、その声に先ほどまでの余裕はない。
「お前さん……しっかり防げよ?」
 オルトラが、むしろ優しげな口ぶりで声をかけた。
 次の瞬間、マスカレイドに無数の拳と蹴りが打ち込まれる。
 無論、防ぐことなど出来なかった。

●選択
 シオウの太刀が一閃し、ウェスターの顔から半分だけの仮面が完全に消滅した。
 ぱたりと、その身体が倒れる。
「おーい、生きてるかい?」
 オルトラが声をかけ、リュウが抱え起こした。
「うう……」
 ウェスターが目を開く。
「これでも飲んで落ち着いて」
 リュウが水筒を渡すと、ウェスターは少しずつ中身を飲み始めた。少なくとも身体の方は無事のようだった。
「ユエン、お願いね」
 サクヤが星霊スピカを呼び、手当てを始める。
 ゼロはそれを確認すると、戦いの痕を片付け始めた。エリーシャも地面に転がるマスカレイドの毒蛇に儀式を施して死体を消していく。
 一方、ジルドはウェスターが持っていた書物を拾い上げた。
(「どうしてこんなものを……あっ!」)
 書物はあっけなく灰になった。
「僕は……、ああ! 何てことだ……」
 そのとき、茫然としていたウェスターが声を上げた。顔を覆い、がっくりとうつむく。
「何をしそうになったのか、覚えているんですの?」
 心配そうにジュナイツが覗き込むと、青年は小さく頷いた。
「僕はアルチェを……」
「キミは悪くないよ、キミを利用しようとした存在が悪い」
 青年の言葉をマリカが遮り、
「二人をどうこうしようとした気持は、お前の本心じゃない」
「実際には特に何も起きてないよな? してもない事で気に病むなんてのは無駄骨だぞ?」
 シオウとオルトラも言った。
「しかし……」
 顔を上げるウェスターの目を、ルーンがまっすぐに見つめる。
「マスカレイドにとり憑かれたにも関わらず、こうして生きていられるのは君が良心を持ち続けることができたからだ」
 だから、自分を責めることはないと言うと、ようやくウェスターは緊張を解いたようだった。リュウの水筒からまた水を飲み、青年が息をつく。
「いくつか訊きたいんだけど」
 サクヤが言った。
「はい?」
「ああなる前に誰かに会った?」
「誰かに何かをもらったとか」
 リュウがジルドの手の中の灰に目を向ける。
「いや、覚えがないですが……」
 ウェスターには本当に心当たりがないようだった。となれば、自身の精神状態の影響でソーンに憑かれたのかもしれない。
 一行が黙り込んだ時、儀式を終えたエリーシャがウェスターを振り返った。
「やっぱり、恋心が拒絶体化した原因なんでしょうかー?」
 無邪気に問いかける。
「恋……」
 ウェスターは目をそらした。
「アルチェとベケットをどう思ってる?」
 サクヤが目を合わせる。
「これからどうするかは、お前の気持ち次第だからな」
 シオウも告げた。
「……好きですよ。今度のことではっきり判りました」
「それなら、二人の関係をきちんと聞いて、その上で自分の気持ちを伝えなよ」
「自分の力で気持ちを伝えるべきだと思う」
 リュウとマリカが言い、
「男だろ? 突撃あるのみだぞ!」
 オルトラが肩をどやしつける。
 しかし、ウェスターは首を振った。
「アルチェのことが好きです。……でも、それを伝える気はありません。ベケットは親友だし、幼馴染としてずっとそばで二人を見てきましたから、二人が好き合ってることは良く分かってるんです。ここで僕の気持ちを伝えても、それはただの自己満足です。二人の気持ちを全く考えてない行動ですよ」
「そう言うものですかー?」
 エリーシャが首を傾げる。
「後悔、しませんの?」
 ジュナイツが静かに問いかけた。
「はい、アルチェが好きなのも事実ですが、二人を祝福したいのも本心なんです。幼馴染として、こういうときは、そうするものでしょう?」
「キミがなりたい自分になればいいと思うよ?」
 片付けをしていたゼロが作業を続けながら言う。
 ウェスターはほろ苦い笑みを浮かべた。
「よし、じゃあ、一緒に飲みに行くか」
 リュウが肩を叩く。
「僕は酒は飲めませんが……」
「なら、ジュースで」
 マリカが言うと、ウェスターは一行を見回し……晴れ晴れとした笑顔になった。
「ありがとうございます。おかげで僕の大切な人達の幸せを守れました」
 青年は深々と頭を下げた。



マスター:灰色表紙 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2012/05/06
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  • カッコいい1 
  • ハートフル8 
冒険結果:成功!
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