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【領主館潜入】散らばった糸口

これまでの話

<オープニング>

 使用人達の朝は早い。まだ星霊建築の天井も明るさを発していないが、この時間に朝食を取りながら使用人頭セバスチャンの伝達を聞くのが日課になっていた。
「これ何の肉だよ、筋ばってて不味い事不味い事、コック首にならねぇのかな?」
「残飯の中に人骨があったって噂だぜ」
「じゃあこれは人肉って訳だ。だとしたらやせ細った老人のだな。ハハ……」
「噂だよ、噂」
 乾いた笑いが起こったところでセバスチャンの怒声が飛ぶ。
「お前ら、ちゃんと話を聞け! そんな事だとあいつらみたいに盗賊に殺されるぞ!」
 セバスチャンが雷を落とすと場が静まり返る。
 先日、盗賊が侵入し若い庭師と使用人が殺害されたのは記憶に新しいが、その分仕事が増え使用人達は辟易していたのである。
「御館様は使用人の募集掛けて下さっている。それと、新しい騎士様も仕官されたし盗賊の好き勝手にはさせんだろうがな。ただ、相当気難しい方が多いから騎士様の部屋には無駄に近づくなよ。機嫌を損ねて無礼討ちにされても知らんぞ」
 そう言ってセバスチャンは今日の予定を話し始める。
(「そういや、夜中庭園で骸骨の騎士が彷徨うって話聞いたか?」)
 一人の使用人が小声で話し始めると、
(「出所は大酒飲みのジャン爺だろ? 酔って小便漏らした言い訳じゃないのか?」)
(「違いない違いない。小便漏らしてセバスチャンにえらい怒られたらしいからな」)
 声を殺した小さな笑いが起こったところで、別の使用人が口を開く。
(「そういやあのボンボンまた来たらしいぜ」)
(「もう諦めればいいのにな。お嬢さんと結婚したいと言って御館様に蹴り出されても、まだ来る根性は認めるけど、あきらめが悪いよな。御館様の機嫌損ねて結婚なんか出来る訳ないのに」)
(「そのせいでお嬢さんが塔に閉じ込められてるらしいじゃないか」)
(「それでお嬢さんを最近見なかったのか、庭園を散歩するお嬢さんを笑顔が一番の楽しみだったのになー」)
 何人かの使用人がまったくだ。と頷いたところで、
「お前らはわしの話を聞かんかー!」
 またセバスチャンの雷が落ちるのであった。

「巡察役人の事件覚えてる?」
 エアシューズの魔曲使い・ルトゥンが手帳を開きながらエンドブレイカー達を見る。
「あの事件では多くのエンドブレイカーが『巡察役人を派遣している領主が怪しい』って意見が出てたんだけど、ちょっと前にその領主が特定できたのね。それで、今回その領主の館に盗賊が入って若い庭師と使用人が殺されたとかで新しい使用人の募集が出たんだよ」
 ページをめくりながらルトゥンは続ける。
「これは潜入する大チャンスだと思わない? 皆は使用人として館に潜入して事件の情報を集めて来て欲しいんだよ。私は流石にノープロブレムって訳にはいかないから無理だね。ま、メイドの募集でも似合わないしね、あはは」
 とルトゥンは笑う。

「使用人としてちゃんと仕事をこなして『使用人として怪しまれない範囲で、出来るだけ情報を集める事』これが一番重要ね。仕事せずにクビになるってオチは笑えないよ? 怪しまれてクビになっても同じなので、気を付けて情報を集める事に集中する事」
 指をちっちっと左右に振りルトゥンは続ける。
「集めた情報を元に次どう動くか考える事になるから、正確な情報が多いほど良い手が打てる。事前の一策は事後の百策に勝るって言うじゃない?」
 手帳を閉じてルトゥンは皆の眼を見る。
「敵の本拠地に乗り込むという危険はあるけど、虎穴に入らずんば虎児を得ずってね。武器を手に取らない戦いもまたエンドブレイカーの戦いよ。マスカレイドのもたらす不幸なエンディングを1つでも多く叩き潰す為、宜しくお願いするわ」
 ルトゥンと握手を交わしてエンドブレイカー達は使用人として屋敷に潜入する為、酒場の扉を開けるのであった。


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参加者
凍てつく大地に一輪の花・アス(c00487)
翠玉の狩人・ユーラティア(c00678)
黒影の重騎士・ジョルディ(c00919)
護り手の・ダリオ(c00982)
千刀狩の守人・ルーン(c01799)
光に従属する者・アルバート(c01917)
剣の魔法剣士・カナト(c02601)
太刀の魔法剣士・クリュウ(c02651)
アイスレイピアの星霊術士・ライ(c03661)
見習い衛犬・エキュー(c10551)

<リプレイ>

●職務遂行
「そこの木は短めに……そう、今のおめーの左手の位置、そうそんぐらいじゃ」
 ジャン爺が脚立に乗って剪定バサミを持つ凍てつく大地に一輪の花・アス(c00487)に、指示を出すとわかりましたと返事をして枝を切りはじめる。
(「足跡とかは流石に判らないなぁ」)
 その向こうでは翠玉の狩人・ユーラティア(c00678)が注意しながら雑草抜きに汗を流し、アイスレイピアの星霊術士・ライ(c03661)が中庭に立つ塔を見上げながら落ち葉を掃き中庭を回っている。先ほど纏めたゴミは護り手の・ダリオ(c00982)がゴミ捨て場に持って行ってるハズだ。

「これでよろしいでしょうか?」
 騎士に問うと、フルヘルムにスーツアーマーという格好のまま、無言で首を縦に振る。フルヘルムに遮られその表情を覗う事できない。黒影の重騎士・ジョルディ(c00919)と見習い衛犬・エキュー(c10551)の2人は頭を下げると、書棚移動の仕事を終えキツい香水の臭いのする部屋を後にする。
「あんな臭いの部屋、俺だったら住むの無理だけどな」
 エキューが言うとジョルディもまったくだと同意を示す。丁度別の部屋に壺を運びに行っていた剣の魔法剣士・カナト(c02601)が、失礼しますと言いながら部屋から出てきたので合流する。
「そっちの騎士様もフルヘルムつけて無言で首を振るだけだったか?」
「いや、普通に会話したよ? 鎧も着けてなかったし」
 ふむ、全員があんなのではないのかとジョルディとエキューは腕を組む、二人が行った部屋は2部屋共同じ様な騎士だったのだ。
 屋敷は上から見ると『H』型をしており、彼らが居るのは右側の縦棒部分に当たる東棟の2階になる。ここは護衛達の部屋になっており、騎士達がそれぞれ部屋を割り当てられていた。

 千刀狩の守人・ルーン(c01799)は買い出しを引き受け、頼まれた品以外にも使用人達やコックなど個人的な買い物も聞いてまわり気が効く新入りとしての地位を固めつつある。
「ああ、そうだ新入り。主棟地下に貯蔵庫番の爺さんが居るんだが、爺さんにも買い物が無いか聞いてやってくれよ。爺さんは使用人食堂で飯食わないので会ってないだろう?」
 そうコックの一人に言われ、判りましたと返事をして貯蔵庫向かう。
(「おっと……これは……」)
「なんじゃ、お主は?」
 貯蔵庫番の爺さんの問い掛けに最近入った新人の使用人で、買い物ついでに個人的な買い物が無いか聞いておりコックに貴方の分を聞く様に言われた旨を伝える。
「そうかそうか、気遣いすまんな。今は特にない」
 そう言われて、それではまたと後にする。
 爺さんの顔には見慣れたマスカレイドの仮面があったが、備えていたルーンは不自然な行動を表に出さず仮面など見えぬかの様にやり過ごした。

 東棟1階にある厨房、コックたちが腕を振るい、使用人やメイドが料理を運び出す。
「そうだ、新入り達。明日、多めの食材が入るので、明日届く分は主棟地下の食糧庫に入れてくれ。貯蔵庫番の爺さんが居るので行けば判るから」
 今日の分の食材を運び終わった光に従属する者・アルバート(c01917)と太刀の魔法剣士・クリュウ(c02651)にコックの一人がそう言うと、
「「判りました」」
 2人は声を揃えて素直な返事を返す。
「俺は明日からやっと休みだぜ、今日まで休んでた2人はまだ会ってないよな? 無口だけと悪い奴じゃないから宜しくしてやってくれ」
 初日から気さくに声を掛けてくれたコックがそう言って2人を送り出す。

●動く為の備え
 皆はいきなり動く愚を犯さず、最初数日は相互の接触も避け真面目に仕事に従事してきた。その為『良く働く真面目な新人』として先輩使用人達も胸襟を開きつつある。
 東棟の地下にある使用人達の部屋で夕食後、アスの提案で先輩使用人達とゲームをする流れになり、空き部屋となっている使用人室に皆が集まりカードゲームに興じる。
「しかし、お前らも料理不味いと思うだろ? 前はもっと美味かったんだけどな」
 先輩の一人がカードを切りながら愚痴をこぼす。
「何時から変わったんです?」
 すかさずクリュウもカードを切りながら問うと、次の番である別の先輩が、
「前のコック長が田舎に帰るとかで御屋形様がイアーゴを連れてきたんだよ、3月の頭ぐらいだったかな? それから味おかしくなった、舌おかしいんじゃねーのかあのコック長」
「誰も文句を言わないんですか?」
 一番若いエキューが直ぐにカードを切りながら問うと、
「御館様が連れてきた料理人で、御館様が文句を言わないなら俺達に言う権利はねーよ、よし上がり」
 先輩使用人が最後のカードを切って一抜けする。
「一つ聞きたいのですが、御館様方には最初のご挨拶以降お会いしてないのですが、西棟に居られるのですか?」
 ジョルディの発した質問に別の先輩がカードを切りつつ答える。
「そうだな、西棟の3階が御館様と家族の部屋になるから俺達もあまり顔を合わさないね。奥様のお嬢様と女性がいるのと、メイド達の部屋が向こうの地下にあるし、彼女らが主体になる。 けど御館様の執務室はこっちの東棟の3階にあるからその内会えるんじゃないかな? 会った時は失礼のない様にな」
「奥様は最近あまり出てこないしね。お嬢さんは塔に閉じ込められてるそうだしなぁ、よし上がり」
 別の先輩が続けてカードを切り2抜けする。
「さて、もうこんな時間だな。 あまり遅くなると明日が辛いしここらでお開きにするか」
 まだ聞きたい事は山ほどあったが、先輩達がそう言ってゲームを切り上げるのを食い下がる訳にもいかない。エンドブレイカー達はカードに紛れて回されたメモの内容を反芻しながらそれぞれの部屋に戻り、仲間と相談する。

●動き
 丁度『H』の上の囲まれた部分になる中庭は今日も剪定作業が続いている。なんせ盗賊に襲われ庭師が亡くなった為、本当は終えているはずの選定が沢山残っていた。
「噂のお嬢さんはあそこですか」
 剪定バサミで枝を落としながら、一緒に枝を落としている先輩使用人にアスが問い掛ける。
「らしいね、見た訳じゃないけど。前はよくここらを散歩されて気さくに声を掛けてくれたものだが、最近全然お見掛けしないし噂が本当ならそうなんだろうな」
 残念そうな顔をしながら先輩使用人も枝を落とすと、下でユーラティアが枝を纏めて縛ると担ぎあげる。スマンなという先輩使用人に、
「力仕事はお任せですよん、任せて下さい♪」
 と切れ枝の束を担ぎ上げる。
(「ふーむ、昼間は何も変化がなさそうですね、夜動いて見ますか……」)
 ユーラティアは顎に手を当て考えながら切り枝の束をゴミ置き場に置く。

 ダリオとライが庭仕事が一段落し、主棟から東棟に戻ろうとしていると玄関でセバスチャンが何やら強い調子で来客に対応しているのが目に付いた。
「ピエール様、何度も申し上げますが御館様も御嬢様もお会いにはなられません。お引き取り下さいませ」
 セバスチャンは口調こそ丁寧だが有無を言わさぬ圧力の様なものを感じる声で、まくしたてる良い身なりをした若い男性を諭している。丁度目の端に2人を見つけ手招きすると、
「お客様がお帰りだ。門扉の外まで丁重に送って差し上げる様に」
 セバスチャンの指示にダリオとライは失礼のない様に門まで送る。ピエールの方も事を荒立てるつもりはないのか、しぶしぶではあるがおとなしく従ったのでライはひょいとピエールの瞳を除き込む……特にエンディングは見えない。
(「何か困ったらここへ」)
 門から送り出す時、ライは小声でそう言い、ピエールにエンドブレイカーが集まる酒場への道程を書いたメモを握らせた。
 最もライは後で、彼の事をセバスチャンに聞く訳にもいかず先輩使用人達もどこかのボンボンとしか判らなかった為、買い物に行くルーンに接触をお願いすればよかったかな? と後悔する。ピエールが能動的に動いてくれるまで接触する機会を失ってしまったのである。

「そうだなぁ、新しいコック長が来たのが3月頭だから、4月ぐらいじゃなかったかな? 結構な数のメイドが辞めたのと、例の盗賊騒ぎで俺らもメイド達も人数減って大変だったので、お前らみたいな良く働く新人が入ってきてくれて嬉しいよ」
 西棟の1階にある舞踏室からH型の横棒部分に当たる主棟を通って東棟の1階にある晩餐室へ荷物を運びながらカナトの質問に先輩使用人は答える。
「騎士様達はどんな人なんですか?」
 目をキラキラさせながら尋ねるエキューに、
「色んな人が居るよ、最近盗賊対策で大勢雇われたけど、昔お屋敷で働いていた人の息子も居るし……いかにも騎士です。って感じのガッチガチの全身鎧の人が多いね、身振り手振りだけで指示するし喋ってるの聞いた事ないなぁ」
 どうもあの人たちは苦手だわと苦笑する先輩に、
「他に最近変わった事はありますか?」
 それとなくカナトが探りを入れると、
「盗賊の一件から騎士様が増えて夜間の見回りが強化されたね、昔はもっと夜騒げたんだけどね。後は例のメシが不味くなったぐらいだ」
 まったく勘弁して欲しいぜ。とボヤいたところで荷物の運び込みが終わり、
「OK終了。休憩しようか」
 先輩に言われて2人は東棟地下1階の使用人食堂に戻る。

「すいませーん、置き場所場ここでいいのでしょうか?」
 アルバートが食糧庫の奥から声を出すと、どっこいしょと貯蔵庫番の爺さんは腰を上げ食糧庫に入って行く。
(「事前に聞いていなければ危なかったですね」)
 残された形になったクリュウは小さな食材を棚に収めながら思案を巡らす。先日のカードゲームの際にルーンの『貯蔵庫番の爺さんはマスカレイド。仮面が出てるが反応しない様に』というメモを見てなければ危うく反応してしまっていたかもしれなかった。
(「…すけて」)
 その時クリュウは微かな声を聞く。空耳かと思ったが爺さんが普段座っている場所近くの重そうな扉から聞こえた様な気がしてそっとノックしてみる。
(「誰か、助けて」)(じゃらっ)
 今度ははっきり聞こえた。若い女性の声と鎖が床を引き摺る様な音、
「こりゃ、そこに近づくな!」
 後ろから爺さんの怒鳴り声が響き、クリュウは慌てて扉から離れる。
「ここは御館様の為の高級食材の貯蔵庫じゃ、わしやお主らでは一生食えん様な物ばかりじゃ、盗み出したりしたら首だけでは済まんぞ!」
 怒る爺さんにすいません慣れてなくてと平謝るクリュウ。戻ってきたアルバートも一緒に頭を下げる。
「いや、怒鳴ってすまんかった。ここの番がわしの仕事故、悪く思わんでくれ。じゃあそこの箱を厨房に運んでくれ」
 気を取り直した爺さんに頭を下げ、2人は食材の箱を持って厨房に運び込むと昨日まで休みだったという2人のコックが受け取る。
「見ない顔だな……ご苦労さん」
 そっけなく受け取るコックに荷物を渡して2人は戻る。目配せの意味はお互い理解していた、今のコック2人にマスカレイドの仮面が浮かんでいたのである。

 ダリオとジョルディは古参の庭師であるジャン爺の部屋を訪ねていた。
「そうかそうか、わしの話を聞きたいか、年長者から色々聞いて自分の糧にするのはいい心掛けじゃ」
 酒も入ってジャン爺は上機嫌である。先輩使用人達の言動からあまり敬われているとは言い難く、こうして慕ってくれるのが嬉しいのだろう。
「昔は酒場にもくり出せたんじゃが、盗賊の一件以来警備強化のあおりで夜に出るどころか、屋敷内も自由に動けなくなったからのぅ……最も夜出歩こうと思わんが。こうして休日に買いこんだ酒を飲むぐらいしか楽しみがないわい」
 雑談で気を良くして、愚痴るジャン爺に2人は目配せしてダリオが切り出す。
「そう言えば中庭で骸骨の騎士をご覧になったとか」
 ビクッとジャン爺の肩が震える。ああ……見たとも、お前さんらは信じてくれるか? と問うジャン爺に2人はコクコクと首を振る。
「自分の手入れをした庭を見ながら酒を飲んでたんじゃが、重い足音がしたから茂みから覗くと、騎士と言うか人間を骸骨が覆っている様な化け物が爛々と目を輝かせて歩いとったんじゃ、びっくりしたが、声を出したら危険と思いそのまま潜んでおったんじゃが、そいつがこっちを見ての。心臓が締め付けられる思いじゃった」
 ジョルディは身を乗り出して聞きながら、それで? と続きを促す。
「そこから記憶がないんじゃ、気がつくと朝でセバスチャンに頬を叩かれて目が覚めてな。けど夢じゃないんじゃ、はっきりと覚えとる」
 もう一度肩を振るわせたジャン爺にジョルディが問う。
「どのあたりを歩いていたのですか?」
「そうじゃの、中庭の一番奥の辺りを西棟から塔の前を通って東棟側に歩いとった」
 思い出しながら答えるジャン爺の説明にダリオが思いを巡らせる。
(「西棟から……騎士の控室は東棟の2階だから逆だな、何かをした帰り? それとも騎士とは違う?」)
 思考はそこで停止される、流石に遅くなったのでジャン爺が明日の仕事に差し支えるからとお開きにしたのだ。ただ、上機嫌でいつでも話を聞きにきていいぞ、とジャン爺は酒臭い息を吐きながら笑顔で2人を送り出してくれた。丁度廊下でユーラティアに会う。
(「フルアーマーの騎士が2人一組で巡回している、夜の探索は骨が折れそうだ」)
 小声で2人にそう伝え、お互い部屋に戻る。

(「何が我ら誇り高き騎士団だ、反吐が出る」)
 アルバートは先程の騎士との会話を思い出していた。買い物の御用聞きまわりで、昨日まで出掛けていた騎士と初めて会ったのだ。
 騎士はホフマイスターと名乗りフルアーマーの騎士達の団長である事を教えてくれた。騎士団として沈黙を是としている為、君達使用人に不快な思いをさせたかもしれんと頭を下げた。御館様の元で一緒に働く事になった身、仲良くやろうと握手をする。
「私達が来たからには盗賊供など好き勝手させんよ、大船に乗った気で居てくれ。部下達から要望があれば私から伝えるので、部下達の部屋にはあまり入らなくてよいぞ」
 普通であれば違和感はなかったろう。だがアルバートはホフマイスターの顔に浮かぶマスカレイドの仮面を気付かない様にする事で精一杯だった。
(「団長がマスカレイドなら部下も同じと考えておいた方がよさそうだ。ちょっと多いな」)
 新しく雇われた騎士の中でホフマイスターが部下といったフルアーマーとフルフェイスで顔が見えない騎士は大半を占める。
(「仮面を出したままなのは有り難いが、出してないのも居るんだろうな。さて、どう動くか、皆と相談しないと」)
 騎士やコック、貯蔵庫の爺さん、他にも遠方への買い付けを担当しているとセバスチャンに紹介された使用人にも仮面があった。

 散らばった糸口は途中で途絶え、また依り合わされ大きな糸になる可能性を秘めている。エンドブレイカー達は自分達の集めた情報を再度吟味し、どう動くか? 思考の網を張り巡らせていた。



マスター:刑部 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2010/06/04
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  • 知的48 
冒険結果:成功!
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