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決戦、妖精騎士:漆黒の騎士ノワール

これまでの話

<オープニング>

 スフィクス家の最奥、妖精騎士の寝所。伝令の妖精騎士に対し、異形の仮面を付けたマスカレイドの少女は、しかしその表情に苦悩の色を露わにして訴えた。
「いけません! あれなるは予言の戦士、私達妖精騎士が待ち望んだ『終焉を終焉させる者』です。どうか思い出して、妖精騎士の『誓い』を……」
 しかし、伝令は居住まいを正すと、彼女の訴えに驚くべき返答を返した。
「かしこまりました! 仰る通り、奴等が遺跡の守りを突破した所で、我ら精鋭に掛かればものの数ではありません。たちまちの内に蹴散らしてくれましょう!」
(「ああ、やはり言葉は紡げても、意味を伝えることができない……」)
 その少女の表情は、さらに深い苦悩の縁に沈んだ。
 長老の裏切りによりマスカレイドと化した後も、少女のみならず全ての妖精騎士は、ひたすらに抵抗を続けてきた。
 しかし仮面は肉体の自由を奪うのみならず、記憶を奪い、経験を奪い、意志や言葉さえも奪っていった。少女は、マスカレイドの支配によって身動きが取れぬまま、寝所での永遠とも思える時の中で、何度も仲間達の汚されてゆく様を見続けてきた。そしてその汚染は、遂には少女自身をも支配してしまったのだ。
 しかし、何よりも許せないのは、マスカレイドが妖精騎士の『誓い』を奪ったこと。
「結局私達は、あれほど待ち焦がれていた救世主に、悪意を持って弓を向けることしかできないのか。私達は一体何の為に、悠久の時を眠り続けてきたのか……」
 そのような少女の苦悩に気付くこともなく、伝令の妖精騎士は、少女から受け取ったと信じ込んでいる偽りの命令を、全ての妖精騎士に伝えるのだった。
「妖精騎士伯ウェンディ様の命である! 妖精騎士よ、寝所を荒らす不逞の輩を殲滅せよ!」

●漆黒の騎士
 若者は夜の様な黒をまとっていた。全身を覆う鎧はつやのない深い黒、携える大弓も黒い。ごく僅かに入った銀の装飾が夜空を渡る流星の様だった。髪も色も黒で装備に揃えたかのように一房だけ銀髪が混じっている。そこに不気味な仮面が張り付いている。
「僕は勝たなくてはならない」
 若者は目を閉じる。自分に言い聞かせるようにつぶやくのは心のどこかが痛いから。『妖精騎士の寝床』を襲う賊を征伐するという妖精騎士伯の命令には少しもおかしなところはない。それなのに、どうしてこんな気分になるのだろう。まるで小さな針でさいなまれているかのように痛い。左胸を手で押さえる動作はもう癖になってしまっている。

 どれほど時間が経ったのか若者は目を開けた。夜空の様な瞳には星がまたたく。
「……配置につけ」
 妖精騎士ノワールは静かな声音で配下のマスカレイド達に指示を出した。マスカレイド達は無言で動き出す。
 そこは遺跡の内部……入り口を入ってすぐの細く暗い通路だった。ノワールは配下を横並びに立たせる。3人並ぶと互いの武器を振るうにギリギリだ。残る2人は3人から後退させやはり横並びにする。
「じきにここに賊が侵入してくる。貴君等はその場で賊と戦って足止めしろ。後方より僕が攻撃する」
 弓を扱う自分の攻撃を活かすための布陣であり、戦場であった。

 数人の足音が聞こえ……徐々に大きく強く響く。すぐにここに到達するだろう。ノワールが無言で矢をつがえる。
 そして放った。


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参加者
蒼月を守護せし槍騎兵・ガウェイン(c00230)
空啼狐・ソウジ(c00485)
蒼の残影・アルフレート(c02079)
閃光の・エクレール(c02687)
白い情報屋・シゾー(c04150)
求道少年・アリシア(c04821)
ソレイユノワール・ソル(c07090)
煌竜の風牙・リュカ(c07479)
朱鏑矢・ディアナ(c08050)
泥渡りの・リリテ(c14922)

<リプレイ>

●漆黒は光を抱き……
 スフィクス家が長きに渡り守護してきた『妖精騎士の寝所』は、そのスフィクス家の裏切りにより棘に侵蝕され汚されていた。数多の私兵達を撃破したエンドブレイカー達は遺跡に突入する。そこは外とは隔絶された暗く狭い通路だった。

 その暗闇の奥から矢が飛来した。エンドブレイカー達が戦いの邪魔にならないようにと腰に下げた灯りに照らされたときには、もう矢は至近距離にまで迫っていて回避出来ない。
「きゃああっ!」
 淡い黄色の光の中で豊かな黄金色の髪が激しく揺れる。敵が放った4本の矢が突き刺さったのは先行して走っていた閃光の・エクレール(c02687)だった。豊かな胸も盛大に揺れ、いつもの事ながらその重量に腕の付け根辺りが激しく痛み、矢傷と重なる痛みがエクレールの動きを止めてしまう。
「攻撃集中」
 闇の奥から声がして、3体のマスカレイド達が剣を振りかざして襲ってきた。間髪置かない連続攻撃がエクレールに迫る。2体が放つソードラッシュがエクレールの武器を持つ手を強打し下から斬り上げ、薙ぎ払い、3体目の攻撃が武器を飛ばし攻撃を誘う。
「やってくれたわねっ。おねえさん、許さないんだからっ!」
 怒りに平常心を乱されたエクレールは飛ばされた白銀の剣ではなく、獣化した腕で襲ってきたマスカレイドに殴りかかった。鋭い殴打はしびれた腕で放つ事が出来なかったが、爪の一撃、そして爪撃の乱舞が敵マスカレイドを蹂躙し、防具越しに重いダメージを与えていく。
「ここを通さない様にしてるって事は、この奥に寝所がある可能性が高いって訳だな!」
 求道少年・アリシア(c04821)は夜明け色の瞳を輝かせながらハンマーを振るう。
「大地よ轟け! 悪しき仮面はおののけ!!」
 床面を強打したことによる衝撃波が走り、瓦礫を飛ばして迫る振動が足下を揺らし後列のマスカレイドを痛打する。
「怪我は俺に任せて……皆は攻撃を……!」
 蒼月を守護せし槍騎兵・ガウェイン(c00230)は癒しの力を秘めた暖かい光をたたえた拳をエクレールへと放つ。エクレールの身体から全ての災いが解かれ傷が全快するが、ガウェインの戦意は高揚していて反動もない。
「こっちはちょっと急いでいて……だからこんな暗いところでごちゃごちゃやってる暇ねーんすよ!」
 強烈なスライディングで敵へと急接近した白い情報屋・シゾー(c04150)は、いきなりその勢いを止め自分への力をしつつ、ダメージを負っていた敵前衛へと蹴り技を見舞う。瞬時に敵後列へは攻撃が届かないと判断しての事だ。

「ずっと頑張ってきたのに……でも、ここで止まる訳にいかねーから。悪ぃけど、ぶっ飛ばしてでも通らせてもらうぜ!」
 最前列に躍り出た煌竜の風牙・リュカ(c07479)は心の奥底にわだかまる哀しい思いを払拭するかのように動く。思いの強さだって負けてはいない。腰もとのナイフを振い、風をさえも切り裂くかの様な苛烈さで迎撃の構えをとりつつ敵の腹をえぐる。傷から大量の血を吹き出したマスカレイドがフラフラと倒れ込んだ。
 やや後方に位置していた蒼の残影・アルフレート(c02079)から炎の矢が敵後列へと撃ち込まれる。マスカレイドを貫いても炎は消えず、混乱し判断力が著しく低下したままエンドブレイカー達へと突っ込みリュカを襲う。剣の乱舞が驚く程幾重にも攻撃を放つ。
「わあああっ」
 怒濤の攻撃にリュカの利き手は痺れ、何度も薙ぎ払われ斬り上げられ、そしてトドメだとばかりに斬りつけられる。
「けど、まだまだやられる俺じゃないぜ!」
 リュカは痛みを堪えて叫ぶ。その間に敵は士気の高い後衛から倒れ込んだ前衛へと癒しの拳を放つが劇的な回復は望めない。
「リリテさん、いきましょう」
「あんたらの志はしっかり継いでやる! だから恨んでくれんなよ!」
 呼吸を合わせ、最後尾から朱鏑矢・ディアナ(c08050)と泥渡りの・リリテ(c14922)の攻撃がほぼ同時に放たれる。 ディアナの魔鍵は妖精騎士ノワールの影を撃つ。胴へと2度、そして足の影へと鍵が刺さり防御の力を解放する。さらにリリテの火矢が敵後列のマスカレイドに突き刺さる。
「闇に彩られたその黒、砕かせてもらうぜっ!!」
 燃えさかる炎の様な意匠の槍が風を呼び竜巻を起こす。風の力を身に着けたソレイユノワール・ソル(c07090)の竜巻に巻き込まれ、後列のマスカレイドがダメージを負う。同じ黒の名を持つ者同士だが、負けるつもりはない。
「……暗い戦場、でも良いよね」
 独語に近いつぶやきをもらしつつ空啼狐・ソウジ(c00485)が動く。もっと明るい場所だったら敵の妖精騎士がどんな顔で表情なのか見て取れるだろう。けれど同時に自分の顔も見られてしまったかと思うとこれで構わない。敵後列にまで攻撃が届かないと判断すると、ソウジは前列の敵へと魔獣の尾で締め付ける。

 敵のマスカレイド3体はかなり深刻なダメージを受けているが、妖精騎士は健在で配下に指示を出す。
「フェイヒューは下がれ。防御主体で戦線を維持せよ」
 抑揚のない低い声が暗がりから陰鬱に響き、喚び出された妖精が愛くるしいダンスを繰り出し心を揺さぶり、エクレールとリュカの頭に抱きつき防御を封じる。傷ついた前列の敵は自己回復しつつ後退するが麻痺は治らない。士気の高い隣のマスカレイドが癒しの拳を使い、更に別の前衛が暴走した後衛を回復し平常心を取り戻させる。

「……貴方達に命令しているのは誰? 答えなさい!」
 荒々しく大胆に振り回した剣で敵の隙を作ると、エクレールの蹴りが負傷している敵前衛を蹴り上げる。
「賊ごときが妖精伯の事など知る必要はない」
 冷たい答えが返るがエクレールは違和感を感じる。妖精騎士は自らの行動を正しいと判断していながらも、戦いを望んでいないのか。
「どういう事? まさかまだ……」
「変わるぜ、リュカ!」
「悪いな、頼む」
 エンドブレイカー達も隊列の変更を行い、リュカが後退し替わって前に出たアリシアが飾り気のない得物を振るう。
「気をつけろよ。俺のハンマーはビリビリっとくるぜ!」
 闘気が溢れてアリシアを包み、ハンマーの強打が暴走から突出していたマスカレイドを襲う。殴られ痺れさせられたマスカレイドはもう思うように動けない。
「しかし、こちらも余裕はないか」
 敵に回った妖精騎士の力はあなどれない。ガウェインは最前列から後退したリュカへと自分の命を切り分ける様にして力を集め、光の拳を放つ。
「ありがとう」
 劇的に回復したリュカはガウェインに礼を言い痛みの引いた身体をポンポンと触って確かめる。
「次々倒すっすよ」
 シゾーが走る。再度強烈なスライディングからの急停止と刃物の様に鋭い蹴り技が炸裂する。敵前列で癒しの拳を使ったばかりのマスカレイドが強襲され、麻痺が生じた。狙った結果にシゾーは得意げにニヤリと笑う。それは少女のではなく世俗にもまれた大人っぽいニヒルな笑みだ。
 行動を抑制されたリュカだが竜の弾丸を放ちその戒めを解き放つ。そのリュカも妖精騎士がわからない。ノワールの戦意は途中でバラバラにほぐれてしまうようなのだ。
「思い出せよ! 騎士として何を守ろうとしてたのかも完全に忘れちまったのかよ!」
 迷いのない気持ちを乗せてリュカは叫ぶ。その途端、深い暗闇の中でノワールの武器を持たない左手が強く胸を掴む。
「穢れし棘からこの地に住まう人々を守るろうとし、出来なかったその想いは私達が引き継ぎます!」
 アルフレートの火矢が後列に退いたマスカレイドを射抜き、闇雲に戦うよう誘発する。炎に煽られマスカレイドが戦線を乱した。後列だった2体の敵が癒しの拳を連発するがミスもあり麻痺した身体は治らない。
「今度こそ!」
 祈るような願いを込めて放ったディアナの魔鍵は、言葉通りに今度こそノワールの大弓が落とした影に突き刺さった。瞬間、ディアナの顔に隠しきれない安堵が微かに浮かぶ。続くリリテの攻撃も先ほどと同じく炎の矢で敵後列を狙う。束ねた火矢で狙い撃ちするが、マスカレイドが戦いに我を忘れる事はない。けれどリリテの視線はその奥にいるノワールへと向かっていた。
「目を覚ませねえのかよ! あんたらも心ん中に信じてたもんがあるはずだろ!」
 その言葉に呪縛されたかのようにノワールの動きが止まった。
「お前達が本当の役目を忘れているのなら、俺が、俺たちが思い出させてやる!!」
 強い風の力を乗せソルの槍が竜巻を起こす。
「敵を封じろ、黒き疾風!!」
 凄まじい暴風が後列の敵を飛ばし真空の刃が蹂躙する。
「これ以上自由に戦わせたりはしないよ」
 ソウジは魔獣の尾を振り回す。唯一、バッドステイタスのなかった敵前列のマスカレイドが尾に締め付けられ、僅かなダメージと行動抑制を喰らう。

 薄明かりに照らされた細長い通路を戦場として、妖精騎士を擁するマスカレイド達とエンドブレイカー達は一進一退の攻防を繰り広げ続ける。一体一体のマスカレイド達は明らかにエンドブレイカー達よりも弱い。けれど、後方からのノワールの指示で戦う場所を移動しつつ、致命的な連続攻撃を受ける事を回避している。けれど同じ事はエンドブレイカー達にも言える。狭い戦場では囲んで戦う事も出来ず遊軍が出てしまうのだが、立ち位置を入れ替える事により誰か1人が深刻な攻撃を受け続ける事なく戦線を維持しているのだ。
「これ以上は厳しいか」
 だが、これほどの長い戦いを想定していたというわけではない。強力で心強い癒しの手であるガウェインだが無限に仲間の傷を癒し続けられる筈もなく……エンドブレイカー達もマスカレイド達もそろそろ戦いを決着させなくてはならなくなってきている。

「何故……何故こんなにも戦いが辛い。僕は誇り高き妖精騎士として喜んで妖精伯のご命令に従っている筈なのに……何故?」
 苦しそうに胸を押さえノワールは数歩後ずさる。指揮官の不調は敵全体の行動を遅延させる。
「悔恨の暇無く消え失せなさいっ!!」
 動きの止まった敵よりもエクレールの動きは速い。大きく振り回した白銀の大剣が前列マスカレイド全員の目をあざむき、豪快な蹴り技が炸裂してまわる。
「がああっ」
 1体のマスカレイドが倒れ、口からごぼごぼと大量に血を吐き出しすぐに動かなくなる。
「ここで負けるわけにはいかねぇ! 一気に行くぜ!」
 倒れて仮面の消えるマスカレイドの姿にアリシアは勢いづく。味方も辛いが敵はもっと厳しい筈なのだ。そのアリシアを起点にして、シゾーとアルフレートとリリテ、そしてソウジも攻勢に出る。
「自分の動きは止まらなねーっすよ」
「今の私は腹が立っています……!」
「こんだけ狭い所でこれは避けれねえだろっ!」
 アリシアのトンファーが強い衝撃を与え、シゾーの小さな身体が狭い通路の壁を伝って上から落下するように敵へと迫る。汚された妖精騎士と戦う運命に怒りを覚えるアルフレートの手から放たれた凄まじい電光が空を切り、リリテが放った無数の矢が敵の頭上から降り注ぐ。ソウジの爪は強力な虚空の刃を生み、マスカレイドの力を吸い尽くした。5人が連携した猛攻を耐える事など出来る筈もなく、マスカレイドの身体は原型を失い絶命する。
「大丈夫、僕達は戦って……勝てる」
 ようやくソウジの顔に笑顔の兆しが甦る。

「僕の……やはり、僕には戦うしかない」
 倒れたマスカレイド2人の姿にノワールは一度取り落とした大弓を再び握り、通路の天井目がけて矢が放たれた。無数の矢は幾重にも数を増やし豪雨の如き勢いで長期戦に負傷していたエンドブレイカー達に襲いかかる。
「きゃああっ!」
 エクレールが独特の鎧に包まれた胸を揺らして通路に倒れた。彼女だけではない。長く最前線で敵と直接刃を交わし続け無数の怪我をしていたシゾーと、仲間を治癒して体力を失っていたガウェインも膝を突く。
「こ、こんなところで……」
「……負ける訳には!」
 だが、シゾーとガウェインにもう力は残されていない。そこへマスカレイド達が突進した。剣の乱舞が襲いかかり、ガウェインとともに仲間の回復役をしていたディアナも戦闘不能に追いやられる。
「そんな、ここまで来て……」
 だが、よろよろと立ち上がるディアナに魔鍵は武器ではなく杖代わりしかならない。
「あんた達は可哀想かもしれないけど、俺達だってここで倒れるわけにはいかないんだぁ!」
 リュカのナイフが縦横無尽に閃き、連続攻撃がマスカレイドの腹を胸の刺し貫く。ため息の様な声を放ち倒れたマスカレイドが絶命した。
「これが本当にお前たちがやりたかったことなのか! 伝説の妖精騎士ってのは、人々を守るための存在じゃないのか!!」
 互いの仲間達が倒れ伏す戦場でソルが叫ぶ。
「獅子の咆哮、その身に受けな!」
 輝く獅子のオーラがソルの全身を包み込みソルの戒めを解き、レオの咆吼と衝撃波が突出してきたマスカレイドを撃ち動きを止める。

「みんなを後へ!」
 傷ついた仲間達を背に庇うようにことさらアリシアは前に出る。敵との距離はほとんどなく、引き気味のノワールの姿も腰につけた灯りが仄かに浮かび上がらせていた。
「これ以上は絶対にやらせない」
 強烈なハンマーの攻撃がマスカレイドの顎を腹を打ち据えてぶっ倒す。それでもマスカレイドはあがくように腕を上げようとしたが、アルフレートの電光に撃たれて今度こそ動かなくなる。
「私達だってこの地を守りたいのです」
 つぶやいたアルフレートの言葉はマスカレイドには届かないのか。
「どうする? このまま戦い続けるか?」
 リリテは視線を後方に向ける。そこには戦闘開始と同時に置いた灯りがあった。その先は外に続いている。勝てるかも知れない……けれどもっと多くの、もしかしたら取り返しのつかない犠牲を出してしまうかも知れない。
「僕が食い止めます。先に出てください」
 ソウジは武器を構える。
「先を、この先に進まなきゃ……?」
 行く手を遮る闇はまだ濃く強く、ソルの……そしてエンドブレイカー達の前に立ちはだかっている。
「わかった……後を頼む」
 ソルはガウェインを抱きかかえソウジに視線を送り後退する。
「俺も前で食い止める!」
 ソウジと共にリュカが敵を牽制し、その間にアルフレートがディアナを引き起こす。傷ついた仲間達が後退していくとリリテは灯りを消してその後に続き、ソウジとリュカも退いていく。善戦はした……だが、敵を撃破し前に進むには何かが少し足りなかったのかもしれない。

 暗闇に消えたエンドブレイカー達の追撃に移ろうとしたマスカレイドをノワールが制した。
「必要ない……味方に犠牲を出した僕は彼らに劣る」
 犠牲者の死体を回収するよう指示をだすと、漆黒の妖精騎士は闇の中へと消えていった。



マスター:神南深紅 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/02/24
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