ステータス画面

詐欺師へは人質詐欺で対抗せよ?

<オープニング>

●詐欺師達
 水神祭都アクエリオに、オスタッジョという街がある。
 よその都市国家から安全と一攫千金を求めてやってきた商人達は、この街に暮らす世間知らずのお貴族様相手に、安物の民芸品を高級と偽り、高値で売りつけて生活していた。
「はーい、安いよ安いよ。ホワイトハーピーの一番柔らかい毛で作ったストールがたったの20000ダルク! そこの旦那さん、奥さんのお土産にどうだい?」
 だが、そんな詐欺まがいの商売で暮らしが成り立っていたのは過去の話。
 今も、露天商に声をかけられた上品そうな紳士は笑って言い返す。
「いや、要らない要らない。ホワイトハーピーって言ったら、とても狂暴なピュアリィらしいじゃないか。こないだ酒場でエンドブレイカー達が言っていたよ」
 最近は万事がこの調子で、まともに商品を仕入れる努力をしない悪徳商人などは、日々の暮らしも立ちいかなくなってきているのだ。
「ちっ、どいつもこいつもエンドブレイカーって……」
 かつてラッドシティからエンドブレイカー達に護衛して貰ってこの街に辿り着いた悪徳商人の1人は、その恩も忘れて歯噛みした。
「そもそも、奴等が親切ごかして護衛なんざ引き受けるからいけねぇんだ。こんな事なら、ラッドシティに残ってた方が食っていけてたかもしれん!」
 否、受けた恩を恩とも思わずに完全に逆恨みする始末だ。
「あ〜ぁ、俺もマスカレイドになってアイツ等をギャフンと言わせてやれたら……」
 終いにはそんな妄想すら始める悪徳商人へ、棘は呼応した。
 それだけ、悪徳商人のエンドブレイカーに対する逆恨みの意識が強かったのだろうか。
●身代わり作戦、即ち人質詐欺
「あっ、急に呼び止めて申し訳ないんだけど……ちょっと聞いてくれる?」
 疾駆のスカイランナー・ゼオン(cn0173)は綺麗に晴れた空の下で、幾分マイペースに話し始めた。
「今、あそこの露店で商品を眺めている女の子が、マスカレイドに拐われるみたいなんだ」
 さりげなく視線をやると、確かに上質なワンピースを着た少女が、地面に敷かれた御座の上を真剣な眼差しで見つめている。
「あの子を拐うマスカレイドは1人なんだけど、刃物を振り回して『エンドブレイカーに俺達の塒へ来るように伝えろ』って喚くから、街の人も怖がってね……エンディングでは女の子を助けられなかったんだ」
 元より、力仕事などに縁のない貴族達が住まう街である。
 マスカレイド化した商人から少女を奪還するなど、通行人が束になってかかったところで無理な話だろう。
「それに、マスカレイドが俺達って言ったのも気になるんだよ。もし仲間がいるのならこの大通りでマスカレイドと対決するよりは、彼らの塒とやらを突き止めて、仲間ごと一網打尽にした方が良いと思うし」
 そういうわけで、とゼオンは努めて明るい笑顔で懇願した。
「あの子の代わりにレフル君を拐わせる事にするからさ、皆にはマスカレイド退治に協力して欲しいんだけど……駄目かな?」
 どうかお願いします、とゼオンに手を合わせられて、エンドブレイカー達は顔を見合わせた。
「今回、女の子を拐うマスカレイドはナイフを所持しているよ」
 そのナイフを使ってバックアタックと同様の攻撃をしてくるらしい。
「エンディングで見た塒で待っているマスカレイドの商人仲間については……詳しくは判らないんだ。ただ最低でも2人の男がいて、武器は棍を使うようだった」
 それが、人質とされる少女の涙で霞んだ視界から読み取れた精一杯の情報である。
 ちなみに、少女が夢中な御座の店主は老齢でさっきからうたた寝を繰り返している。
 その店主から見て左隣に陣取っている店の商人こそが、今回事件を起こすマスカレイドのようだ。
「えっと、塒の大まかな場所は、この大通りから東へ行ったところに別荘地があって、そこに立ち並ぶ木造バンガローのどれかに連れ込まれたみたい」
 別荘自体は貴族の持ち物だが、当の持ち主が年数度しか訪れないために、件の悪徳商人や流れ者などが勝手に住み着いている事も珍しくない。
「まずは、悪徳商人をできるだけ泳がせて、塒の位置を割り出すのが先決だと思う。商人は人質を取れば塒へ戻ろうとするけど、途中でエンドブレイカーに出会ったらそのまま襲いかかってきちゃうから、気づかれないよう注意してね」
 さらには、人が誰でも願えばマスカレイドになれると街の住民に思われるのもマズいので、この事件自体表沙汰にならないよう気をつける必要がある。
 そこまで説明を終えると、ゼオンは笑顔で。
「一般人が人質になってしまったら危険だし心配だけど、何とかそこだけは回避できそうだから。オレ達の一番の使命はマスカレイド退治だと思って、気負わずに頑張ってね〜」
 何とも緊迫感のない口調で、そうのたまったのだった。


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参加者
幻奏調律士・サクラ(c01323)
雪華双刃の打ち手・ハルディア(c03141)
黒爪・ライオット(c05958)
戦う領主王・ソル(c07090)
凍える棺・ラッセ(c10072)
赤案山子の・ジュリア(c17193)
可愛い子と楽しいことが好きな・オリヒメ(c33287)

NPC:落籍の魔想紋章士・レフルティーヴァ(cn0144)

<リプレイ>


 水神祭都アクエリオ、オスタッジョの街。
 エンドブレイカー達は、それぞれ何軒も建ち並ぶ露店を冷やかしたりしながら、人ごみの中に身を潜めていた。
「商人のマスカレイドね……何がどうしたらそういう風になるのかは分かりませんが、商売に魂を売った者達はマスカレイド化……するのでしょうかね」
 雪華双刃の打ち手・ハルディア(c03141)は、悪徳商人達の突然の変貌が信じられず、首を傾げている。
 自らを浪人者と名乗る彼は、短く整えた髪に鉢巻を巻いて、袖のない着物を身に纏っている。
 その爽やかな出で立ちは、露店の中から声を張り上げる商人達の軽装に妙な親和感を持って溶け込んでいた。
「まあ、退治しないと益々増えそうなので……仕方ないですね」
 だからなのか、ハルディアが日頃から鍛えていそうな立派な腕を組んで、商人達に心を砕いている様子も、やけに似合っているのである。
「むー、可愛い子を拐って人質にするなんて許せないな」
 神妙な面持ちでそう呟くのは、可愛い子と楽しいことが好きな・オリヒメ(c33287)。
「マスカレイド全員逃がさず倒せるように、殴られるぐらいは覚悟して臨んで欲しい。ごめんね、大変な役やらせて」
 と、落籍の魔想紋章士・レフルティーヴァ(cn0144)の頭を撫でる手つきは優しい。
「ボクがちっちゃくて可愛かったら代わるんだけど……」
 オリヒメは大袈裟に肩を落としてみせるものの、背が高めなのは事実でも彼女自身中性的な顔立ちなので嫌味がなく、男女問わず幅広く魅力的に思わせる風貌なのだった。
「必ず助けますからね、それまで大人しく指示に従っていて下さい」
 黒爪・ライオット(c05958)の言葉は力強い。
 それに応えるべくこくこくと何度も頷くレフルティーヴァを見やって、赤案山子の・ジュリア(c17193)が呆れたふうに笑った。
(「あー、何か皆楽しんでるなー。特にレフルティーヴァなんてもう、人質が楽しくてしょうがないようにしか見えない」)
 囚われのお姫様に憧れでもあるのかな、とジュリアがふと視線を逸らせば、人ごみにうまく隠れている戦う領主王・ソル(c07090)の姿が見えた。
(「自分の意志でマスカレイドになられるってだけでも厄介なのに、逆恨みが原因とは……やれやれ、そんな馬鹿共にはきついきついお灸を据えてやらないとなぁ?」)
 内心そんな事を考えて気合を入れているソルだが、どこかアンニュイな側面を持つジュリアからして見れば彼の格好もまた、この任務を芯から楽しんでいるように見えるのだった。
 何故なら、ソルは新しく手に入れた双獅黄鎧を身に付け、眩いばかりの黄金の輝きを振り撒いていたのである。
 しかも、その傍らではハルディアが走る気満々で屈伸運動をしていた。
 たとえ走ったところで、姿を遮蔽物にさえ隠していれば足音も気配も他人には察知させない――忍者特有の技能である。
「皆、楽しみ過ぎだって……」
 ジュリアの頬に、引きつった笑いが浮かんだのは言うまでもない。
「あ、レフルティーヴァ。追跡のためにフットプリントはお願いね」
 だが、例え心の内で呆れていようと、そして変態には冷ややかな目で見てしまう部分があろうとも、任務成功のためには抜かりのないジュリアであった。
「仕方がないとはいえ、誰かを囮にするのは気が引けますね」
 出来る限りの事はしませんと――幻奏調律士・サクラ(c01323)は普段通りに柔らかな微笑みを浮かべたまま、レフルティーヴァの武器をこっそりと預かる。
 彼女自身、清潔感のある白いマントに女性らしい雰囲気のストライプのトップス、柔らかいプリーツの入ったミニスカートという服装で、上品さではこの街の貴族の子女にひけをとらない。
 常日頃彼女が愛用している私服ではあるが、いざという時は代わりに人質になりたかったというサクラの気概の表れなのかもしれない。
 件の商人が視界に入る位置にいつつも、細い路地で自らの姿はうまく影の中に紛らせている凍える棺・ラッセ(c10072)。
「……アクエリオの結界が消えた事と言い、世界を蝕む棘の力が増しているのだろうか?」
 真剣な面持ちで考えに耽っていたラッセの隣を、身なりの良い少女が赤い顔で走り抜けていく。
「不潔だわ……!」
 今のが、エンディングで人質にされる少女だった。作戦が始まったかとラッセの表情に厳しさが増す。
(「レフルの事だから、商品を褒めるふりしてわざといかがわしい単語でも少女に聞かせたに違いない」)
 もはや説得では無いが、店から遠ざけた結果は同じである。


「このガキを助けたかったら、お前らの信頼するエンドブレイカーを俺達の塒へ寄越すんだな!」
 エンディングとは違う人質の首にナイフを突きつけて、悪徳商人が叫ぶ。
「助けて……!」
 レフルティーヴァはせいぜい弱々しく叫んで、引きずられながらも足をバタバタさせたが。
 首にナイフの刃を当てられた状態では、背筋が弓なりに反ってしまって、足跡の全てが地面につくわけではなかった。
(「ちょっと……商人の足元!」)
 商人が履いているヨレヨレの布靴や、薄汚れたズボンの裾がフットプリントで淡く光っているのを見て、ジュリアは思わず噴き出しそうになったものだ。
 その横では、ソルが住民のふりをして塒といっても何処と伝えれば良いのか――と問うている。
「ここから奥へ行った別荘地だ!」
 人を呼びつけておきながら酷く曖昧な、と思ってから、ハルディアは気づいた。
(「そうか、塒とは言っても商人自身の所有地ではないから」)
 自分達が昼間露店を出している間に、別荘の所有者である貴族が帰ってきているかもしれない。
 他の流れ者に窓を割られて、勝手に居座られている可能性もなきにしくはない。
 その懸念があったからこそ、悪徳商人はどのバンガローに来いとはっきり明言できなかったのだ。
 そして、他の商人達がどのバンガローの中にいるかは、彼らにしか判らない符丁で判別するのだろう。
 そこまで考えてから、仲間達に先駆けて走り出したハルディア。
 彼の後方では、レフルティーヴァが連れ去られるのを我が目で確認したライオットが、青筋を立てて指をごきごき鳴らしている。
 無言なのも相俟って、その様には得も言われぬ迫力があった。


 ジュリアは商人に見つからないよう、途切れ途切れに残るフットプリントとバンガローの影に隠れながら先頭で尾行するハルディアを追う形で追跡する。
 彼女の常ならざる領域まで研ぎ澄ました視力と相俟って、この二重三重と策を凝らした尾行は非常に効果的であった。
 サクラも聴力を研ぎ澄まして、ジュリアの後方から耳を済ませている。
「何か、鈍い音がしたんですけど……刺された?」
 すぐにオリヒメが状況を察して応えた。
「それ、バンガローの入り口に着いたからじゃない? 暴れるよう頼んだから」
「成る程。どうやら2人とも屋内に入ったようですから、私達も乗り込みましょうか」
 サクラは頷いて、既にハルディアが窓の真下に張りついているバンガローへと近づいていく。
 ライオットは、常ならざる視力で窓の中を覗いて。
「リビングとキッチンが繋がっていますね。男達は酒瓶か何かを運んでいますが、レフルさんの姿は見えません。得られる情報はこれが限界ですか……後は実力行使ですね」
 6人がバンガローの前まで来ると、無言で窓と玄関を交互に指すハルディア。
 2〜3段の段差のせいで上手く足跡がつかなかった代わりに、血痕が落ちていた。オリヒメの策が効いたのである。
 皆は頷き合い、窓と玄関の二手に別れて乗り込む事にした。
「随分と派手に呼び掛けてくれたな悪徳商人ども」
 扉をわざと派手に蹴破って、正面から乗り込むのはラッセ。
「き、来やがったなこの野郎!」
 悪徳商人達は、何本もの酒瓶を抱えて脂下がっていたところだったが、すぐに武器を構えて臨戦態勢を取る。
「ええ、街の人の代わりに忠告しに来てあげたの。たったの20000ダルクだなんてポンと出せる額じゃないし、いくら貴族の奥さんでも卒倒するよ?」
 窓からの救出班が気づかれにくいようにと、次いで玄関から突入したジュリアも無数のナイフを投げつけて挑発した。
「俺達を呼んでたからわざわざ来てやったんだ、俺と遊んでくれよ?」
 ソルも啖呵を切って、軽く拳を打ち合わせる。
「かかってこいよ、喧嘩のやり方を教えてやるぜ?」
 彼の朱戦甲【獅子哮】が、黄金色に輝き始めた。
 そんなソルの反対側では、窓を割って押し入ったライオットが夜闇を打ち鳴らして、棍持ちの1人を追いつめている。
「望みどおりに来てやったぞ、拐った女性は返してもらう」
 共に侵入したサクラも幻奏楽杖 -Trio-を振るい、魂送りの詞で攻撃した。
「悪い人たちにはお休みして頂きましょうか」
 その傍らでは。
「レフルさん、私は商人でも王子様でもないお節介な浪人者ですが、依頼により助けに参りました」
 床下倉庫の蓋を外したハルディアが、その中へ向かって呼び掛けていた。
「こんな暮らしする羽目になった怨みぃっ!!」
 ナイフ持ちは、ギラリと光る刃を振りかざしソルへと切りつける。
「人質でもとらねーと、怖くて手も出せなかったような奴が、一丁前に吼えてるんじゃねーよ」
 ソルは腕を斬られたのもものともせずに挑発し、音速を超えた速さで拳を繰り出す。
「ごめんね、ボクが危ないこと頼んだから」
「大した傷ではありませんし」
 サクラと共に窓から突入したオリヒメは、ハルディアが引っ張り上げた人質へ謝ってから、虚月輪を棍持ちへと放つ。
 別の棍持ちに死氷突きを浴びせていたラッセは、ハルディアが忍犬をけしかけて棍持ちの足へ噛みつかせた事で、レフルティーヴァを案ずる余裕ができた。
「一般人を危険に晒さない事は勿論大切だけど、出来ればレフルもこんな無茶はあまりしないでおくれ?」
 そう囁いてから彼女を小脇に抱え、遠心力をつけて放り投げるラッセ。
 サイドスローで投げ渡す先は、丁度棍持ちをサクラと共に応戦していたライオットだ。
 ライオットもラッセの意図を察し、しっかりとレフルティーヴァを横抱きでキャッチすると、出血している足を苦々しく眺めてから床へと降ろす。
「逆恨みとか救いようがありませんよね。人間、悪い事はそうそう出来ないものですのに」
 サクラは悠然とした笑みを浮かべて前に出ると、棍持ちを無明斬で斬り捨てて見せた。
「ふふ、お姫様ご無事でしたか?」
 そのまま振り返って、レフルティーヴァへ武器を渡す。
「これで遠慮なく攻撃できるってものね」
 武器を受け取った仲間を見やり、安心してアイアンドラゴンを残り2人の棍持ちへけしかけるジュリア。
 バーンズデイルのナイフ群にて形成された多頭竜が、2人の腕や足にズブリと刃の歯を立てた。
「さて、忍びの行く花道は敵中……背中を預けさせて貰います」
 ハルディアも、舞吹雪・真月に稲妻の闘気を込めて斬りつけ、棍持ちを感電させる。
「ボクもっ!」
 さらには、オリヒメが創造した破月輪を次々と投げつけ、感電したせいで棍を振れなくなっていた1人の胴を貫き、即死させた。
「貴様みたいなバカはどこにでも一定数いるが邪魔なんだよ」
 もう1人の息の根を止めたのは、ライオットの毒爪乱舞だった。
 棍持ちが全員事切れたたところで、ソルがナイフ持ちを見てニヤリと笑う。
「テメェらみたいな下種が束になった所で、勝てるとでも思ったのか? そんな思い上がり、叩き潰してやるぜ」
 ――バキッ、ドカッ!
 そして、宣言通りに膝蹴りから肘撃ちと連続で見舞い、最後には決別の拳を腹に打ち込んで、キッチンの壁まで吹き飛ばしたのだった。
 ――ダンッ!
 壁に激突した時、既にナイフ持ちの悪徳商人の息はなかった。
「終わったね」
 それを確かめにいったオリヒメが、その場に屈み込み祈りを捧げる。
 4人全部の遺体を全て消滅させたところで、ようやく皆緊張感から解放されたのだった。
「あんまりあぶねーことするなよ?」
 ソルは軽い口調で窘めるも、友人があまりに簡単に肯くものだから。
(「……聞いてくれると良いんだけど、な」)
 ついつい、苦笑が漏れるのであった。
「可愛い顔に傷がついたら大変だし、何かあったらと思うと心配だからね」
 ラッセが臆面もなく気障な科白を浴びせる横では、ライオットはふと何かを思いついたらしくレフルティーヴァの前で背を向け腰を折った。
「希望でしたらおんぶしましょうか」
 多少足を刺されたとはいえ、棍持ち相手に狂王の紋章で後方から攻撃していた事は彼も知っている。
 なのにこんな嬉しがらせを言うライオットの気持ちがレフルティーヴァには嬉しく、満面の笑みで背中に飛びついた。
「特に報酬が出るわけでも名声得るわけでもないのがエンドブレイカーですけど、これまで助けた人が今でも感謝しているのか疑問です」
 背負ったまま立ち上がりつつ、真面目な彼にしては珍しい本音を零すライオット。
「あら、私は覚えてますから、助けて下さったこと。幾らでも恩に着せて下さいまし」
「何で助けて貰った側が、要求してるんです?」
 相変わらずな友人の口振りに、サクラは口元に手を添えて笑った。
 ジュリアは、床に無造作に置かれたズタ袋の中を漁って、中身の物珍しさに目を輝かせている。
「この歯の形したブレスレット良いかも。ハル、財布持ってきた?」
「財布……空で、って依頼にお金持っていくわけないですよ」
 焦って両手を振るハルディアへ、オリヒメがツッコむ。
「ハル、払う相手もういないって」
「そうよ、冗談なのに」
 ジュリアも笑いを堪えつつ、目ぼしい物は自分のウエストバッグへ仕舞いこんだようである。



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参加者:7人
作成日:2013/05/24
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