ステータス画面

石壁の街解放戦:黒鉄を断つは、覚醒の一撃

<オープニング>

●士気軒昂、なれど……
「うぉぉぉぉーっ!」
「せいっ!」
 新生黒鉄兵団の調練場では、気合に満ちた掛け声と、剣戟のぶつかり合う激しい音がこだましている。それは彼らの士気の高さ、そして兵としての練達とを物語っており――彼らの身に顕現した仮面が見えぬ者たちからしてみれば、かつて、守衛のために創設されたという伝説の兵団の再来をつよく感じさせる光景とも映るだろう。
 しかし、よくよく耳を澄ましてみるならば。
「サジュリア隊長は? ……何だよ、またあそこかよ」
「色ボケの季節到来ってか? 今更だけど」
「いや、隊長は尋問のためと仰っていたが……」
「そんなの誰がどう聞いても言い訳だろ! ――ったく、いい気なモンだよな」
 隙間からこぼれるようにして、黒鉄兵達のぼやく声が聞こえてくる。
「なんつーかなぁ……敵でも襲ってくりゃ、サジュリア隊長だって目ェ覚ます気がすんだけど?」
「エンドブレイカー、か……」
 マスカレイド達はそれぞれに顔を見合わせていたが、ふてぶてしく声を揃える。
「来るならとっとと来やがれ、ってな――新生黒鉄兵団の力、とくと見せつけてやる!」

●解放を目指して
「皆さんが強襲に勝利したおかげで、ランスブルグ奪還作戦を開始することになりました」
 十二律の魔曲使い・ヤコフ(cn0040)は、旅人の酒場に集うエンドブレイカー達に微笑みかけ――すぐに、真摯な面持ちを向けてくる。
「今回の作戦は第三階層、石壁の街に残っているマスカレイドの拠点をすべて、一気に制圧する作戦となります。戦力は分散させることになりますが、ここでこの作戦が成功すれば、ランスブルグに住まう方々に、おおきな希望を与えることができると思います!」
 ざわつく仲間達にうなずきを返してから、ヤコフはさらに言を次ぐ。
「そこで皆さんには、新生黒鉄兵団のマスカレイド達が鍛錬をしている調練場に向かっていただきたいのです。その際、敵拠点の制圧という目的を完遂するため、皆さんには複数チームで攻略にあたり――仲間達との役割分担や連携を整え、ぜひともこの作戦を成功に導いてください」
 真剣な声音に添えて静かに頭を下げていた彼へと、エンドブレイカー達は話の続きを促す。
 それを聞き、ヤコフは再び口を開いた。
「先ほど私は、新生黒鉄兵団のマスカレイド達が鍛錬をしている調練場に、と皆さんにお話しました。
 その調練場に集う敵ですが、第三階層の敵の中では士気、練度、装備とも最強、と言っても過言ではありません。となれば、戦いは熾烈を極めるのは必定です。
 ですが……士気軒昂な新生黒鉄兵団のマスカレイド達にも、つけいる隙がないわけではなさそうです。
 想花落月・ダスティン(c34603)さんが聞いた情報によれば、指揮官であるサジュリアはどうやら調練場に現れていないらしく――その一事こそが、敵の隙になるかもしれません」
 そこで彼は一度、言葉を切ると、
「それから、ランスブルグ強襲時に行方不明になった爪のスカイランナー・シーヴェさんが、この調練場に連れ去られたという情報もあります――もっともこちらの情報については、その真偽は未だ不明ですが」
 そう話し納めてから仲間達を見回し、会釈するようにうなずいてみせる。
 互いに顔を見合わせ、何やら考え込むようエンドブレイカー達へと、
「今回の作戦ですが、戦力を分散させることになろうとも、皆さんの力をもってすればきっと成功させられる、私はそう思っています。
 それに、石壁の街に残るマスカレイドの拠点の内でも、最強クラスの敵拠点を叩き潰してしまえば、他の拠点で戦う仲間達にとっても励みとなりますし――何よりこの地に住まう人々の平穏を、一刻も早く取り戻すことにも繋がるのではないでしょうか。
 だからこそ……皆さんの力で、どうか、ランスブルグの人々に希望をもたらしてください!」
 ヤコフはそう告げざまに、深々と丁寧に一礼していた。


マスターからのコメントを見る
参加者
白雪華・リーゼシュテイン(c02776)
ヴォルケイノトータス・ペンペロン(c03137)
星詠みの渡り鳥・ノイシュ(c03964)
旋撃の槍士・シーカー(c17896)
悪夢の刈り手・シェミア(c19503)
翠風蒼雷・カエデ(c22472)
月に駆ける妖精騎士・ジョーガ(c23446)
菫青石の魔法剣士・リデル(c26678)

<リプレイ>

●重なる黒波に
 ――調練場に轟々と、膨れ上がるように響く鬨の声。
「なっ……敵襲かっ!」
 先頭を切って駆け込んでいたエンドブレイカーを前に、黒鎧をまとう兵士達は動揺しつつも、迎え撃とうと身構える。
 古の兵団を模し、今の世に編まれた新生黒鉄兵団。その兵としての練達ぶりは、第三階層に残ったマスカレイド軍勢のなかでも極めて高い。
 だからこそ、黒鉄兵団の拠点でもある調練場へと攻め込んだエンドブレイカー達は、彼らが陣形を整える前に蹴散らしてしまおうと目論んでいた。
「新生黒鉄兵団、ですか……しかしどんなに鍛えても、残念ながらマスカレイド」
 ならば討つだけと、星詠みの渡り鳥・ノイシュ(c03964)は追撃の時を待つ。
「でも……私達が攻めてくると予測はしているはずなのに」
 怒号行き交う調練場に、百騎長サジュリアの姿がないことを確認するなり、
「シーヴェという人は、よっぽども魅力的らしいな」
 菫青石の魔法剣士・リデル(c26678)は呆れたように肩をすくめていた。
「ま、女としてのレベルはその分上がったんじゃないか?」
 軽口を返していたヴォルケイノトータス・ペンペロン(c03137)に、
「なるほど、いい男は大変だ……ペンペロンも気をつけて」
 裏打ちの情ある言葉を、リデルはかける。
「――気をつけなきゃならんほどモテてみたいモンだが、あいにくと予約も無しさ」
 そんな二人の掛け合いを耳にしつつ、月に駆ける妖精騎士・ジョーガ(c23446)は細かな鎖のネックレスを手繰り寄せ、
(「時ならずとも恋にうつつを抜かすか、好きな人のために頑張れるか。……さて、わたくしは?」)
 掌に載せた橙色の宝石へと、微笑みかけていた――その直後だった。
「こいつらを倒して、早く態勢を整えなくては!」
「オレ達にケンカをふっかけたこと、あの世で後悔しやがれ!」 
 先に突入した仲間達を取り囲もうと、黒鉄兵達が足早に詰め寄っていた。
 獲物を暗き水底に叩き落とそうとうごめく、幾重もの黒い波を想起させる進撃。敵の仮面の下からこぼれた哄笑が、大きく膨らんだように聞こえた、次の瞬間。
「さあ……行くぜ、反撃の時だ!」
 翠と蒼の銃身をもたげ、翠風蒼雷・カエデ(c22472)が右側から攻め込もうとした黒鉄兵へと魔力弾を撃ち込んでいた。
「伏兵か!」
「ばぁか、んなモン蹴散らせばいいだけの話ッ!」
 新たな敵へと、フレイムソードを手に駆けつける黒鉄兵へと、
「たしか、殲滅で良かったよね……?」
 心得た、と悪夢の刈り手・シェミア(c19503)が頭上で回転させていた大鎌を振り下ろす。
「そこの小娘――新生黒鉄兵団百騎長・サジュリア様配下の我等を容易く殺れると思っているなら、そいつは勘違いも甚だしいな」
 肉厚のアックスソードを手にした、いかつい男――グスタフが、仲間を庇うように立ちはだかった彼らを睨みつける。
「生憎だがな、こっちもその程度の脅し文句で退くような、生半可な覚悟でここに立っているわけじゃないぜ!」
 サジュリアの配下が、何の罪科もない住民達を殺してきた現場を思い返しながら、旋撃の槍士・シーカー(c17896)が、グスタフ目がけて気咬弾を放つのに続き、
「私達はこの戦いに勝つつもりで、ここに来た」
 白雪華・リーゼシュテイン(c02776)がフロストシールで黒鉄兵を牽制した、そのときだった。
「急いでサジュリア隊長に知らせろっ!」
 黒鉄兵達の後背でかけ声があがり、調練場に踵を返していた足音が響き渡っていたのは。

●秤傾け、覚悟を決めて
「くっ!」
 鎧をまとっていることなど忘れたように敏捷に走る兵のあとを、体躯も得物もさまざまな黒鉄兵の一部隊が続く。
 調練場を離脱しようとする彼らを追撃すべきか、それとも、先陣をきった仲間達の救援に徹するか――最善の次手はどれかを秤にかけた彼らの動きが止まる。
 ……だが、その迷いは、ほんの一時のこと。
「その寸刻の躊躇こそが命取りよ!」
 グスタフの得物が、今にも傷つき倒れそうな仲間達へと向いたその直後、
「うおー! こいつは武者震いだー!! お前らは俺たちが止めてやるぜ!」
 ノーマルクの気合のこもった声を耳にしていた彼らは――あらためて、調練場の黒鉄兵達へと向き直っていた。
「……そちらは任せました」
 仲間達に背は預けた。
 ならばあとは、こちらの成すべきことを果たすのみ。
 そう物語る笑みを見せてから、
「――おい! てめぇらの隊長は、どうやらシーヴェってヤツにメロメロのようじゃねぇか!」
 つい先刻までとはうって変わった荒い口調とともに、ジョーガは黒鉄兵にフュージョンラッシュを浴びせかけていた。
「まったく、困ったものだ」
 つかの間、グスタフは苦笑をこぼしはしたが、
「だがサジュリア隊長に、真に畏敬と憧憬の念を捧げている者達が向かえば、さすがにお目覚めになるだろう。
 ……とはいえ、覚めたその目に映るのが貴様等の死体の山というのは――まあ無粋だが、仕方あるまい」
 本気の殺意を剥き出しにして、眼前のエンドブレイカー達と真っ向から対峙する姿勢を見せる。
「殺れ、殺っちまうんだ! この手で、この武器で!」
 そんな彼に、大声を張り上げて応える黒鉄兵を眺め回し、
「少しは大人しくしてろ!」
 その気勢を削ごうと、ペンペロンが手投げ弾を投げつける。強烈な轟音と閃光をかいくぐるように馳せてきた黒鉄兵だが、その胸元にリデルのダンシングソードが襲いかかっていた。
(「ここに留まると決めた以上は、攻略成功のために最善を尽くそう」)
 敵の歩を止めようと、フェアリーストームを仕掛けるリーゼシュテイン。それでもなお、いきり立つ敵を前に、
「以前に戦った新生黒鉄兵団も強かったですが……それは所詮、偽りの強さ」
 ノイシュは飄然とムーンブレイドを構え直し、
「心無き強さはただの暴力。私達は、それを壊すためにここに立っているのですから……!」
 覚悟を秘めた言を浴びせざま、手にした得物で空間を斬り裂いていた。放たれた月の魔力に捕らえられ、足下にくずおれた黒鉄兵を、グスタフは一顧だにせず、
「この喧嘩、買ってやろうと思う者は俺に続け!」
 アックスソードを一振りし、大漁のオーラの刃を撃ち出してきた。
「うぉぉぉぉ!」
 そんな彼に後押しされた黒鉄兵が、勝利を現す「V」の衝撃をシェミアへと叩き込む。その一撃に、さらりと揺れた白いおかっぱ髪に、敵は残忍な笑みを浮かべていた――が。
「私は悪夢の刈り手……マスカレイドは、ここで散れ……!」
 次の瞬間、拳と化した髪にしたたかに撃ち据えられていた。
 後ずさる敵へとカエデは狙いを定め、
「その十字はオレに祝福を、敵には破滅を招く」
 すぐさま頭から胴へと魔力弾を撃ち込み、とどめを刺す。
「ならば、あっちから殺ってやる!」
 方向転換した敵の標的が、負傷した仲間達と気づいたシーカーは、
「お前の相手は俺達だ!」
 銀の槍を旋回させて突進し、その行く手を阻んでいた。

●瑕を広げ
 調練所を舞台に、新生黒鉄兵団とエンドブレイカー達の戦いは続いている。双方共に退く理由がないゆえに、いや増す戦いの激しさ。
「向こう見ずどもが束で押し寄せたところで、勝ち目などない!」
 召喚したオーラの城壁を伴い、突撃してくるグスタフ。波状に崩落する長城を、背にする仲間に届かせまいと踏ん張っていたペンペロンだが――不敵に笑むなり、グスタフへと盾をかざして突進していた。
「さすがに、易々と通させてはくれまいと思ったが」
 それでも押し切る! と、リーゼシュテインが体温を奪う霜で敵の足を止めると、
「オラオラ! どこ見てんだ!」
 黒髪と白いフリルをひるがえし、声を張り上げたジョーガが召喚した妖精の群れは、ラピッドショットを浴びせていた黒鉄兵へと向かって飛んでいく。
「黒き旋風よ……万軍穿つ嵐となれ……!」
 立ちはだかるなら、全て斬り伏せる――得物についた禍々しい目玉を、シェミアは足許をふらつかせた黒鉄兵へと向けた次の瞬間、斬り上げられた大鎌はその仮面ごと、敵の命脈を断ち割っていた。
「ちっ、エンドブレイカーなんざ、所詮は雑魚の寄せ集めだろうが!」
 罵声を浴びせざま、モズの早贄さながらに地から生えた槍で応戦していた黒鉄兵へと、
「そう思って侮るなら結構。負けた時の言い訳はできるだろ」
 カエデは目にもとまらぬ速さで弾丸を三連射する。
「……もっとも、そんな機会があるか分からんがな」
 ふと息をつき、すげなく言い捨てるカエデの傍らから、
「さあ、続けましょう――この舞闘を」
 敵の前進は許さないと、ノイシュは再び月光煌星砲を放つ。
 先陣を切ったがために負傷を重ねる仲間達のもとには向かわせまいと、彼らは身を呈して敵戦力の分断につとめる。
 そのさなか、一人、また一人と黒鉄兵が倒されてもなお、
「我等は新生黒鉄兵団! アリッサム様のために、そして我等の矜恃のためにも、エンドブレイカー共を生きて帰すな!」
 グスタフは剥き出しの戦意をぶつけてくる。
「……そんなもののために、住民を平然と手にかけるような真似をしたってのかよ」
 拳を握りしめ、シーカーは迫り来る黒鉄兵達を睨みつける。
「だったらなおさら、絶対に退けないぜ! ここを陥落させるまではな!」
 怒りを込めて彼は足に竜をまとわせ、迫る黒鉄兵を蹴り上げた。宙に舞った敵は、さらに加えられた流星脚に蹴り倒され、砕けた仮面の中に伏す。
「くそっ!」
 炎の剣を振り上げた黒鉄兵の一撃を受けながらも、
「隊長がいないようだけれど? 敵襲に備えるより、よほども『重要な』ことでもあるのかしらね?」
 挑発の笑みを浮かべたリデルに、
「なるほど、お前らよりも、そいつによくよくご執心、ってことか!」
 唇を噛む黒鉄兵達めがけ、再び手投げ弾を投げつけたペンペロン。その視界の端を、事切れた兵の姿がかすめていた。
「その程度の隊長をいだく黒鉄兵に、こちらが易々負けるなどと思うか。エンドブレイカー達の力を甘く見てもらっては困るな!」
 リーゼシュテインが構えた、鍔に雪の結晶模様が彫られた美しいアイスレイピアに憑依する妖精。その得物をかざし、円舞曲を舞うように斬りつけたその一撃は、黒鉄兵に引導を渡す。
「隊長なしでは何もできぬ腑抜けと思われるのは心外ッ!」
 グスタフの咆吼に、黒鉄兵達は得物を構え直して手向うが、
「おっと、こっちには動揺してるようにしか見えねえぜ!」
 妖精と同化したジョーガが、その喉元目がけて斬りかかっていた。

●剣戟、止みて後
 サジュリアが姿を現さなくとも、新生黒鉄兵団の拠点である調練場ひとつ守れんでどうする――と、オーラの城壁をまといながら、黒鉄兵と共にグスタフが突撃してくる。
「……白銀の刃……触れる者を斬り刻め……!」
 突撃の重みに抗うように、シェミアは髪の奔流で敵の喉元を縛り上げようとした。
「風よ! オレの命を糧に吹け!」
 前線で戦う敵を鼓舞しようとカエデが呼び寄せていた風は、海原に歌うようにして戦場を過ぎてゆく。
 波濤のようにエンドブレイカー達へと攻撃の手を加える黒鉄兵だが、そこから離脱し、調練場を後にする敵の姿も散見する。
 だが、シーカーはその背を敢えて追わず、
「逃げたヤツは、仲間達がきっと討つさ――だから、ここは一気にいかせてもらう!」
 槍を突き出そうとしてきた黒鉄兵を、サイクロンドライブで薙ぎ払っていた。
「自らの強さを豪語した割には、ずいぶんと脆いですね」
 仲間を庇うように前に出たノイシュは、不意を突こうとグスタフの後背から飛び出した黒鉄兵を視認するなり、星霊クリンを召喚する。氷の息を吐きつけられ、足を止めていた兵に舌打ちするグスタフへと、
(「こいつの号令、そろそろ止めさせとかないとな!」)
 真っ正面から突進してきたペンペロンの盾が、激しくぶつかってきた。
「この状況で、未だ顔を見せずにいる隊長とは――よっぽど部下を信用しているのか」
 縦横無尽に舞うように飛ばした剣が黒鉄兵にとどめを刺すのを見届け、リデルは言葉を次ぐ。
「それとも、部下がどれほど倒されても、そんなことはどうでもいいのか……どちらだろうね」
 凛としたその口調、それ以上に、サジュリアがこの場に姿を現さない現実に動揺する黒鉄兵を、
「信用か放擲かは些末な問題。俺はただ新生黒鉄兵団の一員として、貴様等を倒す!」
 叱咤するように、グスタフが咆吼する。
「やはり、奴をこのまま残しておいては厄介だな……」
 そんな彼へと、リーゼシュテインはアイスレイピアの切っ先を向けてから、
「その足、止めさせてもらう!」
 地へと突き刺していたその剣から紡がれる、魔法の霜。じわりと拡がりながら、グスタフと黒鉄兵の体表に侵食していく霜に重ね合わせるように、ジョーガは再び、針で武装した妖精の群れを召喚していた。
「逃がさない……!」
 間髪入れず、黒旋風で兵にとどめを刺していたシェミアの背後から放たれる、カエデの銃撃が黒鉄兵の胸に命中する。
「させるか!」
 抗うように、グスタフが撃ち出したオーラの刃はノイシュの頬を裂きはしたが、すぐさま月光煌星砲を打ち返される。
「こっちの黒鉄兵は俺が押さえる!」
 シーカーの気咬弾が、黒鉄兵に喰らいつき、その命脈を奪う間に、
「こいつで終いだ!」
 ペンペロンはグスタフへと、手投げ弾を投げつける。爆音と閃光が鳴り止まぬなかをリデルが馳せ、蒼色の剣をグスタフへと突きたてた。
「ぐぅっ……! だが、貴様等の仲間は、サジュリア隊長が必ずや……!」
 致命傷となる突きをくらってもなお、崩さぬ信を吐露するグスタフ。だが、剥がれ落ちた仮面の下から現れた双の眼から、光はとうに消え失せていた。
 ――調練場を見回せば、そこには二度と立ち上がることない黒鉄兵達が伏している。
「うっ……」
 敵を引きつけるためとは言え、荒々しい口調で怒鳴り続けていたジョーガが赤面しつつ咳き込むが、
「ですが、まだ……終わりではありませんね」
 傷つき倒れている仲間は、と気遣うように視線を転じる。
「制圧完了! と言い切るには――みんなで、帰らないとな」
 シーカーの言に、彼らは負った傷に手を当てながらも、大きくうなずきを返した。
「さあ、行こうか!」



マスター:内海涼来 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/07/25
  • 得票数:
  • カッコいい10 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。