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三日月湖の戦い:第四勢力、駆ける

<オープニング>

 石壁の街解放戦から日が浅いが、大勢のエンドブレイカー達が各所に再び集まっていた。もう次の戦いが起ころうとしているのだ。
「第二層に逃走したマスカレイドはいるし、第二層から先は支配されてるままで油断できないけど。第三層は皆のおかげで解放されたはずなんだ。ありがとう!」
 ランスブルグには世界の瞳を通じてやってきた元気印のスカイランナー・カルク(cn0157)も、情勢はずっと追っていた。ランスブルグの者ではなくたってお礼の言葉で労ったところで、本題に入る。
「この前に戦いがあったばかりなのに、集まってくれたのもありがとうだよ。それでね、世界の瞳の代理者になってる女王様から情報が届いてるんだ」
 どうやら、第二層にいるマスカレイドの一部である新生黒鉄兵団の主力部隊が、三日月湖の遺跡へと侵攻するために準備中らしい。
「三日月湖の遺跡は石壁の街解放戦で解放された地域にあるんだよ」
 そんな場所に、軍勢の主力部隊が乗り込んでくるということは、やはり何か存在するのだろうか。
 カルクが三日月湖の戦いについて説明を始める。
「第二層から出てくるマスカレイドの軍勢は、指揮官が『勇者アリッサムの影武者』で、他にも『盾の将アーガン』、『剣の将ルィズティック』が軍を連れてくるから。あと……影武者の傍に、新生黒鉄兵団の鎧を着た『天誓騎士のティート』もいるみたいだよ」
 フレイムソードの天誓騎士・ティートのことは残念ながら、それ以外判明していない。
「とにかく、勇者アリッサムの影武者は三日月湖の遺跡の制圧を目指してくるはずだよね」
 勢力はそれだけに限らず、狂王アニールの軍勢も現れる。主力は『屍の黒鉄兵団長・ルドグドル』が率いるアンデッド部隊だ。
 新旧の黒鉄兵団が一堂に会するわけだが、古き兵団の目的は新しき兵団の妨害。そして……。
「やっぱり、遺跡を狙ってるのかな?」
 エンドブレイカーが勝利すれば消耗しきった皆にそのまま、新生黒鉄兵団が優勢であればその後背から軍勢を全滅させた後、屍の黒鉄兵団は間違いなく襲撃してくるに違いない。
 勇者アリッサムの影武者は後背に位置する狂王アニールの軍勢を警戒しながら、横槍を入れられる前に短期決着を目論んでくる。
「普通に戦ったら、連戦になっちゃうから……。女王様が作戦を提案してくれたんだよ!」
 作戦内容は女王率いるランスブルグの部隊が、三日月湖の遺跡に陣を張って防衛を行うというもの。部隊が劣勢となれば屍の黒鉄兵団は割り込んできて、三つ巴の戦いになる。
 戦場は混乱するが、そこにエンドブレイカー達まで乱入することにより、マスカレイドの指揮官達を討ち果たせるかもしれない。
「皆の力で最小限の被害に抑えて、戦果を最大限にするための作戦なんだ」
 全ては、それぞれ集まったエンドブレイカー達の作戦遂行にかかっている。
 此度は皆に連絡をするだけのカルクだが、それでも気合を入れるように両手を握り締めた。
「せっかく取り返した所、ランスブルグの人達のためにも取られたくないよね? だから、皆が活躍したって報告を待ってるんだ!」
 そこまで言ってから、さらに話を付け足す。
「あ、そうだ。マスカレイドが仲間割れ起こしちゃうくらいの遺跡みたいだし、もしマスカレイドを撃退できたら、三日月湖の遺跡を探検――」
 冒険心がくすぐられてか、一瞬表情が緩んでしまったカルク。でも、すぐに気を引き締める。
「じゃなくて、探索することになるかもしれないよ!」
 エンドブレイカー達はどこまでも元気なカルクに見送られ、激戦が必至の戦場に出撃していくのだった。


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参加者
シスター・ベル(c00107)
野太刀のソーンイーター・クリストファー(c00489)
羽根抱く白銀のシュヴァリエ・ハイド(c01339)
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
這い寄れもふ毛・プレノア(c03487)
運命の慟哭・シン(c04331)
翠緑の筆跡・シフィル(c17537)
宝剣の魔封士・ライナ(c24023)

<リプレイ>

●成すべき事
 三日月湖の戦いが始まり、序盤から行動開始したエンドブレイカー達もいた中、八人は距離を置いて戦況を見守っていた。
 きっと、影武者アリッサム軍勢のティートは救えるはず。そう思い、終盤に向かう救出チームが全力を出せるように、中盤から本陣に攻めて極力露払いしておくのだ。
 遺跡を巡る戦いは、中盤に差しかかりつつある。
 冷めた目で戦況を見つめながら、運命の慟哭・シン(c04331)は最初から淡々と思っていた。一枚岩ではないマスカレイド共は勝手に自滅しろ……と。
 しかし、ランスブルグの部隊は味方勢力であり、静観は役目を果たす時が来るまでのことに過ぎない。
 翠緑の筆跡・シフィル(c17537)が紙に羽根ペンを走らせて、傍にいる、羽根抱く白銀のシュヴァリエ・ハイド(c01339)に見せる。
『三日月湖……マスカレイドが殺到するほど大事な事情がここにあるのでしょうか?』
 顔を見合わせた二人は、心をより深く繋げておくように小さく微笑んだ。
 現状では遺跡の謎に何一つ見当はつかないが、マスカレイドの軍勢が押し寄せ、争っているのは確かな事実。それは好都合な事である。
 マスカレイドの軍勢を睨みつけるように、ハイドは戦場に目を向けた。
「私と、君のためにも……一網打尽にしてやる」
『はい』
 返事は短かったが、シフィルとハイドにそれ以上のやりとりは必要ないだろう。
 野太刀のソーンイーター・クリストファー(c00489)も本音を言えば、遺跡にかなり興味津々だった。
「あの遺跡に何があるかはわからないけど。遺跡のことは、あれだけの軍勢をどうにかした後です」
 けっして少なくはない軍勢が動いた程の遺跡である。探索を行いたいと思うのも無理ない。
 ふと狂王アニール軍勢の不死者達がいる方向を見やったシンが、苦い顔をする。
(「不死者か……」)
 大切な者が不死者と化し、そして自分が手にかけた過去のあるシン。チームで攻め入るのは影武者アリッサム軍勢の本陣とはいえ、その境遇から思うところがあった。
 突入のタイミングは刻々と迫っており、シスター・ベル(c00107)が呟く。
「ここは任せて先に行け。まー、一度は言ってみたいセリフ上位ですよね!」
 王道のセリフに反応した者達の視線が集まって、最後は当然のように明るく言い切った。抑え役は強敵と戦わずに済む可能性など含蓄の有無は置いておくが、雑兵とて殺到されてしまえば厄介ではある。
「もしものときは、永代供養もお任せです」
「えと……そのっ! 縁起でもないです」
 宝剣の魔封士・ライナ(c24023)は引っ込み思案ゆえに、ちょっと遅れながらもベルが望んでいそうな反応を示した。
「嫌なら生きて帰りましょうね!」
「はい、ランスブルグを完全に取り戻すためにも……!」
 ランスブルグが関わっているとなれば、ライナも毅然とした態度を取れる。こんな所で物怖じなんかしていられず、決意が固められた。
 他の皆にとっても言われるまでもないことで、相対する敵がどれ程多かろうと怯まないと士気が高まっていく。
 不意に、虎狼の咆哮が響き渡ってきた。発信源の場所には中盤から本陣に突入する連携チームがいる。その一員が咆えたようだ。これより……影武者アリッサム軍勢が本陣を敷いた地点に、進撃開始するのだろう。
 ホークアイで味方や敵の動向を観察していた阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)に、這い寄れもふ毛・プレノア(c03487)が声をかける。
「力を尽くしましょう」
「勿論です」
 ルーンは突入に備えてホークアイを解除し、プレノアと頷きあった。それから本陣を見据え……。
「我切り開くは戦陣、我ら大いなる目的のための礎とならん」
 厚い兵の壁を突破することは困難を極めるが。誰かが、やらなければならない。
 一度はティートの救出を思索した者達もいるこのチームは、それと同等に大事と言える役目を選んだのである。
 連携を約束したチームと肩を並べるため――八人は数に勝る敵の本陣へと駆けていった。

●疾駆
 八人を含めた連携チームは、影武者アリッサム軍勢の本陣に踏み込んだ。突入自体は容易く、各チームが敵兵と激突していく。
 本陣の端から視認しただけで、戦力の差を痛感させられたが。
「複数の別働隊だと!?」
「ちっ、各自応戦するぞ!」
 単独ではないチームの突撃により、敵兵に混乱が生じ始めた。もし一チームだけの乱入であれば、たちまち包囲されて返り討ちだったに違いない。
 ハイドとクリストファー、ベルとライナは前衛を担った。その背中にシフィルとシン、プレノアとルーンが続く。
 前衛と後衛が半々の陣形を組んだ八人は、連携するチームとチームの合間に漏れていそうな近接攻撃タイプの敵兵を中心に倒していくと良いだろうか。
 早速二人の敵兵に、ハイドが刀身に光を内包させた『La Plume des Anges』を掲げて名乗りを上げる。
「天誓騎士ハイド、参る!」
 太陽光を吸収したかのように光り輝くアイスレイピアを振り下ろし、真正面から二人を斬りつけた。
 クリストファーが襲いかかってきた二人の敵兵に言い放つ。
「お前らが相手になるんだな。通してもらおうか!」
 切り込み役として本陣の深くに進行しようと、野太刀に流水の如きオーラを纏わせた。軽やかに野太刀を振るい、敵兵を薙ぎ払う。
 団結するエンドブレイカー撃退のため、敵兵は続々と集まっているようだ。連携してチームの孤立は避けられているが、数的優位だけは覆しようがない。
 後衛を守護しながら、ライナが限界まで仲間を支援したいと思って声を上げる。
「ベルさんっ!」
「行きますか!」
 持久戦は必至で防御体勢を整えておくべく、息を合わせたベル。
「私は、私のできる限りのことをします」
 敵兵が押し寄せてくる最中に、ライナは高速詠唱で自らの力を高めた。
 ベルが杭を打つようにシールドスピアの柄を地面に突き立て、しゃがみ込む。直後に、敵兵のハンマーを受けて弾いた。
「私の奥には、一歩も通さないよ」
 チームの連携によって陣形は極端に乱れず、また八人の活躍で相乗効果を生んでいる。前衛陣に任せてばかりではなく、後衛陣も惜しみなく後方から支援を行っていった。
 ルーンが確実に数を減らせるように負傷具合を見極め、前衛陣の間から捉えた敵兵に狙いを定める。
「我外さん」
 その意志をもって赤い軌道を結んで射抜き、二人の敵兵を倒した。数度の攻撃で弱ったところに強力な一撃を食らわせたのだから、耐えられるわけがない。
 傷が浅かった敵兵も瀕死になり、すぐに止めを刺せる。
 ルーンの射撃と同時に、プレノアは星霊ヒュプノスを召喚していた。
「スノー、お願いします」
 前衛陣を跳び越え、頭突きするように敵兵の頭に飛びついたスノーが、一杯の催眠ガスを振り撒く。思い切り咳き込ませて、最後には昏睡状態に陥らせた。
 淡々と攻撃しているシンには、生者の敵兵にかける言葉など無い。
「……」
 無言のまま『月影刃』を振り切った。敵兵が並ぶ空間を断絶し、月の魔力を撃ち出す。
 太陽光にも負けない輝きの月光を浴び、二人の敵兵は一瞬にして眩惑された。
 シフィルが仕込み杖を筆のように扱って、前方の虚空に狂王アニールの紋章を出現させる。
(「後門の狂王、前門の狂王……」)
 軍勢と紋章、両者に関連する狂王アニールの因果関係を、やはり奇妙に感じながらも展開させた紋章から呪力を引き出した。狂王の哄笑が轟き、敵兵に殺戮の衝動を沸かせる。
 チーム同士の連携を保てているものの、影武者アリッサム軍勢の戦力は大した打撃を受けていない。
 本当の戦いは……これからである。

●折れない心
 チームの連携により、この辺りの影武者アリッサム軍勢はまだ少し後手に回っている。
 隙がある間に、八人は一旦態勢の調整を図った。術者の体力を少なからず削る回復は多用禁物であり、今回のような状況では特に使い所が肝心だ。
 治癒に移行した切欠は、シンがプレノアに月光の祝福を与えた瞬間。
「……がんばることだな」
「ありがとうございます」
 プレノアは敵兵をついでに眩惑させたシンに礼を述べた。
 まあ、大層可愛げの無いシンの一言だったが。素直じゃない少年であれば逆に可愛く思えそうなものの、青年の彼にはあくまで前者の意味に受け止めてほしいところだろうか。
 星霊オラトリオを召喚し、プレノアが若干前に出過ぎかもしれないクリストファーに呼びかける。
「私は前衛にシフトできますから、無理はしないでくださいね」
「解ってはいますよ」
 此度の戦闘では近接攻撃と自己回復の手段に特化したクリストファー。戦える限り、そのまま進んでいくつもりだ。
 オラトリオは祈りに集中する寸前、プレノアと不滅なる誓約を交わした。彼女の消耗も抑え、かつクリストファーの負った傷を癒していく。
 敵数が多ければ、状態異常の一つや二つ付与されるのは仕方ない。前衛陣が攻撃に専念するには、後衛陣の援護が欠かせないはずだ。
「生命を育くむ風よ、我が友に生命の息吹を」
 前衛のライナが安心して行動できるように、ルーンが前方に風を呼び寄せた。生命の息吹を帯びた強い風を、ベルにも吹きつけていく。
「感謝しますよ!」
「おかげで、まだまだ頑張れます」
 ベルとライナを一気に癒し、状態異常も取り払った。だが再び調子を狂わされるのは時間の問題だろう。
 ライナは『マジカルソード』を杖の状態で地面に据え、ハイドとクリストファーの足元に魔法円を発生させた。
「ルーンさんの風を、無駄にはしません……!」
 治療の呪紋に加え、ルーンの風が無ければ使えていなかった浄化の呪紋も展開した。回復の度合いよりも異常の払拭を優先である。
 前衛陣は一斉に間近の敵兵を倒したが、新たに迫り来る無傷の敵兵。
 敵が勢いづいて前衛陣の負担が増える前に、シフィルが仕込み杖で走り書きするように老ゼペットの紋章を展開する。
(「ハイドさん……」)
 個人的な感情もあったが、変わらぬ陣形からハイドと刃を交えた敵兵を必然的に対象とした。鳩の群れを飛ばして翻弄し、マジックハンドに攻撃の邪魔をさせる。
 後衛の端にいるシフィルを標的にしようと、別の敵兵は側面に回り込んできた。
 ハイドが陣形を崩し過ぎない程度に移動する。
「私の意識がある内は、そう簡単に突破はさせん」
 暁の輝きを宿した『La Plume des Anges』に光輝のエネルギーを集約させながら、気を引くために疑問を投げかけてみる。
「あの遺跡に何があるというのだ?」
「答えるとでも思ったか!」
 やはり何も知らなさそうだ。回答を期待しなかった問いであり、素早く突きを放ち、頭部に露となっていたマスカレイドの仮面を貫いた。
 壁役に徹しているベルが、舞うように槍を振り回す。拒絶体の救出部隊乱入は先のことだが、後衛に攻撃の手を及ばせないように敵兵の注意を引きたいのだ。
「弱い相手は楽ですね!」
 挑発しながら敵兵に仕かけ、近くにいた一人も構わず旋風に巻き込んでやった。
 敵兵との攻防が激しさを増していて、クリストファーが真面目にツッコミする。
「……次から次へと沸いてこられるのは面倒だろ」 
 あれから、また随分と体力を奪われていた。
「だからと言って、下がりはしないが」
 敵兵の出方を窺いながら、ひたすら突き進む準備段階で、控えていたオーラの炎を迸らせて必殺の構えをとる。
 主に前衛陣が疲労の色を隠せず、徐々に敵兵の攻勢が強まっていることを肌に感じさせられた。

●後退と交代
 敵兵の露払いを継続していると、あるチームが敵将である『剣の将ルィズティック』を討ったという情報が飛び交ってきた。それは相打ちによる結果らしい。
 完全なマスカレイドは死に絶え、エンドブレイカー達は生き残っているはずだが。
「進め、進め!」
 連携チームの一端が崩れた上に、敵将が最期に命令を残したのか、軍勢の士気は上げる一方だった。本陣の奥から多数の敵兵がやってきている。
「潮時か?」
 クリストファーが指先にソーンを絡め、敵兵の鎧を刺し貫いた。さらに額を突こうと見せかけ、引き裂いていた魂を食らって傷の回復に利用する。
 その時、ついに前進を続けてきたクリストファーが、三人の敵兵に追い詰められた。槍に腹を突かれ、ハンマーを頭に打たれ、それでも辛うじて耐えたが……剣の一撃を肩にもらってしまったのだ。
「ここ、までだ、な……」
 ベルは意識の失ったクリストファーを瞬時に引き寄せ、後衛陣のルーンに預けた。
 間に合わなかった分を届けるように、ルーンが大地と海を流れる風をベルの元に呼ぶ。
「ライナさん、他の二人を回復してもらえませんか?」
「は、はいっ」
 ライナは一瞬慌てそうになりながら、ちゃんと魔法円の呪様でベルとハイドを大治療した。
 条件である半数の戦闘不能者は満たされていないが、シンが提案する。
「……撤退だな」
 もう戦いの終盤を迎えそうで連携チームも撤退を始めていた。反対意見は出ない。
「その方が良いと思います」
 ライナは対峙している敵兵が追ってくれば途中で倒すことを決め、一足先に退いていった。
 星霊ノソリンを召喚し、プレノアが騎乗する。
「私とノンノンで敵を牽制します」
 他の前衛陣が滞りなく撤退できるように、ノンノンに思い切り敵兵をタックルさせて守りも固めた。鳴き声が微妙にうるさいのは注目されて丁度良いかもしれない。
 クリストファーを担いだルーンは、撤退に協力する連携チームの者を発見し、退路を確保した。
「さあ、皆さんも早くしてください!」
「長居は無用ですよ!」
 プレノアも引き際が良く、足手纏いにならないように上手く敵兵を切り抜け、二人と撤退していく。
「私が殿を努めますよ」
 限界が近かったベルは、温存した神楽舞をルーンとライナの回復で踊られて、清冽なる鈴音と共に祝福の舞で自身とハイドを鼓舞させていた。ほぼ万全だ。
 念のために撤退時の不測事態に備え、ハイドが『La Plume des Anges』を一度鞘に収めた。
「……無理はしないでくれ」
(「気をつけてください」)
 目で訴えたシフィルは、ベルのために一刻も早く離脱する決心をした。
 ハイドがシフィルに向かってきていた敵兵に抜刀し、脚の痺れを解いて剣技を繰り出す。
 自分の身は自分で守れると、シフィルがハイドを庇いながら後退していった。彼女とて、庇われてばかりではないのだ。
 シンは僅かな時間に殿をやりきったベルと共に退く直前、敵兵から攻撃を受けた。
「……貴様」
 小声で呟き、『月影刃』に月の魔力を込めて敵兵を斬り捨てる。それから改めて、ベルに肩を貸して撤退だ。
 そうして、八人の戦いは終わった。駆け抜けた道程に、ティートを救ってほしい想いだけを残して。
 終盤を駆ける者達の――朗報を待っている。



マスター:森高兼 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/08/15
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