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シャルムーン動乱:問われるは、不退転の覚悟

<オープニング>

●乱れる戦況
 砂月楼閣シャルムーンの『世界の瞳』の扉に対する、ジェスター・ザ・カーニバルの攻撃に、実に1706名のエンドブレイカーが対策に乗り出す。そのうち、過半に相当する981名は直接、『世界の瞳』の扉の警護にあたっていた。
 ――だが、前哨戦で大きな被害を受けたにも関わらず、マスカレイド軍はそのまま、エンドブレイカーの主力が待ち受ける、湖の畔にまで進軍してきた。のみならず、かれらは湖畔に、運び込んだ丸太を立てだしている。
 おそらくは丸太を一気に倒してできた橋を渡り、攻め込むのを企図しての行動だろう。
 本来ならばその前に、軍勢を進めて撃破してしまいたいところだ。しかし、道化師ジェスターがどのような策略を使ってくるかが読めない以上、世界の瞳の扉の周辺から、迂闊に軍を動かすべきではない、と彼らは考える。
 ――敵がどのような動きをしても重要と思われる場所から動かずに、本命の攻撃を迎え撃つ。
 それこそが、陽動作戦への対処の肝要なのだから。
 そう思い直し、身構えたエンドブレイカー達の眼前で、丸太が今まさに倒れようとしている。 
 いよいよマスカレイドとの戦端が開くか、と、彼らが得物をとる指に力を込めたその時――
「地図に反応、ジェスターです! ジェスターは……あの丸太の上に……!」
 後方から、仲間の一人があげた声が彼らのもとに届いた。
 これまで影の中に潜んでいたのか、反応がなかったジェスターが、ついに姿を現したのだ。
 だが、なぜ今この時に、しかも丸太の上なのか?
 ジェスターの真意を測りかねるエンドブレイカー達だが――そこに響いた笑い声。
「ロロロロー。さすが、エンドブレイカーさん達です。それだけ篝火をたかれれば、デモン人間による奇襲も難しいデスねぇ。
 でもですね。光ある所に影が出来る。そして、どんな光もより強い光の前では無力なのデス。さぁ、道化師ジェスターの奇術を御覧じろ」
 その言葉が終わるやいなや、ジェスターの体が膨大な光を放ち、爆発した。その光は丸太を強烈に照らし、影はエンドブレイカーの軍勢の中心を射抜く。
 ――ドドォォォォ―――ンッ!
 そして、次々と勢いよく倒されていく丸太は湖面を激しく打ちすえながら、マスカレイドとエンドブレイカーの、戦場をつなぐ橋となっていた。
「今の光は……」
「ずいぶんハデな目眩ましだなっ!」
 湖の畔で待機していたマスカレイドの軍勢が、先陣を争い駆け込んでくる。そんな敵勢を前に、迎撃の構えを見せたエンドブレイカーだが、突如、その足下から黒い影が伸びた。
「デモン人間かっ!」
「あの光は影を生み出して、デモン人間を移動させるためのもの……?」
「ちっ、これがジェスターの奇術か?」
 前方からはマスカレイドの軍勢が迫るなか、足下からも、その戦力を超えるデモン人間が湧いて出てくる。
「湖側のエンドブレイカーは、マスカレイドを迎え撃て!」
「奥側のエンドブレイカーは、デモン人間を奥に進ませるなっ!」
「戦力はまだこちらが有利、怯んじゃだめだ!」
 ――混乱する戦場で、エンドブレイカー達は仲間達と共に、いよいよ目前に迫る敵との戦いに意識を集中しようとつとめていた。

「……まったく、奇術だか何だか知らないが、やってくれるぜ」
 橋を渡ってくるマスカレイドの軍勢は、次第に膨れ上がりながら、こちらへと向かってくる。そんな敵勢の進撃に、湖畔の前方で布陣していたエンドブレイカー達は、自分達の戦うべき相手を見定めてやろう、と言いたげな目を向けていた。
「私達の目的は、マスカレイドを迎撃し討ち果たすことで、勝利を確実なものにすること」
「そしてあの軍勢を指揮しているのは、ジェスター・ザ・カーニバル」
「と、なれば」
 真摯な表情を、あくまでまっすぐに敵へと向け、彼らは声を揃える。
「みんなで力を合わせて、最初から全力で真っ向対決しかないだろう! 行くぞ!」

 ――砂月楼閣シャルムーンにおける『世界の瞳』の扉を巡る戦いは、いよいよ大詰めを迎えている。
 この戦いで勝利をおさめられなければ、古よりの砂の国と伝わるこの地を失うこととなってしまうだろう。
 そんな未来をよしとしないのであれば、この戦いを勝利に導かねばならない。
 ……それぞれに抱く思いを乗せ、戦場に鬨の声が響き渡る。


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参加者
堅盾・ペンペロン(c03137)
闇狼・ヴォルフ(c03621)
ココウノケダモノ・ガルシア(c05652)
鉄屑野郎・マリス(c16798)
信天翁・パスカル(c19822)
真白色のレクイエム・マシロ(c19828)
嘘吐き・トコトゥカ(c23536)
菫青石の魔法剣士・リデル(c26678)

<リプレイ>

●一瞬の静
「――敵の動く気配が」
 緑色の目を細め、ジェスターがいるとおぼしき場所を見遣っていた闇狼・ヴォルフ(c03621)の声に、一同の身体がぴく、と動いた。
「ずいぶん湧いて出てくるものだな」
 かざした剣の蒼い刀身に己の瞳の青を重ねてから、菫青石の魔法剣士・リデル(c26678)はいつでも切り込めるよう身構えれば、
「狙うはこの丸太橋の再奪還、ってところか。だが――嫌な所を、嫌なタイミングでクリティカルにつくジェスターに負けてたまるか」
 かざした盾の裏側で、堅盾・ペンペロン(c03137)はちらりと斜め後方に視線をはしらせる。
 ジェスター・ザ・カーニバル率いるマスカレイド軍が、砂月楼閣シャルムーンに活動拠点を作るため仕掛けた襲撃。湖畔へと倒された丸太橋から、『世界の瞳』の扉を狙った主力部隊が攻め込んだ後、ほんの一瞬できた間隙を突き、二部隊が中央の丸太橋を占拠していた。
 その勢いに乗じ、突進した部隊がこじ開けた風穴をさらに拡げるように、ジェスターを狙う仲間達が向かい――救援に向かった部隊の殿を守るように、彼らは隣り合わせた仲間の部隊と連携して橋の先へと渡っていた。
(「世界の瞳の扉を失う事は、一度は掴んだシャルムーンという都市の平和を失う事に他ならない」)
 湖を挟んだ乱戦の向こう、岩の谷間にある古い祠に鉄屑野郎・マリス(c16798)は思いを馳せつつ接敵の機をうかがっていると、
「おや、そちらの隊も丸太橋の防衛に当たるつもりだろうか?」
 誓いの盾の城塞騎士・ミミの屈託ない声が聞こえてきた。
 どうやら彼らは先刻、中央の丸太橋を奪取した部隊で、仲間の部隊を回収後、再び橋を防衛するために急ぎ戻ってきたのだろう。
「ここからが巻き返しどころだ、頑張ろうか!」
 明朗な声で、信天翁・パスカル(c19822)が応えれば、
「返り討ちのメッタ殺しタイムですわよ!」
 右手から、激情の騎士・ニーナの声が上がっていた。
「コイツが一つの天下分け目の戦いってヤツ? そうくりゃ相手も本気も本気って事だよねぇ……ほいではジェスターの隠し玉に気を付けつつ、しっかりと完全勝利目指しちゃいましょうかッ!」
 それを聞いた真白色のレクイエム・マシロ(c19828)が、微かに唇を震わせて鎮魂歌を口ずさみながら黒鋼の筒先を上げた――その、直後。
「ふふ――この丸太橋を奪い返せば、わたくしの力を見せつけることができますわね!」
 蝙蝠の黒羽に映える、派手な赤い髪をなびかせて高笑いするバットハーピーが、軍勢を従え現れる。その頭部に現れていた仮面、そして総数はざっと30か、と確認するが早いか、
「さあ、いちばん強いのはどいつだ!」
 楽しそうに先陣を切って駆け出していた、ココウノケダモノ・ガルシア(c05652)。
「ジェスターの狙いが何かはわからないですけド、ボクに出来るのはこの侵攻を食い止めることだけでス!」
 その背を見遣りながら、嘘吐き・トコトゥカ(c23536)が上げた声をしおに、三つの部隊はバットハーピーの侵攻を止めるべく動き出していた。

●黒と赤の交差
「よっし、攻めてくるってなら返り討ちだよッ♪」
 マシロの紫煙銃から迸る、巨大な魔力の奔流。それを避けようとしたバットハーピーの群れがわずかにばらけると、
「道を開けるつもりはないけどね」
 前に出たリデルが地面と水平に払った剣撃は、赤い髪のバットハーピーを中心とするいちばん大きな部隊の戦陣を掃破していた。
「こいつらは俺達が引き受ける! 橋の援護は任せた!」
 体勢を立て直そうと迫る敵を、間髪入れずに盾から光の障壁を放ち、貫いていたペンペロンが声をかければ、
「お互いに孤立しないように気をつけて! ――いくよ、相棒」
 頭上で大鎌を一回ししたパスカルも、脇を狙ってきたバットハーピーを裁きの光宿す得物で横に薙ぎ払う。
 他の部隊もそれぞれに、中央の丸太橋の再奪取をもくろむ敵と交戦するなか、バットハーピーの爪撃に頬を裂かれたガルシアは、腕から生やした大きなカマキリの鎌で反撃すると、
「数合わせの相手じゃ物足りないぜ!」
 挑発以上に、自らがより楽しみたくてそう声をかける。
「戯言は、私達を倒してから叩きなさい。……倒せるものならば」
 それをかき消すように、黒髪のパットハーピーが奏でた変幻する即興曲が彼らの足元を砕くと、
「わたくしの露払いとしては上出来ですわ、アラベッラ!」 
 赤い髪のバットハーピーが風に乗って駆け過ぎざま、彼女にそう声をかけていた――が、当のアラべッラの表情は忌々しげだ。
「押し切りますわ!」
 この足を顔に叩き込むのが愉しみと言わんばかりに、スピンを効かせたキックを叩き込んだ敵を狙い、
「そうはさせませン!」
 トコトゥカの創造した白銀の鎖が包囲する。
「赤髪と黒髪、どちらが本当の指揮官格か、今すこし見極めが必要か――だが、その前に」
 こちらに向かってきた敵を散らそうと、マリスが衝角の迫り出した城壁のオーラと共に突撃すると、
「その脚を橋にはかけさせん。ましてや先に進もうなどと」
 後背からヴォルフが放射したシールドニードルに、バットハーピーがくずおれ倒れる。
「僕達の役目は、仲間達の背を取らせないために戦い抜くこと――それに、待っている家族がいるんだ。負けるつもりは、無いよ」
 きっぱりと告げ、パスカルは傷を負った敵へと断罪の女神の紋章が浮かぶ拳を繰り出す。
 だがその脇を狙い、動き出した敵影ひとつ。
「よく言ったパスカルッ! ……うむ、そこ注意だッ!」
 それに気づいたマシロが、すかさず紫煙の弾丸を連射してバットハーピーの動きを止めていた。
 同胞が倒されたのに構わず、前に出たバットハーピーの魂を奪う突きをリデルが繰り出せば、
「一体も取りこぼしてなるか!」
 彼女をフォローするように馳せたペンペロンは、盾でもう一体の攻撃を妨ぎつつ、その腹部を破壊するような一撃を叩き込む。
「確実に息の根を止める……!」
「ふふ……わたくしの前に立ちはだかったこと、後悔させてあげますわ」
 だが、二体のバットハーピーの戦意は未だ挫けず――立ち籠める棘の気配もまた、濃い。

●聞きしその名は
 湖畔中央の丸太橋を背に、エンドブレイカー達はバットハーピーの軍勢と戦い続けていた。時に鋭い爪に皮膚を裂かれ、時に飛び乗られて殴打されようと、彼らは自らの立つ場所から半歩たりとも足を引きはすまいと、覚悟を決めてなお戦場にある。
「この丸太橋は取らせませン! だかラ――……!」
 戦線維持をはかるため、トコトゥカは魔鍵をかざして楽園の門を開く。降り注いだ陽光に背を押され、ナイトランスを握り締めたマリスは、真正面のバットハーピーへとドリルインパクトを繰り出す。
「どうした、同胞が倒されるのをじっと見ているだけか?」
 漆黒の槍を頭上で回転させ、旋風を吹き上げるように突撃したヴォルフが、駆け抜けざまにアラベッラを挑発する。
「あら? そんなことを言われて、黙っているあなたではありませんわよね――むろん、わたくしも」
「……言われずとも」
 声の端に苛立ちをにじませ、アラベッラが囁くような子守唄を歌う。その微かな歌声を断つように、赤髪のバットハーピーは重ね合わせのオーラの翼で超加速し、前線を分断してやろうと突撃していた。
 ――が。
「おい、お前強いだろ? 俺の名はガルシア、さぁお前の名を教えろ!」
 ガルシアが巨大化した魔獣の腕を伸ばし、彼女を握りつぶそうとしてきた。
「ずいぶんと手荒ですこと――……そんな野蛮人などに教える名などありませんわ」
 身体を軋まされてなお、艶然と微笑む赤髪のバットハーピーであったが。
「ヴェルナ様、こちら攻め込まれています!」
「いつまで悶えているつもり? まったく……女王を名乗るなら私のほうが相応しいのに、シャルムーンの使いもヒトを見る目がない」
 救援を求める目を向けてきた同胞、そしてアラベッラに名と立場をバラされていた。
「くっ! ……ですが、わたくしの名を冥土の土産にでもなさるつもりですの?」
 間合いを取ったヴェルナはふん、と鼻を鳴らし、小馬鹿にする眼差しを向けてきた。
「そういう台詞、女王の器の小ささが知れるよねッ!」
 すかさずマシロが紫煙銃の引き金にかけた指に力を込め、紫の奔流で敵を押し流せば、
「マシロさん、今度は僕がお返しさせて貰うね!」
 彼女の左脇に回ろうとしたバットハーピーの前進を、今度はパスカルが裁きの車輪で轢き潰す。
 ヴェルナとアラベッラの手傷以上に、倒れていく配下の数は増している。
 このまま押し上げるか、あるいは――と、彼らが橋を横目に見遣ったその時だった。
「橋はこのままでよろしいですね」
 星詠の炎剣・ツバキの声が、彼らのもとに届いたのは。
「……よし、仲間達の退路確保のためにも、ここからは一歩も引かん!」
 盾からハリネズミのような障壁を飛ばし、ペンペロンが轟かせた声を聞きながら、
(「ジェスターか……倒したと思ったんだけどな」)
 かつての戦いを思いつつ、仲間達が駆けていった先をつかの間見つめていたリデルであったが、
「道はこの手で切り開く」 
 決意秘めて放ったホライゾンスラッシュは、取り巻きのバットハーピーを薙ぎ払っていた。

●据えた覚悟
「ちっ……戦況は芳しくないか」
 魅惑のフレーズになびかぬエンドブレイカー達に、アラベッラが舌打ちする。
「何を仰いますの? シャルムーンの使いがこのわたくしを選び、授けた棘の力さえあれば……!」
 言い放ち、ヴェルナはマリスを抱えて跳び上がると、強烈な回転と共に地に叩きつけた。
 ――だが、これでお仕舞いと哄笑しようとした彼女の顔が、次の瞬間引きつる。
「……どうして」
「お前達がこれ以上、悲劇をもたらす未来は食い止めたい――カレルヴォの最期を看取った者として」
 その問いにマリスは『グレイブポスト』の先をヴェルナの仮面へと突きつけてから、ドリルと化した得物で乱れ突きにする。
「そんなモノを守ろうなんて――愚かな」
「愚かなんかじゃないでス!」
 声を張り上げ、トコトゥカが創造していた巨人の拳が、バットハーピーを戦場の遥か彼方へと吹き飛ばす。
「ボクだって、守りたいものを守るために戦うでス……相棒として姉妹としテ、ご一緒にネ?」
 金色の目を向け、かすかに笑んだトコトゥカに
「トコちゃん……にっひひ、おねーちゃんも同じ気持ちさッ! ……勝って、帰ろうね」
 マシロはにっ、と笑みを返すと、
「紫冥の光芒に……立ち塞がる闇よ、虚無と消えよッ!」
 力を銘した紫煙銃を敵へと向け、躊躇うことなく引き金を引いていた。
「させるか!」
 いよいよ我が身が危険、と悟ったヴェルナの蹴撃を、リデルが仲間を庇うように受けた次の瞬間、反撃のブラッドソードが敵の身体を突き貫く。
「……まったく、どんどん前に出て行きやがって」
 ふ、とペンペロンが呆れたような笑みを浮かべはするものの――彼女がそうとしか戦えぬことも分かっているからこそ。
「死角は俺が潰してやるからな、安心して戦ってこい!」
 盾から鋭く尖らせた光の障壁を放ち、アラベッラを牽制していた。
「私のほうが、女王に相応しいのに……!」
 口惜しそうに呟くアラベッラの姿に、パスカルはどこかつらそうに青い目を細め、
「シャルムーンがいなくなっても、それでも利用されているなんて――いい加減に」
 終わらせてあげないと、と断罪ナックルを叩き込む。その一撃に、すべての力を失ったアラベッラを一瞥し、
「その程度の能力でわたくしを押し退けようなどと、身の程知らずも甚だしいですわ」
 そう口にしていたヴェルナの脇を抉る、ヴォルフの活殺退魔突き。その衝撃によろけていた彼女を、ガルシアの巨大化した魔獣の腕が捕らえていた。
「棘の力、か――だが、そんなモンで増やした強さを誇るんじゃ、ちっとばかり面白味に欠けるよな?」
 一度手にした獲物を、離してなるかと込められた圧倒的な力に、 
「な、に……離せ、離せェェェェッ!」
 ヴェルナがもがくが、それは些細な抵抗にしかならず――黒い翼と総身の骨が砕ける音を鈍く響かせ、彼女は事切れる。
「これでひとまず落着、と言いたい所だが……また、次か」
 千々に砕けた仮面の欠片を爪先で踏んだヴォルフが顔を上げれば、丸太橋へと押し寄せる新たな軍勢の気配がある。
 もうもうと膨れ上がる戦塵を前に、
「元より覚悟なんて決まっているさ。騎士として、守り抜く」
 そう口にし、もう一度大鎌を頭上で回していたパスカルに仲間達はうなずき、めいめいの思いを胸に身構えていた。

「さあ、お前達のなかで強い奴は誰だ!」
 嬉々として笑み、ジェリファンの群れへと突撃するガルシアを援護するように、トコトゥカが束縛する白銀の鎖で敵の動きを牽制する。
「先刻よりは緩やかな進撃だが――退いてなるか!」
 オーラの城壁をまとってのマリスの突撃に、足並みを乱されたジェリファンを、ヴォルフが的確に槍で貫き石化させる。
 狙いをエンドブレイカー達に阻まれて、敵の襲来する勢いは、次第次第に鈍っていった。
「大事な仲間、そして大切な妹との約束を守るため――油断なんかしてるヒマはないのさッ!」
 紫煙の弾丸を連射したマシロに呼応したパスカルが、断罪ナックルで敵の出鼻を挫いたそのとき――ジェスターを討ち取ったという声が届く。
 そうと聞いた瞬間、リデルとペンペロンは背中合わせにその場へと座り込み、
「お疲れさん」
「お疲れさま」
 互いに声を掛け合っていた。
 『世界の瞳』の扉の行方をかけた戦いの勝利――ゆっくりと、だが確かに沸き上がる高揚感を、彼らは仲間達と共にじっくりと噛み締めていた。



マスター:内海涼来 紹介ページ
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いまいち
参加者:8人
作成日:2014/09/26
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