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雨上がりの友情

<オープニング>

 発端は、隣の村から逃げて来た男の言葉。
「村が、全滅したッ!」
 自分も傷を負い、命からがら逃げて来たのだ。家の中へと入れ、事情を聞く村人達に、男は必死の形相で言った。
「武装したバルバに襲われた! 次は、この村にやって来るぞッ!」
 ガタガタと震えながらの男の言葉は、村人達を恐怖に陥れる。
「ナナトはッ? ナナトは無事なのかッ?」
 男へと駆け寄り胸倉を掴んだヨミの問いに、男は項垂れ首を振る。
「皆、やられたんだ。皆……」
 その言葉に目を剥いたヨミは、踵を返し鍬を手に取った。ドアを開け、雨の中へと飛び出して行く。
「おいッ、待てよ」
 親友のルイも、急ぎ農業用の鎌を持って後を追った。
 すでに情報は広がり、逃げ惑っている村人達とは反対の方向へと、青年2人は走る。村の端、隣村へと続く道の前で、2人は足を止めた。
「泣いてんの?」
「まさか」
 ルイの隣に立つ親友は、全身雨でずぶ濡れになりながら、真っ直ぐと道の先を睨み付けていた。その顔を、幾つものしずくが流れ落ちていく。
「男が泣いていいのはな」
 徐に、ヨミが口を開いた。
「男が泣いていいのは、『親の死に目』と、『親友の死に目』の時だけだ」
 それ以外は、誰かを支えてやらないと。
 少し笑いを零し、真っ赤な瞳でルイを見遣る。
「だから、お前が死ぬ時には泣いてやる」
「そいつはどーも。俺も、お前が死んだら泣いてやるよ」
 2人で笑い合い、前へと視線を戻した。
「ナナトは親友じゃなかったけど、それでも仇を取ってやりたいと思うくらいには、仲良かったよ」
 ヨミの言葉に、ルイも頷く。
「そうだな。それに、バルバに俺達の村を荒らされるなんてジョーダンじゃない」
 少しずつ勢いを弱めていた雨が止み、薄っすらと雲の隙間より陽光が射す。陽が照らし出したのは、皮肉にも自分達の村へと攻め込もうとしている一団だった。
 イノシシの頭に筋肉質な体、革鎧でそのがっしりとした体を覆っている、ボアヘッド達だ。その数7体。
「攻め込めーッ!」
 ボスであろうボアヘッドが槍でこちらを示し、6体が走り寄って来る。
「ナナトやったのはどいつだーッ!」
 鍬と鎌を手に、2人は駆け出した。

「皆様初めまして、サミュ・グリフィスと申します」
 愛用の仕込み杖を手に酒場の一角で立ち上がった漆黒の魔法剣士・サミュ(cn0153)は、薄く微笑み、周りのエンドブレイカー達を見回した。
「アクスヘイムにある1つの村が、ボアヘッドの一団に襲われました。この村を救う事は叶いませんでしたが、その隣にある村には、今からなら間に合う事が出来るようです。ボアヘッド達は、どうやらアクスヘイムを襲撃する海賊の尖兵である様子。マスカレイド化したボアヘッドが1体と、それに従う普通のバルバ6体からなり、アクスヘイムの村々に潜入し、好き勝手に暴れ、略奪しているようです」
 バルバ達を送り込んでいる理由は、アクスヘイムの治安を悪化させ治安組織にダメージを与える事と、アクスヘイムの防衛状況を確認する為のようだ。
 それに加えて、バルバマスカレイドの襲撃を辞める事を引き替えに、金品を要求するという脅迫の下準備でもある。
「今回は、私と共に闘って下さる方を探しております。今から向かえば、雨が止む瞬間、彼等がボアヘッドを見つける瞬間に、駆け付ける事が出来ます」
 彼等とボアヘッドの間へと、割り込む事が出来る筈だ。
「マスカレイドとなったボスボアヘッドは槍で、普通のボアヘッドは大剣で攻撃してきます。彼等は戦うのを楽しんでいる節があるので、逃げる心配はありません」
 そこで言葉を切ったサミュは、仕込み杖を持つ手に力を込める。
「村もそうですが、私が救いたいのはヨミとルイです。彼等は、私達がエンドブレイカーだと名乗り、逃げるよう言っても従わないでしょう。ですが、私達が闘う事には納得する筈です。彼等を護る為に、どうかお力をお貸し下さい」
 よろしくお願い致します、とサミュは頭を下げた。


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参加者
碧蒼氷珠・ラグウェルト(c01406)
まおとこものくちぼく・ペンペロン(c03137)
ブランピエール・シゾー(c04150)
虎咆響刃・フェーン(c04218)
大ノソリンに会いたい・ミーア(c04380)
紫蘭・カロッサ(c09804)
槍の魔法剣士・カトル(c10474)
餓狼・リュウ(c15878)
求む平穏拒むは不幸・タケマル(c25048)

NPC:漆黒の魔法剣士・サミュ(cn0153)

<リプレイ>


「帰ったら一緒にご馳走たかりに行こうっすね?」
 弱まりゆく雨の中、村へと駆けながらブランピエール・シゾー(c04150)は両隣を走る、まおとこものくちぼく・ペンペロン(c03137)と碧蒼氷珠・ラグウェルト(c01406)へと笑いかける。
「そいつぁいい」
「……悪くはない提案だが、ならしっかり働けよ?」
 がってん、と答えたシゾーの言葉はまだ続く。
「パインって酢豚に入れるんすよね?」
 その会話が聞こえていた槍の魔法剣士・カトル(c10474)と漆黒の魔法剣士・サミュ(cn0153)は、後ろを走りながら互いの顔を見合わせる。
「なんの話なんだろうねぇ?」
「さあ。酢豚が食べたい話? でしょうか」
 更にその隣を走る求む平穏拒むは不幸・タケマル(c25048)と紫蘭・カロッサ(c09804)が続く。
「だけどどうしてここで酢豚?」
「なんでパイン?」
 その4人の言葉を遮り、「見えた」と前方から声が聞こえる。最前列を行く餓狼・リュウ(c15878)だ。リュウは両側を走る虎咆響刃・フェーン(c04218)と大ノソリンに会いたい・ミーア(c04380)と共に、グンと走るスピードを上げた。他の仲間達も、それに続く。
 薄っすらと射す陽光の中、彼等は青年達とボアヘッドの間へと割り込んで行く。駆け出そうとしていた2人の行く手を背中で塞ぎ、リュウは肩越しに鋭い視線を向けた。
「アンタら、勝てるのか? やってみなければわからないのなら……死ぬぞ」
「自分ら、エンドブレイカーっす。無謀をするというなら、引き留めるっすよ」
 言ったシゾーの前方ではノソリンに乗ったミーアが道を塞ぎ、ボアヘッド達の攻め込みを阻んでいた。
「愛と勇気のノソリンライダー、颯爽と参上です〜♪」
「ちょっとの間、待ってて貰いましょうかねぇ」
 同じく前に出ていたフェーンは奏鍵【静音】を突き出し、笑顔を浮かべたままボアヘッドへと牽制を行う。
「村1つ、間に合わなかったのは辛いけど……何でも出来るわけじゃないから。でも、これ以上の犠牲は止めてみせる。皆で」
 自分達の前へと立つカロッサに目を剥いて、ヨミとルイは「オレ達の邪魔するって言うの?」と、警戒の籠った声を出した。
「無謀と勇気は違うのは分かるよね。だから敢えて問わせて貰うよ。2人がここに来た理由を」
 雨避けに被っていたマントのフードを捲りながら、カトルは2人を見つめる。
「そんなの……友達の仇討ちと」
「村を護るため」
 両方だ、と答えた2人に、エンドブレイカー達の視線が集まった。
「気持ちはわかるけどねぇ。無謀ではあるよな」
 溜め息1つ吐き、リュウが言う。それに、ラグウェルトが続いた。
「あいつらの中には、マスカレイドが紛れている。俺達にしか倒せない相手だ。それでも奴らと戦いたいのならば、止めはしないが」
「無謀なのに?」
 驚いたように訊き返す2人に、ラグウェルトはフッと笑みを零す。
「嫌いではないな」
 例え、幾ら無謀だとしてもそれが仇を取るという確かな想いに基づいた行動であれば、否を唱える事はない。
「相手をやっつけるにはどう見ても人手不足だから、仲間に入れてもらうよ〜」
 笑顔のカトルに、2人は「本当?」と突然の仲間宣言に喜んだ。
「仇を討ちたい気持ちはわからんでもない。フォローはしてやる、しっかりやりな」
 ペンペロンの言葉は、更に2人を勇気付ける。
「武器が農具って辺りが少し不安だね」
 そう言ってタケマルが差し出したナイフを受け取ろうとする2人へと、「これもどうぞっす」と前方よりナイフが投げ渡された。
「うおッ!」
「あぶねッ」
 思わずナイフを避けた2人に、シゾーは残念そうな声を出す。
「使うか使わないかは任せるっすけど、キャッチはしてほしかったっすー」
「飛んでくるナイフなんてキャッチ出来るかーッ!」
 2人同時に叫び、それでもヨミはタケマルからナイフを受け取り、ルイは地面に刺さったナイフを抜き取る。鍬と鎌は、道端にある木の根元へと置かれた。
「そろそろいいかなァー?」
 コキコキと首を鳴らし、律儀に待っていたマスカレイドが問う。槍で肩を叩きながら、好戦的な笑みを浮かべた。
「強いヤツラは大歓迎さ。今までのヤツラは、手応え無かったからなァ」
 笑いを含むその台詞に、目を剥いたのはヨミとルイだけではなかった。


「来な、遊んでやるよ」
 低く返したリュウが間合いを詰め、戦闘が開始される。
 カロッサとタケマルがヨミの護衛に付き、カトルとサミュがルイの護衛に当たる。その4人を後衛に残し、6人はボアヘッドへと駆け寄った。
 真っ先に辿り着いたシゾーが、まずは部下のボアヘッドへと2段蹴りを喰らわせ、その頭部へと回し蹴りを入れる。
 ボスへの射線を遮るボアヘッドへは、リュウが棍を振るった。纏めて2体を横へと薙ぐ。
 1体に1人が付こうとする仲間達を超えて来る部下には、カロッサがツイと閉じた扇を突き出した。それと同時に、幾本もの邪剣が頭上へと現る。扇の動きに合わせ、剣は黒い霊気を纏いボアヘッドへと突き刺さっていった。続けてタケマルが毒ナイフを投げ、それ以上の侵略を防ぐ。
 ボスへと近付こうとするリュウとノソリンに乗ったミーアには、部下達が邪魔に入っていた。
「行かせねェー」
 笑いながら、1体が大剣を振るう。火柱を伴った強烈な斬撃は2人の間へと振り落とされ、2人を業炎で包んだ。もう1体はリュウの腹へと不意打ちの蹴りを入れてから、「吹っ飛びなァーッ」と荒々しく大剣を振るった。
「リュウさんッ」
 吹き飛ばされたリュウを振り返ったミーアへと、ボスが高く跳び上がる。頭上から槍を突き刺し、容赦なくミーアを踏み付けた。
 すぐさま、ラグウェルトが水晶群を創造する。ミーアを取り囲んた水晶は治癒結界を構築し、眩い浄化光を発生させた。
「ラグウェルトさん、ありがとうなのです〜♪」
 その横では弾丸に祈りを捧げ、フェーンが妖精の矢を放つ。部下の脚を撃ち抜き、その動きを鈍らせた。
「ノソリンと一緒にがんばるのです〜♪」
 ノソリンに乗ったまま、ミーアは巨大なエネルギー球をボスへと放つ。だが槍を構えたボスは、槍の一振りでそれを防いだ。
 飛び出して後衛の方へ向かおうとする部下へは、素早く気付いたペンペロンが体当たりして邪魔をする。弱点箇所を見破り部下の頭部を攻撃すると、脚部もろとも破壊した。
「悪いがここから先は通行止めだ。他に行かせる気もないがな」
 睨み付けてくるボアヘッドへと、ニヤリと口角を上げた。
「まだ近付けさせるワケにはいかないよねぇ」
 もうちょっと弱ってからおいでね、とカトルは頭上で槍を回転させる。稲妻の闘気を込めると、神速の投撃を放った。
「弱るのは、オマエラだろ」
 笑いを含んだボスの言葉を合図に、ボスの傍にいる3体の部下が一斉に大剣を振りかぶる。刃が大きく弧を描くと、前衛にいる5人をことごとく吹き飛ばした。
「くっ」
 フェーンとペンペロンは後衛の仲間の元へと飛ばされるが、残りは遥か後方まで飛ばされた。
 戻って来ていたリュウが、自ら出て来ようとするボスへと駆け出す。その後を、フェーンとペンペロンが追った。
 敵は、マスカレイドも含めまだ7体。
「ちょっ……、これってヤバくねぇ?」
 背後からの声に、護衛の4人は覚悟を決める。敵がここまで来るのは必至だ。案の定、3人を抜けて来た2体のボアヘッドは、真っ直ぐにこちらへと駆けて来ている。
「うおおおおおーッ!」
 突如聞こえてきた雄叫びに、全員が振り返る。漆黒の鎧に身を包んだ、煮え滾る冷酷な狂気・グリゼル(c31152)だ。駆けて来たグリゼルは、抜けて来た2体には見向きもせずにボスへと飛び掛かって行く。ブレス機でその体を挟み斬り刻んだ。


 後衛にまで来た2体のボアヘッドの前には、2つの影が割り入る。氷凛姫・サネリア(c01850)とカトレード家侠客・カナリア(c29017)だ。それぞれがアイスレイピアと太刀で、ボアヘッドを弾き返した。
 後方より飛んできた無数の矢は、幕のように一斉にボアヘッドを射抜き妨害する。
「サミュ」
「恐れ入ります」
 銀鴉・メノ(c11527)より力を得たサミュは3人へと笑み返し、仕込み杖を引き抜いた。氷雪斬りから三連魔天斬りへと形を変え、目の前にいるボアヘッドへと刃を放つ。
 もう1体へは、ラグウェルトの召喚したリングスラッシャーが向かった。まず頭を掠めた光輪は、何度も繰り返しボアヘッドの身を斬り裂いてゆく。
「お前は俺が、相手していた筈だ」
 言ったラグウェルトは、「俺がいなくて寂しかったのか?」とボアヘッドへと皮肉めいた笑みを吐き捨てた。
「ここは僕達に任せて、ね」
 ヨミの護衛へと立った君に花を捧ごう・リーアン(c22531)の言葉に頷き、カロッサ、カトル、タケマルの3人は前衛の合流に向かう。
「まさかちっちゃいのに負けるつもりはないっすよね?」
 凄い勢いでボアヘッドの前へと戻って来たシゾーが、部下達を挑発し連続でジャンプする。天高く跳ね、2体の部下へと回転突撃した。一方はダメージを受けるが、もう1体は大剣でその攻撃を防御する。
 攻撃を受けた部下へと、奏鍵【静音】で狙いを定めたフェーンがダンシングショットを放つ。ボアヘッドが樹木に閉じ込められたのを確認すると、穏やかな笑みと共に妖精へと話しかけた。
「まずは1体ですねぇ? ジュズ」
 ボスの元へと急ぐリュウの前には、部下が立ちはだかる。ニィと笑うと大剣を振りかぶり、足を薙ぎ払った。手を付いたリュウへと、リーアンがライフベリーを投げつける。
「回復する、よ」
 浄化作用を持った2個のライフベリーは、リュウを癒す。
 タケマルは毒ナイフを部下へと放ち、猛毒に侵される数を確実に増やしていた。 
 その横を抜け、ペンペロンが部下へと駆けて行く。豪快に振りかぶった盾で何度もその頭を殴り付け、盾を構えたまま突進した。その衝撃に耐えきれず、部下が倒れ込む。
「中々やるな」
 ニヤリと笑んで、ボスが槍を頭上で回転させながらペンペロンへと襲いかかった。回転する勢いのまま、右へ左へと薙ぎ斬ってゆく。地面へと踏ん張る足ごと後退させられたペンペロンは、それでもこちらも負けぬ程の不適な笑みを浮かべていた。
「そっちこそな」
 ペッと血を吐き捨て、親指で口の端についた血を拭う。
 リュウは自分を攻撃した部下を掴み、後方へと投げ落とす。首を折り曲げられたボアヘッドは、そのまま力尽きた。
「ノソリンは強いんです〜♪」
 ミーアは騎乗突撃し、ボスへとノソリンごとタックルする。
 続けざま、カトルが稲妻の闘気を篭めた槍をボスへと投げ、革鎧ごとその体を貫いた。
 後方のアチウチカプ・ヴェルタ(c07378)は大きく息を吸い込むと、竜と化した火炎をボスと部下目掛け勢いよく吹き付けた。
 カロッサは香蝶封月を広げ、舞で颶風を発生させる。それに飛び乗り、神風の如く目の前にいる部下へと突撃した。
「これで4体だね。残るは……」
 そう呟き、心配そうにカロッサは後方へと目を向ける。
 残る2体へは、カナリアが緩やかな弧を描く斬撃を与え、メノが風に乗り連続回転蹴りを叩き込んでいた。
「両手でしっかりとナイフを握れ」
「迎え撃つ為に、構えるのですわ」
 ラグウェルトとサネリアの指示に従い、ヨミとルイがボアヘッドへと攻撃する。
「腹が空いている。そこを狙え」
「刺したら横へと薙ぐのですわ」
 2人は無我夢中で言われるまま、ひたすら慣れないナイフを操る。2度3度とボアヘッドの腹を突き、横へと斬り裂いた。
 地面へと倒れたボアヘッドに、ポタリポタリと透明なしずくが落ちてゆく。
「こんな思いは……もう、誰にもして貰いたくないよ」
 顔を伏せ言った2人に、ラグウェルトは黙って頷いた。親友から預かったままのペンダントへと、指先で触れる。
(「もし、お前が誰かの手によって死んでいたら?」)
 考えたくも無い仮定に首を振り、ラグウェルトは残っているマスカレイド目指し、駆け出した。


 ちょこまかと動いたシゾーが仲間の影から飛び出し、ボスの頭上へと舞い上がる。急降下と共に脳天を突くと、回転しながら突撃した。
 タケマルは毒ナイフを投げ、ボスへと猛毒を与える。
「ハハッ。オマエラ、面白いねェ」
 不利な立場にも関わらず嬉しげな笑みを浮かべ、ボスはトンと槍の柄で地面を叩く。稲妻の闘気を篭めると、カトルへと投げつけた。
 カトルは素早くマントを剥ぎ取り、槍を薙ぎ払い防ぐ。
 駆け付けたラグウェルトが、すぐさまリングスラッシャーを放つ。何度もマスカレイドの体を斬り裂いた光輪は、腹にある仮面へとぶつかり爆破した。
 ミーアはノソリンで突撃し、尻尾の一撃で薙ぎ払う。
 邪剣の群れを召喚したカロッサは、霊魔を宿した剣をボスへと突き立てていった。
 ボスの目の前へと近接したペンペロンが外皮を破壊し、槍を持つ手を破壊する。
 リュウがみぞおちへと両掌を突き出すと、軽く触れた掌からは爆発的な気が流れ込んだ。後ろへとよろめいたボスに、フェーンが世界樹の弾丸で脚を撃ち抜いた。
 カトルは地面へと槍を突き立てる。地面からは大量の槍が発生し、マスカレイドの仮面ごとボスを串刺した。無数の槍は高々とその体を持ち上げ、仮面を破壊した。
「ボク達の勝利です〜♪」
 ノソリンを撫でながらのミーアの声は、ヨミとルイにも届く。
「やったぜーッ」
 両手を上げる2人には、笑顔が戻っていた。
 だが2人を待っていたのは、シゾーとリュウからのお説教だ。
「君たち死んだら、他の悲しむ人いるでしょ?」
 珍しく怒った顔で、シゾーは両手を腰へと当てる。
「気持ちはわかる。だがこれで死んでいたら、死んだ友が余計に悲しむぞ。『自分が死んだからだ』ってな」
 その言葉に、2人は唇を噛み「そうかもしれないな」と呟いた。
「友を悲しませたくないなら『生きて友を忘れない事』だ。それが、一番の供養になる」
「まぁ、でも、生きてて何よりっすよ。君たちも自分たちも。今度からはちゃんと間に合うように自分も頑張るっすから、無茶は控えようっすよーう」
 笑顔に戻ったシゾーにつられ、2人も笑顔を浮かべる。そうして、エンドブレイカー達全員を見回した。
「ありがとう」
 そう言った2人に笑顔を浮かべ、カトルが問いかける。
「怪我は無いかい?」
「ああ。全然へっちゃら」
「皆が護ってくれたから」
 そう言った2人の肩には、ペンペロンの大きな掌が乗った。
「よくやったな」
 それだけの言葉と共に離れていった手は、だが2人の心に余韻を残す。
「被害にあった村に行って、葬儀なりの手伝いを。助けられないのなら、せめて弔ってあげたいからね」
「辛いけど、しないとね。残された人が、顔を上げて生きていく為に」
 タケマルとカロッサの言葉に、その場にいる全員が頷いた。
 晴れやかな気分とはいかないが、隣の村目指し足を踏み出す。だがそこには、確かに光が射しているのだ。



マスター:小沢望朱 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:9人
作成日:2012/07/28
  • 得票数:
  • カッコいい9 
  • ハートフル1 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
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