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銀の塔主の行方:五里霧中

<オープニング>

 勇士号の中にある酒場の一角。
「さて、銀の塔主の行方を追い、大海原を越えここまで来たが……。銀の塔主達が、この場所に上陸したのは間違い無いだろう」
 豪放の魔獣戦士・バロウズ(cn0005)が、仮面のから覗く眼を光らせ話し始める。
「このまま塔主を追うならば、我々も上陸しなくてはならない……が、当然と言えば当然だが、相当の危険が予測される。七勇者の伝承が真実であるなら、ここは大魔女が支配していたとされる、『北の大陸』であろという予測は誰でも立てるであろう」
 バロウズの言葉に皆が押し黙る。
「ここから見える範囲では、不毛の大地が広がっているだけだが、この先には、強力なマスカレイドが居ても不思議では無く、シーバルバの一件もあり、気を引き締めねばならん。なれど、此処まで来て恐れを成して逃げ帰るとあらば、何のために来たのか分らぬ」
 帰ろうという奴は居らぬよな? と言わんばかりの口調で、バロウズもう一度視線を奔らせた。
「1つずつ説明するぞ。
 先ず塔主の反応は、この荒野を抜けた先に見える暗い森の更に向こう側にある。塔主を追うならば、この森を突破する必要がある。
 次に、不毛の大地ではあるが、海岸から少し離れた場所に街道であったと思われる痕跡が発見されている。この街道を伝いて動けば、何処かに到達する事ができるやもしれぬ。
 街道の痕跡が何処に繋がっているかは不明だが、当ても無く探索するよりは、何かが見つかる可能性は高いと思われるな。もしかすると……新たな都市国家を見つける事が出来るかも知れない。ま、そうであってもソーンのおまけ付きの可能性が高いだろうがな。
 そして最後に、『終焉に抗う勇士号』は、探索隊の多くが帰還するまでこの地に停泊することになった。勇士号が敵に襲撃されて制圧される……ような事があっては、一大事どころの騒ぎで済まぬので、周囲の警戒も必要になるだろう。停泊する海岸の周辺や付近の山や岩場、海沿いの島などを回り、安全を確保する必要があるだろう。

 先ずは皆で話し合い、どう行動するか決めるべきだろう。銀の塔主を追うか、街道の痕跡を探索するか、勇士号の周辺を警戒するか……、何処に人数を割くか? 他にも幾つもの部隊が募られておる。選択によって結果が大きく変わるであろう。うぬらの、活躍に期待しているぞ」
 バロウズは簡単な絵図面を書き、エンドブレイカー達に判断を迫る。

「要点を整理するぞ。銀の塔主を追うならば、暗き森を突破せなばなるまい。推測だが、森を抜けるまで2〜3日は掛かるであろう。森には多くのバルバや獣のマスカレイドがいる事が予想されるが、全てを倒す事は不可能だろうし、無用の消耗を強いられるだけであろう。
 チーム毎にばらばらに散り、できるだけ戦いを避け森を突破するのが良いだろう。
 森の先に何があるかも分らん。戦で被害が出た場合は、早めに撤退を選択する事も必要になる。適時に退く事こそ勇気が必要なものだ。それに森の奥深くで生死不明となれば、探索隊を出す余力は無く、死んだも同然の状況になる危険性がある。

 逆に、街道の痕跡を辿る場合は、複数のチームで協力するのが良いだろう。
 街道の痕跡付近には隠れる所が少なく、地の利はマスカレイド供にある故、総戦力が多い越した事はない。人数が十分集まる様なら、小規模なマスカレイドの拠点ぐらいは潰せるやもしれん。旗など掲げて連携をとると良いかもしれんな。

 最後に勇士号周辺の警戒を行う場合は、分散する程警戒箇所は増えるが、個々の戦力は乏しくなり、協力して行動すれば戦力を集中できるが、警戒区域が減る。何事も必要な事はバランスと言う事だな。
 どうするかは、現場の判断に任せるとしよう。単独で行動するチームが危険度の少なそうな所を、協力して行動する複数のチームで重要そうな場所を警戒する……という方法もあるだろうしな」
 即答しかねる者達を前に、バロウズは3つの行動について要点を纏める。

「未開の大地、逃げる銀の塔主に大魔女の支配地……胸躍るではないか。虎穴に入らずんば虎児を得ず。ここは掛け時だな。だが、最も大事な事は『退く勇気』である。その見極め、うぬらなら出来ると信じているぞ」
 バロウズはそう締め括り、満足そうに頷いたのだった。


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参加者
月の剣に導かれし騎士・ローゼリィ(c00261)
少女の原形・アリス(c02062)
魔剣・アモン(c02234)
未知なる大陸に挑む探偵・ティルナ(c03037)
紫風天翔・レイラ(c03886)
アンサング・リーリヤ(c06157)
ハニーフェイス・カレット(c08089)
極雷剣騎・ルナ(c15265)

<リプレイ>

●砦の要
 多くの部隊と共にマスカレイドの襲撃を退け、辿り着いたマスカレイドの砦。
 打って出て来たディノジャンの将軍ベアトリス率いる部隊を退け、突入したエンドブレイカー達であったが、その眼前に立ち塞がるはマスカレイドの仮面を付けた無数のジャグランツ達。
「貴様らがジェスターの言ってたエンドブレイカーか! 小賢しい、我が名はゴライアス。者供、行けぃ!」
 巨躯のジャグランツが戦斧を振るって号令すると、ジャグランツ達が雄叫びを上げエンドブレイカー達を迎え撃つ。
 そこかしこから剣戟の音が響き始める中、
「ここが先陣の切りどころね。あの将軍、狙うわよ」
「異論無い」
 眼鏡を外す未知なる大陸に挑む探偵・ティルナ(c03037)にアンサング・リーリヤ(c06157)が応じると、幾体もの敵の攻撃を受け流し、一気にゴライアス将軍を目指して部隊を進める。
 見れば同じ事を考えていたのか、自分達の右と左にも1部隊ずつ、ゴライアスに肉薄する部隊が見て取れる。
「ほぅ、少しは骨がある様だ、ザザは左、ジョーダンは右を……正面は俺が叩き潰す!」
 左右の部隊に側近を差向けたゴライアスが戦斧を振り下ろし、乱れ飛ぶオーラの刃と共に直属兵と思われるジャグランツ達と押し出してきた。
「さあてレイラ、準備はいい?」
 その様を見てティルナが振り返ると、
「あなたを倒せばとりあえずの目的は達成できそうです。行きましょうかティルナ」
「面白そうな玩具が来たわ。さ、遊びましょう。すぐ壊れたりしませんよね?」
 紫風天翔・レイラ(c03886)が突風を起こして周りの物を巻き上げ、少女の原形・アリス(c02062)が無邪気に笑って大鎌を構える。
「さて、クインーンランサーではなくコルリにした事、吉と出るか凶と出るか……」
「これは思わぬチャンスだよね。敵将を討ち取れば戦功第一だよ」
 極雷剣騎・ルナ(c15265)が殺神刀『無月』に雷撃を纏わせ正面に構え、ハニーフェイス・カレット(c08089)が木の葉を撒き竜巻を起こす中、ゴライアスの放った刃と共に吶喊したジャグランツ達がアリスやルナら前衛陣とぶつかる。
「まだ旅の途中なんだ。邪魔はさせない!」
「れぎおーん!」
 魔剣・アモン(c02234)がリングスラッシャーを喚び出し、リーリヤが先頭のジャグランツの鼻先に棍を叩き付けるが、勢いは止まらず、
「殺セ殺セ!」
「ゴライアス将軍ノ恩為ニ!」
 ジャグランツ達は得物の戦斧を振りかざし、此方に出血を強いろうと雄叫びを上げる。
 ……その雄叫びが激情の旋律に染められ、熱狂の渦が滲む様に広がる。
「一歩ずつ歩けばその後ろに道は出来るのです。ここで負ける訳にはいきません」
 キッとゴライアスに意志の強い青色の瞳を向け、月の剣に導かれし騎士・ローゼリィ(c00261)はそう言って再び音色を奏で始めた。

●正面より
 アリスが大鎌で薙ぎ身を翻すと、ウェーブの掛った金髪と衣装のフリルが舞う。
「ふふ、今回は、遊び尽くさせて頂きますわ」
「コノ小娘ガ!」
 浴びた返り血を舐め嬉しそうに笑うアリスに、車輪の如く回転しジャグランツが襲い掛かる。……が、横合いから棍を突き入れられ、バランスを崩して落ち、
「遅すぎる」
 吐き捨てたリーリヤは、そのまま落ちたジャグランツに銀の籠手に握られた棍を叩き付ける。
「後ろは大丈夫の様だね」
 そんな彼女らの後ろで、カレットは周囲に視線を走らせ状況を確認しつつ、次々と木の葉竜巻を起こしていた。
「皆さん頑張ってくれています。私達も頑張らないと」
 カレットの起こす風にエルフの狩衣をはためかせ、エルフが鍛えたという竪琴『蒼珠の調べ』を奏でるローゼリィが頷く。
 ゴライアスから左右に分かれた部隊を迎え撃つ仲間達は元より、自分達の左右、そして後ろでも多くの仲間達がジャグランツと矛を交えており、敵将と抗戦する自分達の邪魔をさせない様、頑張ってくれている様だ。
「喰らい尽くして差し上げますわ」
 斬られたアリスが反対にその血を利用し、ローゼリィの奏でる音色に耳を押さえるジャグランツに血の猟犬を嗾ける。
「貴様ッ!」
「臭い息を吐き掛けるな」
 2体を巻き込んで足払いで転倒させたリーリヤは、尻餅をついて悪態をつくジャグランツに虹色のマフラーをたなびかせて更に棍を叩き込んだ。

「ほんと未知の大地で鬼が出るか蛇が出るかってとこなのに、マスカレイドが出るのだけは確定なのよねえ、しかもこんなにいっぱい……まるでゴキブリだな」
 振るわれた斧に右太腿辺りを斬られるも、そのジャグランツの顔に断罪ナックルを叩き込んだティルナが、そのジャグランツ越しに見えるいくつものジャガーの頭に溜息をついて跳び退くと、
「マテッ!」
「行かせないんだぜ」
 ティルナを追おうとしたジャグランツに、アモンが頭上に掲げた黒影剣で円を描き、造り出したリングスラッシャーが、振り下ろされた剣に合わせて襲い掛かる。
「クッ……コンナモノ」
 そのリングスラッシャーを斧で粉砕し、ニヤリと笑うジャグランツ。その目が驚愕に見開かれる。……崩れるリングスラッシャーの向こうに真紅の衣、跳んだルナが雷撃を纏った刃を叩き込んだ。
「油断したな」
 血を吹き崩れ落ちるジャグランツにそう声を掛けるルナの耳に、
「貴様もな」
 声と共に一気に距離を詰めるゴライアス。決してルナが油断していた訳ではない、その巨躯からは想像もできない程の速さで距離を詰めたゴライアスが、煌めくエネルギーに寄って巨大化した戦斧を振り下ろす。
「くっ!」
 鞘に納めたままの太刀を頭上で横に構え跳び退こうとするルナだったが、間に合うはずもない……が、ゴライアスの鼻先に衝撃波が炸裂し、ルナの頭目掛けて振り下ろされた斧刃が僅かに逸れ左肩を大きく斬る。
「危ないところ……ありがとう義姉さん」
「想像以上の強さよ、気を付けて」
 礼を述べるルナにダブルシュートを放ったレイラが頷き返した。

●将軍ゴライアス
「砦があってこれだけの戦力が居るってことは……ここのマスカレイドは、私達以外の誰かと戦っているのかしら」
「どうなんだろう? 統制がとれているからちゃんとした組織があるんだろうな」
 2匹目のジャグランツに止めを刺したティルナが小首を傾げるのに、ルナが応じる。
「っと、考えるのは後ね。あの将軍洒落になってないわ」
 アモンがゴライアスに吹っ飛ばされるのを見てティナが再び地面を蹴る。
「脆弱脆弱ぅ、都市が無ければ生きてゆけぬ弱者めが、荒野でも生きる我らバルバの強さ、その身に刻め!」
 剣のオーラを纏い、頭上で戦斧を振り回し咆哮したゴライアスは、視線も向けぬままその戦斧を振り下ろし、ティルナにオーラの刃を飛ばした。その下を掻い潜ったルナが太刀を一閃して距離をとる。
「ほう……やるではないか」
 感電した様に痺れる足の感覚に、ゴライアスは牙を見せて笑う。

「大丈夫ですか?」
「なんて威力だ」
 心配そうに声を掛けるローゼリィを手で制し立ち上がったアモンは、ゴライアスの戦斧に裂かれた箇所に手を当て、骨が折れている事を確認すると、迷わずガーディアンクリスタルを創造する。
「サイリスさんの方も気になりますが、この砦は攻略しておかないとこの先困りますわね」
「あぁ、これだけの部隊が居てよかった。少数だとあっという間に殲滅されていただろう」
 ヒステリックパレードを奏で続けるローゼリィに、頷いたアモンが応じ、ゴライアスに距離を詰めるティルナとルナを見てリングスラッシャーを創造し始める。
(「私は負けない。兄と義姉のところに帰るのです」)
 ローゼリィは周りで戦う大勢の仲間達に視線を向け、決意も新たにする。

「さぁ、もっと頑張って下さいませ! もっともっと楽しませて下さいませ!」
 裂かれたウイッチドレス、そこから流れる血にアリスの口元が愉悦に歪む。
 無論、裂いた相手は大鎌に裂かれて倒れた所を、血の猟犬達に喰い突かれ、壊れた玩具の如くのた打ち回わっていた。
「だいぶ出血が多い様だけど、大丈夫なのかい?」
 後ろから木の葉竜巻を起こすカレットが声を掛けるが、アリスは振り返り、何を言っているのかわからないと言った表情を見せる。
「危ない、後ろ後ろ!」
 カレットが慌てて指差すのでアリスが振り返ると、巨大化した斧を掲げて肉薄するゴライアス。
「身の程を知れ小娘っ」
 回避は間に合わないと判断したアリスは、黒衣の骸骨が持っていた大鎌を横に構え一撃を柄で受けようとするが、ゴライアスの力は尋常では無く、その大鎌ごと押し切られ、その身に大きな斬撃を受ける。
「アリスさん!」
「貴様ッ!」
 死角から斬り込んだカレットに左脇の後ろ辺りを斬られたゴライアスは、アリスを放置し獅子のオーラの咆哮と共にその戦斧をカレットに叩き付ける。
 アリスの足元にはその身から流れる血が大きな血溜りを広げていた。
「ふふ……うふふふふ………あははははっははははっははははははっははははっ……そう、やはりお遊びはこうでなくては」
 ハイパークリムゾンハウンド。哄笑したアリスの足元の血溜りから、猟犬達が次々と沸き出し周囲のジャグランツに襲い掛かってゆく。

「むっ!」
 対峙していたジャグランツが自分の後ろに視線を向け、その耳が下がったのを見てリーリヤは訝しげな声を発するが、その理由は直ぐに判る。自分の脇を抜け何体もの血の猟犬達が襲い掛かったのだ。
「一気に押しましょう!」
 レイらの声と共に飛んできた衝撃波が、そのジャグランツに止めを刺す。
 ちらりと見ると狂った様に笑い声を上げ、どんどん猟犬を生み出すアリスの姿。
(「リーリヤも頑張らないと……」)
 同じ年頃のアリスの活躍に焦るリーリヤは、カレットを薙いだゴライアスに向って駆け出す。
「リーリヤさん、一人では危険です、リーリヤさん!」
 声が届いていないと見るやレイラも紫の髪を靡かせリーリヤを追う。
「調子に乗るな小娘ッ!」
 ゴライアスの咆哮と共に乱れ飛ぶ刃が、新たに生み出された猟犬もろともアリスの体を斬り刻み、崩れ落ちるアリスの足元に、ローゼリィが咲かせた世界樹の花がその花弁開くのが見えた。
「ここぞ、押せぃ!」
 再度咆えるゴライアスにジャグランツ達が奮い立ち、エンドブレイカーを押し始める。

●砦の行方
「2/3程は片付けたが……」
「なんて強さ……」
 トリニティスラッシュで止めを刺したアモンが血と汗を拭い、片膝をついたティルナが呟く。
 麻痺にギアス、暴走に虚無に呪詛。付ける事の出来るバッドステータスは全て刻んでいるが、長き旅路で致し方ない事とは言え、片方の麻痺を通す手段と、纏われた剣のオーラを消す術を持ち合わせていなかった事もあり、ゴライアスの力を止めきれないでいた。
「回復っと、アリスさんは?」
「攻撃を受ける直前に水晶髑髏を使った様で命に別状はありませんが、このままでは」
 リーリヤに治癒弾を飛ばしたカレットに応えるローゼリィ。下げられたアリスは水晶の髑髏を出し自身の傷を癒している。
 周辺でも一進一退の攻防が続いており、仲間達に此方を援護する余裕はなさそうだ。
 数では優位になりながらもゴライアス一人の為に防戦一方になっていた。
「痛うっ!」
 斬られたリーリヤを庇う様にルナが斬り掛り、ローゼリィがリーリヤに世界樹の花を咲かせる。
「このままでは拙いですね」
 術のオーラを纏うレイラも、休む事無く衝撃波を飛ばし続けているが、疲労の色が濃い。
 無論ゴライアスも無傷ではなく全身を血で染めているが、その力量差は大きく、早めにギアスが通っていなければ、今頃全滅していたかもしれない。
「ガアアアァァァァ!」
「がっつく男は嫌われるわよ……って……」
 ゴライアスが咆えると、残ったジャグランツ達がその元に集まり、ティルナに攻撃を集中すると、堪え切れなくなったティルナの体が吹っ飛ぶ。
「ローゼリィさん、回復を!」
「回復がもう……これ以上は……」
 レイラの声に首を左右に振るローゼリィ。だが、せめてもと妖精達を突っ込ませる。
(「くっ……押し切られてしまうのか……」)
 自分の血が入った目を擦りティルナを庇う様に立ったルナが、それでもあがらう気概を見せつける様に、殺神刀『無月』の切っ先をゴライアスに突き付けるが、回復対応が乏しくなった事を看破したゴライアスが、ニヤリと嗤って牙を見せる。
「揉み潰せい!」
「くうっ!」
 号令と共に乱れ飛ぶオーラの刃を受けアモンが片膝をつき、ゴライアスの周囲に残ったジャグランツ達が斧を振り上げ突っ込んで来る。
「私はまだ退きません」
「味方の数に慢心していた……かな」
 ティルナを庇うルナ、2人の方を見て呟いたレイラが衝撃波を飛ばし、奥歯を噛んだカレットも竜巻を起こす。それらを受けながらも攻勢を弱めないジャグランツ。
 その斧を棍『Nine of Wands』で捌くリーリヤの視界、ジャグランツ達の背後、左右からゴライアスに肉薄する仲間の姿。
「仲間達がゴライアスを!」
 その声に思わず繰り返り戻ろうとするジャグランツに、血の猟犬達が襲い掛かる。
「まだ……遊びは終わっていませんわ」
「敵将は頼みます。あなた達は逃がしません」
 不遜の視線を向けるアリスの声と、ローゼリィの声が重なり妖精達が追い縋り、皆が最後の力を振り絞り、ゴライアスの元に戻ろうとするジャグランツ達に攻勢を仕掛ける。

「敵将ゴライアスは、ボクが……ボク達が討ち取った!」
 倒れたゴライアスの傍らで翠風を纏う騎士が勝ち名乗りを上げる。ジャグランツ達の士気は崩壊して我先にと逃げに掛り、1体でも仕留めようと追いすがるエンドブレイカー達。
「なかなか面白い遊びでした……満足……」
「死にそうだったんですよ、気を付けて下さい」
 うんうんと頷くアリスに、唇を尖らせたローゼリィが抗議する。
「これで砦は落ちたわね」
「死ぬかと思ったね」
 ティルナはレイラに膝枕されながら眼鏡を掛け直しそう呟き、頭を掻いたアモンも力無く笑う。
 最初からゴライアスと真正面からぶつかった者達に追撃の余力はなく、彼らは追撃を終え戻ってきた仲間達に回復されるまで、その場でへたり込んでいたのだった。



マスター:刑部 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/05/01
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  • カッコいい9 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
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