ステータス画面

椿餅

<オープニング>

●茶屋にて
 流星式自由農夫・マヌカ(cn0146)と、アマツカグラの茶屋で抹茶を頂いていたら一人の男が話しかけてきた。年の頃は30代前半であろうか。
「エンドブレイカーの方ですよね?」
「うんっ、そうだよっ!」
 口の周りを緑色に染めたまま、マヌカが元気に答えると、彼は「自分は和菓子職人のキネヲって言います」と名乗り、こんな話を始めた。
 この季節になると毎年椿餅を作るのだが、山へ餅を飾る椿の葉を採りに行ったところ、フーレンに遭遇してしまったのだと言う。
「綺麗なおねーちゃんがいると思ったら、下半身がトラなんですからね。俺そっこー草むらに隠れました! でもそれだけじゃ無かったんですよ! ……胸元に白い仮面が見えたです。それってマスカレイドってやつですよね?」
「だね」
「うん!」
『大魔女・スリーピングビューティ』が、都市国家に残ったマスカレイドを見捨てた事で色んな変化が起きているけど、そのうちの一つとして、一般人にもマスカレイドの仮面が見えるという変化が起きていた。
「ねぇねぇ、キネヲさん、もうちょっと詳しく教えてよっ」
 マヌカが促すと、男はまた話を始める。
「スアマ村という小さな農村がありまして、そこから更に山の方へ行くと、椿が咲いている一帯があります。場所は山の入口の方なので、すぐに分かると思います。自分が見たフーレンたちは全部で4体で、椿の辺りを暫くウロウロした後は、山の奥へ行ってしまいました。恐らくそこに巣があるかと思います。何せ、深い山ですからねぇ。村人も仕事以外では近付かないようですね」
「なるほど。う〜ん、じゃあ山の中を探しに行くのは危険かなぁ」
「そうですね。運が良ければ巣が見付かるかもですけど、フーレンたちに後ろを取られる可能性もあります」
「そっか。じゃ、誘き寄せることは出来るかな?」
 マヌカは能動的に話を進める。
「そうですね〜。自分、フーレンが何で釣れるか分かんないんですよね」
「でも、何かなかった? その時フーレンがしてた事とか……」
 マヌカは真剣な顔で彼に迫る。
「そうですねぇ、椿の花を摘んだり、頭に付けたりしたくらいですからねー」
「なるほど。……ってことは、フーレンは赤が好きなのかなあ。それともお花? かわいいもの?」
「分からないですけど、そのうちのどれかかもしれませんね。一応女子ですし」
「だよねー……」
 マヌカは唇をへの字に曲げて、考え込む。
「そうだ。もしフーレンを全部退治して、そして椿の葉を持って来て下さったら、お礼に椿餅をご馳走しますよ! 薄桃色でもちもちで、中には餡子がたっぷりで、とにかくうちの自慢の品です!」
「本当!? でもいいの?」
「勿論です、約束します。折角なのでこの茶屋で、お出ししましょう。そしてお抹茶も一緒にご馳走します!」
 キネヲの言葉にマヌカは瞳を輝かせる。
「わかったよ、うんっ。ぼくらに任せてっ。必ずフーレンを倒して、椿の葉っぱを持って来るからねっ。でも……」
 そして此方の顔を覗き込む。
「何……?」
「ぼく一人じゃ、フーレン4体とか無理だし、だから、ね? 一緒に来てくれるよね?」
 その目は椿餅が食べたくて仕様が無いといった色に充ち満ちていて、頷かざるを得ない気持ちになってしまう。


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参加者
ひよこ使い・ナハト(c00101)
破竹円舞・デイジー(c05482)
うっかりボコる群竜士・リチ(c33420)
風纏い・アラレズ(c34367)
仮面の偽シスター・ジェリー(c34543)
ハーレムクイーン・バクコ(c35333)
荊の身体・ルシック(c35349)

NPC:流星式自由農夫・マヌカ(cn0146)

<リプレイ>


 山への道中、スアマ村の住人らにフーレン達の目撃情報を聞いたところ、
「うーん」「秋に彼岸花のところで見た気がする。正確な数は解らないけど、2体……かな?」「いや、怖いから見たらすぐ逃げるし」「山の奥から出てくるから」「余り近付かないようにしてる」「むしろ、巣を見付けないようにしてる! だって怖いもん!」「あの山は深いからなぁ……」「よくわからん!」
 とのことで、結局有力な情報は余り得られなかった。

「椿餅楽しみだなー、もっちもち! もっちもち!」
 ひよこ使い・ナハト(c00101)はふんふんご機嫌で、山沿いのあぜ道を歩く。
「もっちもち! もっちもち!」
 流星式自由農夫・マヌカ(cn0146)もその声に合わせて、腕をぶんぶん振りながら歩く。

 山の麓を少し歩くと、椿の花が咲いている一帯はすぐに見付かった。
 ここで待っていれば、きっとフーレンが来るはず。ということで、椿の木の脇の茂みの影で待ち伏せをすることにした。
 ステルスを持つのは、荊の身体・ルシック(c35349)、風纏い・アラレズ(c34367)、仮面の偽シスター・ジェリー(c34543)。
 そして迷彩柄のコートを着る破竹円舞・デイジー(c05482)と、濃緑色の外套を羽織るナハト。
 ステルスなどの用意のない、ハーレムクイーン・バクコ(c35333)、うっかりボコる群竜士・リチ(c33420)、マヌカの三人は、ジェリーの用意した草っぽいものがたっぷり付いたロングコートを着る。
 そうして準備の整った8名は茂みの裏に身を潜めた。
 少しでもステルスの恩恵に預かれたら、とバクコはジェリーの傍にぴたっと身を寄せる。
 けれどすぐに理性が崩壊……否、元々そんなものは無かったのかもだけど、ジェリーの髪に鼻を寄せてクンカクンカ匂いを嗅ぎ始める。
「いい匂いねぇ……」
 するとすぐさま、ジェリーの鉄拳がバクコの顎に炸裂して、バクコは沈黙した。
「さーて、そのフーレンちゃんたちは何処に居るのかな?」
 デイジーはリチと共に、草葉の隙間から、鷹の目で山の中を注意深く見詰める。
 フーレンらしき影や、動きがあれば即座に一同へ知らせるつもりで。
 デイジーに関してはヒアノイズで聴力も高めることで、索敵の精度を上げていた。

 それから一時間ほど過ぎた。
 フーレンが現れる気配は未だにない。
 不意に、ナハトは立ち上がると、こう言った。
「おれ、ちょっと囮になってみる!」
「えっ!?」
「あっ」
「気をつけてねっ」
 仲間達は戸惑いながらも、それも悪くないかもしれない、と彼を見送る。
 やがてナハトの姿は、緑の中に紛れて徐々に見えなくなる。
 デイジーの耳に木々や枝葉の擦れる騒がしい音が届く。
 それはナハトがフーレンを誘き寄せるためにわざと立てている音だった。
 暫くすると、辺りに静寂が戻る。
 冬の山は寒々しくて、どこか寂しい。
 けれど、そんな感傷に浸る間もなく、
「お、おれなんか美味しくないけど!?」
 全力疾走のナハトが、必死の声を上げながらこちらに向かって駆けて来る。
 彼の後ろを、鋭い目をしたフーレンが4体追いかけて来て居た。


 フーレンが現れるが否や、草まみれコートを着ていた3名は一斉にそれを脱ぐ。
 デイジーとリチが目視したところ、フーレンの胸元にはしっかり仮面があった。
「男子、こら! 逃げるな!」
 長い髪のフーレンは、ナハトの背中に手を伸ばそうとするが、バクコの白いマフラーがその足に絡みついてきつく縛った。
「さあて、頂いちゃいましょうかねぇ」
「やめろ! 私は男が好きなんだ!」
 うふふふふ、とバクコの笑い声が響く中、他のフーレンたちはナハトを追いかけ、そして椿の向こうのエンドブレイカーに気付く。
「さて、うまいモンのためにひと仕事するか」
 立ち上がったジェリーは、まず初手として無数のナイフを駆使して、鋼鉄の竜を作り出すと、刀尾でフーレンの腕を薙いだ。ふぎゃーとフーレンの悲鳴があがる。
「あれっ、フーレンさん達は何か悪さをしていたんだっけ?」
「今のところはまだだけど……」
 リチの言葉にマヌカが言い淀むと、
「でも、マスカレイドとなれば相容れない存在だよ」
 デイジーはきりっとした目でそう言うと、腕をカマキリの鎌へと変化させた。
「そうだよね」
 彼女の言葉にリチは深く頷くと、
「村人さん達に危害が出る前にボコッちゃおうね」
 光り輝くガントレットで、三つ編みのフーレンに立ち向かって行く。
 烈光の掌が半獣半人の身体をぎゅぎゅっと掴んで、砕かれそうな衝撃を与えた。
「カマキリの刃で、切り刻んであげるよ!」
 そこへ来て、フーレンが息つく間もなく、デイジーの鎌が、フーレンのお腹をずぱーんと横に斬りつける。
 彼女らの背後でマヌカは、大きく振りかぶると、えーいとキノコを投げつけた。
 すると紫色のかさが顔面にヒット。フーレンは煙をもろに吸い込んで、だらりと猫背になった。
 攻撃がキマって、マヌカはよっしゃ、と小さくガッツポーズをするけれど、
「かわいいモン着けてるじゃねーかよ!」
 フーレンがマヌカの帽子のリボンめがけて飛んでくる。
「わーん! やめてー!」
 マヌカは頭のリボンをぎゅっと抑えて、なむさん! と目を閉じる。
 けれど攻撃は来ない。
 間一髪のところで、三つ編みのフーレンを、ルシックとそのデモンによる分身が手を繋いで強烈な一撃を決めた。
 よろめくフーレンは後ずさりをする。
 けれどその無防備な背中に、アラレズの瞬動殺が決まった。
「こっちは食べ放題が待ってんだからね。あんた達、とっととやられちゃいなさいよ」
 真空を纏い、究極の速度で時を突き破るアラレズに、フーレンは全く気付いて居なかった。
 三つ編みのフーレンが倒れる。それと同時に仮面も割れた。
「え、何だよ、おい……」
「ヤバいぞ、これ」
 短い髪のフーレンとおかっぱ頭のフーレンがひそひそ声で言う。


 八名がフーレンを取り囲むようにして戦闘を運べたことで、戦況はこちらにとってかなり有利に働いていた。
 おかっぱ頭のフーレンは既に倒れ、残る短髪のフーレンと長い髪のフーレンも満身創痍で余裕がなさそうだった。
(「ちょっとかわいそうな気もするけど、マスカレイドは許せないもんなー」)
 同情の色を目に宿しながらも、ナハトは己の使命のために扇を振って跳ね踊り、風神の舞で追い風と烈風を起こした。
「オラオラオラッ! とっとと倒れて俺達の糧になれっ!」
 ジェリーは、その手から高圧縮虚空弾、暗示暗黒弾を放つ。
『糧』とは勿論、椿餅のことだ。
 二人の攻撃が短い髪のフーレンを右から左から襲う。
 そこへ間髪入れず、フーレンの頭上に暗黒の大瀑布が拡がって、闇のオーラが降り注いだ。
 フーレンは苦痛で猫背になるけれど、すぐに狙いをアラレズに定めて、溶岩タイガーを思わせる斬撃で彼女を斬りつけた。
 そこへ続いてロングヘアーのフーレンも、狼と熊の動きで彼女の肌を引き裂く。
 アラレズの絶対領域に傷が付き、血が滲む。
 けれど、彼女はそんな痛みをモノともせず、横薙ぎの一閃をフーレン達に喰らわせた。
 目にも止まらぬ速さで繰り出される斬撃は、突破口をも開いてバクコにエネルギーをチャージする。
「うふふふふふふ。ほんとうに美味しそうな美人ねぇ……」
 垂れかけた涎を手の甲で拭うと、バクコは神火大嵐の舞を踊る。
 彼女の持つ多すぎる愛情が、デイジーをチャージして、そして仮面のフーレンたちを若津姫の神火嵐で激しく愛撫した。
 フーレンたちは苦痛でよろめく。
 けれど痛みを感じきる間もなく、デイジーの鋭い虎牙と、リチの烈光の掌が、フーレンたちへ追い打ちを掛けた。
 フーレンたちはうなだれて、膝を付く。
 誰が見ても、その命は風前の灯火、といったところだった。
「マスカレイドは、さよならなんだよっ!」
 マヌカは、想いを込めて紫色のキノコを、全力で投げつける。
 大量の煙を噴いたキノコがフーレンに命中して、煙が広がったかと思うとキノコは大爆発を起こした。
 フーレンたちはふにゃーと鳴いて倒れると、そのまま絶命する。
 この世界からまた、マスカレイドが消えた。


 4体のフーレンを倒すと、8名は山の中へ這入ってフーレンの巣を探して壊すことにした。
 用心のために、ステルスやカモフラージュのための上着を羽織るなどして。
 ナハトが囮として山に入った時、フーレンが走ってきた方向へと歩いて行くと、虎のものらしき足跡や、爪研ぎ痕のある木が見付かる。
「この近くに巣があるのかなぁ」
 辺りをきょろきょろ見回すデイジーの後方で、ジェリーは内心ほっとする。
 巣を探すより、早く餅を食べに行きたい、そんなところだった。
 足跡を追って歩いて行くうちに、次第に山は深くなる。
 デイジーは注意深く辺りの音に耳をそばだてていたけれど、フーレンの気配はないようだった。
「あった−!」
 不意にナハトが声を上げる。
 彼がバルカンのくろと共に見付けたのは、大きな木の麓にある草葉の敷き詰められた場所だった。
 そこには、しおれた椿の花や、干からびた花びらが散乱していた。
「フーレンさんたちは椿の花で何をしていたのかな?」
 その景色を目に、リチがふと漏らすと、
「花が好きだったのかな」
 デイジーが呟く。
「キネヲさんに少しでも早く椿の葉を持って行って、安心させてあげましょう」
 そんな二人にジェリーはにこりと笑みを浮かべると、草のねぐらを蹴り上げて、壊しに掛かった。
「他の子が棲み着かないように、壊しちゃいましょう」
 バクコもマフラーを振り上げて、それに続く。 


 帰り道、スアマ村の村人たちに、フーレンの巣を壊したことを伝えると、みんなほっとした顔を見せた。
 平和を守れた満足感と共に、椿餅への期待は高まっていく。

 8名が椿餅の葉をたっぷり摘んで茶屋へ持って行くと、キネヲはとても喜んだ。
「ありがとうございます! これで椿餅が作りたい放題です!」
 彼は深々と頭を下げると、
「それでは早速取りかかりましょう! きっと美味しくなりますよ!」
 と、茶屋の奥の台所の方へ行こうとすると、その背をナハトが追いかける。
「キネヲさーん! おれ、作ってるところ見学したい! いい?」
「どうぞどうぞ」
 するとルシックもキネヲに声を掛ける。
「あの、お手伝いをしようと思うのですが。体力にはそこそこ自信あるので」
「それは助かります! ありがとうございます!」
 ナハトとルシックは、キネヲと共に台所へ入っていく。

 一方6名は、店先にある緋色の縁台に腰掛けて、椿餅が来るのを今か今かと待ち侘びていた。
「おいしい椿餅、楽しみだね」
「ねーっ。まだかなぁ」
 リチとマヌカは縁台で脚をぶらぶらさせて、待っている。
 「お待たせしましたー!」
 その時、背後からキネヲの高らかな声が響いた。
 6名が一斉に振り返るとその目に、椿餅の山が飛び込む。
「お代わりなら幾らでもあります。好きなだけどうぞ」
 キネヲとルシック、ナハトは、ピンク色の餅の山をそれぞれの縁台に置いた。
 みんなで摘んだ椿の葉が薄ピンク色の餅に巻かれて、趣を添えていた。
 それは一足早い春を思わせる仕上がりだった。
「好きなだけって事は、好きなだけ幾らでもって事よね」
 アラレズの問いに、キネヲは「はい!」と満面の笑みで答える。
「ま、私はともかく……」
 と、アラレズは思わずビッグイーターの持ち主であるリチをちらっと見るけれど、目の前に積み上げられた椿餅の量は膨大で、ま、今日は大丈夫かな、とも思う。
 何はともあれ、椿餅。ということで、彼女は右手で餅を取ると、左手でも椿餅を取った。
「頂くわね」
 アラレズは両手に握った餅を交互にむしゃむしゃ食べる。
 彼女の食べっぷりに、キネヲは嬉しそうな顔を見せた。
 その脇でジェリーは、一心不乱に椿餅を次から次へと貪り喰って居る。
 まるで「人の視線なぞ食えない物に構ってられるかっ!」と言わんばかりの勢いで。
 小豆の風味とを生かした控えめな甘さに、ジェリーは幸せを感じながらも、食欲が先走って感想を言ってる暇はない。
『食事は量』もとい……『戦いは数』。昔、誰かが言った格言を信じて、ジェリーはただひたすら食べ続ける。
「うまっ! うまー!」
 ナハトは歓喜の声を上げながら、餅を食べては、抹茶を飲んで、また餅を食べての動作を繰り返している。
 口の周りは、抹茶の緑が付いているけどそんなことを気にしている暇はない。
 ナハトは嬉しそうに目を輝かせて、本当に好きなだけ、食べたいが儘に椿餅を食べていた。
 一方バクコは、戦闘中のゲス感を一転させて、優雅な振る舞いで椿餅に舌鼓を打つ。
「美味しいわねぇ」
 その言葉に反応したジェリーが「!?」と思わず彼女を見ると、
「何かするかと思った? そっちはフーレンちゃん達でお腹いっぱいよ」
 バクコは爽やかな笑顔を浮かべた。
「美味しいお餅だね」
 リチは三つ目の餅を食べながら、嬉しそうに言う。
 みんなが餅を食べている中、ルシックは抹茶を配り始める。
 それは、お茶を入れるのが得意な、彼女の淹れたものだった。
 アラレズはルシックから茶碗を受け取ると、ずず……とすする。
「……ふぅ、労働の味がするわ」
 彼女好みの熱めのお茶が、心地よく身体に沁み渡った。
 全員へ抹茶を配り終えると、ルシックはマヌカの隣の端っこに腰を下ろして、椿餅を口にする。
 もっちりとした食感と、上品な餡の風味がルシックの口の中に幸せを運ぶ。
「椿餅、美味しいねー。これなら幾らでも食べられそうだよ」
 二つ目の餅を手に、デイジーがにこにこと言う。
「美味しいと食べちゃいますね」
 椿餅は程々にしようと思っていたルシックだったけれど、その考えは甘味の前で緩やかに溶けて行く。
「ほんとだよー。食べ過ぎたら、お腹むちむちして来ちゃうかなー?」
 四つ目の椿餅を手に、マヌカが自分の腹をさする。
「大丈夫です。お茶は脂肪を分解するらしいので、気にせず食べましょう」
「そっか! それなら安心だねっ!」
 マヌカはルシックの言葉に、えへへへへーと嬉しそうに笑うと、早速抹茶をごくごく飲んだ。
「美味しい−。お茶とお餅の組み合わせって最高だよね!」
 マヌカが言うと、ルシックも自ら入れた抹茶を口にする。
「美味しいですね」
 濃厚な甘さが抹茶の渋みでさっぱりし、互いにその味を引き立て合うようだった。
 ルシックは、微かな笑みを浮かべる。
 椿餅の味わいは、8名の疲れを癒やしてくれる、そんな味わいだった。



マスター:森谷友貴 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:7人
作成日:2015/01/28
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