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勇者(?)ピエールの冒険

<オープニング>

●希望を絶望に塗り替えるために
「……どうやら、機は熟したようだな」
 アクスヘイムの地下に広がる溶岩の迷宮。
 その入口の部屋に陣取る大男が一人、にやりという笑みを浮かべて立ち上がる。
 彼が先ほどまで視線を向けていた場所には大きな鏡が置かれており、その中には一人の青年紳士が映されていた。
「長いこと歩き続け、戦い続けた迷宮もこれで終わる……」
 よく見れば、身なりはそれなりに整えているとはいえ、長い間冒険を続けてきて微妙にくたびれているのが見て取れる。
「ひ弱な人間でも戦い続けることで多少の自信は芽生えただろう」
 彼は青年が迷宮を探索し始めてからの一部始終を見ていた。
 けして強い男ではなかった青年が、迷宮を彷徨い、途中で遭遇したゴーレムや獣たちを倒して少しずつ成長する様は、普通の人間なら感動を生んだかもしれない。
「その自信ごと絶望に叩き落とす事こそが我が願い!」
 しかし、彼は忌まわしき仮面に囚われたマスカレイド。
 彼の希望を育み、実ったところで美味しく喰らうことしか頭にはなかったのだ。
「待ち切れないぞピエール!」
 ピエールと呼ばれたその青年……アクスヘイムに立ち寄ったエンドブレイカーなら誰もが見知った顔であろう彼の眼前に現れた迷宮最後の敵。ラヴァ・ゴーレムに対して彼は戦斧を構えて隙を伺い始める。
「早く我、ゴンザレスの前にその首を差し出すのだ!!」
 その姿にいてもたっても居られなくなったマスカレイドは、小さな盾と大きな曲刀を手にして力をこめた。

●ピエールの行方
「みんな、聞いて聞いてー」
 アクスヘイムの酒場に飛び込んできた彩風に踊る妖精・シル(c25139)は、息を切らせながらも興奮冷めやらないという様子で周囲の仲間たちに声をかける。
「ピエールさんの行方が、わかったんだよ!」
 ピエールは『世界の瞳』のアクスヘイムでの代理者の一人で、先日アクスヘイムが崩壊した事件の際に行方不明となり、以降数ヶ月消息はわからないままだったのだが……
「ピエールさんはこのアクスヘイムの地下にある、迷宮の奥に閉じ込められていたんだよ」
 シルのつかんできた情報は、その有力な手がかりと言えた。
「マスカレイドたちが何かの目的で連れ去ったんだろうけれど、結局そのマスカレイドたちはアクスヘイム奪還の戦いでほとんど退治しちゃったから目的まではわからないんだ」
 ただ、そこにピエールが居るなら話は単純だ。
「その迷宮の奥まで行ってピエールを助ければ、何かわかるかもしれないな」
 しかし、その仲間の言葉にシルは首を振る。
「ううん、そうじゃないんだ。えっと、多分最近になってからだと思うんだけど……ピエールさんは今、入口の方に移動しているみたいなんだよ」
 迷宮にはゴーレムと獣が少数だけ徘徊するのみで、ピエールにも見張りがついているわけではなかった。
「つまり、ピエールは自力で脱出しようと出口に向かっている。と?」
 シルはその問いに頷くと、
「だけど……実はその迷宮の出口。こっちから見ると入口に1人だけマスカレイドが残っているんだよね」
 そのマスカレイドはピエールが自力で脱出してこようとするのを待って、殺そうと待ち構えているらしい。
「今のままじゃピエールさんは確実にそのマスカレイドに殺されちゃうよ!」
 本当に殺されてしまう前に気づくことが出来たのは良かったが、行動に移さなければ終焉は変わらない。
「今ならまだ間に合うはずだから、ピエールさんを早く助けに行かなくちゃだね」
 シルはそう言うと、ピエール救出のための仲間を集め始めるのだった。


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参加者
玲瓏の月・エルス(c00100)
羽根抱く白銀のシュヴァリエ・ハイド(c01339)
鈍骨喰・サンディ(c02629)
真理の探究者・ルーシー(c03833)
幼き夢はこの胸に・アーシェ(c04489)
恋する少女・ラーラ(c13184)
水天の妖剣・クリム(c20805)
彩風に踊る妖精・シル(c25139)

<リプレイ>

●武人を支配する狂気
「何者だ。迷い込んだのならすぐに去れ」
 意図せぬ侵入者の気配を感じたその男は、低く、威圧感のある声で警告を発するが、
「……どうやら、迷い込んだわけではなさそうだな」
 すぐに侵入者たちの目的を察し、ゆっくりと立ち上がる。
「わたしたちは、ここに閉じ込められているピエールさんを助けに来たんだよ!」
 彩風に踊る妖精・シル(c25139)の意志のこもった言葉に、
「だろうな。ここは村人が迷いこむような場所ではない」
 その男、ゴンザレスは少し嬉しそうな表情を浮かべ、鋭い眼光で少女の瞳を貫くように睨みつけた。
「ピエールさんはどこに居るの?」
 彼の気迫に押され、後ずさるシルを守るように前に出た幼き夢はこの胸に・アーシェ(c04489)が尋ねると、
「迷宮の中を彷徨っている。我は手を出してはいない」
 彼はそう言いながらアーシェと、その後ろから次々現れるエンドブレイカーたちを値踏みするように視線を切り替えていく。
「貴方はおひとりですのね。お仲間はどこへ行かれたのです?」
 真理の探究者・ルーシー(c03833)は洞窟に他のマスカレイドがいないことを疑問視し、仲間の有無を確認しようと問いかけた。
「それは、貴様らが一番良く知ってるだろう?」
 すると、ゴンザレスは短い笑い声をあげて質問を投げ返し、
「ガブラス……いや、勇者ガンダッタは既に我々の仲間が倒した。アクスヘイムのマスカレイドも討伐済みだ」
 羽根抱く白銀のシュヴァリエ・ハイド(c01339)が彼の戦意を挫こうと明かした事実も、
「そうだろうな。他の者はもう長いこと帰らぬのだから」
 予想はついていたという顔で平然と受け流した。
「それでも……何かする気?」
 まだ何か、彼には目的があるのかもしれない。
 鈍骨喰・サンディ(c02629)はそれを確かめ、見透かそうと探りを入れる。
「我に大望は既に無し」
 マスカレイドは変わらぬ口調でその問いに答え、
「ただ、あの男を絶望に叩き落とすことだけが我が生きがい也」
 自らの目的を公言する。
 一連の態度が彼の智謀策略によるものでないとすれば、その発言に嘘はないだろう、
「なにそれ……変なの」
 彼がどうしてそのような思考に至ったのか。それはわからない。
 恋する少女・ラーラ(c13184)は自分の思考では理解できない大人の考えに戸惑いを隠せず、
「思わぬ邪魔がはいったが、むしろ好都合」
 続けて口にされる狂気を、
「貴様らの死体をここに並べ、あの男への手向けにしてやろうぞ」
 首を横に振り、呆然しながら聴き続けた。
「……狂ってるよう」
 僅かな沈黙の後、ラーラがようやく言葉を紡ぐ頃には既にゴンザレスは戦闘態勢をとり、心の底に響くような雄叫びとともに、得物を持って彼女たちに接近する。
「シル、離れろ!」
 いち早く危険を察知した水天の妖剣・クリム(c20805)は剣を抜き、矢面に立つ最愛の恋人を守るように立ちはだかると、
「ピエールをこれだけの間『生かして』から『殺す』というその狂気……尋常ではないな」
 圧倒的な力から振り下ろされる一の太刀を全身で受け止め、衝撃を体の外へと逃がす。
(「わざわざ一人残って、人の頑張りを挫こうとするなんて……」)
 ルーシーが忌々しげにマスカレイドを睨みつけると、
「また悪趣味な仮面さんですね……」
 同じこと考えていた玲瓏の月・エルス(c00100)は普段の笑顔を絶やさずにそれを口にしてから、
「……お前もここで、絶望に落ちるといい!」
 普段の可愛らしい笑顔を捨て、透き通るように美しい殺人人形が動き出すかのようにアイスレイピアを掲げた。

●心を折るか、折られるか
 周囲の溶岩によって熱気に包まれた空間を、エルスが呼び出した様々な形の氷の戦輪が斬り裂いていく。
 マスカレイドは自らに向かってくる氷の塊を盾で叩き潰しながら、
「天誓騎士ハイド、問おう、貴様は海賊か、それとも勇者の僕か? いずれにせよ、お前に勝ち目はないぞ!」
 グランスティードの力を借りたハイドの突進を両腕で受け止め、
「貴様如きに遅れは取らぬ!」
 星霊ごと力づくで投げ飛ばし、
「武人として、騎士として、戦い抜く姿勢には敬意を表そう」
 ハイドはその強い心に答えるように、大きな羽根をイメージするような真っ白なアイスレイピアを構えた。
「猪武者。とはまさにこの事ですわね。ただひたすらに力を誇示して突撃するしか能がないのでございませんこと?」
 しかし、ルーシーはそれとは反対に、マスカレイドのことを罵り、挑発し始める。
「……何だと?」
 大人びた冷静な仕草とマイペースな口調から、見下されるような言葉を浴びたマスカレイドはその罠に簡単に引っかかり、
「……ならばこの力、その身に刻んで地獄で後悔するがいい!」
 ハイドを弾き飛ばし、一直線に彼女の清楚な黒服ごと、その身を切り刻もうと突進した。
「まあ。怖いですわ……」
 しかしルーシーは表情をぴくりとも変えず、淑やかな言葉とともに身をひるがえすと洞窟の入口方面へと逃げていき、
「ですが、そのように単純では拍子抜けですわね」
 エンドブレイカーたちは洞窟入口付近の狭い通路に入口側、そして洞窟の奥側からマスカレイドを挟み撃ちにするように誘いこむ。
「ルーシーさん……下がって」
 そして、入口側からは彼女と入れ替わるようにサンディがマスカレイドの懐に飛び込むと、アックスソードを十字に振るい、
「仕掛けるぞ、アージェ!」
 洞窟側からはクリムが妖精アージェと一体となり、翅を震わせて蛇腹剣の関節を緩め、巻き付くような斬撃を繰り出す。
「はい」
 そして彼の言葉に一瞬自分が呼ばれた? と思ったアーシェはすぐに翼を広げ、それが彼の相棒へ向けたものだったことに気づいてちょっとだけ恥ずかしくなり、
「……そういうことね、じゃあ私も行くわね」
 妖精とともに立ち向かうクリムにくすりと笑顔を浮かべ、光の束をマスカレイドに向けて放つ。
「ニルちゃん、みんな。突撃陣形で攻撃よろしくっ!!」
 続いてシルも相棒のニルティアを突撃させ、
「アーシェさんの作った光をうまく利用して立ちまわってね!」
 妖精の軍団にマスカレイドを攻撃させる。
 だが、マスカレイドは一切怯まずに挟撃の隙を伺い、不利な状況を抜けだそうとチャンスを待つ。
「単純な猪くんの包囲網。でっきあがりー」
 しかし、ラーラの無邪気な宣言と可憐な舞がそんな思考を許さない。
 マスカレイドは自らの身体を次々駆け抜ける無数の電撃に我慢することを捨て、脱出を諦めるのだった。

●狂気の終わり
 優位な体勢を整えたエンドブレイカーたちは攻勢を仕掛ける。
 しかし、マスカレイドは想像以上に強く、単発ながら手痛い反撃をうけ、その力は衰えなかった。
「お前が奴の近くにいればもっと被害があっただろう」
 ハイドはその力に素直に感心しながら、
「ならば、私も冷静に勝利を目指させてもらう」
 アイスレイピアの冷気を増し、マスカレイドの腕と足の動きを制限するように、氷の斬撃で肘、膝を的確に突き刺していく。
「ぬぉっ」
 マスカレイドは力任せに曲刀を振るい、サンディの頭をかち割る勢いで叩きつける。
「……何、それ」
 しかし、サンディはその攻撃を全く意に介さず、獰猛な獣のように腕を魔獣のそれに変え、刀を持つ手を握りつぶす。
 彼女にダメージがなかったわけではない。しかし、痛みに強く、無表情で的確に反撃するサンディに、一瞬だけマスカレイドは心乱される。
「頑張りすぎは禁物ですわ」
 すかさずルーシーが癒しの紋を描き、傷を癒やして立て直し、包囲網をしっかりとかためた。
「クリムさん。ここは持たせるから、少し下がって?」
「ああ。まかせたぞニル」
 少しずつ蓄積する疲労や痛みを考慮して、シルはクリムと位置を入れ替えてマスカレイドの攻撃を杖で受け止め、
「綺麗な薔薇に潜む棘の痛み……ご存じですか?」
 エルスはその後方で薔薇の棘に見立てた邪剣の群れを呼び出し、
「美しく彩ってあげます……死んでください」
 マスカレイドの体。特に関節部や体幹を中心に次々と棘を突き刺し、ねじ込んでいく。
「ぐぅぅ……」
 はっきりと自覚させられる痛みに、マスカレイドは確実に迫る危機を悟り、薄れる判断力の中で最善手を模索しようとする。
「おじさん、もうボロボロだね♪ 痛そうだよー」
 しかし、そこへ可愛らしいラーラの声と、耳を傾けたくなる魅惑的な旋律が響き渡る。
「もう勝ち目ないよ。気持ちよくしてあげるから、ごめんなさいしよ?」
 子供っぽく、直接的に誘惑するようなラーラの歌詞はマスカレイドの心を無慈悲に叩き壊す。
「わたしの胸で泣いてもいいよ? 仲間に見捨てられたかわいそうなおじさん♪」
 マスカレイドは心の中に残った意志と体力をすべて使い、可憐な天使の囁きを辛うじて振り払った。
「く、くそっ。こうなれば……」
 息も絶え絶えとなったマスカレイドは、最後の力を振り絞って身構え、
「この最後の攻撃で、お前らも道連れにしてやる……」
 捨て身の大技を出す準備を始める。
「……させない」
 だが、マスカレイドが攻撃態勢に入る前にサンディは小さな盾ごと右腕を握りつぶし、クリムの剣が曲刀を弾き飛ばす。
「まだだ、まだ……っ」
 マスカレイドは武器を失ってもまだ戦う意志までは折れず、両の拳に溜め込んだ力でアーシェに掴みかかり、強引に振り回して暴れまわる。
「これ以上、貴方に時間は割けないの」
 しかし、アーシェの無慈悲な言葉とともに、彼女がマスカレイドに掴まれて生まれた傷からにじみ出る血が狩人と化し、
「ぬわあああっ!」
 マスカレイドの指を、拳を……そして最後の力をも霧散させ、マスカレイドは膝を折って座り込む。
「天の光は勝利への道筋、防ること能わず」
 間違いなく気高い武人であったマスカレイドにこれ以上醜態を晒させたくない。
「貫け!」
 ハイドはそんな思いをこめ、最高の攻撃で強き男にふさわしい最期を与えるのだった。

●そして、新たなる始まり
「みんな、頑張れ♪ 負けないで♪」
 ラーラの軽快な音楽に勇気づけられ、傷を癒やしたエンドブレイカーたちはピエールを探し始める。
「アーシェさん。よろしくお願いしますなの」
 シルはニルティアと魂を交換し、自分の体をアーシェに託すと、先行して洞窟の奥へと潜り、
(「このくらいの身長の方が……やっぱり可愛くて羨ましいわね」)
 小柄なシルの眠るような姿を見ながら、アーシェはちょっとだけ彼女を羨ましく思い、抱きかかえようとする。
「……」
 しかし、背後からなんとなく視線を感じたアーシェは、
「……シルさんのこと、お願いしますわね?」
 振り返り、にっこりと微笑んで、その役は譲りたくないという顔をしていたクリムの背中に彼女を託した。

「うわあぁっ!」
 洞窟を少し奥に入ったところで、妖精に乗り移ったシルはピエールが死闘を繰り広げているのを発見する。
 ピエールはラヴァゴーレムの溶けるような熱さの炎を凌ぎ、力強く振り回される拳を受け流しては隙をついて戦斧を振り下ろし、戦いを優勢に運んでいた。
「見つけたよ!」
 急いで報告するために、シルは素早く体に戻る。
「おっと……」
 その声にびっくりしたクリムは足を踏み外しかけ、思わず背中のシルを伺い、
「ア……れ? えっ?」
 目の前に映る予想外の顔にシルが浮かべた表情に対し、クリムは自然と顔はほころんで、
「おかえり」
 優しい言葉に迎えられたシルは頬を染めてクリムと見つめ合った。
「まだ戦っているのなら、加勢しましょう」
 シルが落ち着いたところで状況の説明を受けたアーシェは一刻も早く彼を助けようと走り出す。
「……だけどもし、ピエールさんが……一人でゴーレムを倒せるのなら……」
 命を危険に晒す傍観は論外だが、そうでないのなら彼が『成し遂げる』のを見届けたいとサンディはアーシェと併走しながら主張する。
「状況次第というところだ」
 すぐに加勢するかどうかは意見が分かれたが、ハイドが状況を見て臨機応変に対応することで意見を集約させ、ピエールの元へと急いだ。
「だあぁぁぁっ!」
 ピエールのいる部屋にたどり着くと、エンドブレイカーたちは彼が雄々しく吠えながら止めの一撃を振り下ろし、ゴーレムが地面に溶けていく光景を目にする。
「……やった」
「ピエールさん! 大丈夫!?」
 そして、安堵感から全身の力を抜こうとしたところでアーシェが声をかけて近づいてきたため、ピエールは中途半端な体勢で斧に寄りかかりながら、
「……助けにきてくれたんだね。ありがとう、礼を言うよ」
 以前にも似た状況で彼を助けに駆けつけてくれたアーシェと、
「助けてもらうのはこれで2度目。私はいつも助けられてばかりだね」
 エルスの2人に微笑む。
「お召し替えをお持ちしました。マントだけでも今変えますか?」
 そして、エルスが差し出した服とマントとを受け取り、
「お着替え、手伝ってあげるよ」
 ラーラが後ろに回りこんで手伝いながら、ピエールは簡単に着替えられる物だけ上から羽織るようにして身だしなみを整えた。
「お帰りなさい」
「本当に……とても、強くなられて……すごい、です……」
 その後、ルーシーの笑顔、そしてサンディの賞賛を受け、
「本当にありがとう。でも、私は強くなんかないさ」
 少し照れながら謙遜すると、ピエールは瞳を覗きこんでいる仲間たちににっこりと微笑み返す。
「意外と、エンドブレイカーの力が宿っていたりしてな」
 特にこれといったエンディングが見えなかったこともあり、ハイドは笑いながら彼の肩を叩く。
「私は君達のような強い力は望まないよ。ただ……愛するフローレンスを守れるだけの力は、手に入れられたかな?」
 さすがに危険な状況を4ヶ月も生き抜いたことは自信になっているのだろう。そんなピエールの素敵な笑顔に、一瞬空気が凍りつく。
「そ……そ、そうですね。ピュアリィに茹でられた時より、大きく成長したし……なにより、無事で帰ってきてよかったの」
 エルスは出来る限り感情を抑えて同意した。
(「フローレンス様のことは、今すぐ話さなくても……いいですよね?」)
 彼にちょっとだけ不憫なエンディングが見えてしまったが、諦めなければいつか彼の望むような日も来る……の、かも知れない。
「まずは落ち着いて、一息つきましょう」
 聞きたいことは山ほどあるが、まずはピエールを安全な場所まで連れて行き、ゆっくり休んでからにしたほうが良さそうだ。
 そう考えたアーシェはまずは街へ帰ることを提案し、ピエールと共にゆっくりとその場を後にするのだった。



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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2014/04/01
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  • ハートフル6 
冒険結果:成功!
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