ステータス画面

アサルトバグの森攻防戦:翠碧の盾

<オープニング>

●緊急事態
「大変な事が起きた! 皆、こっちに来てくれないか!?」
 メモ帳を手に、酒場に駆け込んできた雪硝子の妖精騎士・エリノア(cn0158)が叫ぶ。
 何事かと、酒場に居たエンドブレイカー達がそこに集った。
「皆も知ってると思うけど、七勇者マギラントの帰還宣言によって、パーティ中の緑の塔主さんが襲撃された。何とか逃げ出した彼女は今、アサルトバグの森に立てこもってる」
 とはいえども、所詮は森であり、その防壁としての役割には限界がある。エリノアはさらに話を続けた。
「前の話し合いの時に彼女、アサルトバグの長老とちゃんと和解してたのが幸いだったかな。恐らく、森にいた従者兵器のアサルトバグと光のアサルトバグが塔主さんと長老を守る為に戦おうとしている筈だ」
 ただ、アサルトバグは大して強くはなく、光のアサルトバグの力も、通常のアサルトバグと大差は無い。
 例え彼らが一致団結して塔主や長老を守ろうとも、それは時間稼ぎにしかならないのだ。
「このままじゃ、アサルトバグ達が壊滅させられてしまう。それは木と一体化して身動きの取れない長老も同じだ……何より、塔主さんの身が危ない」
 だから、君達の力を貸して欲しい――エンドブレイカー達の顔を見回し、エリノアは詳しい作戦を語り始めた。

●翠碧の盾
「今回、襲撃してくる銀のメイガス騎士なんだけど……実は、大半はマスカレイドじゃなくて普通の騎士さんなんだよね。ただ、銀の塔主さんと、帰還したマギラントの指示に疑いを持っていないだけなんだ」
 元々、アサルトバグは銀の塔の領民を襲撃する敵であり、緑の塔主も長い間、それにろくな対策も取らなかった。要は、快く思っていなかったのだ。
 悲しい話だが、メイガス騎士団達にはマギラントの顔の仮面が見えない――彼らには自分達の主と、伝説の勇者が敵を討ち滅ぼそうとしているとしか認識出来ないのだ。
「どうも、指揮官の中にはマスカレイドがいるみたいだ。けれど、まずは銀のメイガス騎士達に戦わせようとしてくる。今回は、アサルトバグ達も共に戦ってくれるけれど、戦力的には向こうが圧倒的に上。期待は出来ないよ」
 アサルトバグとは戦ったことがある人は大体想像が付くんじゃないかな、とエリノアが問えば、何人かのエンドブレイカーはそれを肯定した。結局は、自分達次第だと。
「銀のメイガス騎士団の目的は、緑の塔主さんの捕縛、及び森に居るアサルトバグの長老の撃破だ。今回は二つの部隊で彼らを守りながら、残り一つの隠された部隊で敵の司令官を撃破して、敵を撤退させる作戦になるよ」
 事実、銀のメイガス騎士達はマスカレイドに騙されているだけであり、倒さずに撤退させる事が出来るならそれに越した事はないのだ。
「それで、俺が君達に任せたいのは緑の塔主さんの守護。彼女のマスターメイガスは無事だから、戦力としても期待は出来る。あと、少数だけどアサルトバグが援軍に来てくれるよ」
 ただ、とエリノアは話を続ける。塔主を戦いの場に出すかどうかは良く考えた方が良い、と。戦力になるとはいえ、彼女は追われる身なのだから。
「どちらにしても、この部隊の敗北は塔主さんの捕縛に繋がる。失敗は出来ないよ」
 この部隊は別部隊が司令官を倒すまで塔主を守り続けるという、いわば時間稼ぎを行う部隊だ。塔主を守りつつ、別部隊の結果を待たなければならない。
「あとね、司令官を倒した場合に撤退するのは『マスカレイドでは無いメイガス騎士』のみだ。だから、マスカレイドはそのまま目的を果たそうと攻撃してくる。メイガス騎士を撤退させる事が出来ても、絶対に油断はしないで」
 別舞台の結果はどうあれ、最終的にはマスカレイドとの戦闘が待っている。こちらにもしっかり備えておいて欲しいとエリノアは告げ、もう一度エンドブレイカー達の顔を見回し、頭を下げた。
「俺の話はここまでだ。申し訳ないけれど、後は全て君達に任せることになる……塔主さんを助けてあげて欲しい。健闘を祈っているよ」


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<リプレイ>

●決戦の果てに
 銀の騎士団は、こちらの倍以上の軍勢で塔主クックベリーを捕えるべくやってきた。
 エンドブレイカー達は、援軍として協力してくれるアサルトバグ達と共に彼らに抗う為、武器を取った。森が、一瞬で戦場へと変わる。
 イストテーブルがホークアイを使用して警戒する中、ウーイルを始めとした旅団『teaghlach』の仲間達を率いて、レノールはひたすら各地に罠を設置していく。
 罠は、メイガスさえもすっぽり落ちてしまう程に巨大な落とし穴。事前に作っていた物が作用し、何体かのメイガスがそこに落下する。シェリーやユーミィも、新たな罠作りに協力した。罠作りを続ける者達を守る為、エイミアは裁きの光を宿した斧を振るう。
「ッ!」
 敵のマシンフェアリー達は、様々な能力を持っていた。どんなに、敵に傷を負わせても、彼らの力で治されてしまうこともある。勿論、強烈な攻撃を放ってくる個体もいた。
「頑張って下さい……」
「後は、任せた」
「……お願い、しますわ」
 ソフィアは友人に、グラナスは妻に、グローは旅団の仲間達に思いを託し、力尽きた――多くの仲間達が、戦いの中で倒れていく。
 集まった二十体のアサルトバグ達も、次々と破壊されていった。バグ達の近くに居たクリスタとカッツェも力尽きる。それでも、誰も諦めようとはしなかった。
 サマエルは仲間の位置を確認しつつ、メイガス騎士がギリギリかわせそうな位置にディスインテグレードを放つ。案の定その攻撃をかわした騎士の頭上には、太刀を握り締めたミントの姿があった。
「偽勇者め! 塔主をどこに隠した!?」
 メイガス騎士団も、決して無事ではなかった。『偽勇者』に行く手を阻まれた彼らは、苛立ちを隠せずにいる。
 この場には、塔主クックベリーに扮した姿の者も数名居た。彼女の姿を知る騎士団達は、時としてそれに騙され、翻弄される。
「本物の七勇者でも、こんなの絶対認めません!」
「残念だったな!」
 ヘキサドリィもその一人だった。彼の姿に騙され、追い続けたメイガス騎士はヘキサドリィ本人と彼を護衛していたジェイナスによって倒された。
 しかし、その騎士の傍に居たマシンフェアリーによってヘキサドリィもジェイナスも、同じように扮装者を守っていたヒカタも深い一撃を負わされ、力尽きる。
 身を隠しつつ、遠くから弓兵として彼らを援護していたウセルとルーンも、その存在に気付かれ、砲撃されてしまった。
「何回来たって押し戻すと決めたけれど、私は、もう限界だな……」
 前衛として戦い続けたユッカは志半ばで地面に膝を付き、義姉のキヨに思いを託す。そんな彼女らの傍でルクリアは斧を振るい、大量のオーラの刃を放った。一気に、数体のメイガス騎士が戦力を失っていく。その攻撃を避けたマシンフェアリーが、後ろからリンガの背を貫いた。
「クソふざけやがって。ガキ相手に寄ってたかって。……ぶちのめす」
 激痛に耐え、リンガは近くに居たマシンフェアリー数体を破壊する。しかし更なる追撃を受け、彼はその場に崩れ落ちた。
 ユスティーナの妖精が描く輪が、傷付いた仲間達を癒していく。とはいえ、そう簡単に回復が追いつく事はなく――『蒼穹』チームとしてシゼルと共に後方から敵を錯乱していたクリスティーナや懸命に仲間を癒し続けたルキラ、ハルバードを手に果敢に戦い続けたルクがマシンフェアリーの砲撃を受け、意識を失っていく。パーティ『アスティオン』としてクックベリーに扮していたパフェヌも、護衛役として刃を振るうサリオスの隣で倒れた。
「く……っ」
 エンドブレイカー達は、止まらない。後方からランドブレイクを放っていたパロル、警戒を続けたグラッド、マジックマッシュを放つティと共に『翡翠分隊』としてクックベリーに扮装していたトコトゥカと敵を翻弄していたルカが倒れる中、戦場にリーレの囁くような子守唄が響き渡る。クニカラが仕留めたメイガス騎士の周りには、幻の薔薇が舞っていた。
 絶対に後ろには行かせまいと、勇敢にも前線で戦い続けたトキチカ、エルト、ヴィルヘルム、ブレイズ、レジェロ、サンタナ、ジークハルトがメイガス騎士の猛襲に、後方から仲間達をサポートしていたガナッシュやクラスティーダ、ルナリスティア、レンチがマシンフェアリーの襲撃によって倒れていく中、コトナの召喚した星霊ヒュプノスと共に、ガウラは近くに居たマシンフェアリー達を一掃する。
 しかし、まだ追いつかない。やはり敵は、集中的にクックベリーを狙ってくる。
 彼女を守り続けたプイプイ、リーリンブルム、プラウウェン、ガルソ、リクヤ、ナージャ、レイア、メア、ラミレス、ルキオラが倒れ、対照的にクックベリーに戦いを見ていて欲しいと願ったディーアもメイガス騎士達によって倒された。
 後方支援をしていたキリナの隣でミラーネが力尽き、リデルとレセルヴァータ、『画家と白犬』として仲間の援護を続けていたクラウスとシイナ、姉弟であるスイエンとエンシが続くように、意識を失っていく。
 長引く戦いの末に、何十人もの仲間達が力尽きていく。仲間達の傷を癒し続ける者も多かったが、それ以上に、倒れていく者達の方が多かった。
 だが、彼らの後ろには緑の塔主クックベリーが居る。三塔主で唯一、無事にマスターメイガスを保有し続ける者だ。
 彼女の姿を、三塔戒律マギラントの希望だと信じる者達が居た。ただ単純に、少女を守ろうとする者達も居た。
 だからこそ、彼らは肉体の限界に屈することなく、立ち上がり続ける。
 少女の盾となろうとする彼らを前に、圧倒的な敵の軍勢も次第に力を無くしていく――そんな時だった。
「撤退! 撤退ー!」
「え……」
 突然、銀のメイガス騎士団とマシンフェアリー達が慌てて撤退し始めたのだ。恐らく、別部隊の仲間達が作戦を完遂したのだ。
「や……やった、の……?」
 撤退の騒ぎを聞いて飛び出してきたクックベリーは、一斉に去っていく銀の騎士団の姿を見た。

●現れたモノ
「わーい! すごいや勇者様!!」
「こらこら……まだ早いですよ。飛び出してはいけません」
 ガシャンガシャン、と後ろからクックベリーが飛び出してきた。「やったやった」とはしゃぐ彼女を、社会の理不尽と闘う男・ジョセフ(c11046)とプラリネ、ヴァリオが静止する。
「見て下さい、あそこにまだメイガスが残っています」
「えー、でも、勝ったんでしょ? ……あれ?」
 ジョセフの注意にぶぅ、と頬を膨らませるクックベリーの視線の先には、何故か撤退する事なくその場に残っていた銀のメイガス。あのメイガスは、戦いに加わっていなかった筈だ。
 壊れてるのかな、と何の警戒もなしに飛び出していく少女の目の前で、メイガスのハッチが大きな音を立てて弾けとんだ。
「! 逃げて下さい!!」
 それに気付いた紅い月夜に出会うもの・ミトリ(c00431)が星霊ヒュプノスを放つ。その衝撃で、メイガスは力無くその場に転がる。
「なに、あれ……!」
 倒れたメイガスの中から、腐臭と共にでろりと何かが出てきた。それに伴い、残っていたメイガスが全て倒れていく。いずれも、中から得体の知れない物が這いずり出てくる。
 メイガスの中から現れたのは、身体が酷く腐乱したゾンビ。しかし、それは人間の身体ではない。翼が生えているもの、角のあるもの――まさに、異形だった。
「やああぁっ! 化物――ッ!」
 流石に危機を感じたのか、緑の瞳に涙を浮かべたクックベリーが戻ってきた。その後を、次々とメイガスの中から姿を現す異形ゾンビ達が追う。
「この先に通すわけにはいきません!」
 ミトリはクックベリーの前に飛び出し、異形なる敵を睨み付けた。そして、彼女は気付いた。
「あれは全て、マスカレイド……見えざる敵です!」
 ゾンビ達は皆、身体のどこかに青白い仮面を浮かび上がらせている。まさか、メイガスの中にこんな気味の悪いものが隠れていたとは――。
「来たとしても、マスカレイド化した暴走メイガスだと思ったんだけどな……」
 予想外の展開に、フレイムソードの神楽巫女・タイガ(c25304)はクックベリーを見上げ、口を開いた。
「クックベリーさんは気をつけて。あんなのが相手でも、彼らの狙いはやっぱり君だろうからね」
 事実、マスカレイド達は明らかにクックベリーを目標に迫って来る。そんな彼らの前に飛び出したのは、魁刃・ナガミ(c08545)だった。
「――通さん」
 少女に迫り来るマスカレイド達を、流水の如きオーラを宿した太刀が薙ぎ払う。ナガミは何も言わず、最前線へと駆けて行った。一体の敵も後ろに行かせない、と。
 そんな彼に続き、エンドブレイカー達は新たに現れた敵目掛けて一斉に攻撃を仕掛けていった。
「ぼ、ボクも……ボクも、戦った方が良いと思うんだ! 見てるだけなんて、やだよ!」
 クックベリーは戦場と化した森や草原、倒れていった者達の姿を見て、声を震わせる。
 一度は下がったマスターメイガスが、再び前へと飛び出そうとしていた。そんな彼女の行く手をシューター・ソシエゴ(c14053)が阻む。
「クックベリーは一緒に戦いたいかもしれない。だが今は俺達を信じ、勝利を願っていてくれ……!」
 その手には、知将と呼ばれし騎士が使っていたとされる扇、『オーギクレール』。
「花鳥風月此処に在り」
 オーラで描いた模様が、風雅なる現象を起こし、戦いに傷付いた仲間達を癒していく。ミィナとマエストロも、仲間達の回復に貢献した。
「みんな……」
 ただ、戦いの様子を見守り続けるクックベリーに、数名のエンドブレイカーが訴えかけた――もし、マスターメイガスが暴走し、制御を失いそうなら脱出して欲しい、と。
「塔主でもメイガスでもなくクックベリーという友人が一番大事だもん」
 そう言って悠久の羅針盤・シエリ(c11842)はムーンブレイドを振り、変幻する魔力の円盤群を放った。
「あと……ベリーちゃん。悲惨な戦場を見ても「死ねばいいのに」って使うかい? 公式表明でのアレは冗談に聞こえなかったんだ、駄目だよ」
 シエリの言葉に、クックベリーはかつての自分が言ってしまった言葉を思い出した。
 勇者マギラントが帰還した等、そのような話はよく分からない。ただ、襲ってきたのは紛れもない、銀の塔の軍勢だった。
「……ッ」
 今まで、こんなことは無かった。だからこそ、クックベリーは考えてしまった――本当に、銀の塔主が死んでしまったのではないかと。
「今は、信じておけば良い」
 不安がるクックベリーに、砕けぬ薄氷・ニクス(c00730)の声が届いた。彼女は英雄騎士の幻影を纏い、近場にいたゾンビに殴りかかる。
「とにかく、相手はマスカレイド! トドメをアサルトバグ達にさせないように気をつけておこうか!」
 アサルトバグも、半数近くが倒されてしまった。それでも、彼らは勇者と行動を共にし、主を守る為に戦い続ける。
「……」
 数多の血が流れ、数多の者が倒れていく――そんな戦場を、クックベリーは静かに見守り始めた。

●緑姫の盾となれ
 白緑の緩やかな髪を風に流し、陽翠・テッラ(c21259)は鞭を手に叫ぶ。
「相手がマスカレイドなら、遠慮なく倒せるというもの、行くよレシェ!」
 これまでは、マギラントに騙されていたメイガス騎士達が相手だった。しかし、今は違う。ここからは、容赦は必要ない。
「皆、行って!」
 テッラが召喚したのは、針で武装した妖精群。小さな妖精達はマスカレイドを襲い、仲間達に力を与える。
「お友達になってくれたクックベリーを絶対に守るんだ」
 旅団『機動武闘團』の仲間達と共に戦っていた獅子の少女・レオナ(c26057)は一旦後ろに下がり、クックベリーによく似た姿に扮装した。
 いざという時は、影武者として戦おうと用意していた物である。その姿のまま、レオナは狂王アニールの紋章を描いた。カタリナも影武者として前線を駆け、シルフィーやエステルはそんな彼女を後方から援護した。
「私の正体がばれた以上生かして返すのはねえ」
 落とし穴は、ここでも機能した。穴に落ちたアンデッド達を、アンニュイな微笑を浮かべたクックベリー……ではなく、クックベリーに扮装した楽しくやりましょ・ハルナ(c20456)が見つめている。
 彼女を狙って襲い掛かってきたマスカレイドを誘導し、上手く落とし穴へと導いたのだ。
「さあ、徹底的にやるよ! 皆でクックベリーを守ろう!」
「はい……いざ、参りましょう」
 そんな彼女の護衛のフリをしていた三節棍の赤い群竜士・アヤカ(c14761)と和装の令嬢・アキホ(c19159)、トウカはマスカレイドを倒すべく武器を取り出した。
「マスカレイドの企みを見逃すわけには行かない!」
 倒れていった旅団『Arco iris』の仲間達の事を思いながら、碧雷の魔法騎士・リュアン(c01105)は彼女らの援護をすべく、王虎・アデル(c22313)やヴァーニシュトと共に飛び出した。
「そうですね最後まで油断せずにいきましょう……守りきる為に、頑張ります」
 彼らは皆、落とし穴を使ってマスカレイド達を翻弄する作戦に出ていた。流石にもう、新たな落とし穴は掘られていないが、それでも十分だった。
「全てを、撃ち砕く!」
 アヤカが三節棍を振るって猛進していく中、アデルは決して出過ぎることなく、それでも戦力としてマスカレイドを倒していく。
「そっちに行ったぞ!」
「はい! 行きますよ、ハルナさん!」
「それにしてもめんどうねえ……一体何体いるのかしら」
 リュアンの声に答えたアキホとハルナが落とし穴をかわしつつ、戦場を駆ける。
「とにかく塔主を守りきるぞ! 倒れた奴らに示しが付かねぇからな!」
 旅団の仲間達と共に、塔主に迫るマスカレイド達を覆面猛虎・グィー(c06772)が前線で迎え撃ち、サウザンドアーツを放った。
 しかし、その場所は敵の餌食となりやすい。マスカレイドの猛襲を受けながらも、グィーは不敵な笑みを浮かべてみせた。
「……はっ、そんなんじゃ俺は倒れねぇよ!」
「クックベリーさんだけじゃなくてダークアイさんやサイリスさんも、この都市のみんなもアマツカグラも助けたい!」
 兄のネフェトリクの援護を受けながら、轟刃嵐舞・ウィデア(c03994)はクリムゾンハウンドを放った。
「だから、絶対に負けないよ!」
 脆いマスカレイドの身体は、ウィデアの攻撃で脆く崩れる。エリーザベトやログレスも、共に前線で戦った。

「あたしはエルフだから、森の中は庭みたいなもんさ」
 身軽に森の中を駆け巡る天猛星・アゼル(c21551)はノックノックを使用してマスカレイド達を錯乱する。
 そこを狙い、ステルスを使って木の上に潜んでいた柳風・ウンスイ(c26077)がデモリッションブラストを放った。
「やだねぇ、こんな無粋なデートのお誘いは」
「そうそう、ちゃんと順序くらい踏めねーとな!」
 彼の手には、落とし穴の位置を書けるだけ記した地図。それは、隠れてランドブレイクを放つアゼルや辺りを駆け巡るエリックを含め、他の動き回っている仲間達にも配られていた。
「く……っ」
 マスカレイドに身を切り裂かれ、赤烏・ソルティーク(c16063)は小さな呻き声を上げる。しかし彼の瞳は、屈することなくマスカレイドの姿を捉えていた。
「『勇者』ではなく『エンドブレイカー』という連中の恐ろしさを骨の髄まで思い知るといいですよ?」
 己の分身で敵を爆破させ、ソルティークは辺りを見回す。そして気付いた。彼らは十分、自分達の恐ろしさを思い知っている事だろうと。
 エンドブレイカーがいる限り、マスカレイドは無限ではない。メイガスから大量のゾンビが這い出てきた時はどうなるかと思われたが、彼らの数はもう、壊滅状態へと追い込まれていた。
「この戦いも、漸く終わりそうですね……今の私達が導き出した、最高の結末でしょう」
 そう言って、隠神刑部・クリュウ(c02651)は安堵するように深く、息を吐いた。
 多くの仲間達が倒れたが、全員が倒れたわけではない。勝者は、紛れもなく自分達だ。
 クリュウの手にした野太刀に、神火が宿った。それを手に、彼は僅かに残ったマスカレイド達の元へと走る。
「……行きます」
 彼は野太刀の柄を握り直し、それを大きく薙いだ。神火はマスカレイドの身を焼き、刃はその身を斬り裂いた――後に残るは、腐臭を漂わせた死体のみ。
 圧倒的軍勢を相手に、エンドブレイカー達は決して屈することなく立ち向かい、撃退してみせた。
「……」
 幼いクックベリーの大きな丸い瞳に激戦の跡が映る。それを見た少女は、どこか真面目な表情で口を開いた。
「やっぱり、勇者様はすごいや……」

●想い
 戦場に打ち捨てられたかのように転がる、銀のメイガス。
 念の為、しばらく警戒していたのだが、それらは動き出す事も、中から何かが這い出してくる事も無かった。
 森は、再び静けさを取り戻そうとしている。少し血の臭いが混ざった風に吹かれ、木々は枝を揺らした。
「ねえ、勇者様……」
 クックベリーが酷く不安げに喋り出したのは、そんな時だった。
「マギラント、どうなっちゃうのかな……」

 ――クックベリーは少しだけ、他の都市国家で起きた棘絡みの事件の事を耳にしている。
 他の都市国家でも似たような事があったのかと問えば、誰かが「そうだ」と答えた。
「……そっか」
 誰かが、少女に「怖いのか」と問う。少女は静かに、首を縦に降った。
「でもね、勇者様がきてくれたんだもん。きっと、大丈夫だよね……」
 彼女は決して、エンドブレイカー達を『偽りの勇者』だとは言わなかった。その存在を疑うことさえも無かった。
「助けてくれて、ありがとう。勇者様……」
 そう言って、少女は森の奥地を見据え、緑の目を細める。長老の身を、案じているのだろう。
「きっと、大丈夫だよね……長老、殺されたりなんて、しないよね……」
 エンドブレイカー達もクックベリーと同じ方向を見据え、長老と仲間達の身を案じた。

 緑の塔主クックベリーは無事、守り切る事が出来た――だから今は仲間達を信じ、結果を待とう。



マスター:桜音遥祈 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:101人
作成日:2013/03/11
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   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
 

<戦闘結果>

●Battle1(勝利!)


順位戦功点名前
1834隠神刑部・クリュウ(c02651)
2748楽しくやりましょ・ハルナ(c20456)
3626紅い月夜に出会うもの・ミトリ(c00431)
4596三節棍の赤い群竜士・アヤカ(c14761)
5544天猛星・アゼル(c21551)
6519歩み続けるもの・リンガ(c16123)
7498碧雷の魔法騎士・リュアン(c01105)
8494レイディングディバイダー・ジェイナス(c15904)
9489白の魔道士・ソフィア(c01661)
10482王虎・アデル(c22313)
11459魁刃・ナガミ(c08545)
12445シューター・ソシエゴ(c14053)
13433轟刃嵐舞・ウィデア(c03994)
14402砕けぬ薄氷・ニクス(c00730)
15399翠蒼の焔・ユッカ(c01296)
16394覆面猛虎・グィー(c06772)
17372翠の子羊・ヘキサドリィ(c00316)
17372悠久の羅針盤・シエリ(c11842)
19366和装の令嬢・アキホ(c19159)
20362社会の理不尽と闘う男・ジョセフ(c11046)
21354フレイムソードの神楽巫女・タイガ(c25304)
22345柳風・ウンスイ(c26077)
23336グロリアスハンマー・パロル(c08367)
24332獅子の少女・レオナ(c26057)
25328黒細弓の狩猟者・グラッド(c10516)
26303翠緑の騎士・ラミレス(c32798)
27300赤烏・ソルティーク(c16063)
28298陽翠・テッラ(c21259)
29286ビスケットの妖精・ティ(c23619)
30274獅子星・ウセル(c00535)
31268蒼の貴姫・レノール(c21020)
32258黒の断罪者・クリスティーナ(c03928)
33255ドライブ懲罰騎士・エイミア(c30353)
34253赤色の瞳の魔物を宿す・サマエル(c11549)
35242爪の似顔絵描き・ネフェトリク(c30164)
36233迷走エスクワイア・ルクリア(c33610)
37228嘘吐き・トコトゥカ(c23536)
38227翼雲・ルク(c00833)
39222ふわぽわ妖精娘・ユスティーナ(c21380)
40217銀灰・クニカラ(c01967)
41212勿失勿忘・トキチカ(c08881)
42207天光の聖騎士・エルト(c22576)
43200風の祝子・イストテーブル(c14196)
44197真風の軌跡・プイプイ(c20610)
45196禍津蛇・ヴィルヘルム(c00968)
46193夕映えの揺籃唄・リーレ(c06410)
47191高みを目指して・トウカ(c20010)
48187星輝穿雲・ディーア(c02611)
49184花小路・コトナ(c02339)
50183赤蝶花・ガウラ(c16139)
51179砕喰鬼・グラナス(c00175)
52174流焔の黒騎士・ブレイズ(c14643)
53171薔薇揺り籠の蝋燭・ミント(c12096)
53171ポンポン飾りのみんなの楯・キヨ(c11249)
55167あなたの隣の薬箱・マエストロ(c32478)
56160傍らに在りし黒華の姫君・キリナ(c26974)
57158紅の剣閃・ヴァーニシュト(c02243)
58150春ノ夜ノ夢・リーリンブルム(c20612)
59146阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
60143春告げの魔女・シェリー(c22845)
60143抱きし哀歌を紡ぐ蒼碧の風・ルキラ(c16918)
62142獅子の槍・ウーイル(c17261)
63140衛生兵・プラリネ(c21280)
64137行かずウィドウ・ユーミィ(c03017)
65124翠雨の描き手・クラウス(c26397)
66122牙持つ灰色鴉・ログレス(c00473)
67121移動菜園管理者・エリック(c15639)
67121ミールの若獅子・プラウウェン(c16137)
69118黒の野獣・レジェロ(c04702)
70116旅館の女将・カタリナ(c00034)
71105風を継ぐ者・レセルヴァータ(c27291)
71105揺光の騎士・ジークハルト(c31731)
73104往にし方の柘榴・エリーザベト(c20451)
7498幻を謳う・グロー(c12883)
7594蒼剣魔狼・サリオス(c16955)
7693妄想刑事・レンチ(c00589)
7791孝一文字・シイナ(c30040)
7889マスター番長・ガナッシュ(c02203)
7985夢現を彷徨う唄・クラスティーダ(c01510)
8083盾持つ魔爪・リクヤ(c22021)
8181菫青石の魔法剣士・リデル(c26678)
8280星を探す娘・ナージャ(c02152)
8280流れる護影・ルカ(c07966)
8477深紅の守護者・ミラーネ(c23762)
8576雪華の祈り巫女・レイア(c03046)
8664終わりなき幸せを願う燃焼農夫・ガルソ(c25746)
8763明るく楽しく元気娘・シルフィー(c08233)
8861幸せを運ぶ唄・ヒカタ(c11770)
8960白衣と眼鏡とシケモクと・エステル(c06010)
9057白妙の亡霊・ヴァリオ(c29255)
9156花老陰伯・エンシ(c25291)
9255ムーンブレイドの錬金術士・ルナリスティア(c32806)
9352日陰に咲く花・メア(c18924)
9448魔法少女プリンセスヒロイン・パフェヌ(c16979)
9545流浪のお針子・シゼル(c02119)
9545古き森猶予いしは月の眼の獣・ルキオラ(c21934)
9743面白求道者・サンタナ(c04809)
9842探究者・クリスタ(c03925)
9939気ままなグルメおばさん・カッツェ(c08344)
10032自称吟遊詩人・ミィナ(c25587)
10123華節陽伯・スイエン(c25289)