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シャルムーンデイの贈り物

<オープニング>

 もうすぐシャルムーンデイを迎える。
 エルフヘイムでは、その良き日を迎えるための準備が着々と進められていた。
「皆さん、朗報ですよ」
 竪琴の魔曲使い・ミラ(cn0007)は、シャルムーンデイに参加する者達へと呼びかけた。
「エルフヘイムに伝わる伝説のチョコに使われた木の実が、エメラルドパレスというところで発見されたんです」
 驚くエンドブレイカー達にミラは続ける。
「伝説のチョコが私達の手で、作れるということですよ」
 人差し指を口元に当てながら、ミラは説明していく。
 その伝説の木の実で作ったお菓子を作れば、どんな相手でも結ばれるのではないかとのこと。
「だって、伝説の木の実ですよ。それに……その伝説のチョコというのも、食べてみたいと思いませんか?」
 恋する相手を虜にするお菓子。
 伝説の木の実が使えるのなら、使わない手はないだろう。
 さあ、君もあなたも、伝説のチョコ作りを体験してみないか?


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<リプレイ>

●作ろう伝説のチョコレート
 伝説のチョコレートを作るために集まったのは、320人。
 そのため、広い会場が用意された。調理に必要な材料やレシピ、調理道具の貸し出しも行なわれ、心置きなくチョコ作りに専念できる環境も整えられていた。
 型抜きしたチョコにパウダーをまぶすのは、ラフィニア(c00082)。
(「そういえば、手作りの物を彼にプレゼントするのは、初めてかも……」)
 思わずラフィニアの顔が綻ぶ。
 ひよこぬいぐるみのぴよさんとチョコを作るのは、エルス(c00100)。
「全部これに入れて、しっかり封印して……そうしたらもう……」
 そういって、エルスは首を振った。
「う、ううん、なんでもないっ! チョコ作りに専念しないと!」
 そんなエルスの様子にぴよさんは、やれやれと言ったポーズをした。
「これが伝説のチョコレート! いつも店で頑張ってくれている皆へ、感謝の思いを込めるのだ〜」
 そう、レイジュ(c00135)が作ったのはナス型のチョコレート。
「おぼろやのスペシャルボーナスだよ。ナスの形をしたチョコなのだ。皆に感謝の気持ちを込めて作ったんだよ」
 これをきっかけに、恋が叶うチョコを販売するのもいいかもと、レイジュは思った。
(「思い切って、いつも私を楽しませてくれるあの人に贈ろうかな?」)
 スライスしたイチゴを挟んで作ったチョコケーキ。マルグリット(c00177)の作ったケーキは誰に渡るのだろうか?
 その隣では、アナボリック(c00207)が、不器用ながらも懸命に作ったチョコを色紙に包んでいく。
「それにしても……似合わないな」
 世の中そう言う事もある。そう思いながらもアナボリックは作業を続ける。全てのチョコを包むまで。
 美味しくなぁれ、甘くなぁれとケーキを作るローゼリィ(c00261)。
「気に入ってくれるといいな」
 心を込めて作った箱入りのケーキは、護ってくれると約束してくれたハルキの元へ。
 ルミネール(c00275)が、日々の感謝を込めて作るのは、チョコクッキー。
 それとは別にこっそり作るクッキーも。甘めの強いそのクッキーは、好意を持ってる茶のみ友達へ。
 どきどきしながら、プリュム(c00386)はこの場に来ている。
「甘いものが好きな人だし……うーん、フォンダンショコラでいいかな?」
 プリュムの渡す相手を思い浮かべながら。きっと美味しいチョコが出来るだろう。
「出来たー!」
 ミルラ(c00450)は、嬉しそうな声を上げて、出来立てのタルトをさっそくパクリ。
「うんっ、美味しいっ!」
 これならあの人も喜んでもらえるだろうか? 笑顔でミルラはタルトを綺麗に包装。
「あんまり自信はないんだよな……」
 そういって、マコト(c00561)は、チョコを形作る。
「あっ……」
 星霊バルカンを模したパンを作ろうとして、ちょっと失敗したようだ。
「ここをこうして……」
 真剣な表情でココネ(c00590)はチョコレートを可愛くデコレーション。
「よし、上手くできたっと♪ ……あ、マコトさん、大丈夫?」
 ココネの前にできたのは、可愛くデコレーションできたチョコ。けれどマコトのチョコは大変なことになっているっぽい。そんなマコトにココネは助け舟を出すことにする。
「単なる感謝の気持ちでは御座いませんわよ♪」
 今まで世話になったお礼に、大事な仲間の証としての想い。
 ロゼッタ(c00618)の薔薇の添えられたチョコには、沢山の想いが込められている。
 型に入れて冷やした一口大のチョコに、上からココアパウダーを軽くふるえば完成だ。
「喜んでくれると良いなぁ」
 ずーっと傍で仲良くいられるようにと願いを込めながら、エイデル(c00681)は微笑んだ。
「え、えーと湯煎にするっつーけど……」
 周りを見ながら、レジェス(c00824)は。
 ぼちゃん。
 湯の中にチョコを入れた!
「あ、あの……湯に入れるのではなくて、こうやって、湯の温度で溶かすものなのよ」
「へ?」
 どろどろに溶けて大変なことになっているレジェスのチョコは、近くにいたエスト(c00886)の手助けにより、再度、作り直すことになった。
 ちなみにエストは、春待ちの新芽と蕾の歌を口ずさみながら、金色のアラザンと金箔を使ったチョコを見事に完成させていた。
「私がその人の為に一生を尽くすと誓い、永遠の幸せを願い……誰よりも愛しく、誰よりも恋しい。その人の名は……私です、人呼んでスウィート・デスです」
 そんな自己紹介の後、何事もなくチョコを作るのはスウィート(c00994)。
 見栄えも気にせず味のみを追求する、自分のためのご褒美。その素敵なスイートな出来にスウィートは思わず笑みを零す。
「チョコ作りか。楽しみだなー」
 お菓子作りが好きなリーシャ(c01056)は、作る日を楽しみにしていた。
 チョコを湯煎で溶かして、他の材料を混ぜて、出来たのは美味しそうなブラウニー。きっとこのブラウニーを食べた者は、今年一年幸せに過ごせることだろう、たぶん。
「ふふ……大切な人にチョコレートで想いを伝える……なんて素敵な催しでしょう」
 ユーレティア(c01074)は、フォーチュンクッキーをまねて、銀色の薄いプレートをひとつだけ入れて。プレートには愛の言葉を刻む。
(「大切なあの人に、想い、届きますように……」)
 そんな想いを込めて。
 ホワイトチョコを使って、薔薇を作るのはナナリー(c01098)。
「……我ながらハードルが高いが、エクセレントな成果には努力が必要だしな」
 エプロンをぎゅっと掴んで、気合充分! 一枚一枚花びらを作って重ねていった。
「むー、下手にパーツ作って組もうとしてるから、上手くいかないんだ、きっと!」
 カーマイン(c01137)は、星霊を模したチョコを作ろうとして、失敗した。なので、今度はチョコの塊を削って、再度トライ!
「んー、美味しい!」
 味見がてら、削ったチョコを食べながら頑張る。ちょっと削りかすが多いのは、気のせいだろうか? なんとか完成したチョコは、いつもお世話になってるあの人に。
 たくさんのショコラクッキーを作り、レイン(c01239)は笑みを浮かべた。
 クッキーのほかにも美味しそうなフォンダンショコラも。
「美味しそうね、そのフォンダンショコラ」
 シヅマ(c01255)に声をかけられ。
「じ、自分の分は、ちゃっちゃと終わらせちゃいますから!」
 慌てふためくレインも話を変えるために質問。
「そういうシヅマさんは、そのひまわりのチョコ、誰かにあげるんですか?」
「相手? 相手は勿論自分! ……と、それから、あんま話した事無いけど、ちょっと興味のある奴に。って……それだけ! 他意は無い、わよ!」
 シヅマはそう言って顔を真っ赤にさせていた。どうやら二人には想う人がいるようだ。
 久しぶりにリコリス(c01337)は、お菓子作りに挑戦。
 上手に作れるかどうか不安があったが、その腕は衰えることもなく。
「これでいいですね」
 彼女の前に、三日月型にデコレーションした甘さ控えめのガトーショコラがお目見えした。
「男のほうから彼女にチョコ贈っても……いいんだよね?」
 カナタ(c01429)は、女性と見間違える自分を好きだと言ってくれた彼女の為に作る。
 ごめんなさいと感謝の気持ちをこめたチョコレート。完成したチョコレートは、愛らしい大地の星霊の姿をしていた。
「歴史書によると、チョコレートは元々、飲み物として扱われていたそうですね」
 そう告げるのはムニン(c01558)。道具を用意して、すぐに飲めるよう出来たチョコを粉末状に仕上げていく。大きな瓶と小さな瓶。
「ひとつは、あの人の為に」
 愛おしそうにムニンは小さな瓶にそっと触れた。
 大好きな人の顔を思い浮かべながら、コハク(c01574)は、チョコの形を整えて。
「で、でもでも! 形じゃなくて気持ちですよね!」
 大好きの気持ちが伝わりますように、と心を込めながら一つずつ不器用な手で丸めて出来たのは、コハク特製トリュフ。
 ルナ(c01659)もまた、料理が苦手だ。実はこの日を迎える前に、毎日練習し、食べれるものが作れるようになった。
「まだ焦げるところも目立つけど、それ以外は大丈夫!」
 完成した小さなハート形のチョコレートクッキーを、幸せそうに見つめて。
「素直な味を目指してみたのだけど……どうだろう?」
 そう、クロシェット(c01679)は、自分の作ったチョコを味見してみる。
「うん、いい感じだ」
 思わず、笑みが零れるくらい、美味しいチョコができたようだ。
 周りを見渡して、ユミナ(c01686)は思わず呟いた。
「……誰かの為に作るとなると、やはり気合の入り方が違うのかしらね?」
 自分もいずれ、そのような気持ちで作ることがあるだろうか?
「……まあ、失敗しなければいいわ」

 会場の隅っこで隠れるようにチョコを作るのは、アデルバート(c01702)。
 と、一つだけ、ちょっと趣が違うチョコが。
「ギャアアア! 見るな! 見るなあ!」
 どうやら恥ずかしくなるくらい特別なものらしい。
 こういう機会でないと、チョコ作りはしないだろうと、キュリア(c01914)は思う。
「あら〜? あそこに〜居るのは〜、エルメスさ〜んでしょう〜か〜?」
 驚くからと声をかけずにキュリアは、丁寧に材料を混ぜて、ちょっと味見。
「ん〜、チョコ〜美味しいです〜」
 完成したのは、口溶けのよいミルクトリュフ。
 刻んだチョコにバターを加え、湯煎で溶かし、奇跡の実とくるみを入れて、大きく1枚に焼いたのを適当にカット。ミーアシャム(c01990)が作っているのは、チョコレートブラウニー。自分のための自分だけのもの。
「今年は自分用だけど、次は旅団員のみんなのために作りたいなあ」
 テオバルト(c02419)は、マスターのためにチョコの入ったスコーンを作る。
「こういう関係は珍しいかしら?」
 異性でありながら恋仲ではないガーディアン。けれど、テオバルトにとっては、それが大切なものに感じる。だからこそ、今作っているスコーンには、沢山の感謝を込めて。
 スピカを肩に乗せて、エミリオ(c02422)は、見よう見まねでチョコを作る。いつも遊んでもらっているから、お返しがしたいのだ。
「味見は重要だよね、ウィズ?」
 同時にチョコを頬張り、互いに笑みを浮かべた。
「チョコレートかぁ。言葉を話せないお姫様のお菓子だから、言葉の代わりに想いを伝えてくれるのかな」
 恋色の奇跡のレシピを読み解きながら、ヴェロニカ(c02508)はチョコを作る。
 大好きなフレデリカへの気持ちをたくさん込めて。
 本当は、伝説の味を自分でも食べてみたいから来たのだけれど。
「くるみは砕いてバナナは輪切りに……あれ? 大きさが……」
 今度は慎重にと、キアラ(c02531)は、仕上げの粉糖をエルフヘイム型の型を使って、はみ出した。
「……こ、籠めた気持ちと味は保証するんだよ!」
 ここにはいない誰かに言い訳するかのように、キアラはそう叫んだ。
「………?」
 サイレント(c02623)は首を傾げつつも、奇跡の実を炙って、煮込んで、炒めて、やっぱり何かが違う。
「………!!!」
 身振りでやっとサイレントは、チョコの作り方を教えてもらった。完成したのは、サイレントの顔が描かれたチョコレート。きっと彼女のマスターも喜ぶことだろう。
 とても真剣な眼差しで、レシピを見ているのは、シアリズ(c02856)。
「失敗しないように気をつけないと!」
 レシピにないことをしないように、気を張りながら作っていく。
 辺りを見渡して、クレス(c02885)は、自分の存在が場違いかもと感じる。
 けれど、気にしないっ!
「そういや、特定の1人に贈るってのは初めてかも……?」
 贈る相手のことを考えると、くすぐったいような、あたたかい気持ちになるのは……気のせいだろうか?
 伝説のチョコが気になってきたのは、アルバ(c03383)。
「チョコってどうやって作るんすかねー? 見よう見まねでやれば、それなりのモンが出来上がるっすよね、多分!」
 果たして、アルバは伝説のチョコにありつけれるのだろうか?

●一緒に作ろうチョコレート
 一人で作るのも楽しいが、やはり友と共に作るのも楽しい。
「ポウ、飾り付けの準備できてるかー?」
 ケント(c17747)の前にあるのは、クッキーで作ったお菓子の家。その家の屋根には美味しいチョコがかかっている。
「見て見てケント。これ、お前さんに似てない? 凛々しいイケメンにしてやるよ」
 ぽんと、ポウ(c18861)が、その家の傍に立てたのは、ケントに似た人型クッキー。後でポウのクッキーも横に置かれることとなる。
 ふと、ユノ(c16228)は、隣のヤママヤー(c13150)の作るチョコを見た。巨大でかぶりつかないと食べられないほどのチョコに目を真ん丸とする。
「ユノっちは、どんなの作ってるっすかー?」
「パラソル型のチョコですよ。日頃、お世話になった皆さんにもしたいので」
 小さな傘のチョコはたくさん作られるようだ。
 リラ(c09433)の作る花のクッキーにヴェルデュール(c18069)は。
「さすがリラ様、お心がこもっておいでですの」
「そういうヴェルも素敵なチョコね……あら?」
 リラが視線の先に見つけたのは、鎧が目立つジョルディ(c00919)だった。やけにノリノリだ。二人に声をかけられ、ジョルディはかなり驚いていたが。
「せ、せっかくなので、一緒に作りませんか!」
 そのジョルディの申し出に二人は、笑顔で迎え入れるのであった。

 小さなチョコケーキを手にシャスカ(c06630)は。
「ふむふむ、恋する相手を虜にす……いや、べ、べべべつにものに頼ろうなんて! 思ってないけれど、わ、わわわらうな! わらうな!」
 そんな慌てふためくシャスカの姿にノア(c10055)は、微笑ましく思う。
「よーし、私も虜にさせちゃうぞー」
 そんなノアが作ったのは、大人の味の生チョコ。
 お揃いのエプロンで作るのは、ヒヨリ(c11600)とシディアン(c12196)。
「えへへ、女の子同士って感じですねー」
 なんだか、ヒヨリは楽しそうだ。と、隣のシディアンはサードアームを巧みに使って……もの凄く頑丈そうなお菓子の家を作っていた。
「ヒヨリにあげようと思うのだが……食べ難そうだ」
 材料を混ぜながら、シャルロット(c06521)は美味しくなるおまじないをかけていた。
「おいしくなーれ、おいしくなーれっ」
 その隣でステュクス(c14743)は。
「ステ式スペシャルチョコを生み出してやる!」
 気合充分! そんな二人を微笑ましく見守りながら、チョコを作るのはエリック(c13978)。
「完成したら、チョコ交換だね」
 そのエリックの言葉に二人は嬉しそうに頷いた。
 中には恋人同士で作る者も。
「チョコが恋の味と言うなら、自分のはとびきり甘くなりそう。でも苦い味も時にはあるかな?」
 そんなヴェルメリー(c04706)の言葉に。
「……そうだね、時々苦いこともあるかもしれないけど。想いを交わして絆を強くすることに必要なら……その苦さも乗り越えようね、一緒に」
 カンパニュラ(c13030)は、そう彼女の耳元に囁く。二人の作るチョコはきっと……。(「ふふ、喜んで食べてくれる顔を想像しただけで、嬉しくなってしまうね」)
 ラブラドライト(c11943)のケーキが、ちゃくちゃくと形になっていく。
「ん♪ 上手に出来た! これも手伝ってくれた、ラブのお陰ね!」
 隣でシェキーラ(c03472)が、嬉しそうな声を上げて、出来たケーキをラッピング。そんな姿のラブラドライトは微笑ましく見つめていた。
 シェキーラはまだ、知らない。少し離れた場所で、アムオス(c06013)がお菓子を作っていることに。そう、新たな家族を迎えるためのお祝いの大福を。
 いよいよ仕上げだ。オールドローズ(c03303)は、少々手際が悪いが、一生懸命に完成したお菓子にリボンでラッピングを……。
「バーバラお姉ちゃん……リボンが、綺麗に、結べない、の……」
 そんなオールドローズに笑みを浮かべながら、バーバラ(c06489)はそっと教える。
「い〜い、ロゼちゃん? こうするのよぅ」
 バーバラの得意のラッピングが、オールドローズの菓子を彩っていく。
 偶然出会うのも、嬉しいものだ。それが親しい相手ならなおさらだ。
「一緒に頑張ろうねー♪」
 ルゥル(c02933)は、少し離れたところでプティパ(c13983)の姿を見つけて、手を振った。もちろん、プティパも手を振り返す。
「私も頑張らないと」
 ルゥルのことを遠くから応援しながら、プティパも精一杯の気持ちを込めたハートチョコを作っていくのであった。

●みんなで作ろうチョコレート
 一人や好きな友達と作る者もいれば、旅団の仲間で作る者もいる。
「美味しいものを作るには愛情が一番! てことでエクゼ、好きな人のお話聞か……」
 ディアナ(c01140)がそう、チョコを作るエクゼクティブ(c00015)に尋ねようとした、その時であった。
「エクゼだめー、アレンジだめー!」
「エクゼちゃん、変なアレンジはだめよー?」
 カムパネルラ(c00864)とシラベ(c00041)が、怪しいものを手にするエクゼクティブを止めた。
「あ、あは。こんなことしたらダメッすよね」
 【ポジティブ女子会】の面々は、楽しげにチョコを作っていた。

 【夢幻亭女性陣】のイザベラ(c07570)が尋ねる。
「そういえば、皆さんはどなたに差し上げるんですか?」
 その言葉にテティ(c10575)は思わず、持っていたコルネを握りつぶしてしまった。
「ど、どうしました、テティさん!? コルネが!」
 あわててリーゼロッテ(c05241)が駆けつける。
「な、なんでもないですっ、大丈夫です!」
 ヘルプを出すテティにユキハ(c00081)は。
「贈る相手なんて、ライくらいしかいないわよ」
「俺は当然、エレにやるよ」
 ユキハに次いで、レアリア(c03839)も。
 その話題にレイ(c01956)とタオ(c02608)は、静かに耳を傾けている。
「自分は旅団の皆にあげたいなぁ、なンて思うンすけど、特定の方にあげる人って、聞くのは野暮ッスかね?」
 投げかけるアカシ(c15681)の視線に。
「わ、私か? そ、そんなに見つめられても困るぞ」
 ニクス(c00730)は慌てふためく。
「私は兄様に渡します」
「パパとお世話になってる皆になの!」
 続くリューティス(c11970)とメルティア(c13082)の言葉に、皆は笑みを浮かべたのであった。

 ここでは【LION=HEART】の面々が集まって、チョコ作りを行なっている。
「結構難しいね……ちょっと甘く見ていたかなあ?」
 セリカ(c01569)はそう言いながらも、シェナム(c00119)にユーフォニア(c03103)、シシィ(c03556)らと共にチョコを作っていく。
「わ、やっぱり皆さん、真剣ですね〜」
 教わりながらミニュイ(c12035)も、順調のようである。
「こっちは順調だから、手伝えることがあれば遠慮なくどうぞ」
 フィラメント(c11525)の言葉に。
「へるぷみー!」
 見よう見まねで作っていたパメラ(c04182)が置いてかれて、助けを求める。そこに駆けつけたのは。
「大丈夫?」
「直接火にかけるのは駄目よ?」
 メシュティアリア(c08445)とリアン(c01810)の手助けがあれば、きっと。
 その隣で唐辛子を入れるロザリンド(c01254)に。
「唐辛子入り、ですか……?」
 ユフェニー(c16021)の言葉にきょとんとした顔で返答。
「うむ、何か問題あるのかの?」
「……どうせなら、目いっぱい辛くしちゃいましょう!」
 果たして、そのチョコは誰の手に?

 女の子だけの秘密のお出かけ。それだけで甘美な響きに聞こえるのは何故だろう?
 【飄香花園】のケイト(c15774)は楽しげに。
「えへへ、今から食べるのが楽しみです」
 キノコ型のトリュフを作っている。
「んー、どんなのにしようかな?」
 ビスケットを砕いてチョコクランチを作るプリマヴェーラ(c03210)。セラ(c07433)は、チョコを上手に巻いてスティック状にしている。ヘミソフィア(c03151)は、キャラメリゼしたバナナを敷き詰め、その上にチョコを流し込んでいた。
 辺りを見渡し、皆が上手に作っているのを見て、シャナ(c10150)は一口サイズのチョコを作ることを決めた。皆の手先を見ていたのはシャナだけではない。
「ふふ、それぞれ思うところがありそうね♪」
 興味津々で覗き込むのは、フェイラン(c03199)。
 けれど、上手に作っている者だけではなかったり?
「んー、こんなんでええの?」
 不安そうに尋ねるのは、ヒスイ(c11449)。シンプルな星型のチョコを作っている。
「これなら、多少失敗して見た目が崩れてもバレな……い、いえ、何でもないですよ」
 そう言って、シャルロット(c00849)はトリュフを作る。後でチョコの交換も良さそうだと思いながら。
「わあ! 私にもできました!」
 メルツェデス(c08284)の歓喜の声が響く。彼女の前には形は悪いが、一口サイズのシンプルなチョコが完成していた。

 【朧月夜翳】では、男女で楽しくチョコを作っていた。
 スポンジケーキにチョコクリームを塗って、イチゴをトッピングするのは、クロノ(c03800)。
「これでよしっと。……あ、それも美味しそうですね」
「いえいえ、それほどでもありません」
 ソウガ(c02044)は余裕の笑みでそう答える。その手の中には実は先ほど失敗した歪なチョコが隠されていたり。
「それにしても……ルーウェンさんは流石ですね」
 ルーウェン(c05377)は、ラズベリージャムを挟んだチョコサブレを作っていた。
「ルー? これは生クリームも必要だろうか?」
 助けを呼ぶシェンルー(c04497)にルーウェンはすぐに反応する。まるで、それを待っていたかのように。
「それはね……」
 そんな彼女の後ろで。
「……ふふ、このザッハトルテ、とても甘くなりそうだ。今年もナンパ頑張ろう!」
 アロルオン(c00851)が妙なことを口走り。彼の手には意外に美味しそうなザッハトルテが乗っていた。

「この実の入手には苦労した……」
 そうしみじみと告げるのは、【白藤籟】のレン(c06967)。
「……そこってそんなにコワイ所なの?」
 ローザ(c01277)が思わず、その実がなるギガンティアの事を尋ねた。
「……ええ、ギリギリでしたわ」
 出来たばかりのチョコを味見して、幸せそうに微笑みながら、同行したシリル(c03560)はそう答える。
「ギリギリ……?」
 シリルの言葉に首をかしげて、クイール(c01958)は、刻んだチョコに紅茶の葉を入れた。どうやら、この奇跡の実は、彼らの影の努力によって、もたらされた物……なのかもしれない。

 【ホリーガーデン】のメンバーは、全員、花の形をしたチョコを作っていた。
「声が出せないからチョコに託したと伝説は言うけれど……、掟でなくても姫は言葉に出来なかったのじゃないかな」
 そう推理するリディア(c02016)は、白薔薇を模したチョコを。
 渡す相手は自分のことを知っているからと、添えるカードには名前を書かない。そういうのは、シュナーベル(c12443)。彼女はピンクの薔薇に金粉を振った。
「伝説のチョコの実、よろしくだよ」
 カルラ(c05026)は、その実に想いを託して、オレンジピールを使ったガイラルディアを生み出す。
「アンタが本当に伝説のそれだってのなら、特別甘くなって?」
 そう囁くナユタ(c13149)は、トリュフに僅かに崩れた桔梗の花のチョコを添えた。四つの愛の名を抱いたチョコは、きっと彼らの想いを伝えることだろう。

 一方、【frons flos I】の面々は、完成した後が楽しみであった。
 さっそく、出来たばかりのチョコを手に彼らは集まる。
「まだ出会ったばかりだけど、みなさんといると、とても楽しいです」
 そういって、苺とチョコチップの乗ったクッキーをお披露目するのは、チェルシー(c01793)。
(「もっと仲良しさんになれますように!」)
 といっぱいお祈りしてできたチョコスフレは、リュクレール(c12514)が満足する出来になっていた。
「これからもどうぞよろしくお願いします」
 ルフラン(c14376)の作った花の香りを封じ込めたトリュフも、きっと彼らの舌を喜ばせることだろう。
 事前に姉から特訓してきたリシアス(c17824)は、紅茶の香る生チョコを持って。
「では、交換としましょうか?」
 彼らのチョコ交換会は、彼らの旅団にとっても素敵な思い出の一つとして刻まれる。

「よいしょおお!」
 ばちこーん☆
 気持ちよいハンマー音を響かせながら、実を砕くのは【シュガーベル】のハル(c02018)。
「おお、ハル格好いい……ハル、砕いた木の実、分けて?」
「乙女の中の乙女だわ! ね、トリコのも砕いてー?」
 シェダル(c15973)は驚きつつも、トリコ(c08934)はその勇姿にきゅんとしながらもお願いをしていた。ちなみに、シェダルはタルトクッキーと交換で。
「任せて、みんなの分も砕くわ! よいしょおお!」
 最期にはいい笑顔で、二人の木の実をそのハンマーで砕ききった。
 後でもう一人、味見あいっこするために加わるのだが……それはまた別のお話。

 【甘味処−迷々亭−】の面々は、出来立てのチョコを味見。
「えっとね、その……美味しくできてる、かなあ?」
 そう言って、ニィア(c17684)が差し出したのは、ナッツの入った星型のチョコ。
「うん、美味しい……これならきっと、喜ばれることだろう」
 ヘンリー(c17338)が笑顔で答える。
 そんな中、セシル(c08808)は視界の端で、シキ(c17493)が何かをチョコに入れたのを見たような……気がした。
「お一つ、どうぞ♪」
 笑顔全開にシキの差し出したポップチョコ、一名だけ犠牲者が出たのは言うまでもなく。でもまあ、そのチョコも少しだけ苦いだけだったのだが。

 ほのかに甘い味付けは、愛しい人を想って作った自信作のチョコタルト。
「食べてもらえるかしら?」
 【一軒家】のマリエッタ(c04245)は、ふと、隣にいるアトラ(c03756)を見た。
「伝説の木の実……で想いを込めて作ったものですもの、きっと、届きますよね♪」
 一生懸命に頬を染めながら、薔薇のチョコを仕上げていく。
「ふふ。その気持ち、きっと届きますよ……♪」
 素敵なシャルムーンデイを願って、マリエッタは微笑みながら答えた。

●やっぱり友達とチョコ
 二人で取りに行った奇跡の実。それを使って、ルーン(c01799)とプレノア(c03487)はチョコのお菓子を作っていく。
「いろいろなところに出かけましたが、一緒に料理をするのも、こうして手料理を食べあうのも初めてですね」
「そういえば、そうでしたね」
 星霊達に手伝って貰いながら、作ったプレノアのクッキーは、ルーンの口へ。
 パティ(c01785)とユラヴィカ(c02146)は、一緒に同じチョコカップケーキを作る。もちろん、仕上げも一緒にだ。
「一緒に作ったケーキだけど……一番にもらってくれるかな?」
 パティが差し出したのは、ジャムでハートマークを書いたケーキ。
「これからもよろしくね、パティ」
 ユラヴィカが手渡すのは、クリームで兎を書いたケーキだった。
「伝説の木の実か。どんなお菓子なら、これに相応しい味になるかな?」
 木の実をもてあそびながら、ハイド(c01339)は、隣にいたシフィル(c17537)を見る。シフィルはきょとんとした顔で首をかしげて、持っていたペンを走らせた。
『一味違ったチョコが作れると思うと、楽しみです』
 その言葉にハイドは思わず笑みを零した。
 顔中チョコだらけにしているのは、ジゼル(c08357)。
「ジゼルさん、ほっぺが……」
 そんなジゼルの頬を、ニーナ(c01336)が拭ってやる。
「そういえば……ノアは、やっぱりエストにあげるの?」
 ジゼルにそう尋ねられて、レオノーレ(c04664)はというと。
「そうか、あげるものなのか……」
 どうやら、チョコの意味をきちんと理解して来た訳ではないようだ。
「楽しくやるつもりが、なんだか作業になっているような? う〜ん、性格なのかな?」
 そう呟きながら花を模したチョコを作るセシリア(c14318)。
「私が渡すチョコなのに、何か申し訳ないな」
 出来る範囲ではあるものの、ユッカ(c01296)も手伝う。ユッカは夜なべする覚悟で来たのだが、この調子だと思ったよりも早く終わりそうだ。

 ブランク(c14405)は、とろとろに溶けたチョコを眺めながら。
「完成しないと、何になるか分からないね。よし、出来上がったら、皆の分も味見させてもら……」
 ごおおおお!!
 脇からアール(c14261)がドラゴンブレスを放ったのだ。
「それ使うの禁止ーっ!!」
 すぐさまニノン(c01268)が止めて。
「お手伝いしようとしてくれたの? じゃあ、一緒にチョコ溶かそう」
 シキ(c13855)が回収。こうして、ドラゴンブレスされたチョコは失敗作としてアールが持ち帰ったのであった。
「ちょっと照れくさい気もするけど、素敵なイベントよね」
 一緒に参加しながらも、作業は別。リリア(c01143)は、感謝と愛情を込めてちょっぴりビターなチョコを作る。少し離れた場所では。
「猫好きの彼女に、喜んでもらえる、はず」
 ルシアン(c11824)は、小さな猫のチョコを一生懸命作っていた。この後に待つプレゼント交換を楽しみにして。
「お二人は、どなたに差し上げるのでしょうか!?」
 チョコ好きなカレン(c01117)は、一緒にチョコを作るリーゼシュテイン(c02776)とユエル(c03933)に尋ねた。
「普段、世話になっている人達に、な」
「誰にあげるか、とかそういえば、考えてなかったな」
「らぶはございませんのっ!?」
 そういうカレンも実はこの二人に渡そうとしていたらしく。カレンの特別なケーキは二人に渡ったのであった。
 友達との話に夢中になるあまり、ベアトリーチェ(c06939)は。
「煮立っちゃってます! 分離してます!」
 慌てて型に流し込んで冷やしていたり。驚きながらも楽しげに隣でチョコ作りしていたネフェルティティ(c01000)は。
「ビーチェちゃん、こっそり味見です。いかがですか?」
 そういって、ベアトリーチェの口の中にぽん。気が付けば二人の顔にはチョコがついていて、顔を見合わせ、くすりと微笑んだ。
 チョコを作りながら、デメル(c03004)は。
「アスワドさんは……」
 言い終える前にアスワド(c01232)はくすくすと笑いながら。
「そんなの、決まっています。感謝と……誰にも変えがたい、唯一人だけ向ける特別な愛情? あの人は、俺の世界……俺が生きている意味、そのものだから」
(「あ……隣から惚気が聞こえる」)
 そんなデメルも大切な彼女の為にチョコを作っている。
「最初に言っておきますが、食べ物を粗末に扱わないで下さいね?」
 そうにっこり微笑みながら、セレスティア(c02742)はそう、シエリ(c11842)に釘を刺していた。
「ボクはボロくなった革靴まで食べちゃう女の子だじぇ?」
 と言いながらシエリは、デフォルメされた自分の裸を模したチョコを作っていた。
「しかし……セレスティアがこういうのに参加するとは、最近何かあったのか?」
 そう尋ねるウェン(c00614)に、セレスティアはこう答える。
「だって、手に入れた物を使わない手はないでしょう?」

 挑戦することは悪いことではないが……。
 どんがらがっしゃーん!
「えーん、豪華で特別なチョコを作りたいのに……」
 お姫様型や薔薇型のチョコに挑んで、ラティス(c00616)は見事に失敗した。
「特別なチョコは作れなくとも、特別な想いは込められると思います。料理は愛情です!」
 そうミキ(c03502)に励まされ、ラティスはその腕に見合ったチョコを作り直す。
 順調に仕上げていくイツカ(c00567)のケーキに、モニカ(c01400)は焦っていた。このままでは負ける!
「あらごめんなさい、手が滑っちゃった!」
 モニカの奥の手、懐に忍ばせたタバスコが彼のケーキに降りかかった。
「って、何するの! タバスコなんて酷い」
 だが、イツカも黙ってはいない。
「このケーキは、モニカちゃんとの合作って言って、ハルきゅんにあげよっと」
 果たして二人の恋の行方は?
「ね、二人は誰に作るの?」
 その質問はセレティナ(c15834)の小さな悪戯をカモフラージュするもの。
 ぽんと二人の友の口に入れるは、セレティナの作った美味しい白いチョコ。
「セレ……? むぅ、美味しい。やるじゃないの」
「わっ、美味しい……むむむ、私も美味しいの作っちゃうんだから!」
 そのチョコは、ラーナシェイラ(c00343)とソフィア(c01661)のやる気に火をつけさせたようだ。その様子に思わずセレティナは笑みを浮かべた。
「後は固まるのを待つだけ!」
 嬉しそうな声を上げるのは、ベンテン(c01195)。もうすぐ美味しそうなピンク色した動物クッキーが完成するのだ。
「あれ? もしかして、テン?」
 声をかけられ振り向くと、そこにはベンテンの想い人ルナンガ(c00832)の姿が。
「ルナ、すぐ後ろにいたの? ……あ、なにしてんの、ほっぺにチョコついてるよ」
 ベンテンはルナンガの頬についたチョコを指で掬ってぺろり。突然の出来事に、ルナンガは思わず、頬を染めて照れていた。

●心を込めたチョコは
 ふくろう好きの彼女のために、ルゥイ(c05586)は、ふくろう型のチョコを作っていた。
「男の手作りというのも、微妙だろうか……?」
 チョコを眺めながら、そう呟いて。
 一生懸命、シンシア(c05622)はチョコを練りこんだ団子を、慣れぬ手つきで串に刺そうとして。
「痛っ! ……き、気をつけないといけないでござるな」
 その痛さに涙目に。けれど、彼女の思いはきっと。
「詩を紡ぐのと変わらないかしら、変わるかしら?」
 歌うように口ずさみながら、ランス(c05911)は、チョコを幾重にも重ねて、見事な箱に変えてゆく。その中には薬酒と感謝の気持ちを込めて。
「うむ、これならば!」
 蜂蜜、脱脂粉乳、薄力粉に薬酒。レオン(c06178)は、日頃の感謝と元気付けのために簡単にカロリー補給できるチョコ入りレーションバーを作っていた。そう、かのドンチャッカ総帥の為に。
 とても美味しいものらしいと聞きつけて、調理に参加するのはミリリア(c06951)。
 だがしかし、彼女には盲点が。
「チョコレートを湯せんで溶かす……湯せん?」
 作り方を知らなかった。何とか周りを見ながら作ったものの、その味は……?
 型を使って、チョコレートの器を作っていく。ゼルディア(c07051)は、出来上がった器の中にナッツやドライフルーツを入れ、もう一つの器を重ね合わせる。
「何が入っているかは見えないけれども、何が出てくるか逆に楽しみだものね♪」
 よく見た目をからかう神父。それがユウカ(c07635)の相手だった。
「シャルムーンデイに向けて、チョコ作りの特訓をして来たよっ!」
 気合は充分! その成果を出すため、慎重にハートのチョコを作っていった。

 旅団の友人はもちろん、恋人にも内緒。こそこそとアゼル(c08246)は、目立たないようにチョコを作っていた。
「何だか粘土遊びみたいだ」
 そう呟きながら、楽しそうに。
 チョコを作っている最中に尋ねられ、マリス(c08452)は素直に答える。
「どんな子にあげるか、聞きたいの? ボク達はスラムの出身でね……」
 彼に過去よりも前を見て欲しい、二人で幸せをつかみたいからと、マリスはそう結んだ。その手から一途な想いを込めたチョコが出来上がっていく。
 彼は気合に満ちていた。ローブの袖をまくり、エプロンをつけて。
「うおォォォォォォらァァァァァ、こんなもん気合いだろ、気合い!!」
 バーン(c10885)は、ものすごい勢いで、チョコをかき混ぜていた。
 からかわれるのは恥ずかしいと思いながら、アルジリア(c11622)は辺りを窺う。どうやら、近くには知り合いはいないようだ。
「や、皆で食べるんやからね、あいつに渡す訳ないんやけどね!」
 けれどチョコに込めるは、彼の旅の無事だったりする。
 焼きあがったザッハトルテの上に、カエコ(c12550)は、むにゅっと生クリームを出し、ポンと美味しそうな苺を乗せる。
「喜んで、くれるといいな」
 そう微笑んで。
 どの指もぼろぼろで包帯ぐるぐる。リク(c13721)は、この日のために恋人にばれないよう練習を積んでいたのだ。
「よし、本番に取りかかろう!」
 大丈夫。彼の想いを込めたチョコは、きっと素敵なものとなろう。
 昼間は旅団でお店用のチョコを作っているアマラ(c16423)。プライベートで作るのは、何だか新鮮に感じるようだ。
「……来年の今頃は、恋の為に作っているのかしら?」
 想像すると照れてしまう。そんな思いでアマラは、チョコにラッピングを施した。
 形は少々いびつだが、味は間違いないはずと、ハク(c16700)は確信する。
 出来たケーキを手に、思わず渡すところを想像して、ほわりと笑みを零した。
「……うん、喜んでもらえると、いい、な」
 28年間、女の子からチョコを貰ったことのないジョイ(c17724)。たとえそれが自作自演でも、ここはチョコを持ち帰り、安心させてやりたい。
「これは親孝行なのであります!! ……空しくなんて……空しくなんてないのであります……」
 ちょっぴり心が寂しいが、ジョイは頑張って、チョコに自分の名前を記した。
 ハーヴェスティ(c19453)は、想像する。伝説というのだから、この目の前にある生チョコは。
「優しい甘さにふんわりと蕩ける食感……それはもう、極上の生チョ……!!!」
 見た目はマシだったのだが、味は最悪。初めての生チョコ作りが失敗という、切ない現実を前に、ハーヴェスティは思わず、膝を抱えてめそめそ落ち込むのであった。
 わくわくどきどきしながら、丁寧にチョコを作るのは、リーリア(c12690)。
「葡萄が好きだから……レーズン、きっと喜んでくれるはず」
 自覚はなしに、リーリアは兄へのチョコバーを懸命に作っていた。
 手書きのレシピノートを見ながら、完成させたチョコケーキ。
 ガヴォット(c10036)のそのケーキに、いつも世話になっている者が付けているマフラー風にラッピングを施す。
「お世話になってるからな……うん」
 その人の顔を思い出し、ガヴォットは思わず、頬を染めた。
 ヘイゼル(c05936)が取り出したのは、オレンジピール。そのオレンジは彼女の家の庭で採れたものであった。
「お店のものよりは酸っぱいけれど、そこがいいのよ、うん」
 そのオレンジピールを混ぜて出来たマフィンに、ヘイゼルはチョコをかけていく。
 いつもは胸にしまっている、愛しく思う気持ちをそっと込めて。

 いよいよ、シャルムーンデイを迎える。
 彼らの生み出した素敵なチョコ達は、きっと作り主の気持ちを伝えるだろう。
 かつての、シャルムーン姫がそうであったように……そっと。



マスター:相原きさ 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:320人
作成日:2011/02/13
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冒険結果:成功!
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