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【迷い込む獣は仮面を求めるのか?】前編

これまでの話

<オープニング>

「こんにちは、皆さん!」
 元気良く声を響かせるのは、トンファーの星霊術士・タルク(cn0162)だ。
「黒の塔の塔主さん、緑の塔の塔主さん、銀の塔の塔主さんの3人から、勇者マギラントが封印した『見えざる敵』の討伐に協力して欲しいというお願いが来ているんだ」
 タルクは嬉しそうに話している。ちなみに、今日用意してあるのは、小さく切ったパンに小さな目玉焼きが乗っている……手間のかかりそうな品だった。
 タルクの説明によると、『見えざる敵』とは『マスカレイド』で間違い無いらしい。この話は塔主と交流したエンドブレイカーからの情報だ。
 封印されている場所は広大な迷宮らしいから、まずは、迷宮を探索して『封印された見えざる敵、マスカレイドと戦う』事になるだろう。
「と言う事なので、勇者マギラントさんは『マスカレイドの事を知っている人で、なおかつ封印は出来たけど、滅ぼす事が出来なかった』のだと思うのです」
 そう、タルクは予測している模様。
 また、勇者マギラントは、勇者の船で旅立つ際に『勇者と共に、この封印の地の攻略を果たしたものこそ、我が後継者となるだろう』という言葉を残しているらしく、3塔主もかなり気合いが入っているらしいとの事。

「それで、依頼を引き受けるのはもちろんなんだけど、3つの塔主さんから同時に依頼されたから、どの塔主さんから依頼を引き受けるかは、皆さんに決めて欲しいのです」
 そう、話を聞いているエンドブレイカーたちに説明する。
 今回の依頼は特殊で、引き受ける際には3つの黒の塔、緑の塔、銀の塔のいずれかの塔主を選択します。そして、その塔の従者兵器さんが協力してくれるのです。つまり、黒の塔であれば『レッサーデモン』、緑の塔であれば『アサルトバグ』、銀の塔であれば『マシンフェアリー』が協力してくれるのです。
「3つの塔の従者兵器さんについておさらいしますね」
 『レッサーデモン』影のような姿をしたデモン型の戦闘兵器。攻撃方法は、通常攻撃以外に、自分達がアビリティで攻撃されると、それを真似た攻撃を行います。
 『アサルトバグ』巨大化した虫達に魔力を持たせた戦闘兵器。同行するのはカマキリに似たタイプで接近戦を得意とします。
 『マシンフェアリー』フェアリーに機械的な鎧や武器を持っている姿です。攻撃力は高いですが、耐久力は低めです。
「従者兵器さんたちは、皆さんの指示に従ってくれますので、一緒に協力してくださいね」

 静かで暗い迷宮を4人のエンドブレイカーたちが進む。その後ろには従者兵器らしき姿がおぼろげに見える。迷宮を進むエンドブレイカーの手には、塔主からもらった地図がある……が、古そうな地図で、あまり信用出来そうにないが、それでも役には立つだろう。
 地図には、注意書きが残っている。注意書きから推測するに、どうやら半日程度しか探索に費やせる時間は無いようだ。それ以上の時間を費やすと、『見えざる敵』が解放され、野に放たれてしまうらしい。素早く探索を成功させれば、戦いが有利になる……ような事も書かれている。
 事前の調査結果によると、自分達が進むべき区画には、動物型の生き物が見られるらしい。その調査のときにも迷宮を進んでいく獣の姿が目撃されたとの事だ。また、奥では、獰猛な動物が襲い掛かってきたという報告もある。時間制限もあるので、場合によっては戦いを避ける必要もあるかもしれない。
 慎重にエンドブレイカーたちは迷宮に足を踏み入れるのだった。そして、その背からは、獣が数匹、まるで何かに誘われるかのうように迷宮の奥に向かって行くのだった。

 【!重要!】
 このシナリオの参加費用は「★1.5」となります。予約には、更に「+★0.5」が必要です。
 また、このシナリオは『前後編』のシリーズシナリオです。後編に参加するには、改めて「★1.5」が必要ですが、後編のシナリオは『前編(このシナリオ)の参加者』しか参加できませんので、予約は必要ありません。

 このシナリオでは『黒』『緑』『銀』のいずれかの塔と協力して、勇者マギラントが魔物を封じたという地底の巨大迷宮『封印の地』に挑みます。
 どの塔と協力するかは、他の参加者と相談し、プレイングの一番最初に明記してください。もし参加者の意見がバラバラになった場合は、多数決でどの塔と協力するかを決定します(同数だった場合は、ランダムに決定します)。
 黒の塔と協力する場合は『レッサーデモン』、緑の塔と協力する場合は『アサルトバグ』、銀の塔と協力する場合は『マシンフェアリー』が、それぞれ皆さんを支援します。支援してくれる従者兵器の数は『参加人数と同じ』(四人の場合は四体)です。従者兵器はエンドブレイカーの指示に従い、皆さんと一緒に戦いますので、自分の従者兵器にどう戦ってほしいか希望がある場合、プレイングに書いておきましょう(特になければ、エンドブレイカーの役に立てるように頑張ろうとします)。
 それぞれの塔や従者兵器の特徴についての詳細は、以下を参照してください。
 http://t-walker.jp/eb/html/world/1w04_polis.htm#006

 シリーズシナリオの運営後、このシナリオは『更にボリュームアップした小説』化されて、株式会社パピレスが主催する『エンドブレイカー!リプレイコンテスト』にノミネートされる予定です。
 このシナリオを元にした小説がコンテストで入選した場合、参加したお客様には、参加費用の一部キャッシュバックが行われます(トミーウォーカーより、該当シナリオの参加者に★を付与いたします)。

 このシリーズの運営スケジュールは、以下を予定しています。
 http://t-walker.jp/eb/html/notice/2012_upppi_scenacon.htm


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参加者
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
なまくらジェーン・マリアベル(c22282)
霧氷の城塞騎士・エミリオ(c31551)
猫好きな地進星・アイル(c32747)

<リプレイ>

 エンドブレイカーたちは、『見えざる敵』が封印されている迷宮に向かっていた。依頼を受けたのは、相談の結果、緑の塔となった。迷宮の入り口では、一緒に協力してくれるアサルトバグが待っている予定だ。
「私、この依頼が終わったら猫カフェに行くの」
 唐突に今後の予定を呟く猫好きな地進星・アイル(c32747)。危険に向かう前に、今後の予定を呟くのはあまり縁起の良い事ではない……という迷信が、ある物語に載っていたので、それを真似したのだと思われる。
「私、この依頼が終わったら、あの子に面白い土産話をします」
 そんなアイルの言葉に便乗する霧氷の城塞騎士・エミリオ(c31551)。
「じゃあ、みんなの案を取り入れて、終わったら知り合いも誘って、みんなで猫カフェで依頼成功祝いをするのもいいですね」
 と、阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)もそんな事を言うのだった。
 そんな仲間の姿を見ながら……。
(「己の身を賭してでも全員の無事の帰還を目指す」)
 そう、心に誓うなまくらジェーン・マリアベル(c22282)だった。

 エンドブレイカーたちが迷宮の入り口に向かうと、そこにはカマキリ型のアサルトバグが四体待っていた。見ると腕や足などに布が付いている……良く見るとリボンなどの飾り布のようだ。どうやら、少しお洒落(?)をしている様子。さらに動きの邪魔にならないように、小さなポーチを装備している。
「こんにちは、今日お手伝いしてくれるのは、あなた達ですか?」
 エミリオが聞くと、四体は揃って頭を下げる。そして、一体が自分のポーチを鎌で突っつく……どうやら、そのポーチは自分では開けられない様子。まあ、手は鎌ですからね。
「これを開ければいいのですか?」
 その仕草を見て、ルーンがポーチを開ける。すると、中には手紙と小さな冊子が入っていた。手紙は改めて依頼内容を再確認する内容と、冊子を読んで欲しいという内容だった。そして冊子には……『アサルトバグと仲良くなる10の方法』と書いてある。
「こういう本を見た事があるわ……流行っているの?」
 そう、アサルトバグを見つめて言うが、言われても困るだろう。アサルトバクは首を傾げている。
『アサルトバグたちには名前があります……』
 そして、その冊子には、この四体のアサルトバグについての説明が書いてあった。その中には、ネームプレートが付いていた。赤いリボンを付けた子はアカリ、黄色いリボンを付けたのはキラリ、青のハチマキをしているのは、アオリ……そして緑のマフラーをしているのはホンゴウ。
「そこは緑だからミドリとかじゃないの!」
「それにホンゴウなら赤のマフラーじゃないの!」
「そもそも、バッタじゃないんだから、その名前は違うんじゃないの!」
 怒濤のアイルの三連突っ込みだ。
 そんなアイルの反応に首を傾げるホンゴウ。
「あなたの名前はリュウジ、異論は聞きませんわ!」
 そして、ホンゴウと書いてあるネームプレートに『リュウジ』と書き直す。
 そんな様子にホンゴウ改めリュウジは両手(両鎌?)を上げてくるくる回る……喜んでる?
「どうやら、それが喜んでいる仕草のようです」
 冊子を読んでいたエミリオが冊子のページをアイルに見せて説明している。そのページには、肯定の仕草や否定の仕草、さらに困っている仕草などが書かれていた。
「ずいぶん、筆まめな人のようですね」
「そうですね、これでアオリさんとコミュニケーションが出来ますね」
「ですね。意志の疎通がしっかり出来るのはいいですね」
 感心した様子のルーンとエミリオだった。
 そして、各の担当するアサルトバグは必然的に決まった雰囲気だった。アイルはもちろんリュウジ、エミリオはアオリ、ルーンはアカリ、マリアベルはキラリだ。
「宜しく、キラリ」
 マリアベルはキラリの羽を優しく触れる。すると、嬉しそうに頭を振るのだった。
「気持ちが通じるのはいいですね」
 エミリオもアオリのは羽に優しく触れる。
「そうですね」
 そう言いながらキラリに言葉をかける。キラリは出来る事は首を縦に振って肯定し、出来ない事は首を横に振って否定する。理解出来ない言葉は首を傾げる。そんなコミュニケーションを取りながらも、少し違和感を感じるマリアベルだった。

 アカリたちとの作戦を確認した後に、持っていく装備の確認を行う。
「地図はエミリオさんにお任せします」
「はい、任せてください」
 四人のうち、一番の年長者であるルーンがリーダーの役割を自然に受け持つ。
 塔主から渡された地図をエミリオに渡して、一緒に地図作成を一任する。
「では、進みましょうか」
 そして、先頭はルーンでそれを追いかけるアカリ。その後ろに地図を手に持ったエミリオとアオリ。そしてエミリオを守るようにマリアベル(キラリ)とアイル(とリュウジ)が続くのだった。
 迷宮は暗い。すぐに照明に火を灯す。照明は手持ち式でシャッターが付いていて光の量を調整出来るタイプだ。地図を描いているので、手を開けたいエミリオだが、アオリが持つのは、さすがに難しい様子だった。

 ゆっくりと慎重の進んでいくと……後ろから走ってくる獣の足音が聞こえる。振り向くと、一匹の犬が走っていた。犬の大きさは大型犬サイズ。単毛で全身の毛は茶色だった。その獣はエンドブレイカーたちには目もくれずに、追い抜く。
「チェイスを使うわ」
 アイルはその獣にチェイスを使用する。これで十分間はその獣の方向が分かる。
 その獣はエンドブレイカーたちの少し先で、立ち止まり地面の臭いを嗅いでいる。そして、マーキングをしている様子だった。
 獣はしばらく止まっているので、先を急ぐエンドブレイカーたちは獣を邪魔しないように進む。すると迷宮の先から、獣のうなり声が聞こえる。ルーンがホークアイで遠くから様子を見ると、先の方では猫科の大型肉食獣(虎か豹に見える)と大型の草食動物(たぶん、イノシシ)が争っている。
「この先で、動物達が争っています。」
 戦いは大型肉食獣の方が不利の様子で、途中で逃げ出す……かに思われたが、逃げ出した方向はこちらで、どうやらイノシシよりも小さくて弱そうに見えるエンドブレイカーに狙いを定めたようだ。
「キシャァ!」
「シャァ!」
 すぐに反応したのは、キラリとアカリ。アカリはルーンを守るように動き、キラリはするに鎌を振りあげて、肉食獣を迎え打つ。
「キラリ、戦わないで」
 マリアベルは慌ててキラリを制止する。作戦は、囮の肉で気を引いてやりすごす作戦だ。キラリはぎりぎりのところで鎌を止める。
「ほら、肉だよ」
 エミリオが肉を投げると、大型肉食獣はそちらに向かって走り去る。
 危機が去ったと一段落する前に、追い抜いたチェイスを付けた獣が走ってくるのを感じる。
「大丈夫、こちらから手を出さなければ襲ってこないよ」
 そう、アオリに声をかけるエミリオ。アオリはその指示に従い、静かにしている。しかし、動く影があった、キラリだ。
「キシャァァ!」
 兵器としての戦いへの本能なのか、最初に出会った頃とは違う、獰猛な雰囲気を漂わせる。
「攻撃しては駄目だよ」
 マリアベルの動きは迅速だった。身を挺してキラリの行く手を遮る。命令に対して従順な態度を取るのは、従者としての特性か、それとも与えられた魔力からの制約なのか、キラリの体が強引な動きで停止する。
「大丈夫だよ……ね」
 マリアベルは獰猛な雰囲気を漂わせるキラリを優しく撫でる。その手から伝わる柔らかい温かさで、キラリの獰猛な雰囲気が氷解していくのを感じるのだった。

「ということだよ、分かったかな?」
 その後に、マリアベルはキラリを優しく、ゆっくりと叱っていた。怒るではなく叱るである。そして言葉は、命令ではなく、お願いだった。そんな言葉に一番戸惑っていたのはキラリだった。最初の態度であれば首を振るなどの行動を見せるのだが、それが無い。どうしていいか分からない……そんな雰囲気だった。
(「今後の為にも必要かな」)
 ルーンはそう思うのだが、これから強敵のマスカレイドと戦うのだ。与えられた従者兵器を駒として使う方法もあるだろうが、この四人は仲間として共に戦う道を選ぶ事になりそうだと感じていた。正直、こんな半日程度で、従者という関係が改善される保証は無いし、無駄に終わる可能性の方が高いと思う。それでも、口を出さないのだった。
 そして、マリアベルのお説教が終わった後、探索を続ける。キラリは正直、マリアベルの言葉を理解したとは言いがたい状況だった。だが、マリアベルは最初に決めていたのだ。アサルトバグ達を部下でもなく盾でもなく一人の仲間として扱う事を。だから、言葉で根気強く伝える努力を怠らない。例えその気持ちが通じなくとも……。

 エミリオは地図を描きながら進んでいく。途中に、分岐点ではチョークなどで地面に目印を付けて、迷わないように進んでいく。
「リュウジ、目印を付けなさい」
 アイルはリュウジの指示を出すが、細かい作業はどうみても苦手。それに対してリュウジは首を傾げて分からないアピール。
「こうするのよ」
 そして、手本を見せるアイル。命令をしているというよりも、一緒に遊んでいるような雰囲気である。
 マッパーの効果もあり、地図は順調に出来上がっていく……そして、はっきりするのは、迷い込んだ獣は順調に進んでいるという事だった。そして、獣の姿が、少しづつ変化していた。体毛が長くなったり、牙が異常に伸びたりしている。
 その獣は、途中にゆっくりしたり、突如走り出したりと、速度は色々だっった。だが、チェイスの効果で推測出来る位置は、迷宮の最奥へ向かう最短距離の可能性があるのだった。
「だけど過信は禁物かな」
「そうですね」
 ルーンの冷静な判断で、獣の行き先は参考とはするが、それだけに頼らずに自分達で地図を作りながら進むのだった。そして、適時チェイスを再使用しながら進むのだった。

 途中に何度も動物の……いや、動物なのかも分からない変質した生き物との戦いを避けたところで、迷宮の壁の形が少しづつ変わっていく。壁に模様が現れる。その模様は沢山の凸凹だ。
「なんだか、変な壁ですね」
 壁の模様を見て、エミリオが素直な感想を呟く。
「そうだね、それと……静かですね……」
 違和感を覚えながらルーンが呟く。
 壁の構造からなのか、進むほどに、周りから音が消えていく……言葉として口から出る音が、壁に吸い込まれていく。沢山の凹凸は音を吸収するのだ。だから、声が響きにくく、そして周りの音が伝わらない……。壁の凹凸は、どんどん深く、細かくなっていく。それに従い、どんどん壁が音を吸収していくのだった。
「……」
 エミリオは水筒から口に水を運ぶ。緊張で喉の渇きを感じている。アオリは、ひっきりなしに触覚を動かしている。マリアベルは無意識に歩幅が小さくなっている。
 思い空気が、エンドブレイカーたちを縛り付ける。その緊張はアサルトバグ達にも伝わっている。
「そろそろ休憩にしましょうか」
 そんな時に、大きな声だけど穏やかな声が発せられる。
「だけど、時間に限りがあるのだから、急いだ方が……」
 確かに、マスカレイドは時間の経過と共に封印を破るらしい。現在の経過時間は六時間だ。塔主から渡された地図で見るならば、迷宮はまだ六割程度だ。
「時間が限られていて、急ぎたくなる気持ちは分かります」
 一呼吸して、穏やかな表情で全員の表情を確認する。
「ですが、いざという時に力を出すためにもしっかり休みをお入れたほうがいいのですよ」
 そう、はっきりと言う。たしかに、仲間の顔には緊張による疲労の色が見える。
「私、お茶とお弁当を用意してきましたわ」
 ルーンに同意するようにアイルは荷物から、可愛い包みを取り出す。中には、お茶とおにぎりが入っていた。
「私が唯一作れる料理よ。みんなも食べてみて」
 おにぎりが唯一作れる料理というのもあれだが、みんなで頂く。簡易的な食料ではなく、手作りのお弁当は、皆の緊張を和らげるのだった。

 休憩の後、少し進むと急に道が開けてくる。塔主からもらった地図では、この付近は地図がほとんど読めない。しかし、他に道は無いし、チェイスを付けた獣は、同じ道を進んでいる。不安はあるが、この開けた道を進む。
 そして、その先に大きな両開きの大きな扉を発見した。その扉の中からは、まがまがしい気配を感じる。間違いなく、この中に『見えざる敵』……マスカレイドが封印されている……そう確信した。マリアベルは時計を確認する。まだ時間は八時間程度しか経過していない。マスカレイドが解放される前に、封印の間に到着したのだ。
「無事到着したのなら……」
 ルーンは自分たちが歩いてきた方向を確認する。そちらからは、チェイスを付けた獣が近づいてくるのが確認出来る。
「後顧の憂いを断ちましょう」
 ルーンが他のメンバーに合図を送る。
 ゆっくりと現れた獣は、かなり変質していた。首は二つに増え、尾は四本に増えている。目は赤く光り、口からは涎が垂れてる。
 四人は一斉に攻撃を仕掛ける。こちらの敵意に反応して、牙を向くが多勢に無勢。変質した獣を撃破する。
 しかし、その瞬間に周囲から、多数の殺気が放たれる。そして、こちらに向かって走ってくる獣の足音が響く。かなりの数だ。
「マスカレイドもいるようだね」
 マリアベルは敵の中にマスカレイドが含まれている以上、戦いを避けられぬと太刀を抜く。同時にアサルトバグ達も含め、全員が武器を構え、戦いが始まった。
 しかし、現れた動物達は烏合の衆だった。
「ほら、刃がいっぱいですよ。早く逃げることをお勧めします」
 エミリオの放つ大量のオーラの刃によって、逃げ出す敵も少なくない。
 マスカレイドが指揮しているのかと思ったが、そんな事はなく、過度の興奮からなのか同士討ちをしている敵もいる。さらに個々は弱く、大した脅威にならない。マスカレイドをアサルトバグ達がとどめを刺さないように指示を出しながら撃破していく。
 すべてのマスカレイドを撃破し、残りの動物を追い払う事に成功したところで、改めて感じる違和感。だが、その答えは分からない。
「これからが本番です。気を引き締めて行きましょう」
 そんな違和感を振り払うように、ルーンが明るく声をかけて、皆を振り返る。そして、最後の扉を開ける。『見えざる敵』を倒すために……。



マスター:雪見進 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:4人
作成日:2012/12/18
  • 得票数:
  • カッコいい7 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
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