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ゼルフォニア沖海戦:金色に輝く天の使い

<オープニング>

●上陸、とはいかず……
 終焉に抗う勇士号――。
 その船上には、勇者ラズワルドの姿があった。
 偵察や哨戒に来たマスカレイドは全て、このラズワルドの手によって屠られており、ここまでは順調に進んで来る事が出来ていた。
 そして遂に、大魔女スリーピング・ビューティの座すゼルフォニア沖まで到達した……のだが。
「このまま、ゼルフォニアに上陸できればと思ったが、そうもいかないか……」
 ラズワルドは、ゼルフォニアの城壁から解き放たれた光の群れに表情を険しくした。
 一際大きな光は奇怪な人型をした怪物であり、周囲の光の玉は天使型のマスカレイドである。
「燦然光獣・レイレギオか、厄介な相手だ」
 燦然鉱脈ゼルフォニアの守護獣は『ゼルフォニア鉱の反射器』の効果を無効にする能力がある。戦って勝てないわけでは無いが、この船が破壊されてしまえば、大魔女を打ち勝つ事は不可能となるだろう。
 勇士号へと群がる天使型マスカレイド、そして、燦然光獣・レイレギオの姿にラズワルドは片目を眇めたのである。
 
 勇士号の酒場はエンドブレイカーの姿で溢れていた。
 燦然鉱脈ゼルフォニアを前にして勇士号に何が起こっているのか、情報を求めてやってきていたのだ。
 情報屋達がその説明を行う。その中には空色の妖精騎士・エルシディア・レント(cn0104)の姿もあった。
「ラズワルドさんと、ゼルフォニア鉱のおかげで、勇士号は燦然鉱脈ゼルフォニア沖までやってきているわ。でも……そのゼルフォニアの方からこの勇士号へと敵の群れが迫っているの」
 群れの中には、燦然光獣・レイレギオがいる。これがゼルフォニア鉱の力を無力化させる為、勇士号へと敵の侵入を許してしまう。
 戦いは避けられない。大魔女もやすやすとエンドブレイカーをゼルフォニアへと上陸させる気はないということだろう。
 さて、敵となる天使型マスカレイドだが、燦然天使ゼルフォニアの影響を受けて生まれた存在で、全身金色の金属でできている。
 このマスカレイド達は背中には翼をつけている。この翼は『燦然光翼』と呼ばれる特殊武器で、燦然光獣・レイレギオのエネルギーを受けて飛行して行動する事ができる。ただ飛行中は攻撃を行わず、戦う際は地上に降りて戦うようだ。
 天使型マスカレイドは勇士号中枢を目指し、船の破壊を目論む。迫ってくる天使型マスカレイドは3体。できるだけ勇士号へと入り込ませない為にも海岸で迎え撃ちたい。
 攻撃はエンジェリックウィングのアビリティと、デモニスタのアビリティを使用することが確認されている。
 続いて、燦然光獣・レイレギオだが、全長40mもの大きさをしており、飛行している。『ゼルフォニア鉱無効』能力を持ち、勇士号の防御を無効化してくるのが実に厄介だ。
 また、レイレギオは自分の周囲に、あらゆる攻撃を無効化する強固なエネルギーフィールドを張っている。このエネルギーフィールドは攻撃だけをはじくので、飛行してフィールドの中に入ってしまえば、攻撃は可能だ。
 さらに、1ターンに1回だけ『攻撃のダメージを無効化』する能力もある為、一対一の戦いでは、勇者であっても倒すことは絶対にできない。
 これらの能力に加えて、そのあり余るエネルギーで天使型マスカレイドに飛行能力を付与する事ができる、五将軍や勇者に次ぐ大魔女軍の決戦兵器となっている。
 戦闘開始時は勇者ラズワルドが単騎で足止めをしてくれるが、レイレギオの特殊能力によってダメージを与える事はできない。
「そこで、皆にラズワルドさんを援護してほしいの」
 『天使型マスカレイドを撃破』した後、天使が使用していた『燦然光翼』を奪う事で、それを利用して空で戦っているラズワルドを助けに行く事ができる。
 エルシディアは一息ついて、予め注文してあったオレンジジュースを口にする。妖精エネフィが顔を覗き込んできたのに対し、彼女はにっこりとはにかんだ。
「今回の1件は私達エンドブレイカーにとって、燦然鉱脈ゼルフォニアへと向かう最後の試練になると思うわ」
 今回の敵の群れを突破できれば、遂に大魔女スリーピング・ビューティに迫ることが出来る。ただ、敗戦して勇士号が失われれば、我々に大魔女の元に向かう方法が無くなってしまうだろう。
「状況がどうなるかは皆の頑張り次第といったところね。私は皆がきっと道を切り開いてくれるって信じているわ」
 エンドブレイカー達は彼女の激励を受け、勇士号を守る為、そして、ゼルフォニアへの道を切り開く為の戦いへと赴く――。


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参加者
阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)
星輝穿雲・ディーア(c02611)
紅衣の報復者・クウィル(c03503)
セイヴァーセイバー・ラーズエル(c04538)
守護の盾・ヴェルナー(c04573)
想義塾塾長・エドワード(c06131)
銀雷閃・ツルギ(c08167)
藍の時・ミナ(c18076)

<リプレイ>

●降り立つ天の使い達
 勇士号の海岸。
 空には光輝く人影が飛び回っているのが分かる。この人影は天使型マスカレイドだ。その一部がこちらへと降り立ってくるのを、海岸にいたエンドブレイカー達は迎撃すべく待ち構える。
 更に燦然光獣なる巨大な敵との連戦もある以上、決して油断は出来ない。大魔女に向かうに当たり、この光る人影は大きな障害となることだろう。
「最後の関門だな」
 その関門を前にしてなお、守護の盾・ヴェルナー(c04573)の心は澄み切り、落ち着いていた。まさに明鏡止水の心境である。
 対して、紅衣の報復者・クウィル(c03503)は今にも燃え上がってしまいそうなほどに熱くなっていた。
「だが、信じ合える仲間と、熱く燃える魂がある限り……必ず成し遂げてみせるさ!」
 彼は力強く言い放つ。勇士号の防衛を行い、叶うならば、飛び立つ翼を得て勇者の援護へと向かいたい。
「もうラズワルドに孤独な戦いなんてさせない」
 大魔女への道を阻むものは全て葬る。それは、阿頼耶の狩手・ルーン(c01799)の純然たる戦いへの決意だ。
 さて、天使型マスカレイドはゆっくりと降下してくる。この海岸には3体が狙いを定めていたようだ。
「手羽先だ! 手羽先だろう!? なぁ手羽先だろうおまえですぅ!」
 敵の姿がくっきりと見えてくると、星輝穿雲・ディーア(c02611)が腕を大きく振って呼びかけ始めた。手羽先とは、天使が背中に付けている燦然光翼のことだろうか。
「天使が来るまで待てんし!」
 敵が降り立つのを待たずに、彼女は自らの血から猟犬を生み出してけしかける。しかしながら、天使は翼を羽ばたかせてそれを防いで見せた。
(「天使に向かって十字架の如き剣を刺そうとするとは、我ながら因果なものだな」)
 想義塾塾長・エドワード(c06131)は、宙を舞う天使の上空から光の剣を降り注がせる。それらに体を突き刺された天使は、ギロリと天使らしからぬ視線をエドワードに向けた。
「天使も仮面が付けば、導く方向も誤るというわけか」
 棘に包まれた使いが人々を誘う先、それは破滅なのかもしれない。
 程なく、金色に煌めく天使達はゆっくりと地面に降り立つ。勇士号の中へと移動しようとするその天使達へ、エンドブレイカー達は有無を言わさず攻撃を仕掛ける。
 真っ先に降り立った天使へとクウィルが透明な印を張りつけると、立て続けにヴェルナーが大剣を振り回す。そこに起こった竜巻は天使の体を巻き込んで体を引き裂こうと荒ぶる。
「エンドブレイカー推参。ここから先には進ませんぞ」
 それに耐えきった天使へ、ヴェルナーは構えて突撃していく。
 続いて地面へと立った天使2体。この片方には、セイヴァーセイバー・ラーズエル(c04538)と銀雷閃・ツルギ(c08167)が迫っていた。
 ラーズエルがチェイスを投げつけた相手を、ツルギはやや憐れみの目で見つめた。
「歪められて尚、変わらぬ誇り……だからこそ倒す」
 それが、都市を守っていた者達だとしても。ツルギは全霊を以って、障害は乗り越えようと誓う。
「悪いわね、ここを通すわけにはいかないの」
「俺達の住む世界を護らなくてはならぬ故、消えてもらう」
 彼らの目的は勇士号の破壊。仮面の下から不気味に瞳を光らせるもう1体の天使の行く手を、藍の時・ミナ(c18076)が太刀を構えて阻む。エドワードもまた愛刀を握りしめ、初撃を与えた敵目がけて振り下ろす。
 様々な思いを胸に秘め、エンドブレイカー達は神の使いとの戦いに臨む。

●行く為に、行かせぬ為に
 天使達は仮面で顔を覆っていることもあり、その表情を窺い知ることができない。ただ、彼らは与えられた任務をこなすべく、勇士号内陸部への移動を試みているのだけは間違いない。
 対するエンドブレイカー。天使のうち1体にはラーズエル、ツルギが、壁となって立っていた。
 燦然光翼を羽ばたかせた天使は羽を光の剣へと変化させて、一斉に撃ち出してくる。ラーズエルは幾本も突き刺さる剣を引き抜き、ふとその右手を見つめる。
(「悲劇を止めるために俺は強くなった」)
 数々の苦難を乗り越えてきた。だから、大魔女が企てる大いなる終焉もこの手で阻止してみせる。
(「……俺達の手で、必ず」)
 その手を握りしめ、ラーズエルは背中につけた天使の翼を氷へと変化させる。
「せっかくお出迎えに来てくれた所を申し訳ないけど、そこを通させてもらうよ!」
 彼は翼で天使にそっと触れると、溢れるように冷気が噴き出てそのまま抑える天使へと冷気を流し込む。冷気は日の光を受けてキラキラと煌めいた。
 ツルギも続く。天使の体から放たれる威圧感はそれだけで相手の力量を物語る。
「……相手にとっては不足なしだ。かの都市を護っていたなら尚更な」
 その誇りを称え己の技を尽くすのみ。強烈な冷気に包まれる敵に、フレイムソードの切っ先を幾度も差し向ける。噴き出す炎が天使を攻めたてた。
 ミナが抑える別の1体にはヴェルナーも加わり、2人で天使の行く手を阻んでいた。
「さて、では耐え抜き、倒しましょうか、ヴェルナーさん?」
 ヴェルナーは頷くのを見たミナはオーラの翼を背負い、それを使って自身を加速させていく。
「水鏡が映すは、翼の軌跡!」
 超加速したミナが天使をオーラの翼で斬りつける。
「ゲテモノではないけど、マスカレイド相手だから容赦はしないわね」
 普段ミナはどんな敵を相手にしているのか。それはそれとして、天使はダメージを受けても黙したまま、即座に攻撃を返す。翼を大きく羽ばたかせた天使は巻き起こる烈風を2人へと浴びせかけてきた。
「吹き飛べ!」
 ヴェルナーはそれに耐えながらも、大剣から生み出す竜巻を叩きつける。仲間に全力で各個撃破をさせる為に。この場は全力で抑えねばならない。
 仲間達が別個体を抑える間、ルーン、ディーア、クウィル、エドワードの4人が全力で最初に降り立った1体を叩く。
 後ろにいたルーンは周囲へと弓弦を張り巡らせる。動き出した天使がそれにかかるも、彼は大っぴらに仕掛けを大きく作動させはしない。
(「まだだ……」)
 じっと、タイミングを見はからうように。ルーンは罠を張り続ける。
「手羽先置いてけ! ふざけるなよてめぇ、手羽先置いてけぇですぅ!」
 ディーアもデモンの翼を広げ、一斉に破壊光線を撃ち出す。光の矢は目の前に立つ天使へと奔る。幾本かは確かに命中したが、その金属体を破壊するには至らない。
「…………コウ、ゲキ」
 そんな声が天使から聞こえた。広げた翼から舞い落ちる羽。それがまるで刃のように鋭い刃となって襲い来る。
 動き出す天使を止めるのは、クウィルとエドワード。彼らは2人で並び立ち、壁を成していたのだ。飛んでくる刃となった羽は壁を切り崩そうと振るわれる。
 天使の放つ攻撃の威力は想像以上だ。とはいえ、一撃でやられるほどエンドブレイカーはやわでもない。敵を見据えるクウィルは、負けじとアックスソードへと裁きの光を宿す。彼は叫びかけながら光る剣を一閃させる。
 さらにエドワードも刀を構える。酒をその刀へと吹きかけた彼は、その切っ先を煌めかせて日の光で輝く天使へと差し向ける。
「天使も大魔女の使いであれば清めた刀で斬るべきものだろうな。生まれ育った故郷を護る俺達の義は貴様ら『兵器』になど負けはせぬ!」
 エドワードが刀に内包していくのは、太陽の力。振り下ろす一太刀は金属でできた体をも寸断せんとする。天使は体をわずかに逸らすが完全には避けられず、胸部にかすかなヒビを生み出したのだった。

●人知を超える天使の力
 抑えを行う2組のエンドブレイカーは、確実に天使の強力な力に押されていた。
 ラーズエルは淡々と、それでいて華やかに攻撃を繰り返す。彼の振るう剣閃からは幻の薔薇を舞わせていた。天使の体に傷は増えていたものの、2人はあくまで抑え。2対1で分が悪いことは重々承知の上だ。
(「だが……悔しいな。彼らの想いが歪められたのは。そして、それを救うのがこういうやり方しかないのが」)
 ツルギは抑えられぬ動悸を抑えつつ、思う。本来ならば、天使達はただ愚直なまでに都市を守る存在だったはずだと。ツルギは目の前の使いの存在に歯痒さすら覚える。
「だが……其れならば全力で実行するのみ」
 ツルギはゆっくりと息を吐く。瞳を閉じた彼女は、向かい来る敵の殺気を感じる。緩やかにその殺気に向けて向かう彼女。しかしながら、放たれる攻撃は雷光のごとく。
 迸る光。しかし、その一撃は天使を穿つには遠く。
 羽ばたく天使の翼が氷へ変化したかと思うと、それがツルギの体を深々と突き刺す。
 願わくば、奴らの魂が大いなる戦いの楽園へと迎えられることを。彼女は薄れゆく意識の中でかすかに祈ったのだった。
 もう1体と戦う2人。やはりこちらの天使の猛攻も苛烈を極めていた。こちらは炎でできた羽を飛ばすことで燃え上がる炎は凛然と立ち向かうミナを苛む。
「戦う力を与えよう」
 回復にほぼ徹する形のヴェルナーは癒しの拳を飛ばす。自身へとぶつかり、はじけ飛ぶ光でミナはなんとか持ち直すものの……。天使は鋭い視線で障害をねじ伏せんと、猛攻を続ける。
 一方で、前方の1体はすでにその体に亀裂が走っていた。回復役も担っていたらしいその天使は自身を含めて仲間達の傷をも癒そうと光の羽を飛ばしていたのだ。
 それでも、自身の体の崩壊を止めることはできずにいる。今だとクウィルは峻烈なる光を手にするアックスソードへと宿す。
「この一撃は……貴方を縛る終焉の一撃だ!」
 日の光を受けて輝く天使へ振り下ろされる裁きの一太刀。天使はついに体を崩し、ボロボロと崩れ出す。残された燦然光翼を、クウィルは即座に回収するのだった。

 1体が地に落ちるも、天使は勇士号の破壊を諦めてはいない。
 ヴェルナー、ミナの元にはクウィルが駆け付ける。本来ならば、2体となったらエンドブレイカーを4人ずつのチームに分けて当たるはずではあったが……。
 3人でも、戦線の維持はかなり苦しい。それが疲労しているミナやヴェルナーを含めればなおのこと。
「諦めるな! どんな窮地だろうが、必ず勝機はある!」
 クウィルが共に戦う仲間に喝を入れる。ヴェルナーが回復を試みているが……、ミナの疲労は色濃く出ており、足にも踏ん張りが利かなくなってきている。
「水鏡が映すは、無情なる夜の女帝!」
 これ以上敵の攻撃を受けるわけにはいかない。ミナは太刀を抜き、眼前の天使へと弧を描いて斬りつける。天使の体に走る亀裂。この天使の体も軋み始めたようだ。
 それでも、天使は翼が烈風を巻き起こす。邪魔する者全てを吹き飛ばす風が舞い上がる。それに耐えられず、ミナはついに巻き上げられ、そのまま地面へと叩き付けられてしまった。
 ツルギが倒れ、サシでの勝負を余儀なくされていたラーズエルの元へ、天使を倒した仲間が駆け付ける。ラーズエルはギリギリで持ち直すに至っていた。
「貴様ら前座に時間をかけてなんか居られるか」
 ルーンはそれまで周囲に張り巡らせていた弓弦で結界を発動させる。それらは天使の体へと巻きつくように飛ぶ。
「喰らえ、ラズワルドにさえ一矢報いた我が奥義。死弦術・楔」
 周囲から伸びる弓の弦がが天使の体を縛り付け、磔にした。
 天使は翼を動かして脱出を試みる。氷へと変わった翼が伸び、弦を切り払ってしまう。さらに伸びる氷の翼がルーンの体を突き刺す。
 薄れかけるルーンの意識。それでも彼は気力を振り絞って立ち上がる。まだ倒れるわけにはいかぬと。
「一瞬たりとも下を向くな! 慈愛の心を持たぬ天使などに俺達が負けてはならん!」
 エドワードはときの声をあげ、仲間を叱咤激励する。活力の得たメンバー達は堅い天使の体へと攻撃を繰り返す。
 天使はまとわりつくエンドブレイカーを振り払おうと翼を広げる。そこで、天使の右肩が大きく崩れる。
「赤流の脈々と継ぐ命の定めは猛る猟犬の咆哮のごとく! クリムゾンハウンド!」
 ディーアが再度けしかけた血の猟犬達。それが崩れかけた天使の体へと群がっていく。それは猟犬が血へと戻った時、すでに金属片が散らばるように地面へと落ちていた。背にしていた翼はデモンによって回収され、ディーアの手に握られたのである。

●残る者、飛び立つ者
 残る天使はなんとか任務を遂行しようと一度下がり、回り込むように移動しようと試みる。もちろん、ヴェルナーやクウィルはそれをさせようとはしない。
 敵の人数が減ったことで、エンドブレイカーの矛先はそいつだけになっている。ルーンやディーア、エドワードが必死に接敵をすることで、その行き先を塞いでしまう。
「ジャマ……スルナ……!」
 天使は目が眩むほどの光で周囲を包む。ラーズエルがそれに飲まれてしまい、がっくりと崩れ落ちる。
 慢心する天使へ、今だ自身の体に炎を燻らせるヴェルナーが迫った。
「獅子の咆哮を聞け!」
 ヴェルナーは己の内から発するオーラで獅子を象る。獅子は金属でできた天使の体をやすやすと引き裂く。全身に入っていたヒビが広がり、そいつはついに地面へ崩れ落ち、バラバラになったのだった。

 足元に転がる天使達の残骸。一行は倒れる者もいたが、勇士号を守ることに成功した。
 そして、残された光る翼。それらはクウィル、ディーア、ヴェルナーの手元にある。
 ディーアは手にした翼をつけて、彼女の身の丈よりも大きな竪琴をちらりと見やると、思わず涙を浮かべてしまう。
「ええい、最後までついて来い相棒ですぅ!」
 彼女は強引に竪琴を抱え、空を舞った。
「では、行ってくる」
 先ほどの戦闘でかなりダメージを受けているヴェルナーだったが、仲間達へとそう声をかけて空へと飛び立つ。
 他のメンバーは光翼を持つ仲間を見送る。エドワードは勇猛なときの声で味方を鼓舞して見せた。
「今の私には離れた敵を攻撃する術も他者を癒す術も無い……だから、奴を殴りに行くのさ!」
 クウィルは熱く叫び、空高く舞い上がっていった。
 残るメンバー達は傷つく仲間達の手当てを行いながら、飛び立った仲間を仰ぎ見るのである。



マスター:なちゅい 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2015/01/23
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