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マスカレイド艦隊水際防衛戦:鋼語りの一端

<オープニング>

●マスカレイド艦隊襲来の報
 滅びの大地で建造されていたマスカレイド艦隊――それが遂に、こちらに向かってきた。
 その報を情報屋である二人、太刀の魔獣戦士・ミギナ(cn0032)と紫煙銃の城塞騎士・レミィ(cn0151)は集まる仲間達、エンドブレイカーへと紡ぐ。
「マスカレイド艦隊の狙いは――アマツカグラですわ」
「んで、その指揮をとってんのはまったく知らないやつじゃねぇ。黒刃使い・ガンダッタだ」
 先日、アクスヘイムを崩壊させ『戦神斧』をその手中に収めたガンダッタ――それは勇者の一人でもありどうあっても戦いは避けられぬ相手。
「周到な準備を旨としているガンダッタがここまで大がかりに戦力を動かしている……これは何かあるとしか思えませんわ」
 レミィはその眉根を顰め、ミギナも嫌な予感しかしないと同意の頷きを返す。
 そんな相手が、敵がアマツカグラにやってくる――ならばすることは一つ。
 撃退するのみだ。
「そのマスカレイド艦隊は、千体に近いマスカレイドを収容できる大型強襲揚陸艦が5隻。その周辺に、相手の艦船を攻撃する戦闘艦、シーバルバマスカレイドが操る小型艦が展開してる」
「こちらの艦隊で真正面から海戦を挑めば……おそらく戦闘艦に沈められてしまいますわ」
 また小型船で近づいて乗り込もうとしてもシーバルバマスカレイドの小型船に取り囲まれ、同じことになるだろうとミギナは言う。
 こちらには終焉に抗う勇士号もある。しかし、これを動かすことにもまた問題があった。
「敵の戦闘艦は終焉に抗う勇士号を破壊する事を目的として建造されているようですの。勇士号で乗り込んでも……」
「敵の戦闘艦を数隻撃破はできるだろうが、その間にやられて轟沈、だろうな」
 勇士号がでれば集中攻撃されることは必至。重なり合う事柄、それをもとに現時点でこちらが取れる対応はひとつ。
 大型強襲揚陸艦から上陸しようとするマスカレイドの軍勢を水際で阻止する事だけだろう。
「大型強襲揚陸艦からの上陸を阻止する事が出来れば、マスカレイド艦隊は撤退……あるいは、海上戦力である戦闘艦、小型艇にいるマスカレイドを上陸させる作戦をとると思いますわ。そうなればチャンスですわ」
「で、そのチャンスを作るには、マスカレイドの軍勢の上陸を阻止する今回の作戦が重要になってくる。大型強襲揚陸艦は5隻、それぞれ別の場所から上陸してくるから、そこで防衛線を引いてほしいってワケだ」
 詳しい話を続けますわとレミィは言って、この場のエンドブレイカー達に視線を巡らせた。
「……手を貸してくださりますのね、ありがとうございます」
 では続きを――そう紡ぎ彼女はまたその口を開いた。

●大型強襲揚陸艦との戦
 まずは敵について、と二人は話し始める。
「敵のマスカレイドは滅びの大地から連れてこられたマスカレイドと――」
「勇者ガンダッタの配下になるだろうな」
「そのガンダッタの配下の中にはどうやら喋る武器を持つ戦士団の姿もあるようですわ。有力なマスカレイドを率いて揚陸艦で指揮を執っている、というところでしょう」
 おそらく主力は滅びの大地から連れてこられたマスカレイドで間違いないだろうとミギナは補足する。
「で、この主力のマスカレイド。こいつらの上陸を阻止すんのが、この作戦の最大の目的」
「ですが……そのマスカレイドを倒し上陸を阻止した上で、喋る武器を持つ戦士達を撃破できたならば、敵の目的の一端でも知ることができれば――尚良いと思いません?」
 戦況が動いていけば、揚陸艦にいる喋る武器を持つ者達にも接する機会は出てくるだろう。
 レミィは暗にそれができると思っているからこそ、口にしたのだ。
 けれどまずは必ず成し遂げなければならない事があるとミギナが話を進める。
 揚陸艦は、岸に乗り入れた後、ハッチが開き、大量のマスカレイドが上陸してくる。
 が、この上陸作業中はマスカレイドも実力を十分に発揮できない。
 つまり、エンドブレイカー側がかなり有利に戦えるのだ。
 そのため、揚陸艦1隻につき、250名程度の戦力があれば敵の上陸をほぼ阻止する事ができるだろう。
「ま、可能な限り敵を倒しておけば、今後ちっとは楽になると思うんだよな」
「ですが、水際での上陸阻止に一か所でも失敗すれば敵に橋頭保を築かれ、残るマスカレイドも次々と上陸してきてしまいますわ」
 そうなれば――都市国家、霊峰天舞アマツカグラでの決戦を行わなければならなくなるだろう。
 そうなれば――『戦神斧』を持つ勇者の力により、アマツカグラに災いが降りかかる事は避けられない。
「アマツカグラの為にも、ですがそれと……」
 そういって、レミィはミギナへ視線を向ける。ミギナはそれを受けて、言葉を引き継いだ。
「アクスヘイムの象徴の……あの斧が悪事に使われないようにする為にも、阻止しねーとな」
 あの斧の下で育ったエンドブレイカーはこの場に多くいるだろうとミギナは言う。
「とにもかくにも、まずはあのでけーのからでてくるのを叩いちまわねぇと何にも始まらねーからさ」
「目の前にある敵を倒しましょう。アマツカグラの命運も、おそらくこの一戦にかかっていますわ」
 そして、とレミィは続ける。
 これは勇者との新たな戦いでもあるのだと。

 大型強襲揚陸艦よりの敵の上陸を阻止できるか、否か――すべてはそれにかかっている。
 ゆるりと侵する夕焼けとともに向かい来るその姿。巨大な影がアマツカグラへと近づいていた。
 戦神海峡アクスヘイムの象徴であった『戦神斧』を手にした男は艦隊を率い、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「準備万端整った、あとは、仕上げを御覧じろ」


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<リプレイ>

●苛烈なる戦場
 血と土煙、そして海の匂いが入り混じる。この場についた揚陸艦へ向かうエンドブレイカーは182名。250人いれば五分五分と言われていた水際防衛線。劣勢とわかった上での戦いは大きく戦場を分けつつ始まった。

 トマリの投げたカボチャが落ちる衝撃で爆ぜる。
 さまざまな音が響く戦場は雑然と敵味方入り乱れての激しい場所であった。
 カマキリの刃が盗賊を断ち切る。
「いっぱいいるけど少しずつたおしていけばきっとかてるぞ!」
 そのモカの声を聴きながら、クルイークは凝縮した衝撃波を冒険者へと放った。十字に引き裂かれた敵は仮面砕かれその場に崩れ落ちる。
「やっと一息つけるようになったんだから」
 この暴挙は許せないと棍をレティは振るった。そしてリィナの振り払う焔がシーディグレンを切り裂きゆく。
「まだだ! 私が倒れたとしてもここは通さない!」
 リィナの上げた声が戦いの場に響く。背中を預ける友とは離れてしまったがリィナの闘志は鈍らない。
 敵から攻撃が向く。その一撃をセリンは弾き、踏み入る。
 攻撃が入り乱れるが狙う先に惑いはない。
「楽な上陸など」
 させてやらないとゼルアークがロードキラーを鎌で討ち倒しながら、マスターを探す。その傍ら抜けプレノアはノソリンに乗って冒険者へ突撃する。
 そして戦いの中で癒しの舞をレイアは踊り仲間を踊る。癒しの力は傷を負った仲間にとってはありがたいもの。
「敵が居なくて困る事はなさそうだな」
 そう零しながらジョルジュも衝撃を打ち出し敵の武器を弾き飛ばす。
 ロイは広げた羽根よりレーザーを放ち、ハルキュオネはその盾でメイジを押し潰す。
 ジグが紫煙銃より放った光線にロードキラーが倒れた。
 敵も倒れる、けれど味方も倒れる。蛮族戦士の振り下ろした斧の一撃でソラは力尽き倒れた。
 ベルカが放つ衝撃も敵を弾き倒しゆく。
 そしてこの戦場で目立つ、喋る斧を持った男が一人。
 飛ばされた多数のオーラの刃はエンドブレイカー達を切り裂いた。けれど男はまだ攻撃したりないという様に次の攻撃を仕掛ける。
 荒れる戦場の中、アルの妖精も飛び回り敵へ突撃をかけゆく。
 この雑多な中でともにはぐれず背中を託しあえたトールは矢を放ち、アルベルトは棘を具現化し放ち尽くす。
 冒険者の斧が多数の者を切り裂くが倒れるものは誰もいない。
 ツルギはシーディグレンを打ち倒し、ティアナはその槍でもって、動きを制限されながらもシーヴォルフルを貫き倒す。
 ヨヒラは火炎使いへ突きを繰り出し、腹を刺して離れた。
 混戦の中、はぐれていたリーレとシヅマは出会い、視線をふと合わせ二人の攻撃重ねた。リーレは歌い、シヅマは仲間へ追い風を招き力となる。
 カルミアが矢の雨を落とし、そこへエリックが幻覚作用を持つマジックマッシュをシーディグレンへと投げる。
 敵からはラコッティからの激しいあたり、メイジから放たれる光線、ロードキラーからは鋭い刃。
 攻撃の波を耐えながら、フミは破邪の輝きロードキラーに振り下ろす。コーキネアは魔獣の尾を振るい敵を薙いだ。
 爪を振りぬきコヒーレントは衝撃波を飛ばしラコッティを倒す。
 ヒョウエが業焔を薙ぎ払いダメージを与え、また別所でラツも攻撃を繰り出した。
 仕込み杖から抜き放ったファラーナの太刀に光宿り周囲の敵は力尽き倒れる。
 ヤナギがロードキラーに太刀を浴びせ、ナイのヒュプノスが眠りへと誘い落とす。
 火炎使いの放つ焔を受け、それでもなお立っていたサイクスは力の限り、狩猟者達へと飛び上がり3体討ち果たす。それに続いて、マコトも攻撃をかけた。
「やっと機会が回ってきたぜ……と言いたいとこだが」
 この状況ではとマコトは漏らしつつも諦めはしない。
 だが、熾烈を極め仲間はまた一人ずつ、倒れて行く。
 フミが倒れ、火炎使いの囁きはティファリスのすべてを奪い去っていった。
 一帯のエンドブレイカーが倒れた事を確認し、喋る斧を持った男は勝利の声を上げた。

 火炎使いの放つ焔が広がる中、スマラグドゥスは殺気を飛ばし仕掛ける。
「厳しいね。数的にも、戦力的にも……」
 周囲の様子に視線を向け、黄金の大鎌でもってジルは目の前の敵を倒し仲間を助けるように動いた。
 メローネが紫煙の樹でシーヴォルフル達を押し潰し、コヒナの銃弾はメイジを連続で撃つ。
「ヒーハー! マスカレイドだろうが六勇者だろうが、悪い奴らは全員、ぼっこぼこにしてやんよ!」
 仲間から続き、トーマスは火炎使いを撃ち倒すと次の敵へ視線を向けた。
 ラコッティ、また他の敵もまた攻撃を止める者などいない。
 できる限りの敵をとリウェスはワタリガラスの群を解き放ち攻撃を広げながら、自らの守護者を探す。
 ミスティは回転を持って武装盗賊へしかけ、ユウリアは三日月を描き攻撃を仕掛ける。
 またシルエロも、攻撃を受けた分とばかりに野太刀を抜き放った。
 仲間達への攻撃は激しい。その中でトウカは折紙符を飛ばし攻撃しながら自らの守りを固めゆく。
 フォレスが召還したヒュプノスが敵を眠りに誘うべく跳ねる戦場。
 フルルは氷塊を創造し、敵へ仕掛けた。そして、今ヴァレイシュは喋る槍使いと向き合っていた。
「っだー! 数! 多いなこんちくしょう!」
「ギャハハ! 楽しいだろう! ほら倒れちまいな!!」
 敵の多さに悪態つきつつもヴァレイシュは満身創痍。高らかと声あげ向けられた一撃でその場に崩れ落ちる。
 その姿一瞥し喋る槍使いはさぁ次と戦場深く進み行く。
 戦場走る轍をステュクスが走らせ、それは火炎使いを引き仲間の力となる。
「ガブラスを止める為にも頑張りましょう」
 ミルフィは囁きを紡ぎ、それにティアが続き妖精を突撃させ協力し敵を倒し行く。
 火炎使いへと仕掛けたミハエルが煌く斧を振り下ろす。が、それは防御され舌打ちひとつ。
 ファウシィクは閃光手榴弾を連続で投げ爆ぜさせた。
「弱くても引かなければ一撃……!」
 そう紡ぎアリツェは大地打ち下ろし敵を留める。
 そして戦場で巻き起こった突風はルルが巻き上げた物。
 カノーは破魔の月光を掲げ火炎使いを眠りに落としゆく。
 と、ふと戦場で響くは花の歌、そして熱き焔の歌。ニュサが奏でた歌はセシリアに力を分け与えた。
 ルーンが敵の瞳貫く矢を放ち風切り、その風を纏いカケルが木の葉竜巻を落とし、セシリアは行軍歌を響かせ仲間を回復する。
「そうそう好きには」
 させないとキトの手のより解き放たれるクラビウス。
 ランファは戦場を切り開き仲間を鼓舞する。けれど敵の数が、多い。その最中、ロードキラーの刃にランファは倒される。
 仲間の姿が、減っていく。
「ここで退く気もありません」
「結局やるこたぁ変わんねえしな」
 それでも心折れずアマーリアは光の剣をむけ、ラシャは彼女に背を託し大野太刀で空間毎敵を斬ろうとした。が、敵より受けた攻撃によりその機を逸する。
 火炎使いは炎を撒く。その熱にリウェスが倒れた。アマーリアは間一髪、ルーンに庇われそれを堪えたが、次は凌ぎきれない。
 アリシアが血の猟犬を走らせ敵を倒す。テオドールが敵の首を斬り上げ血煙を立ち上げる。
 右拳でソーヤが敵を伏せ、レヴールが影を広げ攻撃を向けた。
 シヴィルが翼広げ敵を斬りながら、傍らのリチェリーへと力を貸す。リチェリーはその力を受け、動き鈍りながらも樹木の中へ敵を閉じ込めた。
 ロードキラーの太刀筋にミは倒れ、今はもう立っている仲間は数えるほど。
 シンルーは敵の視界を奪いアリシアを援護しつつ、敵へと攻撃をかけた。
 体力失い一撃の危機に瀕してもテオドールは敵を蹴りつくし踏みとどまる。ジルもまた、衝撃波を堪えきった。
「あとはこいつらだけ!」
「……そのようだな……」
 マスカレイド達に囲まれた状況。喋る槍使いが向かい来る。
 アリシアは攻撃を受けても一度踏み留まった。けれども、他方火炎使いからの攻撃に倒れる。そして同じその攻撃を受けたラシャはそれを逃れ、ラコッティよりの一撃を堪えた。
 が、目の前に迫ったのは喋る槍使い。石化を招く一撃をラシャが堪えるとしぶといと槍使いが舌打ちを落とす。
 けれど炎使いから放たれた火炎により尽きる他なかった。

 武装盗賊、火炎使い、他にも敵が向かってくる中、アクスはその斧よりオーラの刃を飛ばす。それに撃ちあたった敵はその場に倒れたが、まだ押し寄せる敵は減らない。戦いは始まったばかりだ。
 ルィンの光輪に続いてユーグが英雄騎士の加護でもって攻撃をかける。
 星霊クリンは転がり、レアの力となってシーティグレンを氷壁に。
 ユリシーズはロードキラーに攻撃をかけ守りを穿ち一閃。
 戦いの最中ウィスラムは跳躍し、現状を見つつ敵へ仕掛ける。
 シアンが凍波突きでロードキラーを閉じ、ミューティアが誘惑魔曲を奏で魅了する。
 ラコッティを弾き飛ばしたのはルガディアの放った衝撃。
 敵の攻撃の中、フォルティは烈火を持って敵を倒す。そしてボンバティーノもまたラコッティへと向かった。
 フェミルダは敵へ獅子のオーラを放ちながら自らの内を整える
 向かってくるラコッティへとレイラは突風巻上げ攻撃し、フィリアは星霊ヒュプノスを召喚した。
「……たとえ不利だとしても」
 負けられない。そう零すと共にヒュプノスの力をもって眠りへ誘う。
 サツキが神風で起こす葉の竜巻で敵を吹き飛ばし、ヘイゼルが紫煙の樹を持って敵を押し潰す。
 激しい戦い続く中、ヒコイチがコルリ施療院の紋章を描き仲間の傷を回復。
 その回復受けたイズトライはシーヴォルフルへと鋭き牙をむけ咬み倒す。
 アニスはバルカンと共に戦い敵を燃やしゆく。その胸には戦場分かたれた大事な人を思いながら。
 ディノスピリットの背にのりヘイゼルは敵を踏みつけ、エリーザベトが敵を断ち切る。
 ルスランは天へ矢を放ち、毒でもって敵を倒す。
 そしてレテイシャは高めた力を持って火炎使いを斬り伏せた。
 敵の数も減るが、仲間も徐々に倒れてゆく。
 フェルネスはおしゃれに振る舞い勇騎士ジョナの紋章をもって、仲間の誰かが防御封じた敵へと向かう。
 ボーンもまた三日月描き敵を切り伏せこの戦いに心向けるばかり。
 風神演舞を持って仲間に追い風を送りながらルフェも攻撃を繰り出した。
 ミューティアの曲から続け、フォルティはその場を熱狂させ敵を倒しながら目をくらませ動き封じる。
 地を蹴り振り上げたその脚でシーヴォルフルの顔面をカレンが蹴り潰す。
 ビビアーノは気を練り、気咬弾を放った。ソフィティアはその拳で盗賊を吹き飛ばし打倒す。
 碧水晶の石板を召還したアザゼルは緑の光を持ってラコッティを纏めて樹木へ。アトリエは敵の武器を弾き飛ばし狩猟者を倒す。
 仲間の攻撃に続けてアトリアは敵の武器を勝ち上げ、弾き飛ばす。
 と、攻撃が残るものに集中し始めれば、庇いあうことも多くなる。倒れかけたアザゼルをボリスが庇い踏みとどまらせる。できるだけそうしたいと、ボリスの身体が動いた結果だ。
 ツクノの音速の拳が敵を捉え狩猟者の守りを砕く、ラスゴの槍に集う雷が戦場を走る。
 チコリが描いた紋章より出でた黒鉄兵団は冒険者へ突撃をかけた。
 ロードキラーはビビアーノに飛び乗りその拳をむけ、また別のロードキラーもユリシーズへ攻撃をかけるがぎりぎりのところでラスゴが防ぎに入る。
 そのユリシーズは幾度も攻撃を凌いだが、限界はくる。シーヴォルフルの放ったナイフにより倒れた。
 次々続く攻撃に仲間は倒れてゆく。
 そこへ喋る杖使いが現れ重力を押しかけた。
 その一撃、正面からうけたミューティアはそれに負けず立つ。けれど間髪入れずシーティグレンに噛み付かれた。
 最後まで残っていたベルも、攻撃を堪え、そして防いだものの広がる火炎の中で意識を閉じた。

 返り血を浴びる。アレクサンドラは高速の一撃を敵に浴びせ、また他方へ向き直る。
 混戦する戦場に棘の檻をサクラが作り出し敵を閉じ込める。
「……退きなさい」
 クロードが紫煙銃より光線放ち攻撃をかけた。
「さて、今日はひとりあたまどれだけ倒せばいいかな?」
 腕が鳴るよとクロードは言って、仲間へと背中を預ける。
 フィリプスは邪剣の群を飛ばし、セラが影の刃伸ばし敵を斬り裂く。
 しかし敵の数はここでも多い。火炎使いは炎で攻撃し、爪の攻撃、突撃と攻撃が及ぶ。
 イハナの放った焔、それは防御された。けれどそれは互いにあること。
 シャルロットは妖精を突撃させシーヴォルフルを捕える。
 守りを固め、自らを縛る物をレンは取り払い、アロマウスは仲間の為にコルリの紋章を描いた。
 その間に一体でもとルミティアの猟犬の軍団が敵を蹂躙し屠りゆく。
「随分と念入りに準備してきやがったな……」
 呟き、フリオはその地を揺らし、火炎使いを一撃で倒した。それに負けじとカラが舞い振う槍がメイジを貫いた。
 ファイトがその腕より生やすカマキリの刃が敵を捕えまた倒す。
 肉体的にダメージを与えれば緩やかに倒す場も。フェザーの投げたマジックマッシュの幻覚が敵の思考を奪いゆく。
 味方を援護しつつ敵を倒すエルナ。
 ディルアークとミネルバは攻撃繋げ敵を倒す。戦場分かたれた仲間もいるが、この場で戦う者は他にもいる。
 リンは太刀を振るい、レンフェールは獅子のオーラを持って吼えゆく。
 網を広げコハネは敵を捕えまた一体、確実に落とす。ジルフラウも相手を喰らいながら敵を倒し、パトリックは螺旋突きを敵へ向けた。
 ローラントの妖精が戦場を飛びかえば、敵が倒れた。
 アゼルの星霊ヒュプノスが眠りを誘い、トガの弾丸鳳仙花が花開く。
 敵の攻撃続く中でシウは猟犬を放ちロードキラーをその血に沈めていく。
 タイガの放つ清浄なる輝きに敵は倒れ、エンドブレイカー達の攻撃は続く。
 プライムベリーはカレルヴォの紋章を描き、仲間へ力を。
 ヘンリーは幾重にも残像纏い、敵をまとめて一層する。
 戦いの中で攻撃が募る者もあった。ヴィレムは自らの傷を加速でもって癒し危地を凌ぐ。
 サリーは焔の本流を火炎使いに向け攻撃をかけた。
「くぅっ……厳しい状況だな」
 声零しながらラズヴィスが光輪を飛ばしロードキラーを断ち切り、別の敵へと視線向ける。
 クウィルが裁きの光宿した斧剣を振り降ろし、さらにその波衝を広げ、さらに共に戦う仲間が続く。
 そして、この場にも喋る武器を持つ者はいた。
 喋るシールドスピア使い、その攻撃は複数を一度に捕える。それを受けカラはギリギリの所、踏み留まり膠着する。
 ヒカの妖精は通さないという気持ちを映しとるように敵を倒し、また飛び回る。
「こんな所で……」
 けれど、敵もまた容赦なく、ロードキラーの振るう太刀にルミティアが、コハネが力尽き倒れた。
 斧の一振りに巻き込まれながら、ローラントは仲間を庇い、アレクサンドラは気力でもって立つ。
 リチのバトルガントレットより発された矢に喋るシールドスピア使いは傷を負うが、倒れるには至らない。
「劣勢か……」
 赤き断罪の十字をクリストファーが落とし、それを受けた敵は倒れるしかない。
 そのクリストファーへ武装盗賊より剣が舞い踊り突き刺さり膝をつかせる。
 今はもう、敵に囲まれている状態。一人ずつ倒れゆくしかない。
 光纏う斧がローラントに振り降ろされる。そして最後の一人であったフェザーも、蛮族戦士の爪の一振りによって意識が閉じられたのだった。

「さぁ、蹂躙しろ!!」
 勢い良く先陣切ったのは、喋る仕込み杖使いだ。抜き放った刃で突きを繰り出す。
 が、それを受けたセイイチロウはその身を守りきる。
 しかし喋る仕込み杖使いに続き敵の攻撃続くが、エンドブレイカーもただ受けるだけではない。
 ラーイは戦場に冬の嵐を喚び氷結を、クロフは地を踏み震動波で敵へ仕掛ける。ジニーもまた、拳に断罪の拳を敵に向け戦っている。
 すでに敵に受けた傷が深いものもいる。詠唱術唱え、ティーノは戦いに備え自らをまた高めていた。
 喧騒の中、緋牡丹を咲かせアセルスはシーヴォルフルを倒す。
 ラコッティ達が見る幻獣はメイプレティオの魔曲によるもの。
 剣戟、歌、爆発、他にもさまざまな音が入り混じる。
 百烈、風切る音の拳をガウラは繰り出し2体同時に打倒す。サラの召喚した星霊ヒュプノスの跳躍で敵は眠り込む。
 ロレンツォは爪を振り切り、衝撃波でもってロードキラーを切り裂いた。
 戦いで傷ついた仲間は多い。メルカは妖精と共に輪を描き癒しを。
 倒れる仲間もいるが、倒す数のほうが今は多かった。
 リシリアの、そしてレムネスの星霊ヒュプノスは敵を眠りに誘う跳躍を。
 マウザーは吹雪を召喚し敵を氷壁の中に閉じ込め行く。
 地を踏みしめ、獅子のオーラを持ってコバヤシマルは敵を喰らう。
 ライデンは力を溜めながら、目の前の敵へ二十連打を重ね倒すとまた別の敵へ向かった。
 ラコッティの一団、そのうちの一匹はジョージへ突進し倒す。激しい貝殻のあたりで吹き飛ばされるものもいた。
 他方、冒険者盗賊といった人のマスカレイドもまだ多い。ユーフィは神火を持って敵を倒す。
 リッキーはシーティグレンへマジックマッシュを投げゆく。
 エリシュカはライフベリーを皆へとばら撒いた。
 ラーレの星霊ヒュプノスは敵を眠りに落とし込み、ゼロは空より回転突撃を仕掛ける。
 ランディは雷竜を巨大化させ、敵へとまた突撃させる。
 ひとつ飛び上がる影はロードキラー。向けられた拳に意識が遠くなるのをラーレは感じながら、まだそこに立つ仲間へと、前へ進めと視線を向ける。
 そして――この場の敵とエンドブレイカーはほぼ同数まで持ち込まれた。
「ここまできたら勝つ……!」
 ロイが狂王アニールの紋章を掲げ、蹴散らすように敵の抵抗を奪う。
 アルジェンは多く敵を倒し行く。だがその身も火炎使いよりの攻撃により炎に巻かれて倒れた。
「残りは……!」
 けれど、形成は逆転する。圧倒的に多くあったマスカレイドも残りは7体。
 こちらはまだ13人、立っている。
「一人でも多く……」
「倒したいよなァ!!」
 喋る仕込み杖使いが、杖と会話する。
 そして掲げた杖より放たれたのは苛烈なる重力だ。加重領域は広がり、ユーフィとランディの二人が潰され倒れる。
 残ったものたちは力の限り、攻撃を仕掛けゆく。
 一体、また一体とマスカレイドは倒れた。最後の一人であったのは喋る仕込み杖使い。
「おいおい、どうやらもう俺達だけらしいゼ!」
 囲まれた状況であっても高らかと声あげる仕込み杖。
 その使い手と、仕込み杖はベインの生み出す槍によって貫かれ、仮面も武器も砕かれた。
 一瞬の静けさ、けれど残ったエンドブレイカーの戦いはまだ――終わっていない。

●潰える事のない意志は
 苛烈な戦いの中を生き残る。倒れていった仲間達に背を押されるようにまだ戦える者達はこれからを思って走った。
 けれど――まだ敵の数は圧倒的に多く、姿を見つけては襲って来る。
 敵を一人、輝く獅子のオーラをもって白狼紅盾・ライナス(c03263)は吹き飛ばし打ち崩す。
 少し乱れた息を整え、そしてこの場にいる仲間達へ視線を巡らせる。
「まだ戦える方は」
「ここにいる人だけのようね」
 ライナスの声に冱毀る潸花・ロゼル(c15357)が答えながらその竪琴をかき鳴らした。それは英雄を讃える曲。この場にいる者達の戦意を鼓舞するものであり、今ここに立っている彼女の不屈の賛歌でもあった。
「……ちょっと厳しいかもね……でも、アマツカグラを守らなければ!」
 白銀の輝く星の鍵を手に銀に煌めく星灯り・ラテリコス(c03207)は一歩踏み出し目の前の敵へ虹を描き迎撃する。
 数の上では圧倒的に不利、それでも諦めるわけにはとその身をもって示したのだ。
「……過酷な戦いでも、逃げ出すわけにはいかない」
 その勢いに続いて真白の旋風・シュン(c20017)は裁きの車輪を戦場に走らせた。敵の退路を断つ轍。たじろぐ敵へと迫ったのは思いを貫く銀槍・ベイン(c04116)だ。
 敵は倒せる。けれど、次から次へと現れてくる。撤退は難しくあった。
 このまま戦い続けるのは、この状況が続くのは得策ではない。それならば、敵の指揮官クラスを積極的に狙ったほうがとベインは持ちかける。
「指揮官が落ちれば向こうの士気も下がるでしょうし」
 言いながらその槍を地に突き立て貫き敵へ仕掛ける。
「大地の扉へ転身し防衛をと思っていましたが……この状況ではできそうにありませんね」
 敵の数が多く、囲まれている状況。ともに作戦を行おうとしていた仲間達の事を思いながら翠緑の騎士・ラミレス(c32798)は零す。
 何はともあれ、今はこの状況を打破するのが一番。
「揚陸艦のハッチを開く前に潰せたらよかったけど……」
 すでにそれは開き、敵は溢れている。そこへ簡単に、またた辿りつけるとは思えない。なまくらジェーン・マリアベル(c22282)はそちらへ追い返せたらと多くの敵を巻き込むべく流水の如きオーラを太刀に乗せ流し切る。
「要するに、こっから見える敵っぽいモンは全部敵ってコトだろ。極上!」
 先陣を切り、敵の中へとキマエラ・ティイ(c05937)は突っ込んでゆく。
 敵の厚い場所、指揮官がいるであろう敵の中枢へ、皆の活路を生み出すべく。
 それを援護するように藍色弧矢・カノン(c03340)は閃光手榴弾を投げ、眩い光が当たりを満たす。
 その光に乗じて敵に攻撃をかけたのはティイ。ティイの切り開いた場所を起点とし、エンドブレイカー達はマスカレイド達を崩すべく動いた。
 それが多勢に無勢の、厳しい戦いだとわかっていてもだ。
「ベインさんの言う通り、ここは敵の指揮官を見つけて討ちましょう」
「そうだな、討ち洩らしのでぬよう行こう」
 その言葉に同意し、白夜を狩る・ソフィア(c13919)は車輪を生み出しティイを追った。
 走る車輪は遠慮なく敵を引き潰し道を作りゆくのみ。
「出来れば喋る武器を持つ相手と、その武器は倒しておきたい所だな」
 もちろん、ガンダッタがいるなら積極的にと和風ペンギン・ペンペロン(c03137)は言う。先ほどの戦場にもいたのは喋る仕込み杖使い。おそらくまだ同じように喋る武器を持つ者は複数いるだろう、と。
 この場にあの慎重なガンダッタが突然、そのまま前線に出てくる事は無いとは思うがそれもひとつ思考の端に置いておくに越したことはない。
 ティイとライナスの二人が道を開く。先を切るかわりに、受ける攻撃の度合いも高かった。
 ティイは攻撃的に敵を倒し、ライナスは防御的に、けれど後方の仲間達の攻撃の機を生み出す要。
 そして横からの敵をラテリコスがその鍵でいなし、はじき交わす。
 けれど他方からの集中攻撃は凌ぎ、かわしきれるものではない。一撃は弱くとも重なればダメージは大きくなる。
 ペンペロンの盾より針状弾が放たれ、ロゼルの元より黒き群が羽ばたき蹂躙する。
 目の前の敵、一陣は倒せるもののまた新たに押し寄せてくる。
 炎の弾丸を受け、その身の炎を手近な敵へと断罪の女神の紋章をもった拳でソフィアは振り払った。
 マリアベルが押し寄せる敵を薙ぎ払い、一瞬押しとどめた隙に鋭く尖らせた光の障壁でラミレスが打ち倒す。
 それでも、攻撃を潜り抜け接近してきた敵もいる。シュンはその敵へ走りより、エアシューズに裁きの光を宿し蹴り上げた。
「足止めします!」
 言ってカノンが投げた閃光手榴弾が爆ぜる。音と光が満ちる間に群がっていた敵を倒していく。
 けれど――激戦を抜けた先の戦いでも仲間は倒れ行く。
 後方からの斧の一撃がソフィアを捕らえる。
 自らの内の力、心にある正義の炎を具現化し燃え上がらせ、その炎はソフィアを包みその傷を素早く治癒してゆく。
 だが追い討ちのようにかかる攻撃の波にその回復も間に合わずソフィアはその場に膝をつく。回復をしてもらってもジリ貧ならばとソフィアは裁きの車輪を二つ生み出し、皆の進む先へと走らせた。
「いってくれ」
 轍残し先を示す。それにぐっと言葉飲み込んでロゼルは頷き走った。
 敵陣に走りこみ、シュンもまた敵を蹴り上げる。身に受けた毒を振り払いながらの蹴撃だ。一人敵を倒す――けれど横合いから踊りこむ剣が深々と突き刺さる。仲間の攻撃をうけ絶え絶えでもある敵からの一撃だ。
 その一撃にシュンもその場に倒れた。落ちる意識の端にあるのはまだ戦い続ける仲間達の姿。
 逆に、その姿を目にしつつも前に進むことしかできず、疲弊しぼろぼろでもあった。
 けれど戦う意志は衰えない。
 次の敵、とベインが槍を地面へと突き立て敵を打ち倒した瞬間、その先にマスカレイドを後ろに数体連れ立ったひとりの男がいた。
 目を引く男へと、ラミレスが盾よりの光を伸ばし攻撃する。だがそれは槍の一閃でもって相殺され防がれた。
 男は手にしていた槍で風斬り鳴らし、残るエンドブレイカー達の上を視線で舐めた。
「お前たちがエンドブレイカーか、終焉に抗うという力、見せてもらった」
「見せてもらっタノダヨ!」
 男の後を追う声、それは男が手にしている槍から発せられていた。つまりは――喋る武器。
「お前が指揮官だな?」
 戦いの手は自然と止まる。ペンペロンが問えば、その通りと男は深く頷いて返す。
「だが、我らが姫の前に、そのような力は無意味。絶対の結果が覆せないという事を、この私が証明して見せよう!」
 姫とは、と問う間もなく男はこちらへ向かってくる。
「今まで良く戦った! 私がそれを終わらせ楽にしてやろう!」
 男の声に混じりゲララと槍から響く笑い声はこの戦いを楽しんでいるというようなものだ。
 男に続いて、その後ろにいたマスカレイド達もまた続いてくる。
 走る勢いのままに無数の突きが、まず直近であったベインへと繰り出された。
「出てきてもらって探す手間が省けましたよ」
 だがその突きをベインはその槍でもって防ぎ切った。
 その横合いから男の配下が大剣を振り下ろしてくる。だがそれはラミレスが受けて凌いだ。しかしそこへ降り注ぐ火炎弾。一際大きな火炎がラミレスの上に落ち、身を焦がす。そしてその炎をきるように一閃。
 太刀に稲妻を乗せて振り切る敵の姿があった。深く身を裂くその一閃は交わしきれるものではなく、ラミレスはその場に崩れ落ちる。
 男の連れ立った者達はこの一団の中でも精鋭なのだろう。その一撃が今まで相手にしてきた者達よりも重かった。
 マリアベルは向かい合ったマスカレイドへと物怪と呼ばれ畏怖された人斬りの名を冠した太刀を向ける。
「こんな所まで連れてこられて大変だね〜」
 じり、と距離をとる。その間に煽り何か情報を引き出せないかと接してみるものの、反応はない。逆に返答は斧を振り下ろされ攻撃で返されたくらいだ。
 深く食い込んだ斧、その傷跡には呪詛がかかる。マリアベルは瞳を閉じ、雑念を払いながら次の攻撃に備えた。
 そしてカノンが回復すると声をかけ海原よりの風を呼び込む。
 攻撃が注がれる中での回復は、この場に立ち続ける時間を長らえさせる一手。それを邪魔させぬためにもとライナスは城塞のオーラを纏い突撃する。
 喋る槍の男に向かってだ。広く築かれた城塞は男のそばにいた敵をも巻き込む。
 が、攻撃の直後の隙をついて男はその槍を地面へと突き立てた。その一動より、地面から突きあがる槍の群。それを避け、防ぎきる事はできず男と接していた面々は穿たれる。
 地に膝をつく。それほどの深い傷だ。けれどティイは傷を負ってギリギリの所にあっても男に向かう。背を護る者はいない。けれどまだ戦えると棘を実体化し撃ち放つ。その攻撃は確実に入っている。けれどそれをものともせず男は槍をティイに向けた。
 そして振るわれた一撃、その深さにティイの視界は閉じられた。
「アマツカグラには近寄らせないわ! 退きなさい!」
 けれどすかさずラテリコスが向かい合う。戦いのさなか、虹の斬撃を繰り出し溜めた力を星霊ヒュプノスに乗せて解き放つ。この場に召喚されたヒュプノス達は男を、そして周囲にいたマスカレイドを眠りに誘う。
 けれど、男はその誘いに乗る事なく残念だったなとニタリと笑みを浮かべラテリコスへと迫る。
 ラテリコスへと向いたその槍は百の突きを生み出す。それを受けたラテリコスは痛みを堪え、まだ立っていた。
 その様にペンペロンが風を、ライナスも癒しの拳でもってその傷を癒した。
「一時シノギィ! サァ、モウ一撃!!」
「言われる間でもなく! 皆まとめてだがな!」
 仲間たちの援護により持ち直したラテリコスへ、彼女を支えた仲間達へと向け男は攻撃を仕掛ける。
 地に突き立てられた槍、地面を媒介に広がる下からの突き、それを見こしペンペロンは攻撃をかわした。だがマリアベル、ライナスはその攻撃をその身に受けていた。
 そのまま、ライナスは男へと接近する。
「回復より」
 攻撃を、とライナスは紡いだ。
 もはや尽きる事は見えている。ならば自分が男をとどめている間に攻撃を、と仲間達へと視線を送った。
 そしてそれに応えるように、マリアベルは太刀を走らせ周囲の敵を圧する。そして開けた道筋でペンペロンがその盾より針状弾を男へと放った。
 針状弾を男は槍で弾く。その隙にライナスが男の懐で吼えた。獅子のオーラは男にぶつかる。男はその一撃に一歩引いたが、お返しとばかりに無数の突きを浴びせた。
 その突きによりライナスは倒れ、そのままベインが男と向き合う。
 同じ得物だな、と男は笑う。同じタイミングて地に槍を突き合わせる。地よりつきでる槍同士はお互いの敵を貫き往く。ベインの繰り出したそれは男の配下の仮面を砕き、そして男の向けた槍の切っ先はベイン、そしてその後方にいたロゼル達へまでも伸びた。
「あなた方の思惑通りに、事を運ばせるわけにはいきません」
 攻撃を受けても、カノンはひるまず閃光手榴弾を投げ確実にマスカレイドを倒す。その意志はまだ折れる事はない。ロゼルもまた同じく、できうる限りで攻撃をかけ続ける。
 男と対し合う仲間へ癒しを送りたい――だが二人の行える癒しは、すでに限度回数を過ぎていた。
 喋る槍を持つ男を仕留めるにはこのままギリギリの戦いを続けるしかない。
 ベイン、マリアベル、ペンペロンはそれぞれタイミングを合わせしかけていた。
「命令したガンダッタは何処で油売ってるんだろうね〜」
 一撃を繰り出しながらマリアベルは問うが、さあなと男が取り合うそぶりはない。
「なんとか倒したい、ところなんだが」
 ペンペロンは受けた傷の血をぬぐいながらも盾より再び針状弾をばら撒いた。それに巻き込まれた配下の中には倒れる者がいる。
 だが、男は倒れない。
 逆に戦意を高めるばかり、マリアベルに向けた突きがその腹を捕えその場に崩す。短い悲鳴をマリアベルが堪えたのは矜持。
 男はペンペロンとベインへと槍を向ける。
「次はどっちだ?」
「どっちでもイイヨイイヨ!」
「ならば同時だ!」
 言って、地より二人を穿つ槍先。その槍先に貫かれた傷の痛みでもって意識が繋がる。ペンペロンは自らの盾を持って傷を癒す。だが男より配下へ目線一つ、集う攻撃を一度踏み留まっても、次にかかる一撃に耐えられる事はなく倒れた。
 そしてベインも、配下達よりの攻撃を受けながらも自らが受けた攻撃と同じ技を返しながらその場に崩れ落ちた。
「残るは……二人か」
 男は残る二人、ロゼルとカノンへ視線を向けゆっくりと近づきながら行けと配下達に命じる。
 ロゼルはワタリガラスの群れを召喚し飛ばせる。ロゼルの元から飛び立ったカラス達はその爪を向け、黒羽を広げ敵の視界を遮り往く。
「棘の連鎖を断ち切る為にも、ここで……」
 全て、終わらせたかった。だがこの戦力差に末は見える。それならば一体でも多く、この場の敵を倒すのみ。
 ワタリガラス達の攻撃に倒れる敵は無数、けれど迫るマスカレイドの刃を受けロゼルも倒れた。
「お前が最後だ、エンドブレイカー!」
 男の攻撃は容赦なかった。カノン自身も疲弊し、一撃耐えられるかどうか。攻撃がくる、それを堪える態勢をカノンはとった。
 一撃は身体の、命の中心を捕らえカノンの身体の自由奪う。
「簡単に……やられは、しません……!」
 けれど、仲間の残していった力を無駄にするわけにはいかない。その一撃で意識飛ぶのを踏みとどまり、カノンは男の腹部を破壊すべくその手を振るった。
 倒した、と思った男はその攻撃がくるなど思っておらず油断していた。
 一撃――たった一撃だが男にダメージを与える。しかし万全の状態で現れた男を倒しきることはできなかった。
「まだ生きてるのダヨ! トドメトドメ!!」
「しぶとい奴だ! だが……これで終わりだ!!」
 振り上げられた槍が男の頭上で哂いながら旋回する。男はカノンに派手に突撃をかけた。その衝撃は、今ぎりぎりで己を保っていたカノンを地に伏さすには過ぎるほどの威力。
 地に崩れ落ちたカノンを男は見やり、そして槍を振り払った。
「思ったより手間取ったが、すぐに進軍を開始せよ。目標は、大地の扉だ!」
「サァ、大地の扉に向かうゼェ!!」
 その声に、周囲のマスカレイド達より声があがる。
 高揚する士気は敵であるエンドブレイカー達を討つのをこの目で見たこともあいまってだ。
「いけ、マスカレイドの精鋭たちよ」
 高々と槍を掲げ、マスカレイドの軍勢へと指示を出す男。
 それが意識途切れる間際にカノンが見た姿であった。
 視界はくらみゆく。沈んでいく意識に響くのは、マスカレイドの軍勢が響かせるその足音であった。



マスター:志羽 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:182人
作成日:2013/12/06
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冒険結果:失敗…
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<戦闘結果>

●Battle1(敗北……)


順位戦功点名前
1706アクエリオの星・リィナ(c01845)
2547先駆ける翠華・ファラーナ(c11114)
3444剣の群竜士・マコト(c00561)
4441盈月の咆哮・ゼルアーク(c03348)
5405夕映えの揺籃唄・リーレ(c06410)
6401藍白の花・ベルカ(c31120)
7395移動菜園管理者・エリック(c15639)
8365青空リオン・モカ(c02273)
9355風魅鳥・シヅマ(c01255)
10313蒼き蠍火・ティファリス(c01468)
11292天昇瞬地・サイクス(c14074)
12288眩暈の尾・ラツ(c01725)
13277風渡り・アル(c20398)
14259這い寄れもふ毛・プレノア(c03487)
15257虚骨・ナイ(c10070)
16256皎漣・コヒーレント(c12616)
17226バーガンディランス・ティアナ(c01457)
18223赤錆の鬣・ジグ(c06896)
18223狩猟者・トール(c00659)
20211鬼武部・ヒョウエ(c08210)
21180銀雷閃・ツルギ(c08167)
22169壊し屋・ジョルジュ(c01908)
23165断刃の巫女・フミ(c31236)
24142アヌビス・アルベルト(c00823)
25122紅閃揚羽・レイア(c03393)
26110棍の自由農夫・トマリ(c14000)
2792凶夢の悪魔憑き・ロイ(c22673)
2884天涯・クルイーク(c01426)
2980鉢特摩の武芸者・ヤナギ(c05699)
2980銀翠・ハルキュオネ(c19531)
3171噛み砕かれた頬の肉・ソフィア(c26200)
3269深海に揺蕩う幻・レティ(c34196)
3363街の小さな郵便屋・カルミア(c23148)
3431ワイルドファイヤー・コーキネア(c00088)
3522魂の器・セリン(c35308)
3618ナイフの忍者・ヨヒラ(c35411)
3711合成着色料・ソラ(c00845)

●Battle2(敗北……)


順位戦功点名前
1595黄金の閃刃・ジル(c04412)
2589蒼龍幻想・リウェス(c11531)
3512水天武侠・ソーヤ(c03098)
4442カウボーイ・トーマス(c13595)
5395お前はイイ男になるんだ・カノー(c01650)
6383赤髪の運び屋・シヴィル(c07933)
7360アマキツネの・カケル(c05038)
8357橙黄音色・リチェリー(c10887)
9356レーア・レヴール(c00933)
10330焔華・ラシャ(c06641)
11295花添えのフォヴ・テオドール(c30059)
12276幻想を揺蕩う眠り姫・アリシア(c31077)
13268とんがり帽子の森の人・フォレス(c07267)
14199狂った頭で考える・ミ(c25820)
15180夜翼・アマーリア(c13521)
16133拳に誓いし騎士少女・ランファ(c31108)
17126阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
18125朱い小鳥・セシリア(c03521)
19115ちまたでうわさのくーるがい・ステュクス(c14743)
20110ネクタリニア・ニュサ(c02497)
2198九龍娘娘・シンルー(c10380)
2297響き重なる子守唄・ミルフィ(c00385)
2297胡蝶の夢・キト(c34274)
2494狂嵐獅子・ミハエル(c10562)
2592銀の腕・ヴァレイシュ(c13222)
2682カヤツリグサの狩猟者・ファウシィク(c16459)
2778遊星戯曲・アリツェ(c30337)
2877赤にして朱項蘭・ティア(c04056)
2967蠍の魔獣戦士・ルル(c22068)
3061蒼く幼き雪狼・フルル(c28976)
3158白羽に誓う・ミスティ(c24035)
3257黒飄・トウカ(c21116)
3356黒仔猫の魂・コヒナ(c31516)
3356野太刀の武芸者・シルエロ(c33809)
3553スイーツの森のスイカ姫・メローネ(c00446)
3642翠汞・スマラグドゥス(c26273)
3731凍てついた紋章・ユウリア(c25181)

●Battle3(敗北……)


順位戦功点名前
1802彩風輪舞・フェルネス(c16239)
2627風花ノ帷・ボリス(c02797)
3613代行者・ボーン(c10145)
4504クリップラー・ビビアーノ(c04157)
5468雪祈華・フィリア(c02091)
6448神に愛された格闘天女・カレン(c00737)
7413蒼い薔薇の茨姫・ヘイゼル(c20389)
8410レディハイウインド・ユリシーズ(c01014)
9397熾盛のブラックスミス・アクス(c02064)
10341女神の踊り手・ミューティア(c10454)
11331天空へ紡ぐ詩・シアン(c28363)
12313喜び夜駆け回る・サツキ(c31518)
13305深淵のウロボロス・アザゼル(c00671)
14293明空のリズム・ベル(c03346)
15274赤毛の・エリーザベト(c22117)
16263世界がキャンバス・チコリ(c15381)
17248奏燿花・ルィン(c01263)
18238無銘の騎士・フェミルダ(c04105)
19235旅人・イズトライ(c05976)
20222灰摺り剣誓・アトリア(c28513)
21211極光・ラスゴ(c30620)
22195翠蓋のアルパクティコ・ヘイゼル(c00247)
23156斧剣使いの傭兵・レテイシャ(c04739)
24149燃やせばよろしい解決ですな・アニス(c02475)
24149紫風天翔・レイラ(c03886)
26132空ばかり見てる・ルスラン(c35273)
27128沈みゆく花の城・ルガディア(c20664)
28108金の月の錬金姫・ソフィティア(c17068)
29100希望奏でる演奏家・フォルティ(c10453)
3097駆け巡る青空・ウィスラム(c14633)
3196銀鋼の槌・ユーグ(c12503)
3277花に捧ぐ・レア(c14963)
3360勇凛武侠・ツクノ(c30053)
3442焦翼・ルフェ(c02721)
3539赤き兆し・ボンバティーノ(c35299)
3630ハルバードの魔想紋章士・ヒコイチ(c34671)

●Battle4(勝利!)


順位戦功点名前
11525銀牙狼・アルジェン(c02363)
21447藍色弧矢・カノン(c03340)
3996天蹄の・ロイ(c01161)
4892白夜を狩る・ソフィア(c13919)
5822思いを貫く銀槍・ベイン(c04116)
6718バーガンディレース・ラーレ(c02476)
7592蒼穹を翔る風・ランディ(c04722)
8553赤蝶花・ガウラ(c16139)
9514なまくらジェーン・マリアベル(c22282)
10472最果てで嗤う凶爪・ゼロ(c10410)
11457翠緑の騎士・ラミレス(c32798)
12445裸の鎧を持つ男・ライデン(c04776)
13398和風ペンギン・ペンペロン(c03137)
14339キマエラ・ティイ(c05937)
15335折れぬ大樹・ユーフィ(c34276)
16314こもれびはんたー・リシリア(c12930)
17288真白の旋風・シュン(c20017)
18264白狼紅盾・ライナス(c03263)
19259銀に煌めく星灯り・ラテリコス(c03207)
20250氷茨の祭祀長・マウザー(c11248)
21240ブランクリーチ・クロフ(c05769)
22234月の音色・メイプレティオ(c30067)
23225冱毀る潸花・ロゼル(c15357)
24206久遠の残照・ロレンツォ(c31495)
25205獅子牡丹の城塞騎士・コバヤシマル(c07389)
26187隠刃の潜行者・リッキー(c10802)
27156焔の・アセルス(c03225)
28102うるわしの帽子家・ジョージ(c06040)
2995何時か星に届いて・ジニー(c27183)
3085純朴な癒し手・サラ(c33863)
3180銀氷士・ラーイ(c09863)
3180黄金の鍵・ティーノ(c25114)
3366しろうさ・エリシュカ(c16247)
3456大梟の樹に住む・レムネス(c00744)
3548蜻蛉・セイイチロウ(c08752)
3643虹色ポップビート・メルカ(c22139)

●Battle5(敗北……)


順位戦功点名前
1576デモン機巧少女・ルミティア(c30986)
2575影姫・アレクサンドラ(c01258)
3506禍津纏い・クリストファー(c13545)
4448マレフィカの灰兎・コハネ(c10655)
5422風を抱く・カラ(c02671)
6416竜の掌握・フリオ(c01043)
7383ヴェルシュッツァー・ラズヴィス(c04720)
8356静謐の花筐・サクラ(c06102)
9327幻虹陽炎・アゼル(c02796)
10305紅衣の報復者・クウィル(c03503)
11304揺らぐ水瀞・シウ(c06844)
12262夏の青空・ディルアーク(c18214)
13243永輝貫迷・エルナ(c17783)
14234銀の剣に選ばれし騎士・ローラント(c00434)
15233紅蓮凍土・レンフェール(c00907)
16200自鳴琴探偵・フィリプス(c02017)
17196ヘイムスクリングラ・ヒカ(c05402)
18179こおりのむすめ・ミネルバ(c26115)
19173祭祀の炎剣・タイガ(c25304)
20145ピエロリュネール・ヘンリー(c25521)
21121追走の風牙・リン(c02865)
21121天誓の勇者・パトリック(c12044)
23114影冴ゆる・ヴィレム(c04539)
24104風切羽根のカナード・ファイト(c31917)
25103冰霄・セラ(c07574)
2693蒼穹の降石・ジルフラウ(c14422)
2693うっかりボコる群竜士・リチ(c33420)
2891静かな白銀月・レン(c33093)
2988あなたと円舞曲を・フェザー(c17304)
3083天陽の翅・クロード(c03380)
3182花の詩・シャルロット(c06521)
3263マルハナ・イハナ(c34448)
3362旅の武具収集家・トガ(c23780)
3436壊軛紫蘭・アロマウス(c20564)
3533魔法鎧の半身・サリー(c34219)
3632炎章剣士・プライムベリー(c22871)