ステータス画面

外世界の戦い:祈りのカタチ

<オープニング>

 音も無く宙を進む、一振りの槍。垣間見えた光景は、端的に言えばそれだけのものだった。
 しかしその槍の大きさが規格外の代物である事は、その穂先が貫いた球体と比較すれば分かるだろう。
 槍に対して兜程度の大きさしかないその球体は、星だった。
 貫かれ、砕かれ、また槍の周りを跳び回る鋼鉄の羽虫によって蹂躙されるそこには、きっと多くの命が、文明が栄えていた事だろう。
 そしてまた、今まさに別の星が刺し貫かれようとしていた。
 星の現身の如く、生まれ出でた炎の腕が槍を受け止めようと試みるが、槍がその動きを止める事は無かった。

 青色の輝きを残して炎の腕が掻き消され、星がまた一つ終わりを迎える。

 しかしその直前で、滅び行く星から小さな光が一つ、離れて行った。
 槍は行く手を変えぬまま。しかし、確かにその光を捉えていた。

●観測
 外世界のエンディングによって集まった情報から、ギルタブリルと同様、世界を滅ぼす存在である『巨大な槍』により、幾つもの世界が滅ぼされている事が判明した。
 こうしている今も一つの世界が終わり、生き残った僅かな人々も、このままでは全滅させられてしまうだろう。
 だがこうして、我々がそれを捉えた今ならば、彼等に救いの手を差し伸べることができるかも知れない。

 この世界で生き残ったのは、彼等が『原初の炎』と呼ぶ存在に身を捧げた信徒達。
 敬虔なる彼等の祈りが通じたのかは定かでないが、間違いなくその『原初の炎』の最期の力によって、彼等の居た聖堂区域だけが宙を泳いでいた。
 向かう先は恐らく、残った希望の星。だが彼等が祈りを捧げ、彼等を護った存在は、巨大な槍の前に力尽きた。

「原初の炎よ、力無き我等をお護りください」
 上下に並んだ二対の目を閉じ、清い心を持った彼等は一心に祈りを捧げる。聖堂の中央に据えられているのは、炎と人を合わせたような不可思議な石像だ。
「応えよう、我が信徒達よ」
 その時、神を模したその石像に、光が宿った。
「おお、降臨なされた……」
「我等に導きを……」
 頭を垂れる彼等に向かって、石像が、そしてそれに宿った邪な存在が口を開いた。
「良いだろう。だが、その前に……穢れた者が、裏切り者が混ざっているな」
 思わず顔を見合わせる信徒達に、それは隠し切れない悦びを匂わせながら『託宣』を下した。
「導きは清き者にのみ与えられる。死を以って、その者を浄化せよ」

●希望の火
 私達の世界は、エンドブレイカーの活躍によってギルタブリルを撃退する事ができました。
 しかし、予知されたこの世界は滅び、僅かに生き残った者達も、破壊者の尖兵によって、殺し合いという最悪の形での結末を迎える事になるでしょう。
 この終焉を打ち砕けるのは、エンドブレイカーだけなのです。

 世界の瞳の力により、この聖堂の入り口付近に転移する事が出来ます。石像に宿った邪な存在を暴き、彼等をこの窮地から救ってください。
 敵はまず信者達を盾兼手下としてこちらにけしかけてくるでしょうが、そこを乗り越え、敵を戦闘の場に引きずり出せば自ずと正体は明らかになるでしょう。
 また、戦闘によって敵を倒した場合、石像は破壊されてしまいます。信心深く、まだ精神的に幼い彼等に、何か『希望の象徴』となる寄る辺を与えてあげてください。残念ですが元の石像は前衛芸術じみたデザインをしており、元通り再生するのは非常に困難です。

 無事この窮地を乗り越えるか、彼等が全滅した場合、皆様は世界の瞳の力でこちらの世界に戻ってくる事になります。


マスター:つじ 紹介ページ
戦いの場は外世界へ。舞台が凄い勢いで飛んで目が回りそうです。

●補足事項
 世界の瞳の扉での転移はエンドブレイカーしか利用できません。また、『両手に抱えるくらいの荷物を持って』移動することはできますが、生物は持ってこれません。

●敵
・原初の炎(偽)
 デモニスタ、魔道書のアビリティに準拠したものを使ってきます。正体を隠すためか、戦闘開始直後は攻撃してきません。

・信者達
 生存者のリーダー格で、総勢二十名ほど。戦い慣れは全くしていませんが、『託宣』に従い戦います。炎の色は透き通った青。
 和魂之鎮歌、業炎斬、イラプションに準拠した攻撃をしてきます。

●フィールド
 教会の聖堂に良く似た場所です。祭壇といくつもの長椅子、高い柱と天井。物理的な壁は存在しませんが、見えない力で光と、外部から隔てる壁が生み出されています。
 下層には他に生存者が大勢いますが、聖域にあたるここには入ってきません。
 また、戦闘程度で聖堂そのものが壊れる事は無さそうです。

 以上です。どうぞ皆様の手で、希望の火を繋いでください。
参加者
破城鎚・アイネアス(c00387)
その名は禍剋・キリヤ(c02553)
青空に響く歌声・カイジュ(c03908)
ランサー・ソシエゴ(c14053)
赤青オルビス・アルカ(c23651)
水面石・センテリェオ(c28018)
夜機巧少女・ルミティア(c30986)
日輪の天剣騎士・レオンハルト(c35756)

<リプレイ>

●救いの手
「裏切り者を浄化せよ。さすれば導きの光を授けよう」
 光を宿した石像から声が響く。祈りが通じたと喜んでいた信徒達に、動揺が走った。
「そんな……我等の中に背信者が?」
「『原初の炎』よ、それは一体……!」
 誰なのか、という問いへの答えは巧みにはぐらかされる。だが蒔かれた疑心暗鬼の種が芽吹く寸前に、聖堂の入り口に8人の男女が現れた。
「その必要は無いわ! 貴方達の祈りは今、届いた!」
 そのうちの一人、機巧鎧の内から夜機巧少女・ルミティア(c30986)が高らかに言い放つ。
「なっ、何者……!?」
 世界の瞳の効力など彼等には知る由もないだろう。転送されたエンドブレイカー達はそれぞれに、そして堂々と異界の住人達に名乗りを上げた。
「俺の名はキリヤ! 終焉を弾く禍剋の砕音だ!!」
「ボク達は悪しき終焉を打ち砕く者!」
「我等は、エンドブレイカーである」
 その名は禍剋・キリヤ(c02553)、そして日輪の天剣騎士・レオンハルト(c35756)の声に続き、破城鎚・アイネアス(c00387)が進み出る。
「お前達は、炎を消した者が差し向けた刺客により全滅する。その終焉、変える意志があるのであれば手を貸そう」
 その言は単刀直入。だが突きつけられた言葉に応じたのは、鈍く輝く石像だった。
「異端の徒、あの槍の尖兵か。我が聖域にまで紛れ込むとは……」
 空気を振るわせるのとはまた違う声音が、その場に居る全員の頭に響く。それは意思表示ではなく、『聞かせるため』の言葉だった。
「許せぬ。彼奴等の首を炎に捧げよ」
 突然の乱入者に、状況判断が付かない様子の信徒達だったが……。
「本当に、やるのか……?」
「だが、『原初の炎』が、そう仰っている」
 背信者が居る、という先程の言葉が思考を縛る。彼等は躊躇いがちに祭事用の剣を手に取った。
「やめてください、私達は敵ではありません」
 棍を手に構えつつ、青空に響く歌声・カイジュ(c03908)が口を開く。
「原初の炎様が殺し合いなんて託宣をされると、本当に思っておいでなのですか?」
 じり、と微かに距離を詰めつつ、両者は睨み合う。
「槍の尖兵はそっちじゃないの。……神を騙る者、あなたの好きにはさせないのよ?」
「異端者よ。貴様等の空言で我が僕等の信仰は揺るがぬ」
 ルミティアに対する石像の言葉が、緊張に震える信徒達の背を押した。
「許せ……ッ!」
 意を決した叫びと共に、青く透き通った炎が地面から噴き上がる。戦いの火蓋が切って落とされた。

●炎の信徒
「『我が僕』、ときたか」
 ランサー・ソシエゴ(c14053)が前進し、目の前で弾け飛んだ炎を切り抜ける。
「さっき背信者がどうとか言っていた気がするが?」
 矛盾を突くように挑発し、槍を地面に突き立てる。同時に地から発生した大量の槍が、信徒達に襲い掛かった。
「うわ、あああ!?」
 足を貫かれた信徒が悲鳴を上げる。やはり、最初の印象と同じくこの者達は戦いに慣れていない。赤青オルビス・アルカ(c23651)の不可視の衝撃波で右往左往する様子に、水面石・センテリェオ(c28018)もまた信徒達に声をかけた。
「通して貰おう。俺達が用があるのはあの石像だ」
「そんなこと、させはしない……!」
 恐慌に似た状況に陥りながらも、信徒の一人がまた炎を迸らせる。次々と発生する青い炎の合間を抜け、薔薇舞う剣戟を彼女は放った。
 エンドブレイカー達の取った方針は『不殺』。極力争いと、そして最悪の形である殺害は避け、現状を切り抜ける事に特化している。
「頭を冷やせ! あんた達が信じているのは、こんな状況で助けよりも先に裁判ごっこを始めるような奴なのか?」
 バトルトークも駆使してキリヤが詰め寄る。さらに後に続いたアイネアスも、キリヤ同様大剣を大きく振り抜いた。
「お前達の信じるモノだ。よく考えるが良い」
 二人の放ったワイルドスイングにより、信徒の何人かが壁へと叩き付けられた。だが相手は20人。ちょっとやそっとでは道は拓かれず、逆に度重なる火炎が彼等を襲う。

「貴方達は騙されているのです! 全てはあのモノの秘めた欲望の為!」
 兜を被り、戦いに出向くレオンハルトの言葉に、ルミティアが呼応する。
「敬虔なる信徒諸君に問いましょう! 貴方達に武器を取らせ、戦いを強いて、こうして血を流させている存在は、あの巨大な槍に立ち向かい貴方達を護った神と同一だと言えるかしら?」
 打ち払った翼が風を生み、目前の一人と、その炎を衝撃波で襲う。
「私は否だと思う! 今から死などもたらさずとも救いを実現してみせましょう! 我々こそが貴方達の祈りに引き寄せられた、真の存在だと証明してあげるわ!」
「扇動者よ。異端の魔女よ。使徒を騙る罪の重さを知るが良い」
 釘を刺すように石像が応じる。揺さぶりにはなっているのだろうが、それはまだ『言いがかり』の域を出ていないようだ。

 信徒達は明らかに場慣れしていない。同士討ちを恐れているのか、攻撃の頻度も多くは無いが……。
「『原初の炎』に、手は出させません……!」
 立ち塞がるその動きに躊躇いは無い。切り込んだキリヤ等の足もそこで止まってしまう。
 取り囲まれるのを防ぐべくセンテリェオ、レオンハルトが後を追い、信徒達と刃を交える。
 方針は当初の予定通り。鍔迫り合いの末、レオンハルトは信者の一人の武装を弾き飛ばした。
「生憎だが、貴様の本性を見せるまでは彼等を手にかける訳にはいかないからな!」
 視線の先は当然、鎮座する石像だ。アルカの衝撃波もまた武装解除に一役買い、彼等は徐々に目標へと向かっていった。
「この身を捧げます、『原初の炎』よ……!」
 そんな中、センテリェオを焼く炎の中へ、刀剣を構えた一人が身を踊らせる。
「この……ッ」
 咄嗟に動いた彼女は暗殺シューズの刃を相手の得物に叩きつけ、炎から押し出した。
「殉教者を気取るのは勝手だけどね。……感心はしない」
 体に付いた火を消しながら、センテリェオは仰向けに倒れたその女性信者が巻き添えにならぬよう一歩下がる。
「どうして……」
「異邦の存在を否定するのは構わんよ。しかしそれでも俺は、貴方達を護るつもりでここにいる」
 何故助けたのか、そう問いかける信徒を一瞥して言葉を返し、彼女はまた仲間達の共に戦うべく前を向く。その信徒が、剣を手に立ち上がる事はもうなかった。

 説得の効果は十分にあったか。こちらの言葉が相手方に染み渡るのを見計らい、ソシエゴが口を開く。
「俺達の言葉で像に対して疑念を抱いた者、また争いを嫌う者は武器を置いてくれ。
 俺達は殺し合いをしに来たんじゃない」
 信徒達の足が鈍る。武器を捨てこそしないものの、互いの顔を見合わせる者は何人か居た。
「しかし――」
 けれど、それでもなお決めきれぬ彼等を、レオンハルトが一喝した。
「貴方達には――意思があるでしょう!」
 信じる心があるのは良い。だが盲信では意味が無い。自分で考えろと言う彼の言葉に、びくりと彼等の体が震える。逡巡からか、完全に足が止まった。
 その合間を縫い、先頭に居たキリヤとアイネアスがそれぞれ石像へと切り込む。
 だがその手が届く寸前に、キリヤの右腕が、アイネアスの片足が、石像から放たれた影により石化する。
「背信者が明らかになったようだな。我が信徒よ、彼等に裁きを与えるのだ」
 足を止めた者達を殺せと石像は語る。だがそれに従う者は、もうここにはいなかった。
「申し訳ありません『原初の炎』よ。我々はこの者達に惑わされています」
「どうかその輝かしき炎で、この者達に浄化のお力を……!」
 逆に、信徒達が口々に懇願する。
「さあ、信徒と異教徒に奇跡の一つでも出して見せろ」
「……」
 キリヤの言葉に、舌打ちするような気配が返る。
「もう少し使い物になるかと思っていたんだがな。ここまで弱く、脆いとは……」
 嘲るような言葉と共に、石像から毒の雲が噴出した。

 光の宿った石像が立ち上がる。だが所々が黒く変質したその姿に、神々しさは微塵も無い。
 『原初の炎』などではない、敵は本性を露にした。
「そんな……!」
 恐らくは、薄々信徒達にも分かっていたはずだ。だが、すがりついていた一縷の望みも、ここで潰えた。
「再び問う」
 石像へと向き、彼等に背を向けたままアイネアスが口を開く。
「この終焉を変える意志はあるか」
 今度は、もう代わりに答える者はいない。
「祈りに応え、皆様を救われた『原初の炎』の願いを、皆様なら判っておられるはず」
 カイジュの重ねた言葉に、彼等の一人が頷いた。
「……我々は、ここで終わるわけにはいかない」
「承知した」

●尖兵
「シャルラッハロート家十三代目当主レオンハルト、いざ参る!」
 動き出した石像に対して名乗りを上げ、剣を掲げる。そこに宿る太陽の光が影を照らす。
「魂までも灼く炎がどういうものなのか、わたくしが教えて差し上げます」
「運命を撃ち砕きましょう、もう一息です!」
 アルカの手により不死鳥が舞い、カイジュの歌声がそれにを飾る。ここまでの戦いの傷が癒えていく。
「行くぞ」
 さらに信徒を巻き込むことに抵抗の無い敵を、アイネアスのオーラの城壁が取り囲んだ。
「無駄な抵抗を……」
 石像から伸びた影が奔流と化し、触手の如く動き回る。牙持つ口がその表面に生じ、レオンハルトへと襲い掛かった。

「跪き、祈れ。俺が貴様等の新たな神だ」
 石像の背に翼が生じ、光弾がまたエンドブレイカー達を穿つ。槍の尖兵の攻撃は多岐に渡り、彼等を苦しめていくが……。
「……これ以上彼らの信仰を穢すことは赦さない」
 それで折れる彼等ではない。ルミティアの力強く羽ばたいた双翼が、烈風を叩き付けた。
「力を、貸してもらうよ」
 その隙にセンテリェオが浮かんだ結晶を導き、これまで溜めておいた光を乗せて、傷付いたレオンハルトを包む。言うなればこれは、彼女の信仰する力だろうか。
「日輪の輝きよ! 我が剣に宿れ!」
 反撃を返したレオンハルトが再度、剣に光を宿らせる。
「砕 音…… 冴 祷!!」
 囲むように後ろに回ったキリヤと共に、二条の斬光が石像に深く傷を刻んだ。

 信徒達の放つ炎を掻い潜るのは、決して楽な道ではなかった。癒しの力をもってしても、その傷が完全に消えたとはとても言えないだろう。
 だがこの程度の逆境ならば、彼等エンドブレイカー達は何度も乗り越えてきた。
「幸せを、未来を目指す意思が望む世界を形作るんです、この即興曲のように!」
 カイジュの奏でる音色が敵の精神を追い詰める。
「忌々しい、忌々しい! お前たちも、あの炎も!」
 焦りを露にしだした石像を、アイネアスの鎚が黙らせる。そして頭部に当たる部分を砕かれた石像の前に、ソシエゴが飛び込んだ。
「神を騙ったお前の行く先は地獄だ……槍地獄ッ!!」
 突き立てられる槍と同時に、地面から無数の穂先が飛び出す。
「その命、撒き散らせ!」
 石像の各部を割り、抉り、貫く。
「ぐ、おお……!?」
 断末魔の苦鳴を残し、石像は倒れ、粉々に砕け散った。

●祈りの形
 無事敵を退けたエンドブレイカー達は、『原初の炎』の信徒達の様子を見る。
 センテリェオと、ネクタイを緩めたソシエゴは仲間を含めた負傷者の治療に走り、アルカやカイジュはその間に情報の交換を試みる。
 エンドブレイカーの存在と、次元移動存在という脅威についてアルカが説明し、カイジュは彼等の星の滅びが突然訪れた事、槍に付き従う鋼鉄の……蟹のような形状のものが滅びた星から資源を奪っていった事を聞いた。
 ある程度の交流が済み、いつしか信徒達の視線は崩れ去った石像へと集まっていた。先程までの戦いの興奮が冷め、今は喪失の痛みに耐えているようだ。
「……あんた達の神様は多分もう助けに来られない、代わりに俺達が来たのが何より証拠だ」
 そんな彼等にキリヤが声をかけ、空になった台座へと歩み寄る。
「祈るのをやめろってんじゃないさ。だがこれから先も、全部神様に押し付けていくわけにはいかないだろ?」
 そこに突き立てられたのは、数本のフレイムソードだった。

 石像の失われた、空の台座に剣が据えられる。信仰対象とは違う、新たな寄る辺。
「……そうですね。導きはもう、得られないのかも知れません」
 『原初の炎』の信徒達は、苦悩と、そして決意を込めた目をそれに注ぐ。
「我々は、自ら道を切り拓いていくべきなのでしょう」
 それは、彼等にとっての自立を意味する。フレイムソードに、透き通った青の炎が宿った。

 彼等が決意を新たにする傍ら、この聖域の向かう先にルミティアが気付く。
「スピードが落ちて来ている……目的地はあそこみたいね」
 先程から外部に見えていた青い星。そこが終着点となるようだ。
 レオンハルトもそちらへと目を凝らす。近付くにつれ、星の周囲には様々な形の『船』が集まって来ている事が分かる。
「他の方々も、ここに向かっていたようですね」
 形は様々。統一感に欠けるのは、こちらと同じような事情の者達が多いからだろう。恐らくは、他のエンドブレイカー達が救った船も少なくは無いはずだ。
「こうも沢山、仲間が居るとは……」
 信徒の一人が感嘆の声を上げる。ここに導いてくれた者の意思を察しての事だろう。
「……ありがとうございました。私達は、もう大丈夫です」
 彼等は四つの目を閉じ、感謝の意を口にする。その言葉の半分は、勿論彼等を救ったエンドブレイカー達に向けられていた。

「ありがとうございました。我々にとって、貴方達は救世主です」
「やめてくれ、これからは自分で道を切り拓くんだろう?」
 キリヤが苦笑混じりに答える。
「達者でな」
「貴方達も、ご無事で」
 最後にそう言葉を交わし、一同は沢山の漂流者達に見送られ、自らの世界へと帰還する。
 徐々に近付いていく青い星、そしてそこに集まった船団からはどこか忙しなく動き回る気配が感じられる。彼等は逃げ出すのではなく、戦うつもりなのだろう。決戦ではこの『原初の炎』の信徒達も、一戦力として剣を手にするに違いない。
「彼等なら、戦えるだろう」
「ああ、けれど願わくば……」
 アイネアスの言葉に、センテリェオが頷く。しかしそんな言葉が出てくるのは、アイネアスもまた同じ懸念を抱いている証左だろう。

 共通の、あの終焉を見た者達は同じ事を考えていた。
 この戦力で、果たしてあの巨大な槍を止められるのか……?



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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2015/06/22
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