ステータス画面

ルルリアが可愛がってあげる

<オープニング>

「ルルリア様!ごめんなさいー、人間とエルフ達に負けちゃいましたー」
 傷付いた体で洞窟へ駆け込んできたラコッティは女王へ許しを乞う。彼女は女王より与えられた命を達成できず、他のラコッティを見捨てて逃げ帰って来たのだ。
「失敗したなら、仕方ないわ。ルルリアは優しいから許してあげる」
 貝殻の玉座に腰掛けたラコッティの女王ルルリアは、自らの長い髪を弄びながら、配下の報告を聴いている。
「シャルムーン様のおかげでルルリアには力が溢れてるもの、失敗くらい直ぐに取り戻せるわ」
「「素敵です、ルルリア様〜♪」」
「「流石です、シャルムーン様〜♪」」
「ですけど、人間とエルフ達が追いかけてくるかもしれません!」
「その時は、ルルリアがみんな虜にするから大丈夫よ」
 心配する配下に、ルルリアは安心させるように語りかける。その言葉、その表情は絶対の自信に満ちている。
「この力が有れば、どんな相手にだって勝てるんだからね」

「アクスヘイムの廃棄領域に、ラコッティの王国が有るようなんです」
 砂糖菓子の弾丸・ニコル・エストレリタ(c11346)は酒場に集まったエンドブレイカー達に呼び掛ける。
 以前にラコッティに狙われている若者を助けた際に、逃げ出したラコッティを追って広大な洞窟と地底湖を見つけたという。地底湖の奥にある横穴が、ラコッティ達の王国になっているようなのだ。
「どうやら、その王国はルルリアというラコッティの女王が率いてるようなのです」
 倒したラコッティから情報を聴きだした結果、彼女達は女王の命のもと、若い男を攫っていることが分かった。
 廃棄領域の奥深くに、広大な洞窟にできた地底湖があって、王国の入口は湖を渡った先にある。
「地底湖のそばには幾つかの古い小舟がありました。古いので壊れている船が殆どでしたけど、少し修理すれば使えそうな物も残っていました」
 故障の少ない船を探して、修理して使うと良いでしょうとニコルは提案する。
「王国は水路を抜けたあと、開けた広場が有るそうです、ルルリアはそこに配下のラコッティと共に居るはずです」
 水路は小舟が通るには十分な幅が有る、足場に成る場所も無いので、見張りは特に立てていないらしい。
 水路の先の広場は陸地になっており、広場の奥にルルリアの玉座が有る。配下のラコッティは広場やその脇にある小部屋に居るだろう。
 戦える年頃のラコッティはルルリアの他には全部で5体いるらしい。ルルリアは他のラコッティより背も胸も大きく、ひと際豪奢な貝殻を武器としている。豊満な乳房と同じくらいの大きさの、大粒の真珠を首飾りにしているというので、他のラコッティとの区別は一目で付けられるだろう。
 ひとしきり説明を終えると、ニコルはエンドブレイカー達に向き直る。
「彼女達をそのままにしていては、アクスヘイムに住む人々が危険な目に合うかもしれません。お願いします、女王ルルリアを倒して、ラコッティの王国を潰して下さい」


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参加者
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
もふもふ刑事・プレノア(c03487)
灼撃の・リョウ(c11025)
砂糖菓子の弾丸・ニコル(c11346)
サイレントフリーザー・リリナ(c19783)
白羽に誓う・ミスティ(c24035)
旋棍の妖精騎士・シュテル(c28289)
愛と正義の使者・フタヴ(c31192)

<リプレイ>

●湖岸の王国
「着きました、此処がその地底湖です」
 砂糖菓子の弾丸・ニコル(c11346)は酒場での呼びかけに応えてくれた仲間達に声をかける。
「あの横穴がラコッティの王国だな」
 湖の向こうを見て灼撃の・リョウ(c11025)が確認する。それに答えたのはニコルと共にラコッティの王国を見つけ出した一人、白羽に誓う・ミスティ(c24035)だ。
「えぇ、ラコッティがあそこに逃げ込んで行ったのよ」
「捕えたラコッティからの情報とも一致しますから、間違いないでしょう」
 補足して応えるのは阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)だ。ミスティやルーンだけでなく、かつてラコッティから若者を助ける戦いに参加した者は、全員が再びこの廃棄領域に揃っていた。
 酒場で集まった時に愛と正義の使者・フタヴ(c31192)は。
「ま、乗っかかった舟、最後まで付き合いましょか。舟乗るだけに」
 などと、おどけた様子で言っていたが、他の仲間達も思いは同じものだった。
「早速だけど、舟を探さないとだねぇ」
 妖精を召喚しながら旋棍の妖精騎士・シュテル(c28289)は湖岸を見渡す、周囲には陸揚げされたままの小舟が幾つか見える。
「皆、故障の少ない舟を探してね」
 星霊達を召喚しているのはもふもふ刑事・プレノア(c03487)だ。
 一方、新たに加わった仲間はリョウともう一人、サイレントフリーザー・リリナ(c19783)だ。彼女もまた星霊バルカンの『ばる』と『かん』の2匹を召喚して小舟を探している。
「ちゃんと傷を見てください。でないと……途中で水に『ちゃぽん』となるのはあなた達ですからね」
 そうしてエンドブレイカー達が小舟を探していると、プレノアの召喚したノソリンの『ノンノン』がなんなんと独特の鳴き声を上げる。
「きっと良い舟を見つけたのでしょう」
 プレノアが仲間に呼び掛けて、ノンノンの見つけた小舟をしらべてみると、驚くほど破損の少ない舟だと分かった。
「完璧だな、これなら殆ど手を加える必要が無いだろう」
「ですけど、出来ればもう1艘欲しいところですね」
「大丈夫、コレも使える……はず」
 そう言ってリリナが示した小舟ではばるとかんが、くつろいでまるまっている。この舟も彼らが安心出来るくらいには破損は少ないようだ。
「やったね、リリナちゃん。これなら直ぐに使えるよ」
「いや、修理は必要でしょう。船体は平気ですけど、舵板が割れてしまっていますね」
 船尾を覗きこんでルーンが指摘する。そこに取り付けられていた舵板は木目に沿ってばっくりと割れて、元の半分も残っていない。
「それなら、コッチの舟から舵板を取って使えないかい?」
 別の舟の船尾を覗きながらシュテルが提案する。確かにそこには、まだ割れていない舵板が残っている。
「それならすぐに直せるっすね。そういう細々としたモンやったらおにーさんに任せとき」
 そう言ってフタヴはシュテルの見つけた舵板を器用に取り外して、リリナの見つけた船体にとり付ける。コレで2艘の小舟が用意できた。
「よっし、後は俺達の出番だな」
「そうですね、皆さん乗ってください。操船はリョウさんと私がやります」
 リョウとニコルは使いなれた自前のオールを用意すると、仲間達を呼び集めて其々の舟の準備を始める。目指すは湖の向こう、ラコッティの王国。

●女王の王国
 修理した2艘の小舟は、どちらも役目を十分に果たした。ゴンドラに慣れたリョウとニコルにとって、波の少ない地底湖での操船は楽なもの。無事に渡り切って、王国への水路を抜けて行く。
 やがて広い空間へとたどりつくと、舟の接近を知ったラコッティが声を上げていた。
「きゃー、皆ー!エルフと人間が来たよ!」
「あーっ!あの時の人間とエルフ達だ!」
 仲間の声を聴いて、幼いラコッティ達は奥へ逃げ込み。巨大な貝を持ったラコッティ達が集まりだす。その内の1体が声を上げてこちらを指さしている。
「きっと逃げ出したラコッティですね」
「本当だ、今度は逃がさないよ!」
 プレノアが仲間に確認すると、シュテルが応えてトンファーを構える。
「いやーっ!助けてールルリア様!」
「そんなに叫ばなくても聴こえてるわ、大丈夫って言ったでしょう」
 広場の奥、見上げるほど巨大な貝で出来た玉座に腰をかけていたラコッティが、配下の声に応えてゆっくりと立ち上がる。
「お前がルルリア、ラコッティの女王だな」
「そうよ、ルルリアはこの王国の女王様なの」
 リョウの問いかけに応えたラコッティは、確かに女王の風格を持っていた。仲間達で一番長身なフタヴよりもその背丈は大きく、堂々と豊満な胸を見せつけるようにしている。その胸の上には乳房と同じくらいの大きさの真珠の首飾りがついている。
「あらら、大きいですねぇ……」
「ほんまに、大きいな」
「二人とも……ズレてる」
 ミスティは珍しいものを見るように、フタヴはどこか嬉しそうに語る。リリナは二人の言葉のニュアンスの違いに気付いたようだが、それ以上は追及しなかった。
「大変恐縮ですが女王陛下、われらの平和のために滅びてください!!」
「人を年齢でしか判断せず差別するものどもの親玉よ、今日が年貢の納め時だ」
 ニコルは決意を、ルーンは怒りを込めてルルリアへ勝負を挑む。それに大してルルリアは微笑んで応えた。
「やれる物ならどうぞ、まとめてかかって来ると良いわ。ルルリアが可愛がってあげる」

●真珠の王国
「悪妖必滅、邪鬼退散!エンドブレイカー、フタヴ・アレオが…極楽にいかせたる!」
「その腕、射抜かせて貰う!」
 フタヴは呪詛光線でルルリアの敵意を奪い、ルーンがルルリアの腕を狙って矢を放つ。
「もう、邪魔ばかりなのね」
 大して苦にもせず、ルルリアは光の障壁を纏い、ルーンを貫く。幸いにもコレは耐えられないほどの一撃ではなかった。
「欲張りだけど此処は通さないよ、女王さんでも、他の子であってもね」
「死にたい奴から掛かって来い!」
 シュテルは前へと飛び出し『ウッドトンファー』を構えて守りを固める、並んで立つリョウも『灼星鞭』を振って配下のラコッティ達を引き付ける、その間にプレノアとリリナが配下をまとめて攻撃するが、見た目に反して頑強なこのピュアリィ達を倒し切る事は出来なかった。怪我の少ないラコッティがルルリアへとバリアを広げ浄化の気流をあびせる。
「ルルリア様、コレでお怪我は大丈夫ですね」
「ありがとう。さぁ、皆クラクラにしてあげなさい」
「解りました、ルルリア様♪」
 ルルリアの声に応え、貝を振り上げたラコッティ達はシュテル、ミスティ、ニコルの3人の頭へと打ち下ろす。だがミスティはその一撃を気にした様子も無く、竜巻のように回転して防御姿勢をとった。
「そんな攻撃で私はひるみませんよ!」
「シエル!力を貸して」
 ニコルが妖精を宿した小剣『リッソムブルー』を突き立てると、そのラコッティは耐えきれずに倒れた。
「えぇ調子や、このままの調子で行くで」
「あら、何度もやられはしないんだから」
 再び『六道六家二之葉伝書』を開くフタヴにルルリアの光壁が襲いかかる。この光壁は配下の一撃よりも、余程強力な一撃となってフタヴを痛めつけた。
 だが、ルーンの那須与一乃弓から放たれた矢は正確にルルリアの腕と足を射抜き。その動きを封じてみせる。
「スノー!跳ねまわってやるのです」
「雪は刺せ、霙は叩け、冷風は斬り裂け……冬将軍の息吹よ、封じ込めよ凍つる生命……」
 プレノアは『導きの灯』でヒュプノスの『スノー』を導き、リリナは氷突剣『アブソルート』を天に掲げ吹雪を叩きつける。この連撃に耐えられず、また1体のラコッティが倒れる。
 だが、勝負は一進一退となり、また別のラコッティがルルリアの傷を浄化してしまう。
「ヴェール、彼女を眠らせて!」
 だが、ニコルが妖精を呼び出し、洗脳粉を浴びせる。
「そう、それならこんなのはどうかしら?」
 ルルリアは光壁でルーンに反撃をしながらも、リョウに向かって真珠をかざす。激しく明滅する白光を目の当たりにして、リョウは体に痺れを感じた。
「くっ、清浄なる光よ……降り注げ!」
 だが、清浄なる光の力で体の痺れを掃うと、そのまま攻撃を浴びさせて配下を倒す。
「行きますよっ、ヘブンリィスラスト!」
 ミスティもまた、バトルガントレットから光輝のエネルギーを放ち、1体のラコッティを打ち倒した。だが、その間にもルルリアの傷は癒され、光壁はより頑丈なものへと変わっていく。
「これならどうだ!」
 シュテルの呼びだした妖精達が、ルルリアと配下の頭へと抱きつく。その隙を狙ってリリナのバルカンがルルリアを睨みつけながら神火を叩きつける。
「女王の動きは、封じました」
「スノー、トドメです!」
 プレノアもまた、配下の隙を狙って攻撃を放つ。プレノアの命じるままにスノーがポーンと跳ねると、最後の配下も眠りに落ちて行った。

●傀儡の王国
「ルルリアさん、これで後はあなた一人だけなのよね?」
 ミスティはバトルガントレットを構えながらもルルリアに語りかける。
「それがどうしたの?ルルリアは強いもの、これくらいで負けたなんて思わないわ」
「そうですか、遠慮要らないようね」
 ミスティは再びヘブンリィスラストを使うと、次々にルルリアに突きを撃ち込む。
「このチャンス、逃しませんよ!」
 ミスティに守りを砕かれた所を狙い、ニコルが盾の『エアリーグリーン』を叩きける。
「本当に邪魔な奴らばかりね!」
 頭を打たれたルルリアは、シュテルの攻撃を光壁で弾き飛ばす。
「うーん、この守りは厄介だね」
「それなら、こうして封じたるわ。我が名において命じる、書の盟約を実行せよ!」
 フタヴの封印術式がルルリア光壁を封じる。その間隙をぬってルーンの矢が突き刺さる。
「真珠の光でまとめて虜にしてあげる」
 ルルリアの放つ白光はシュテルを襲い、そのまま光は隣のニコルへと広がりかけた。しかし、リリナのバルカンの詔に封じられて思うように広がらない。
「シアン、シュテルさんの傷を直して」
「ありがとう、プレノアさん」
 プレノアはスピカの『シアン』を呼び出すとシュテルの傷を癒す。リョウは暁の輝きを帯びた棍でルルリアを攻撃するが、分厚い光壁に阻まれ逆に傷を負ってしまう。
「大丈夫、すぐに癒します」
 リョウの傷が重いと見たリリナは、癒しの舞をもってその傷を癒す。清冽なる鈴音はミスティの怪我も合わせて治した。
「これでまだ戦える。ありがとう」
「助かります、リリナさん」
 だが、ルルリアの光壁は分厚く、ミスティとニコルの攻撃も阻まれてしまう。
「簡単には行かないのね」
「くっ、これは厳しいですね」
「まだまだ!もう一度、お願いするよ!」
 シュテルは再び妖精に命じると、妖精はルルリアの頭に抱きついて、かわいいダンスを披露する。
「そんな程度でルルリアを誘惑してるつもり?おかしくて笑っちゃうわ」
 確かにルルリアへ与えた衝撃は小さいものだった、だが確かに隙はできた。
「後は任せるさかい、格好えぇとこは好きなだけ持ってけ」
 フタヴは反撃で傷を負ったニコルの治療を優先する。祝福の舞がニコルの怪我を塞いでいった。
「有難うございます、フタヴさん」
「確かに任されました、この好機、無駄にはしません!」
 フタヴに応えて、ルーンの放った矢はルルリアのハートへと、吸い込まれるように突きささる。瞬間、ぽぉっとした表情を浮かべてルルリアは座り込む。
「やりました!」
「さすがやな、この色男!」
 ルルリアを魅了したの見て、プレノアは歓声をあげ、フタヴが茶化す。話せそうな様子を確認すると、シュテルがルルリアへ質問をなげかけてみる。
「その真珠は誰から貰ったんだい?」
「誰からも貰ってないわ、元々ルルリアのよ」
 なんでも、玉座に使っている貝から見つかったものらしい。恐らくあの貝も巨獣の一種だったのだろう。リリナは未だ自分の知らない生き物が居る世界の広さに感心した。
「ではその力は誰から貰ったのだ?」
「勿論、シャルムーン様よ」
「シャルムーンとは」
「ピュアリィ達の神様よ、呼び捨てになんてしたら失礼だわ」
 ルーンはシャルムーンについての質問を幾つか投げかける。だが、詳しい事を聴いてもルルリアはシャルムーンを『神様』としてしか知らない。
「コレ以上は何もしらないようですね」
「こいつも所詮ただの傀儡ということか」
 ニコルが諦めたように呟くと、リョウも同意をしめした。
「この真珠、どうします?」
「危険なものには変わりありません……壊しておきましょう」
 ミスティは少し未練が有ったようだが、念のため壊す事に決めた。プレノアはこの真珠が急に喋り出したりしないかと、警戒していたが杞憂にすんだようだ。
 こうして、アクスヘイムに潜むラコッティの王国が一つ滅亡した、だがその背後に居るであろう、『シャルムーン』の存在は謎に包まれたままとなった。



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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/06/05
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