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アマツカグラ沖海戦:突入の船団

<オープニング>

「滅びの大地から来る船団への、対応策が決まりました。皆さん話し合いお疲れ様でした」
 梓弓の星霊術士・ネリカ(cn0079)が、真剣な表情でエンドブレイカーに語りかける。
「皆さんの意見をとりまとめた結果、マスカレイド船団に突入し、その船を奪取する作戦をとることに決まりました。
 既に、黒の塔主と緑の塔主が、船団と操り手の手配をしてくれています。あとはマスカレイドの船に切り込む皆さんが乗り込めば、出発の準備は整います」
 港には、多数の船が並んでいる。
「マスカレイドの船団を奪う……思い切った作戦ですね。危険が伴いますが、成功すれば滅びの大地へと渡ることができる、多数の船を手に入れられます。今後の戦略も大きく広がるでしょう。みなさん、頑張って下さい」
 皆を激励したネリカは、続いて作戦の概要を説明する。
「マスカレイドの船団ですが、銀のマスターメイガスを搭載した旗艦が中心です。それを守る護衛船が1隻、マスカレイドを収容した輸送艦が6隻、大船団ですね。
 マスターメイガスは旗艦に固定されており、主砲の役割も担っています。更に塔主直属の護衛部隊も乗船していますので、まさに船団の中枢といってもいいでしょうね。
 護衛船は、シークラーリンなどのシーバルバを主体とした、マスカレイドの戦士達が乗っています。泳げる戦士達を揃えて、襲撃時には旗艦や輸送船への援軍とする腹づもりのようですね。護衛船を襲撃すれば援軍を阻止できますが、戦力に不足があれば返り討ちにされてしまう、諸刃の剣でもあります。
 最後に輸送船ですが、こちらはアマツカグラのマスカレイドを収容する予定のようです。そのために、今はアマツカグラに捨ててきても構わないマスカレイドを乗せているようですね。それぞれに乗っているのは、この表の通りです」
 そういって、ネリカは紙を指し示す。
「輸送船の戦力は低いです。20名程度のエンドブレイカーで、互角以上の戦いができるでしょう。旗艦と護衛艦はそうはいきません。が、それぐらいの戦力が護衛船に切り込めば、しばらくの間援軍を防ぐことはできるでしょう」
 旗艦についてはそれでも不足だが、1点弱点がある。
「旗艦にいる、銀の塔主のマスターメイガスですが、飛行可能な状態です。しかし、飛行すると旗艦も航行不能となります。さらに、マスターメイガスを撃破した場合にも、旗艦は航行不能となります」
 完全に制圧することよりも、マスターメイガスをどうにかする方が得策かもしれない。
「この作戦は、アマツカグラ沖の島影で敵の来襲を待ち、敵船団が近づいた所を急襲して敵の船に斬り込むことになります。
 銀のマスターメイガスにはシティアニヒレーターという超兵器が存在しますが、こちらは『勇士号』対策として温存するはずなので、マギラントの船団だけでの突撃であればシティアニヒレーターの事は考える必要はありません。
 突入までの操船は船団の操り手が行ってくれます。突入後、マギラントの船団は戦場から退避しますが、戦闘終了後の救助などは行ってくれるので安心して下さい」
 余計なことは考えず、戦いに専念できるだろう。
「今回の作戦では、輸送船の全てを奪取する必要はありません。
 銀の塔主のマスターメイガスを撃破するか撤退させるか、輸送船を3隻以上奪取すれば、マスカレイドの船団は、アマツカグラのマスカレイドの収容を諦めて撤退をはじめ、作戦は成功となります。
 この点も踏まえて、どの船にどのくらいの戦力で斬り込むかなど、作戦を考えてみて下さい」
 どのような作戦で挑むかが、成否をわけることになるだろう。
「今回も危険な戦いが続きますが、皆さんならきっと大きな戦果をあげてきてくれると期待しています。どうか、よろしくお願いします」
 そう言って、ネリカは頭を下げた。


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参加者
薙刀の女丈夫・ケイト(c00857)
斧の城塞騎士・フラン(c00997)
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
多色のアスター・クィ(c03420)
夢壌の壁・エルヴィン(c04498)
魁刃・ナガミ(c08545)
蜂蜜色の・ラディ(c19472)
青の懲罰記者・トウカ(c22431)

<リプレイ>

●海を行く
 アマツカグラ沖。普段は静かな海を、今は波立てる船の群れ。
 滅びの大地からやってきた大船団が、ゆったりと海を進んでいた。
 船団を迎撃せんと、接近する船。その船中に、彼らはいた。
「慎ましく生きる人々の生活を脅かすなら、捨て置けんな」
 甲板に立ち、海の風を浴びながら斧の城塞騎士・フラン(c00997)が呟くと、多色のアスター・クィ(c03420)がこくこくと頷く。
「負けるわけにはいかないね……!」
 幼さの残るその姿から、気合いが立ち上っている。
「――倒す為、守る為、取り戻す為 それぞれの思いと戦い」
 歌うような小さな声が、風に乗って聞こえてくる。声の主は、蜂蜜色の・ラディ(c19472)。
「船の構造を聞いてきました」
 先程まで船員相手に情報収集を行った結果を、メモを見ながら皆に伝える。もちろん敵の船と作りが同じとは限らないが、何かの役に立つかも知れない。
 遠くに見えていた敵の船団が、見る見る近づいてくる。彼らが目指すのは、輸送船の1つ。情報によれば、そこには傷つき廃用間近となったゴーレムが搭載されているという。
「救出だけでなく、塵捨てまでしにくるとは……」
 夢壌の壁・エルヴィン(c04498)は、嘆息すると傍らに目をやる。自信に溢れた表情を浮かべ、拳にバンテージを巻くのは青の懲罰記者・トウカ(c22431)だった。
「悪人より物を押収するは騎士の務め!」
 握りしめる拳に力が入る。記者というより、取材の対象となりそうな意気込みだ。
「トウカ、傷などは残っていないようだが、余り無理はするなよ」
 エルヴィンが心配して声をかける。相次ぐ戦いに、見た目は元気そうな彼女にも、疲労がたまっているのは想像できる。
「ああ、気をつけた方が良い。団長だけでなく、な」
 同じ目的を目指す他班との調整を終え、戻って来た魁刃・ナガミ(c08545)がそう口にする。連戦に挑むのは、トウカだけでない。この部隊のほとんどの者がそうだった。同じく戻って来た阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)も、こくこくと頷く。
「気をつけていきましょう」
 愛馬のグランスティードを傍らに従え、薙刀の女丈夫・ケイト(c00857)が同調した。
 戦いが近いことを察し、他班のメンバーも含め、エンドブレイカー達が看板のに集まってくる。ナガミは青髪のエルフの少女と、作戦の最終確認、そして戦後のゴーレムの扱いについて会話を交わす。
「了解した。そちらもしっかりと」
「危険な役割ですが、気をつけて下さいね」
 ルーンも少女に激励の言葉を送った。
 輸送船がどんどんと近づいてくる。彼らの船は輸送船と併走する体勢をとった。輸送船への接舷と足場の確保を目指し、他班の仲間達が前に出た。
 接近を察した敵船のゴーレム達がざわめき、妨害を試みてくる。その敵を牽制しようと、袴姿の少女が弓を引き絞り、帆柱に矢を放った。赤目の少女も銃の抜き撃ちで敵を牽制する。
 援護にと、トウカは懲罰機を呼び出した。鉄の体が放つ光線が、ゴーレム達を襲う。それと交差して到達したのは、フランの放つオーラの刃。フランの表情は、戦える喜びに溢れていた。仲間に遅れまいと幻獣麒麟を放つケイトだが、その際に海が視界に入ってしまい、固まる。
「こ、ここから落ちたら死にますね……確実に」
 泳げない故の恐怖心で動けなくなったケイト。傍らのクィが背伸びして、励ますように頭を撫でる。
 そんな彼らの視線の向こう。飛んでいった鉤爪が、輸送船の左舷に食いついた。
「狙ったとはいえ……良かったです」
 リスを思わせる赤茶髪の女性が、ほっと息をついた。1つの楔が打たれたのをきっかけに、幾本ものロープが投じられ、2隻の船は接近していく。船と船がぶつかり合い、波間に木が軋む音が響く。やがて、2隻の船は動きを止めた。船と船をつなぐ、幾本ものロープでできた橋。
「助かる。では」
 ナガミがロープに足をかける。
「第5輸送船はまだ、気味が悪いほど静かですが……皆さん、どうかご油断なきようお願いしますね」
「ああ、ファムも気をつけてくれ」
 眼鏡をかけた女性の一礼に、ナガミが答える。エルヴィンはそんなナガミの肩をぽんと叩くと、別の縄を駆け上がっていった。負けじと、一気に駆け上がるナガミ。それに遅れることなく、トウカもまた縄を登る。ピンとはった縄が、軋むような音を立てた。

●斬りこみ
 来襲するエンドブレイカーを待ち構えようとした、腕が欠けた人型のゴーレム。そこに、太刀の刀身が飛んできた。
「させるかっ!」
 放ったルーンが叫ぶ。先程までとは別人にも思えるような、勇ましい声。接舷の衝撃に備えたロープを今は自ら切り、攻撃態勢を整えている。体の中央を貫かれ、無椀ゴーレムは海中に落ちていった。
 無椀ゴーレムがいなくなり、空いたスペースにナガミが飛びこむ。羽織が翻り、ばさりと大きな音を立てる。着地すると同時に、太刀を抜き放ち。
「――さて、どいつから斬られたい」
 一閃。ゴーレムの首が、ぽろりと転げ落ちる。
「遅れませんよ! 先陣は騎士の誉れ!」
 トウカが手に結びつけたdrifterをかざす。エルヴィンも拠鋭貫破を掲げ、2人と背中合わせに立った。
「さて、普段はふきだまっている風が舞う様を――」
 傷だらけのゴーレムを見据える。
「お前らの引退式がわりに見せてやろう」
 虚空の爪が、ゴーレムを切り裂いていく。
「騎士ケイト・ユニホーン、突撃いたします!」
 ケイトは愛馬グランスティードに騎乗すると、先程までとはうって変わった勇ましさで、敵船へ突っ込んでいった。
「実は海戦らしい海戦に前々から憧れててな!」
 フランは高笑いしながら敵陣へ突っ込むと、シュメッタリングを振り回した。蝶を思わせる紋様だが、威力はそんな可愛いものではない。壊れかけのゴーレムを、瓦礫へと変えていく。
「援護します! ……気を付けてくださいね!」
 茶髪の少女が呼び出した星霊ヒュピノスが、敵の間を駆け抜ける。援護にも助けられ、クィとラディも敵船へ上がった。
「いくよ〜っ!」
 クィが元気に叫ぶと、彼女の分身が現れた。2人になったクィが、ラディを挟んで並ぶ。見た目は違うが、どこか似た雰囲気を感じさせる3人が、敵に対峙した。
「せーのっ!」
「はいっ!」
 クィの掛け声が飛び、ラディは竪琴を構える。船上を駆け抜ける剣と魔法の衝撃、そして激しい音。連携をとっての攻撃が、ゴーレムを次々と沈めていく。
 猛攻の前に沈んで行くゴーレム達。足のないゴーレムが、警鐘のつもりか、けたたましく甲板を叩く。
 ズブリ。
 頭部に太刀が突き刺さった。ゴーレムはゆっくりと機能を停止し、倒れる。
「静かになったな」
 敵を威圧しながら、ルーンが輸送船へと登る。彼が足をかけた瞬間、船が沈み込み揺れた。この体に、どれだけの刀身を隠しているのか。
 敵船に降り立った彼らは、仲間達が進む道を切り開くため、さらなる攻撃を開始した。

●混戦
「はっ!」
 フランの振るった斧が、片足を無くしたゴーレムの、残った足を刈った。ゴーレムは吹き飛び、海に落ちていく。
 幾多の敵を屠り、戦場のゴーレム達は数を減らしてきた。操舵室への侵入を阻む敵も、今はいない。
「今です!」
 ケイトの凛々しい声が響く。その声を合図に、操舵室に向かう班が動いた。
「こちらは任せて、Good Luck!」
 操舵室に向かう仲間達に、クィが声をかける。
 その時。
 …………ォォォォォ……ン!
 地の底から響くような音が、甲板に響いた。
「この音、何が……!」
 フランが叫ぶ。音がするのは足下、船艙の方向。
「下に向かうべきでしょうか?」
「いや、見ろ!」
 逡巡するケイトに、警告を発したのはエルヴィン。音と何らかの関係があるのか、多数のゴーレムが甲板に這い出してきていた。
 音の元は確認するべきだが、目の前の敵を無視もできない。足場を確保した仲間達の間にも、迷いと戸惑いが広がっているのが感じられる。
「道は私達が拓きます! 前へ!!」
 トウカの勇ましい声が船上に響いた。バンテージを食いしばり、ゴーレムに拳を叩きつける。
「逃がしません!」
 そのとおり、と切り込んだケイトの血桜が、ゴーレムの体を一刀両断にした。
 2人の行動がきっかけになったか、仲間達は行動を開始する。
「ならば、目標は船艙のあたりか」
 目つきの鋭い金眼の男が、船艙を指し示した。
「あとは、任せて」
「――どうか、ご武運を!」 
 クィの言葉に、東方風の髪型をした壮年の男性が目礼を返してきた。
 仲間達の部隊が、一方は操舵室へ、もう一方は船艙へと進んでいく。その姿を見守り、ラディは敵に向き直った。
「ここは、通さないよ!」
 小さな体から、大きな叫び声が響く。彼の奏でる友情の旋律に、ゴーレムは機能不全を起こし、停止していった。
「向かってくるのならば討ち取るまでです!」
 ケイトは叫び、頭上で血桜を回す。赤い刀身に、オーラがこもり光を発していく。その足下、エルヴィンは旗を掲げていた。ケイトの血桜が巻き起こす風をはらみ、巨大な旗がたなびく。おそらく他の船からも、この偉容は見えることだろう。
 ケイトが薙刀を振るうと、飛び出した幻獣麒麟が甲板を駆ける。それと競うかのように、エルヴィンも旗を振り回し走った。いなないた麒麟が走り、ゴーレムを追い立てる。逃げ惑うゴーレムを、エルヴィンの旗が薙いでいった。戦旗に蹂躙されたゴーレムが、次々と崩れていく。
 ナガミが振るった太刀が、ゴーレムの硬い体を、まるで布でも引き裂くかのように切り裂いていく。既に動きが鈍っていた廃棄寸前のゴーレムは、抗うこともできずに看板に崩れ落ちた。個々の戦闘を見ていけば、エンドブレイカーが圧倒的に有利なのは間違いない。しかし、その数は脅威。連携は十分でなくとも、次から次と襲いかかって来る敵は、対処するだけでも疲労が蓄積されていく。
 フランが斧を振るった。重量感溢れる一撃が、ゴーレムの群れをまとめてなぎ倒した。眉庇に覆われた顔、口には確かに笑みが浮かんでいる。戦いに喜びと達成感を感じているのがわかる表情。
 しかし、その攻撃は大振りなだけに、威力も大きいが隙も大きい。犬型のゴーレムは足が一本もげていて、走り方も正常ではない。だがその動きは、逆にフェイントとなった。フランの防御をかいくぐり、その足に噛みつく。
 痛みがフランの動きを鈍らせる。そこに、首のない人型ゴーレムが組み付いた。頭部が無くて動きは鈍重だが、力の強さは普通のゴーレムを凌駕している。
「くっ!」
 フランの顔が苦痛に歪む。
「フランさんっ!」
 ラディが目の前のゴーレムを屠りながら、心配そうに叫んだ。フランは鎧も歪ませる怪力に苦しみながらも、自らの体に力を込める。
 フランの体から、オーラが立ち上った。その姿は、雄々しき獅子。破裂するかのように軛を弾き飛ばすと、ゴーレムの腕は千切れて飛んだ。よろめくゴーレムの体を、獅子が引き裂く。
 解き放たれたフランだが、深手を負い、痛みによろめく。そこを狙う、脚の少ない蜘蛛型のゴーレム。膝をついたフランに跳びかかる体勢。ピンチはまだ続く。
 その時、フランの目の前に割って入る人影。跳びかかった蜘蛛ゴーレムは、その拳を浴びて墜落、甲板に叩きつけられた。人影の主は、バンテージを拳にしっかりと巻き付けたトウカだった。
「やらせませんよ。後悔はしたくないし、させたくないでしょう?」
 フランを背後にかばい、敵を見据える。
「生命を育くむ風よ、我が友に生命の息吹を」
 ルーンが唱えると、柔らかな風がフランの上に舞い降りる。その清浄な空気が、痛んだ彼女の体を癒した。
「……水晶群自動展開……防衛結界構築!」
 クィの呟きに答えて、水晶群もフランの周りに展開し、癒しの結界を形作る。フランの体に刻まれた傷は塞がり、荒かった息が整っていく。
「皆ありがとう。助かった!」
 フランは仲間達に礼を言い、戦線へと復帰した。
 戦いは続く。しかしいつ終わるかもわからなかった戦闘にも、終わりは訪れる。着実に敵を倒していった結果、甲板に残るゴーレムは大きくその数を減らしていた。エンドブレイカーは勢いづき、さらに敵を倒すペースが上がる。その力の原動力となるのは、共に船に乗り込んだ味方達のもとへ、敵を通すことはないとの強い思い。
 ラディの曲は、聞くものに信頼と絆を感じさせる。その旋律に乗って、ルーンは敵の腹部、急所に刀身を叩き込んだ。
「……斬るっ!」
 動きを止めたゴーレムを、クィの刃が切って捨てる。
 ナガミとトウカは、隣り合って戦っていた。目の前に立つのは、薄汚れ動く度にけたたましい音を立てる、しかし巨大な人型ゴーレム。
「私は彼らを先に進ませると決めました」
 仲間達が向かった操舵室、そして船艙に目をやり、トウカは気合いを高めた。彼らを思う気持ちが、トウカの力となる。
「ですから……、この競り合いは譲れない!!」
 断罪の拳は、ゴーレムの装甲をも穿つ。バランスを崩したゴーレム、その先にナガミがいた。鋭い太刀にオーラを乗せ、流れるように切りつける。
「嵐なき日の船上に、立つ波もあると心得よ」
 荒波を思わせる一撃、体の中央を切り裂かれたゴーレムがゆっくりと倒れた。
 エンドブレイカーの猛攻に、ゴーレムはその数を加速度的に減らしていく。残るは1体。エルヴィンの動きがゴーレムを幻惑し、爪が敵の顔を引き裂いた。
「ケイト、任せた」
 そこに待っていた、騎上のケイト。薙刀を掲げ、一気に振り下ろす。刀身の赤が、ゴーレムの流す血のようだ。
「敵、打ち取りました!」
 敵のいなくなった甲板に、ケイトの勇敢な叫びが響いた。

●勝利
 戦いは終わった。時を同じくして、操舵室からは雄叫びが聞こえ、船艙から轟く異音も消えている。仲間達の勝利を物語っていた。
「今回の目的は船を破壊することではなく奪うことですからね、戦闘でダメージをあまり受けていないといいのですが」
 ルーンはスピリットを呼び出し、船の状態を確認する。万一に備え、そのルーンを守る構えのエルヴィン。クィはここまで連れてきてくれた船員を労う言葉を考え、そっと胸に手を当てた。
「これを、渡せばいいんですね」
「ああ、約束したからな」
 甲板に並ぶゴーレムの残骸の山を前に、ケイトとフランが話し合う。 
「これだけあれば、問題ないだろう」
 ナガミも約束を交わしたエルフの少女を思い出し、満足げな笑みを浮かべた。ラディはその残骸を拾い上げ、労るようにそっと撫でる。
「大丈夫、きっと治るよ。 ただの捨て駒のままでなんて終わらせない」
 その時、轟く爆音。音の方向に向き直ると、敵旗艦からは煙がたなびいていた。周囲に響く歓声が、戦いの結果を教えてくれる。
「……終わりましたね」
 トウカの呟きは、皆の思いでもあっただろう。
 勝利を収めたエンドブレイカー達。船は、沖合で静かに揺れていた。



マスター:佐枝和人 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2013/08/23
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