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石壁の街解放戦:黒鉄百騎の調練場

<オープニング>

●百騎長の兵団
 ――新生黒鉄兵団の調練場。
 ランスブルグの戦いが終わった後、百騎長サジュリアが率いていた騎士達は鍛錬を行っていた。
 剣を振り、風を切る。その姿は傍から見れば立派な騎士のようにも映るが、この調練場に居るのは全てがマスカレイドと化した者達だ。
 その中の何人かが鍛錬を小休止し、辺りを見回す。
「隊長はまたあのスカイランナーの所に居るのか」
「みたいだな。今更、色惚けしても手遅れだっての」
 溜息を吐いた騎士達が話すのはこの部隊の隊長、百騎長のことだ。男性より男性らしい外見を持つ女騎士サジュリア。細かな心遣いで部下からの信望も厚かった彼女だが、近頃は“尋問”だと言い張り、捕虜のもとに通い詰めているらしい。
「まったく良い気なもんさ」
「敵でも襲ってきてくれれば、隊長も正気に戻るんだろうがな」
「エンドブレイカーか。来るなら来れば良い。新生黒鉄兵団の力を見せ付けるには丁度良い」
 そして、あらかたの愚痴を零し終わったマスカレイド達はそれぞれの鍛錬に戻ってゆく。
 調練場に満ちる棘の気配は色濃く、辺りには不穏な空気が漂っていた。

●石壁の街を解放せよ
 山斬烈槍ランスブルグ、第三階層。
 一部での混乱を収めた現在、エンドブレイカー達はいよいよ都市奪還作戦を開始することにした。
「みんな、お疲れ様。だけど、まだまだこれからだね……!」
 桜苺の星霊術士・アミナ(cn0004)は真剣な表情を湛え、仲間達に告げる。
 今回の作戦は、この第三階層の石壁の街に残るマスカレイドの拠点全てを一気に制圧すること。戦力を分散してしまうが、成功させることができれば、ランスブルグの人々に大きな希望を与えられるだろう。
「みんなに向かって欲しいのは、新生黒鉄兵団・百騎長サジュリアが拠点にする調練場なの」
 今回は、複数のチームで拠点を制圧しに向かう攻略戦となる。
 同じ場所に向かう班同士でうまく役割分担や連携を行い、作戦を成功に導いて欲しい、とアミナは語った。
 現在、黒鉄兵団のマスカレイド達は兵団の調練場に集結しており、訓練を続けている。
 第三階層の敵の中では士気練度装備とも最強といって良い集団である。
「それでも、この調練場を落とすことが出来れば第三階層の解放にぐっと近付くよ」
 戦いは熾烈を極めるだろうから、気を付けて。
 そう告げたアミナはふと思い出す。想花落月・ダスティン(c34603)が聞いた情報では、指揮官であるサジュリアが調練場に現れていないらしく、そこが敵の隙になるかもしれない。
 それを踏まえたうえで、どのように敵を攻めるか。
 戦略と連携をしかと考えていかなければ、返り討ちにされる可能性も高い。
「強襲の時に行方不明になった、爪のスカイランナー・シーヴェさんが調練場に連れ去られたっていう情報もあるけど、真偽はわからないの。だけど、もし本当なら助けなきゃね!」
 アミナは拳を強く握り、深く頷く。
 囚われているかもしれない仲間を助けられれば、大きな力となるだろう。何よりも、第二階層への足掛かりを作る為にもこんな所で躓くわけにはいかない。
 この都市の未来を思うならば、今こそ――次への一歩を踏み出すべきときだ。


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参加者
大団円の・ラズネル(c00050)
奏燿花・ルィン(c01263)
昏錆の・エアハルト(c01911)
毒芹の粮・ラグランジュ(c02051)
静謐の花筐・サクラ(c06102)
漆黒の・クシィ(c07777)
境光を浚う剣奏・リオナトーレ(c29153)
獅子の瞳・ロムルス(c33503)

<リプレイ>


 新生黒鉄兵団、百騎長率いる騎士達。
 彼等は士気、練度、装備ともに最強とうたわれる隊だと聞き及んでいる。調練場の入口にあたる場所からやや離れた物影にて、思いを巡らせた昏錆の・エアハルト(c01911)は微かに笑んだ。
「上等じゃねぇの」
 強敵だからといって怯むはずがない。難敵を挫いてこそ、希望が生まれる。
 それこそがエンドブレイカーとしての務めだと己を律し、青年達は調練場内部の様子を窺う。件の敷地には入口らしい入口は一ヶ所しかない。あるとすれば排気口などの部分だが、そこから自分達の班全員が突入するのは難しい。
「前情報は手に入れられませんでしたからね。正面から行くしかありません」
 大団円の・ラズネル(c00050)は女王の騎士や、三層に詰めていた騎士などから調練場の内部構造や見取図が無いかを聞きまわっておく心算だったが、三層は未だ混乱状態であり、行動に移すことは出来なかった。それに、もしそのような情報を持っている者が居たとしたら、先に情報屋が見つけて報せているだろう。
 様子を窺っている合間に、他の班が突入の準備を整え終えた。
 今にも飛び出して行きそうな他班の仲間を見守り、漆黒の・クシィ(c07777)は独り言ちる。
「シーヴェ、か……無事だと良いけれど」
 捕まったという噂の流れている爪のスカイランナーの事を思い、クシィは更に百騎長サジュリアについて考える。彼女の事を含め、色々な噂が流れているようだが、実際のところはどうなのだろうか。噂通りの人かは直接会ってみないと分からない。
 そもそも狙い通りの人物に逢えるかどうかも分からぬ状況の中、静謐の花筐・サクラ(c06102)は隣の青年を見遣った。
「……」
「ん? どうした、サクラ。無理しないでな」
 奏燿花・ルィン(c01263)は彼女からの視線を感じ、労いの言葉を掛けてやる。既にサクラは嫉妬を感知する能力を使って内部を探ろうとしていた。だが、調練場内には多くのマスカレイド騎士達が居る。必然的に歪んだ感情を持つ者が多く、感情の行く先は推し測れないでいた。
「……ごめん、なさい」
 落ち込むサクラに首を振り、ルィンは仕方がないと慰める。
 毒芹の粮・ラグランジュ(c02051)も同意し、今は何よりも敵地への突入に向けて動こうという旨を呼び掛けた。
「他の班が突入するようです。我々も準備を!」
 合図と共に、敢えて大きな音を立てた他班の仲間達が入口に突撃していく。ラグランジュが仲間達に視線を送れば、境光を浚う剣奏・リオナトーレ(c29153)と獅子の瞳・ロムルス(c33503)が頷き合っている姿が見えた。
 二人は其々、この山斬烈槍に強い思いを抱く者達だ。
「この街を、この都市を――」
 ただ、守りたい。
 ナイフに口付けを落としたリオナトーレが零した言葉を聞き、ロムルスはそっと口を開く。
「ランスブルグは僕の大事な人の生まれた所なんだ。この都市を守りきれなかった時、すごく悔しそうだった。きっと、リオナトーレもそうなんだよね」
 少年は特に彼女からの答えを求めず、双眸を緩めた。
 ――取り戻したい。もう負けたくない。
 今度こそ、この都市を棘から救い出すために。エンドブレイカー達は地を蹴り、百騎の兵団が待ち構える調練場へと駆け出した。


 突然攻め込まれたことで、調練場内は混乱に陥っていた。
 先行した班は既に通路で仮面憑き騎士達と戦闘を行っており、辺りには戦いの音が響いている。
「流石に最強の兵団でも奇襲には弱いみたいだな」
 エアハルトは慌てふためく騎士の様子を見遣り、口許を緩めた。
 先行班に続き、内部へ突入したのは自分達の班ともう一つの班。そして、やや遅れた後方に二班が続いている状態だ。
 残り一班は他班突入後に暫し待機することを決めたらしく、まだ調練場に踏み入っていない。
「少し、おかしい……?」
「突入の並びがずれているのかな」
 予定と順序が違うこと。そして、先行した班が騎士に囲まれ始めていること。その両方に気付いたサクラとクシィだったが、今更足を止める訳にはいかない。
 シーヴェの救出に重きをおく予定であはあるが、目前の危機を放置しておけなかった。
 仲間達は頷きを交わし、先行班を取り囲もうとしている騎士達の左側に回り込む。それと同時に追従班のひとつが右側から回り込み、仲間を倒そうとしているマスカレイドを薙ぎ払った。
「さて……いざ、勝負!」
 ラズネルが畳んだ武器を弾くように展開し、左側の敵へと斬り込む。
「退いた退いた! 仮面を叩き割られてぇか!」
 ラグランジュも大鎌を掲げ、マスカレイドに鋭い衝撃波を解き放った。
 勢いに押された敵がよろめき、バランスを崩した所にリオナトーレが目を付け、風神の力を纏う舞で烈風を巻き起こす。
「退いてくれないか。邪魔だよ」
 風は仮面を真二つに割り、その動きを止める。リオナトーレの攻撃は実に見事だったが、ルィンは彼女の気持ちが何処か逸っているのだと感じた。
「待てよ、突破したい気持ちは分かるが前に出過ぎるとヤバいぜ」
 見れば左側の通路からは新手の騎士が駆けつけ始めている。このまま突出すると挟み撃ちになる、と告げながら、ルィンも銃弾を撃ち放った。
「……すまない。故郷、なんだ」
 両親に勘当されて尚、愛しい故郷だということまでは語らず、リオナトーレは冷静さを取り戻す。
 その言葉を耳にしたロムルスは「やっぱり」と小さな呟きを落とした。それならば尚更、今まで以上に気合いも入るというもの。
「さあ、行くよ! 皆を助けてあげて!」
 ロムルスは刃を組み上げ、飛龍めいた鉄の竜を舞い飛ばした。鋼鉄の咆哮が辺りに響き、マスカレイド達に混乱を与える。エアハルトも風の翼を纏い、周囲の敵を切り裂いてゆく。
 先ずは目の前の敵をどうにか倒さねばならない。
 戦いは激しく、刃や鎧が衝突しあう音が響く。そんなとき、クシィは聞き捨てならぬ声を聞いた。
「急いでサジュリア隊長に知らせろっ!」
 その声は、右側の通路へと踵を返したマスカレイド騎士の一人が発した言葉だった。
「知らせる……? もしかして!」
 百騎長サジュリアはおそらく――否、確実に右の通路の奥に居るのだろう。
 だが、それが分かったとしても自分達が陣取っているのは左側だ。往く手を遮る騎士を蹴散らし、追うのは至難だろう。ラズネルやサクラも敵の動向に気付いていたが、追い掛けるという決断は下せなかった。
 何故なら、この場には深手を負った先行班の仲間が居るのだ。
「どうやら僕達はここで戦うしかないようですね」
「仲間は……見捨てられない……」
 ラズネルの言葉にサクラがこくんと頷く。
 天秤に掛けられたのは、敵の追跡と仲間の救援。敵の行く先がどれだけの距離か、どの程度の敵が待ち受けているか分からない。反面、自分達が戦いを放棄して此処を離れれば、他班の仲間の誰かが死ぬことは確かだ。
「仕方ねぇよな。こうなったらとことんまで付き合って貰うぜ!」
 ラグランジュは左側通路から押し寄せる敵を睨み付け、星霊クロノスを呼び出す。
 視界の端には自分達と同じようにこの場で敵を相手取ると決めた班の姿。そして、サジュリアを呼びに走った騎士を追う二班の仲間。そして、今まで様子を窺っていた最後尾の班の者達が駆けて行く姿が見えた。
「後は頼んだ。その代わり、こっちは任せておけよ」
 エアハルトは襲い来る騎士の剣を躱し、調練場の奥に向かう仲間達に視線を送る。
 言葉自体はきっと届かぬままだっただろう。だが、この思いは確かに託されたのだと感じ、エアハルト達は戦い続ける覚悟を決めた。


 剣戟が鳴り渡り、棘が散ってゆく。
 調練場内に立ち込める血の匂いは色濃く、当初に此方を相手取っていた騎士達は既に倒れていた。だが、通路の奥からは新手のマスカレイドが次々と現れている。
「これ以上奥に進ませるな! やれ!」
「悪いね、そう簡単にやられるわけにもいかないんだ」
 クシィは騎士に眼差しを返し、邪影を迸らせた。連撃となった刃は仮面憑きに絡み付き、相手の力を奪い取っていく。だが、敵も剣を振るい返してクシィを切り裂こうとした。
 肌を刃が掠め、幾許かの体力が奪われる。
「……大丈夫」
 しかし、其処へサクラが桜花の演舞を施した。癒しの桜が花吹雪となって戦場を包み込み、クシィや仲間達の痛みを和らげていく。その瞬間、騎士達から「癒し手を狙え!」っという声が上がった。
 サクラが身構えて備えるが、それよりも先に動いたのはルィンだ。
 踏み込むことで振り下ろされる刃を受け、ルィンは紫煙銃を向け返す。騎士の表情が曇った瞬間、放たれた銃弾が敵を撃ち貫いた。
「甘いな。さぁ、次は誰がやられたい?」
 ルィンが新たな標的に狙いを定めると、騎士達は一瞬怯んだ様子を見せる。
 だが、相手も新生黒鉄兵団最強と言われた者達だ。徐々にエンドブレイカー達に押されている状況でも尚、剣を下ろして逃げようとはしない。リオナトーレが襲い来る騎士をいなし、ラズネルも氷の華を描いて対抗する。
 中には鬼気迫る気迫を以てして向かって来る敵も多く、ロムルスは二人に囲まれてしまった。
「やっぱり怖いよ。……でも、それでも戦いたいんだ」
 床を蹴りあげ、決意を胸に秘めたロムルスは中空でひらりと身を翻した。跳躍からの蹴撃を騎士に見舞い、一人を蹴散らした少年は唇を噛み締める。
 きっと、今頃は他の仲間達が調練場の奥で戦っているはず。
 彼等のためにも、自分達がここで出来得る限りの敵を相手取らなければならない。エアハルトが敵の一閃を受け止める間、ラグランジュは攻撃に転じる。
「クロノス君、そこでキックだ!!」
 ラグランジュは星霊兎に声を掛け、騎士達を散らしてゆく。
 この通路前で戦う他班の仲間の中には、力尽きて膝を突いている者もいた。そこから敵が雪崩れ込まぬよう、ラグランジュは星霊と共に立ち塞がる。
 リオナトーレも仲間の動向を窺いながら、果敢に立ち回った。
「次から次に……だが、此方とて討ち取る気概で来ているからね」
 黒雷と白風の扇をふりかざし、リオナトーレが暴風を操る。嵐めいた激しい風は敵を見る間に切り裂いていき、招かれた魔力は仲間達の追い風となった。
 しかし、リオナトーレの隙を突いたマスカレイドが横手から剣を振りあげて駆けて来る。避けきれない、と彼女が痛みを覚悟した瞬間、衝撃は別の風によって遮られた。
「騎士なら正々堂々、正面から来たらどうだ」
 皮肉を紡いだエアハルトのナイフが夜を裂くかの如く閃き、騎士に最期を与える。
 戦いは随分と続いていた。ラズネルは次第に荒くなり始める呼吸を整え、敵陣を見渡す。其処でようやく、視界内の騎士達も半分に減ったというところか。
 だが、この機に及んで更なる新手がラズネル達へと向かって来た。
「戦うと決めた以上は最後まで付き合って頂きますよ」
 振りあげた氷の刺突剣から冬の嵐が巻き起こり、マスカレイド達の動きを阻んでゆく。ラズネルは突入前に感じた気持ちを思い返す。ここから劣勢を引っ繰り返すと決意したのだから、心で負けることなどあってはならない。
「彼女には会えないまま、だけど……これが今の僕達の務めだから」
 クシィも己の心を奮い立たせ、疲れを振り払う。
 仲間達も疲弊しつつつある身体を支え、勝利を掴むべく力を揮い続けた。


 それから幾許ほど戦った頃だろうか。遠くから、誰かの声が聞こえた。
 ――サジュリアを討ち取った。
 何処の誰が発したものかは判らない。だが、そう聞こえた言葉は他班の仲間からのものだとクシィは理解する。
「何だと、サジュリア様が!?」
「いや、嘘に決まっている。あの隊長が負けるはずなど……」
 マスカレイド騎士達に動揺が走り、中には奥へ駆けようとする者も居た。だが、ルィン達は彼等の往く手を遮るように回り込む。
「通さないぜ。多分、あの報も嘘なんかじゃないだろうな」
 確信を持って告げたルィンの眼差しが、戦く騎士を真っ直ぐに貫いた。サクラもルィンの補助を行うべく位置を変え、閉じた扇を静かに振りあげる。
「覚悟……した方がいい」
 宛ら、糸を虚空で紡ぐかのようにサクラは棘の軌跡を描いた。
 サジュリアを倒したと云う報が確かだと思える理由はただひとつ。先程、大きな棘の気配がひとつ消えた。それがサジュリアだったのだと感じたサクラは、敵に向けて凛とした視線を向ける。
 サクラの棘が解き放たれた瞬間、ルィンも紫煙の銃弾で敵を穿った。
 敵将が倒れたならば、この場に残る兵は残党だ。彼等の掃討が任務最後の仕事だと悟り、ラグランジュは大鎌を振るった。
「この世との別れは済んだかい。行くぜェ!」
 普段とは裏腹に狂戦士めいた声を上げたラグランジュの一閃が敵を薙ぎ払う。
 苦しげに伏すマスカレイド達を見遣り、ロムルスは悲しげな色を瞳に宿した。仮面憑きをと云えど、彼等にも心があるはず。
「君達も守りたかったんだね。だけど、僕も守りたいんだ。大事な人の、皆の場所だから」
 譲る気なんて、ない。
 ロムルスが遣わせた鋼鉄竜が疾駆し、棘騎士を切り裂いていく。ラズネルも刺突剣を振るい、仲間達に呼び掛ける。
「さぁ、終わったら軽く祝杯でも上げましょう。その為には――」
 騎士達をすべて倒すのみ。
 ラズネルの言葉に頷いたエアハルトもマスカレイド達を睨み付け、風の翼を背に具現化させた。目の前に立っているのは最早、二人の仮面憑きだけ。
「もうこの調練場は落ちた。お前らも落としてやるよ――奈落へな」
 青年の双眸が細められた刹那、刃となった風が残った騎士達を激しく切り裂く。
「おのれ、エンドブレイカー……」
 片方の騎士が崩れ落ちたことで、この場に残る騎士はあと一人となった。
 リオナトーレはそれまで被っていた仮面を放り投げ、勢いのままに扇剣で叩き斬る。それは罪の象徴だったが、彼女は過去を乗り越え、未来を取り戻すのだと決めた。
「もうこれは、要らない。だから……これが終わりで、はじまりだ!」
 この一撃を未来への導とするべく――。
 解き放たれたリオナトーレの一撃は戦いの終焉を招き、烈風は棘を一瞬で散らす。ルィンとサクラは敵の最期を見届け、ラグランジュは戦闘の終わりが訪れたと感じた。ロムルスは死した騎士達を思って瞳を伏せ、エアハルトもナイフを鞘に仕舞い込む。
 そして――調練場は完全に制圧された。
 静けさが満ちる調練場の中、クシィは既に伏したと云う百騎長をふと思う。
(サジュリアは……思いを全う出来たのかな)
 マスカレイドとはいえ、自分らしく生きればいいと一言でも告げたかった。今はそれも叶わぬこと。それでも、誰かにとって良い結末であれば良いとクシィは願った。

 散った思いの行方は誰にもわからない。
 だが、山斬烈槍ランスブルグを取り戻す未来は今、この場所と此処から繋がってゆく。



マスター:犬彦 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/07/25
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