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ワームパイプ・ホロウの冒険:勇気と無謀の境界線

<オープニング>

 七勇者の一人、『若草の乙女・アリッサム』を名乗る若草色の鎧を着た女性騎士のマスカレイドの攻撃により、『ワームパイプ・ホロウ』の先に進む道が閉ざされてしまった。
 崖の一部にポッカリと空いた穴からは、次々とモンスターが這い出してくる!
「クソっ、こんな場所で戦闘かよ!」
「こうなっては、やるしかありませんね。私がサポートします、回復は任せて!」
「よし、まずは、あの仮面をつけた鳥から片付けようぜ!」
 お世辞にも好条件とは言いがたい戦場。
 仲間たちは、それでも諦めず武器を手に取る。
 剣戟の音が響き、星霊は敵に向かって駆けていく。
 仲間たちは、互いに互いをカバーする形で、協力して敵を打ち倒す。

「ふぅ、なんとか撃退できたな」
 這いだしてくるマスカレイドをなんとか撃退した仲間たちは、ホッと息をつく。
 しかし、その目の前には、どこまで続いているのか見当もつかない、深く暗い洞窟が口を開けていた。
「……他にすすむ道がない以上、『ランスブルグ』に向かうなら、この洞窟を進むしか無い、か」
「『先に進めば命はない』。アリッサムを名乗るマスカレイドがそう宣言したくらいですから、どんな敵が待ち構えているか……」
「勇士号は使えないかな?」
「もし勇士号を使い進むことが出来たとしても、それでは時間が掛かり過ぎる。ランスブルグの危機には、間に合わない」
「どうします? 一度エルフヘイムに戻り対策を練りますか?」
「俺は行くぜ! どんな敵が向かってこようが、蹴散らしてやる!」
「う〜ん、嫌な予感しかしないけど、僕も行くよっ!」


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参加者
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
射干玉の夜の姫君・シルフィア(c01856)
闇狼・ヴォルフ(c03621)
コートワールは振り向かない・ダガー(c04738)
悪夢の刈り手・シェミア(c19503)
デリバリー戦士・アケミ(c27136)
騎嬢天衝・メリーアン(c30107)
キュア・パコ(c32268)

<リプレイ>

●進軍する者、確保する者
 エンドブレーカーの一団は、意を決し洞窟内へと進撃していく。
 雪崩れ込むように、突撃していく多くの部隊。
「わたくし達も続きますわよ! 突撃あるのみ、こんな場所で手をこまねいて見ている場合ではありませんわ!」
 騎嬢天衝・メリーアン(c30107)は、ハイゼットと呼ぶ愛馬、星霊グランスティードの背に跨り一際前に出る。
 その後を、少し歩調を速めながら、阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)、悪夢の刈り手・シェミア(c19503)、コートワールは振り向かない・ダガー(c04738)、闇狼・ヴォルフ(c03621)、射干玉の夜の姫君・シルフィア(c01856)の5人が進む。
「皆さん、血の気の多いようで。向こう見ず、改め後ろ見ずが多いデスねぇ。ワタクシも嫌いでは無いデスが」
 愉しそうにダガーがそう言うと、
「多くの隊は、先に行ったか。しかし、闇雲に突撃してもな。万が一撤退する事も視野に入れ、慎重にいきたいところだ」
「勇気と無謀の境界線を確定できるのは未来だけですが、自分達に出来る精一杯をやらなくては勇気ある結果を手に入れられません。無策で挑んで敗れては意味ないですから、私たちは慎重にいきましょう」
 シルフィアとルーンがそう言った。
「まぁ、無謀は嫌いじゃないし、面白そうではあるが。七勇者の一人、『若草の乙女・アリッサム』らしきマスカレイドが用意したランスブルグへと続く道……仕掛けなど、されていなければいいが」 
 ヴォルフは、そう言って注意深く壁面などを調べながら歩く。
 入り口からそう離れていないこの場所は、道幅も広くちょっとした脇道も多い。
「どこかに怪しい抜け道はないか……?! 静かに、物音がする!」
 異変に気づいたシェミア。
 無骨なサイのような体躯で、斧を手に構えるライノパイル。
 愛らしい少女の面影とは裏腹に、クラゲのような下半身に触手を蠢かせるジェリファン。
 小さめの翼は、空を飛ぶことよりも地を蹴り走ることに特化しているのか、鋭い爪と鋭く大きなくちばしが特徴のランドバード。
 どれもこの洞窟に入る前戦っていたマスカレイド達。
 どうやら、まだ生き残りが多数いたようだ。
 脇道から続々と現れる。
「あらあら、後方でのんびり様子見、なんてわけにはいかないようね」
 後ろからも敵が迫ってきたことを受け、デリバリー戦士・アケミ(c27136)もそう言って銃に手をかける。
「キュアパコッ、参上ぉッ!」
 大きな胸を揺らし、ピシっとポーズを決めたキュア・パコ(c32268)。
「こんなジメジメしたトコでのんびりなんてヤダし、パパッとやっつけちゃうから覚悟してよね」
 後ろから迫る敵の前に、そう宣言し躍り出たのを確認し、アケミはフゥと溜息を付く。
 敵は、パコ一人で相手をするには、荷の重い人数だ。
「こっちを手伝うかしらね。一人で相手するにはキツイ数だし、まぁ、来たからにはキッチリ仕事させてもらうわ」

●掃討戦
「わたくしはジァルフィー家がメリーアン! いざ!」
 前方にいたメリーアンは、臆すること無く真っ先に敵の只中へ突っ込んでいく。
 ハイゼットは、敵を後ろへと蹴り上げ、荒々しく蹄を蹴立てる。
「あのジェリファン達、触手に絡め取られると厄介です。先に狙いましょう」
 ルーンは弓を引き絞り矢を放つ。
 ライフエナジーを込めた矢が、次々とジェリファン達に突き刺さる。
「黒き死に巻かれろ……!」
 名も亡き魔神の瞳の冷たい刃がその身体に振り下ろされ、悲鳴とともに敵は息絶える。
「フゥーハッハッハッハァ! 慎ましやかなレディなら相手なら静かにお話するのもよいデスが、貴女達には、コチラで語り合うほうがよいようデスねぇ」
 ダガーの繰り出すミラージュランスは、次々と敵を貫き打ち倒していく。
「手負いのものも多いようだな。それなら……」
 黒衣から覗く口元に、笑みを浮かべるヴォルフ。
 その外見に似合わず、コチラの出方を伺うように構えていたライノパイルが、急に咆哮を挙げ首を振る。
 あの斧の攻撃をまともに喰らいたくはないものだ、ヴォルフは敵に悪夢を見せ正気を奪う。
 判断力さえ奪ってしまえば、戦いやすい。
 安定した状態で振り下ろされる一撃は、重たいものではなかった。
 攻撃を受けたシェミアから、それほどのダメージは感じられない。
「この辺りの敵は、残さず一掃したいところだ。手堅く行くか」
 先に向かった多くの仲間達。
 守りを捨てて先に向かった仲間たち、楽な戦いではない以上、多くの負傷者がでても不思議はないだろう。
 それに、ランスブルグへ続く道は今の所ここ一つ。
 万が一の場合は速やかに撤退できるルートを確保すること、回収された負傷者が治療を受けるためにも、安全な場所は必要だろう。
「私達が斃されていては、話にならんからな」
 シルフィアは、魔鍵を敵に投げつける。
「振りかかる火の粉だけは、はらわせてもらうわ」
 アケミとパコの姿を見つけたランドバード達は、爪とくちばしを武器に突撃してくる。
 その動きを予想しその大きく鋭いくちばしを捌くように受け流すと、引き金を引く。
「えいっ〜!」
 パコが魔鍵を横に薙ぐと、キラキラとした虹が描かれる。
「封印完了だよう♪」
「ちょっと、まだ気を抜くのは早いわよ。なんか、やる気満々の奴らがコッチ来てるじゃない」
 後方からも、次々敵が押し寄せてきているようだ。
 先の戦いでの生き残りなのか、怪我を負っている敵が多そうだが……意に反して、楽に休ませてはくれないようだ。

●それぞれの判断
 思っていたより生き残りの数がいたらしく、強敵ではないものの連戦が続く。
 思うほど先に進めず、膠着状態に苛立ちを隠せないメリーアン。
 「あなた達が、このワタクシを止められるとでも思っていますの?」
 前には道が続いている。
 突撃が信条のメリーアンは、こんな場所で留まることを良しとしなかった。
 何があろうと、先へ進む。
「そこですわ!」
 敵の間をすり抜け、メリーアンは先へと進む。
「わたくしは先に行きますわ!」
 駆け抜けていくその後姿を止めるものはいなかった。
「仕方ありませんね。一人の力では突破できない困難でも、力を合わせれば突破できることもあるというのに」
「ともかく、今は目の前の敵を倒してしまおう」
 ルーンの言葉に応えるように、シェミアが言った。
 『那須与一乃弓』かつて弓の名手が愛用していたとも言われるその弓、今の持ち主であるルーンも、それに引けをとらない腕前を見せる。
「白銀の刃、立ち塞がる全てを斬り伏せよ……!」
 シェミアのデモン化した髪は、総てを断ち切る鎌のようにも見えた。
 命を絶たれ、地に倒れるマスカレイド。
「数で押し切ろうとするだけでは、ワタクシ達にはかないませんよ?」
 ダガーの腕は、鎌状に変化する。
「大掃除、といきマショウか」
 迫っていたランドバードの群れをまとめて片付ける。
「ここにいるマスカレイド達は、引くことを知らないようだな」
 ヴォルフは呆れたようにそういった。
 その額にバジリスクの瞳 が開く。
 睨みつけたライノパイルの脚部が宝石に変化した。
 動きを封じられもたつく敵。
 フォースボルトで、敵を一網打尽にしたシルフィア。
「数だけの相手だ、この調子で連携して倒そう」
 シルフィアの言葉に頷く4人。
 少し距離をおいた後方で、戦うアケミとパコの二人。
 洞窟の天井ギリギリまで飛び上がったアケミ。
 華麗な身のさばきで身体を捻ると、サマーソルトキックを敵にお見舞いする。
 パコは呼吸を整え飛び出すと、敵に連続で蹴りをお見舞いする。
「正義は勝つ! だよう」
 ジェリファンはベシャリと崩れるように地面に倒れ、そう宣言するパコ。
 無事、敵を打ち取り満足気な様子だ。
「後ろからの敵はこれ以上いないようね。さてと、最低限お仕事はさせてもらったし、いったん態勢を整えさせてもらうわね」
「パコもそうしよっかなぁ。初めての依頼だし、ちょっと疲れちゃった」

●進軍の行方
「もう少しでしたのに、……残念、ですわっ……つっ!」
 一人での突出は、やはり無理があったようだ。
 悔しそうに、口端を噛みそう言ったメリーアン。
 数で押され戦闘不能になったものの、後ろから続いていた隊の仲間が追いつき、事なきを得る。
「……大した怪我でなくて、何よりだ。 どうやら、この辺の敵は一掃できたようだな」
 ヴォルフが言った。
 洞窟の入口から、少し離れたこの一帯に潜んでいたマスカレイドは、すべて打ち倒した。
「調べたが、洞窟自体に罠や特別な仕掛けはなさそうだな。他の隊はどうなっているだろう……」
「いい戦果をあげられているといいですね」
 シェミアの言葉に、ルーンがそう答える。
 その暗く続く洞窟の道をみつめ、シルフィアが言う。
「奥には何が潜んでいるかわからんからな。皆が無事であることを祈ろう」
 その勇気が、どうか報われるように。
「先を任せた以上、ワタクシ達が焦る必要はアリマセン。負傷者もいることデスし、ここはいったん入口に戻り、万が一撤退となってもいいよう準備シマショウ」
 ダガーがそう言うと、仲間たちも頷く。
「……あら、前衛の皆も退くようね。 ピンチになるようなら、ちょっと無理しても助けてあげようかとも思ったけど。でも、まぁいいことね。残っていた敵は殲滅できたし、お仕事は成功かしら」
 その様子を見ていたアケミがそう言って微笑む。
 後方に下がり、態勢を整えていたパコも言う。
「他の皆が頑張ってくれて、ランスグルグの危機に間に合ったら、今度は、パコ、もっと大活躍しちゃうもんね♪ その前に、ちょっと疲れちゃったから眠りたいかなぁ」
 華々しい戦果を上げることはなかったものの、仲間たちは自分たちの勤めを果たした。
 これで、万一退却という事態が起こっても、速やかに対処することが出来るだろう。
 七勇者と呼ばれる勇者が次々と敵として現れるこの事態、アマツカグラのことにしても、世界の謎は深まるばかりだ。
 真実が何なのかわからないまま、今は力を尽くし、目の前の現状を打破していくより他はない。
 こうして『最良』をつかみとった仲間たちは、他の隊の勝利を祈りつつ、入口付近の安全確保に努めるのだった。



マスター:stera 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/06/17
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