ステータス画面

ねぇねぇ、お兄さんちょっとコッチに来てよ♪

<オープニング>

「まったく、つまんねぇな仕事だぜ」
 フレイはアクスヘイムの城塞騎士だ、今の彼の仕事は廃棄領域との境の見張り番である、若く血気盛んなフレイには少し退屈な仕事だ。
「ねぇねぇ、お兄さんちょっとコッチに来てよ♪」
 そんな退屈な所に、可愛らしい女の子の声が聞こえれば、興味が引かれる仕方無いかもしれない。
「どうしたんだい、お嬢さん?」
 ちょっと下心を抱えて、声のする方へフレイが近寄ると、ガツンと頭へ衝撃が走った。
「うん、成功♪」
 手に持った巨大な貝で、フレイを襲ったピュアリィはフレイが気絶したのを確認すると、廃棄領域の奥へ声をかける。
「みんな、捕まえたよ♪」
「やったね、これでルルリア様にも褒めて貰えるよ♪」
 声に応えて、ラコッティ達が現れ、フレイを担ぎ上げていく。そのまま彼女達は廃棄領域の奥へ消えていってしまった。

「……うわあぁっ!?」
 段差につまづいて転んだピエールは、居合わせたエンドブレイカーに手を差し出されて起き上がる。
「ああ、すまないね。……ちょうど良かった。実は君達に頼みたいことがあるんだよ」
 そう言ってピエールはエンドブレイカー達に話はじめた。
「廃棄領域の見張り番をしていた城塞騎士が一人、ピュアリィのマスカレイドに襲われて、連れ去られてしまうようなんだ。連れ去ったのはどうやら、ラコッティと呼ばれるピュアリィみたいでね」
 ラコッティといえば、巨大な貝を持ったラッコのピュアリィだ、海辺に住んでいる彼女達が都市国家の中へ入り込んでいるのは珍しいかもしれない。
「彼が連れて行かれるのを、止めて欲しいんだけど、他にも気になることが有るんだ」
 どうやら、ラコッティ達に指示を出した、ルルリア様なる者が居るようだ、おそらくラコッティの女王なのだろうが、今回現れるラコッティ達の中にその姿は無い。
 現れるラコッティのマスカレイド達は全部で5体、巨大な貝を盾のように操って攻撃してくるようだ。
 襲われた城塞騎士の名前はフレイ、16歳の城塞騎士で、見張り番を行う隊の中では一番若い城塞騎士だ。
「他の見張り番達が狙われた様子は無いね、もしかしたら若い彼だから狙われたのかも知れないな」
 他の城塞騎士達は皆、20歳以上か女性のようだ、フレイと同じ年頃の男性なら、囮になる事も出来るかも知れないとピエールは語る。
「フレイが襲われる前に、廃棄領域には着く事は出来るはずだから、何とかして止めてくれないかな。フレイが助けられるなら、ラコッティ達は無理に倒さなくても良いんだ」
 ラコッティ達は不利になれば逃げ出すだろう、上手く追う事が出来れば、彼女たちがどこから廃棄領域へ入り込んだのか、そして住処がどこにあるのか、知ることが出来るかも知れない。
「もし、可能ならラコッティ達について調べてみてくれないかな。住処が見つかれば、ルルリア様というリーダーについても何か判るかも知れない。どうかお願いするよ。」
 そう言ってピエールはエンドブレイカー達へ頭を下げた。


マスターからのコメントを見る
参加者
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
もふもふ刑事・プレノア(c03487)
砂糖菓子の弾丸・ニコル(c11346)
白羽に誓う・ミスティ(c24035)
旋棍の妖精騎士・シュテル(c28289)
愛と正義の使者・フタヴ(c31192)

<リプレイ>

●困惑の事件
「こんにちは、少し宜しいですか?」
 砂糖菓子の弾丸・ニコル(c11346)が声をかけると、その城塞騎士はこちらへ顔を向けて珍しい物でも見るように問いかける。
「何だ、あんたらこんな処に何か用か?」
「はい、廃棄領域にピュアリィが出るという事なので退治に来ました」
 もふもふ刑事・プレノア(c03487)が答えると城塞騎士は表情を明るく変えた。
「へぇ、……それじゃぁ、お嬢さん。良けりゃ俺も手伝おうか?」
「いえ、連携や連絡は勝手知ったるの方がいいですからね、退治は任せて下さいな」
「それより宜しければ、他の城塞騎士の方にもお伝え頂けないでしょうか?いざという時は応援をお願いしたいの」
「おう、それくらいなら任せてくれ、このフレイがばっちりやっておくぜ、エルフのお嬢さん」
 白羽に誓う・ミスティ(c24035)がお願いすると、フレイと名乗る城塞騎士は喜んで伝令役を引き受けてくれた。
 詰所へと向かうフレイを見送ると、愛と正義の使者・フタヴ(c31192)は仲間達に声をかける。
「さ〜て、これで準備は成功ってことで、こっからが本番っスね」
「えぇ、私たちは隠れておきますので、囮のお二人は宜しくお願いします」
 黒いマントで全身を覆った阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)はそう言うと身を隠す準備を始める。
「わかったよ。ニコルさん、頑張ろうね」
 ニコルと共に囮を務める旋棍の妖精騎士・シュテル(c28289)が答えると、他の仲間達も、其々に隠れて敵の襲撃に備え始めて行った。
 囮役の二人はランタンを灯して、廃棄領域へと踏み込むと、敵を誘い出しながら進んで行った。
「やれやれ、それにしても随分蒸し暑くなったもんだよ……帰ったら軽くお風呂なり水浴びなりしたいところだね」
「まったくです、何処か水場でも有れば良いのですけどね」
 若干本音混じりに話しながら、シュテルはマントの襟を緩めて首元を扇ぎ、ニコルも話を合せて答える。そうしていると、暗がりの奥から、可愛らしい女の子の声が二人にかけられる。
「ねぇねぇ、お兄さん達ちょっとコッチに来てよ♪」
 隠れた仲間達にも聞こえたらしく、エンドブレイカー達に緊張が走る。
「誰か居るのですか?」
「うん、良い水場を教えてあげるからコッチに来てよ♪」
「本当かい、ラッキーだなぁ」
 緊張を見せないように明るい声で答えると、二人は騙された振りをしながら、声の方へと近寄って行った。

●幻惑の囮作戦
「えいっ♪」
 ボールでも投げるような、軽い調子の声と共に巨大な貝がニコルに襲いかかる。幸いにも直撃は避けられたが、貝に繋げられた鎖がニコルの体を打ちすえる。
「やだ、失敗!」
「うわ、ピュアリィ!?」
「騙しましたね!」
 囮の二人が進んだ先には、エンディングと同じように、ラコッティが待ち構えていた。攻撃を受けながらも、ニコルは愛銃『ダズリングブルー』を抜いて、祈りを捧げた世界樹の弾丸を放って反撃する。
「もうっ、仕方ないなぁ。みんな、ヤっちゃおう♪」
「「「「はーい♪」」」」
 呼びかけに応えて更に4体のラコッティ達が現れる。どれもその体にはマスカレイドの仮面を付けている。
「二人とも良くやってくました」
「こっからはおにーさんに任しとき」
 敵が揃ったのを確認すると、姿を隠していたルーンとフタヴが現れる。
「ヒドイっ、私達を騙したのね!」
「もうっ、オジサンはお呼びじゃないよ!」
「ゴメンね♪オジサンを捕まえても、ルルリア様は褒めてくれないの」
 二人の姿を見て、ラコッティ達は驚きと非難の声をあげる。その言葉を聞いて、ルーンは大人気なくも言い返す。
「いいですか!私はオジサンではありません!私はオジサンではありません」
「ルーン、なんで二回言うんっすか?」
 大事なことなので二回言いました。残念ながらラコッティは、ルーンの叫びに耳を貸すことなかった。追いついてやってきたプレノアも、恋人の取り乱す様子に少し気まずそうにしている。
「人を見かけや年齢でしか判断しない愚か者どもよ、我が裁きの矢を受けるがいい」
 ルーンの気合と共に、赤い糸に導かれた矢がラコッティへと突き刺さる、気を取り直したプレノアも、高らかにフレイムソード『導きの灯』をかざして、星霊ヒュプノスのスノーを召喚した。
「スノー!思いっきりやっちゃうのです!」
 プレノアの声に応えて、スノーはラコッティ達の頭上を跳ねて回り、眠りを誘う。
「いっちょう、引っ掻き回してやるさかい覚悟せや」
 フタヴが手に持ったアマツカグラ書式の魔導書『六道六家二之葉伝書』を開くと、ラコッティ達に向かって封印儀式を始めた。
「もうっ、邪魔者ばっかり!」
「コッチのお兄さんもギュッとしてあげるね♪」
 2体のラコッティが貝を掲げてギュッと押し潰そうとしてくる、狙われたのはシュテルだ。
「生憎、お持ち帰りされる趣味はないのさ……というかというか、待て、色々見えそうだからさっさと倒してくれ〜!?」
 攻撃には耐えたシュテルだが、別の事で悲鳴をあげる。まだ若い彼にはラコッティの格好は刺激が強すぎたらしい。
 そうしている間に別のラコッティ達が、盾を掲げて傷付いた仲間へバリアを張って行く。ラコッティ達にもそれなりのチームワークは有るようだ。
 少し遅れて戦場に辿り着いたミスティは、シュテルが挟まれているのを見て、急いで前線に並び立つと、そのまま勢いよく回転して敵に攻撃をお見舞いする。
「遅くなりましたが、私も負けません!行きますよ、テンペストスピンっ!」
「た、助かったよ。ありがとう、ミスティさん」
 その間にシュテルはトンファーを回転させて守りの構えを取る。反撃に移る準備はコレで出来た。
「うー……邪魔ばっかりして、なんなのよ!」
「どや、動けへんやろ、これがわいのやり方や」
 再び、鎖で振りまわした貝を投げつけようとしたラコッティだが、フタヴの施した封印に縛られてその攻撃は届かなかった。
「なるほど、それなら私も!」
 その様子を見たニコルは、別のラコッティの脚を打ち抜いてみせる。
「その調子や、さて……天地根源を縛する者よ、わいの名において命じるで!」
 フタヴもまた次々に敵を縛って行く。混迷する戦いの中、ルーンの『那須与一乃弓』が一体のラコッティに狙いを定めた。
「その心、射抜かせてもらう!」
 胸へ吸い込まれるように突き刺さった矢は、ラコッティの心を震わせる。すっかりルーンに魅了されてしまったラコッティは、その場で腰が砕けたようにへたり込んだ。
「オジサマ……ステキ♪」
「ちょっとー!しっかりしなさいよ!ルルリア様に言い付けてやるんだから!」
「やりましたね、この調子で行きましょう!」
 プレノアは歓声をあげながらも、スノーを呼び出して催眠ガスを敵へ浴びせる。
「生意気な人間ね、見てなさいよ!」

●誘惑のピュアリィ
 怒るラコッティは、再び貝を持ち上げてシュテルを押さえつけようとする。だが、ニコルに撃ち抜かれた脚の痛みに、持ち上げた貝を被ってしゃがみこんでしまった。
「邪魔ばっかりしてるのはアイツね!」
 そう言って別のラコッティがフタヴを狙って貝を投げつける、一直線に勢いよく投げられた一撃は大きな痛手となった。
「フタヴさん!大丈夫ですか?」
「な、なぁに……こんくらい、まだ平気や」
 プレノアの心配する声に、少しふらつきながらも答えるフタヴ。そんな彼を尻目に、ラコッティ達は障壁と浄化の気流を広げ、封印に縛られた仲間を解放していく。
「さぁ、これで動けますね♪」
「なにぃ!わいの封印がぁ!……もうダメやぁ」
 それを見たフタヴは、さっきまでの強がりは何処へいったのやら、膝を付いてガックっとうつむいてしまった。
 回復を済ませたラコッティ達は、誘うように笑いかけて、エンドブレイカー達に降参を奨める。
「ひとりはヤられちゃったけど、これでもう平気なんだからね♪」
「さっさと降参したらー、私達は捕まえたからって殺しちゃう訳じゃないんだよ♪」
「そーそー、気持いいこと、いーっぱいシてあげる♪」
「ルルリア様だって、きっと優しくシてくれるよ♪」
 その言葉を聞いたミスティは、普段よりも厳しい表情で言い返す。
「甘く見ないで、私達はコレくらいで負けたりはしないの!」
 言葉と共にミスティは踏み込み、光輝のエネルギーを纏ったバトルガントレットで何度も敵を貫いて行く。
「油断したみたいだね、これでトドメだよ!」
 ミスティの攻撃で追い込まれたラコッティを、シュテルのトンファーから放たれた光輪が襲う。また一人の仲間が倒れ、ラコッティ達の表情から余裕が消える。
「覚悟して下さい、次は本気で行きます」
 そう言って、ニコルが祈りを捧げると、その体に圧倒的な力が集まって行く。
「その前に、傷を治しておくと良い」
 ルーンの呼び寄せ風は、ニコルとシュテルに癒しをもたらした、これならまだまだ戦える。
 膝を付いたフタヴには、プレノアが呼び寄せた星霊スピカが近寄って、傷付いた体を撫でている。
「フタヴさん、これで大丈夫ですか」
「すまんなぁ、プレノア。この落し前は、きっちりつけたるからな」
 そう言って顔を上げたフタヴは、神鏡を召喚すると強烈な光を放って、敵の目を奪う。
「もうっ!脚は痛いし、眩しいし、こんなんじゃ戦えないよ!」
 そう言って1体のラコッティが逃げ出す。フタヴはその様子を見てニヤリと笑い、ミスティとルーンに目配せをする。二人は逃げ出したラコッティに『印』をつけ、後を追いかける用意をした。
「うー、せめて一人だけでも連れて帰るんだから!」
「バーンとヤっちゃうよ!」
 ラコッティ達は、一斉にシュテルに向かって貝を振り下ろす。頭を激しく撃たれてシュテルは冷静さを失ってしまう。
「そう何度もやらせないよ!」
 ミスティはシュテルの前に割って入ると、再びヘブンリィスラストを撃ちこむ。
「まだまだ、負けないよ!」
 シュテルはトンファーに妖精を宿らせて、円舞の如く攻撃する、浄化の剣鱗を浴びて元の冷静さを取り戻した。
「さぁ、皆さんご注目、二人ともお願いするよ!」
 ニコルの掛け声で、青と緑の二人の妖精達がダンスを始める、セクシーで、可愛く、愉快な踊りはピュアリィですら魅了していく。
 最後1体となったラコッティに向かって。プレノアがヒュプノスのスノーを召喚する、スノーがポーンとラコッティの頭へ降り立つと、ラコッティはそのまま眠りについてしまった。
「コレでお終いです。スノー、お疲れ様」

●疑惑の王国
「では、ルルリア様は何処に居るのですか?」
「えーっとねぇ……」
 魅了されたラコッティ達からニコルとルーンは一つ一つ丁寧に情報を聞き出していく。
「皆さんは逃げたラコッティを追って貰えますか、私は後からでも追い付けますから、もう少し情報を聞き出しておきます」
「そうね、こっちは私が案内するよ」
 ルーンの提案にミスティはこっくりと頷く。二人とも逃げたラコッティに居場所が判るように『印』を付けているから、逃げた方向は判っているのだ。
 ミスティの案内を受けて、エンドブレイカー達は廃棄領域を進んで行く。辺りはうす暗く、相手の方向が判って無ければ、見失っていたかもしれない。
「そろそろ追いつく頃だよねぇ」
「それなら、灯りを抑えましょうか」
 プレノアはランタンに黒い布をかぶせて、灯りで敵に見つからないようにした。此処からは慎重に進む方がいいだろう。やがて、ラコッティ達から情報を聞き出したルーンとニコルが追いついてきた。
「やはり、ルルリア様というのはラコッティの女王のようです」
「住処はこの廃棄領域の下層でしょう」
 聞き出した情報を纏めると、ラコッティの女王ルルリアは、他のラコッティより背も胸も大きく、ラコッティ達曰く「大人っぽくてステキな女王様なの♪」だそうだ。
 ひと際豪奢な貝殻を武器として、豊満な乳房と同じくらいの大きさの、大粒の真珠を首飾りにしている。そして、若い男が大好きで配下のラコッティ達にも、若い男を攫ってくるように指示しているようだ。
 声を抑えて話しながら歩くと、聞き出した情報の通り、逃げ出したラコッティは下層へと進んでいる。
「んー、この匂いは……湖やな」
 暗い中を進んで行くとフタヴは水の匂いを感じて、仲間達へ伝える。そうして辿り着いた先には予想の通り、地底湖が広がっていた。
 岩肌に囲まれた、広大な洞窟のような空間と、そこに広がる湖。用意も無く渡れる広さでは無さそうだ。
「ねぇ、アレを見てよ」
 シュテルが指さした先は湖の反対側、どうやらそこに横穴があるようだ。
「住みかに成りそうなのはあそこくらいだよねぇ?」
「確かに、逃げ込んだ方向なの」
「えぇ、ですがこれ以上は追えませんね」
「住処が判っていれば、また来る事も出来ます」
「あの奥にルルリアが居るのでしょうか?」
「そう思って、間違いないやろ。何にしても先ずはこれを伝えんとな」
 こうして、エンドブレイカー達はラコッティの王国を突き止めた。今はこの情報を持ち帰り、次なる戦いに備えるのが重要だ。それがラコッティの女王ルルリアを止める事に繋がるだろう。



マスター:小鍋 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:6人
作成日:2013/05/15
  • 得票数:
  • 楽しい5 
  • カッコいい3 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。