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【カケタモノ】家宝は何処に?

これまでの話

<オープニング>

●懐かしき領地
 あれからすぐ後、カールフォン領へ赴いた二人は久し振りに目の当たりとしたその風景に衝撃を隠せず。
「久し振りに帰って来たけど……予想以上に」
「あぁ、だがこれが現状だ」
「ともかく家宝を探さないと……」
 確かに荒れてはいた、だがそれでもグリウとは違い流れていた時の中で領地に住む人々は僅かずつでも復興に励んでいて、自身も成すべき事を成す為にグリウもカールフォン家へ向かえば家宝である一振りの剣の捜索に当たる。
「……ここにあったのだよな?」
「間違いないよ、ここにあったのは……でも」
 だが半ば朽ちていても趣だけは健在なその内には家宝なく、困惑する二人……とその時、背後で瓦礫を踏みしめる音響けばそちらを振り返ると直後に響く声は老人のそれ。
「グリウ様、良くご無事で……!」
「あぁ……僕も会えて嬉しいよ」
 しかし未だ張りはあってグリウの名を呼べば、久し振りに対した騎士団長が彼を前にグリウもあれから初めて、見知った者に会ったからこそ瞳に涙貯めれば
「民に土地をお守りする事叶わず、生き恥を晒して……それでも、ううっ」
 対する騎士団長は歯噛みして呻くのみも、それにグリウは首を左右にだけ振って応じると今までの事情を語れば、家宝の所在について確認を取る。
 だが元より騎士団の総数が少なければ先の戦いで半ば以上が倒れた今、加えて民が少しずつ戻ってきた昨今では領地の復興を最優先としていた為に気に留める余裕がなかった事から、昨今になってなくなっていた事に気付いたと言う。
 グリウとてそれは責められる筈もなく、別の切り口から騎士団長へ尋ねる。
「なら最近、この領に見慣れない誰かがやって来なかった?」
 家宝が保管されていた部屋を見た限り、素人目でもその場で戦った痕跡も皆無に等しければ家宝自体が打ち砕かれた痕跡はなく……それならば誰かが持ち去ったのでは、と。
「そう言えば……この領に隣接する町の者で、ここへ足を運ぶには不自然な者が三人程訪れたのは見た記憶があります。ですが人の出入りは逐次確認してはおらず……」
 果たしてその問い掛けに老騎士は記憶を思い出しながらその答え紡ぐが、要となる出て行った折の三人の状況は分からず、果たしてこれからどうすべきかグリウは悩む。
「……どうしよう」
 件の町へグリウ自身、出入りした事がなかった訳ではないが……お世辞にも接点がある程に足を運んでなかった彼に、必要な用事を除いてやはりその町へ赴く事は余りなかったミランは渋面浮かべる。
 対する相手を考慮すれば一筋縄ではいかないだろう可能性高く、面識はさて置いても家宝の所在を明らかにする為の話術に力が二人にはなく。
「グリウは、どうしたいんだ」
「僕は……」
 だがそれでも、ミランが端的に一言で問えば……二人の視線を受けて彼は一つの結論を出すのだった。

●グリウの願い
 それから数日後。
「家宝がなかった?」
「はい、それで今度はその捜索を手伝って頂きたく……」
 再びエルフヘイムの旅人の酒場を訪れた二人の話を聞いて悠久の夢追い人・ジェフリー(c05905)が気だるげに応じると、場に集った皆へ懇願するグリウにペルソーナの翠・フォン(c03598)。
「それは、構いませんが……当てはありますか?」
「調べられる範囲で調べて、それなりには絞りました……えぇと」
 穏やかな口調で応じ頷けば、家宝を探すに当たって必要な情報を尋ねると慌てながらも説明を始めるグリウ。
「ふぅん……収集癖の強い好事家と町のチンピラ、酒場の親父ねェ」
「領地に足を運んでいた確証までしか調べられませんでしたが……」
「となるとそれぞれを洗って、実際に誰が所持しているかを確定させなければならないでござるな」
 果たして一通りの情報を頭に入れ整理した後、目標を反芻する蒼月を守護せし槍騎兵・ガウェイン(c00230)の言に、次いで項垂れるグリウの肩を叩き龍の血脈・オボロ(c01094)が今回すべき事を皆へ提示すると、暫し考え込んだ末に口を開く銅色斧鉞・ジーク(c03342)。
「アクスヘイムにマスカレイドはもういない。なら対するは普通の人……となると荒事はご法度か」
「そうだね。相応の理由あれば別だろうけど、下手に事を荒立てては領地の復興にも差し支えるだろうから」
「それならそれで、やるしかないよな」
「……ご迷惑を掛けます」
 アクスヘイムの現状を鑑みての発言に茨の王・アセルス(c12951)も頷けば、迷わず英雄を志す騎士・ヴァン(c03608)も応じると、ますます肩を落とすグリウだったが
「所で時間はどれだけあるのかな?」
「……三日、かな。調査に二日と取り戻すのに一日ぐらい、でしょうか……早ければ早い方が良いと」
「まぁ、そんな所だろうね。グリウもそうだが、領地も良く今まで持っていたと思う」
 そんな彼へ次に響かせた彼女の疑問は一行にとって肝心要のもので、果たして遠慮がちに答えたグリウの提示した時間は厳しいものではあったが、今までの状況を鑑みればアセルスは納得せざるを得ず
「気にするな。グリウが決めた事で挫けないならば、悲劇を繰り返さない為にも手は貸そう」
「そうだぉ! 大船に乗ったつもりでグリウはどーんと構えていればいいんだぉ!」
 それでもと装甲騎士・ハインツ(c00736)は気丈に応じれば、気侭な冒険者・ライス(c12588)の檄には皆へ無理を強いている側のグリウが逆に泣き出しそうな表情を浮かべて。
「さぁて、それじゃあまた行きますかね」
 だからこそ灰色ロジック・ヒューイ(c18178)が何時もの軽い調子で彼を見て笑いかけると、十人は再び立ち上がった。


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参加者
蒼月を守護せし槍騎兵・ガウェイン(c00230)
キャヴァリアー・ハインツ(c00736)
龍の血脈・オボロ(c01094)
銅色斧鉞・ジーク(c03342)
もふ毛求めて・プレノア(c03487)
伽藍の略奪者・フォン(c03598)
英雄を志す騎士・ヴァン(c03608)
悠久の夢追い人・ジェフリー(c05905)
気侭な冒険者・ライス(c12588)
灰色ロジック・ヒューイ(c18178)

<リプレイ>

●一振りの希望
 先日までカールフォン家を唯一継ぐ事の出来る青年、グリウの覚醒を果たして促した一行だったが……それから間を置かず、今度はカールフォン領近くの街へ流出したと言うカールフォン家の家宝を探す為、一行はその街へ足を向けていた。
「やれやれ、家宝探しとはただ事じゃないねぇ」
「まさか、その様な事になっているとは……」
 皮肉めいた表情こそ湛えながらしかし、言葉のままにグリウの心配をする悠久の夢追い人・ジェフリー(c05905)の言が響けば、見た目麗しい伽藍の略奪者・フォン(c03598)もまた未だグリウを襲う悲劇を思い、瞼伏せては密かに咽ぶその光景は華が艶があって。
「グリウ達の大事な家宝、しっかり探し出さなきゃナ。城塞騎士として、あるべき物をあるべき場所に戻す為に頑張ろうゼ」
「あぁ、そうだな!」
 そんな彼らの様子に同意するからこそ、フォンとは逆に前を向く蒼月を守護せし槍騎兵・ガウェイン(c00230)が口を開き言えば、英雄を志す騎士・ヴァン(c03608)も同意して力強く頷くと
「そう言えば家宝の長剣だけど……こう言う感じだってさ」
 次いで懐を弄り一枚の紙片を取り出せば、それに描かれている今回探すべき長剣の形状や特徴を皆へ見せつける……のだが、家宝と言うイメージだけ先行していただけにその形状はどちらかと言えば地味な、誰でも使っていそうな余り変わり映えのないもので。
「華美な装飾は施されていないのだな。飾りではなく使う事を前提にしているのだろうか」
「そればかりは作り手に聞いてみぬと分からぬ事でござるな」
 強いて特徴を挙げるなら長剣なのに片刃で峰を持ち、更に峰だけ頑丈に仕立てたもので、そのデザインにキャヴァリアー・ハインツ(c00736)と龍の血脈・オボロ(c01094)は興味こそ覚えるが二人の思案は次いで響いたもふ毛求めて・プレノア(c03487)の声によって即時霧散する。
「そろそろ到着ですが打ち合わせの通り、ギッターリ氏は後回しにした消去法と言う対応で問題なかったですよね」
「だな、もしギッターリだった時は……ま、後で考えればいいか。まずは家宝の所在を掴まないと先にも進めない訳だし」
 その、響いた作戦の最終確認には灰色ロジック・ヒューイ(c18178)が割り切る所を割り切った上で確かに頷くと
「……助力は惜しまねぇと決めたんだ」
 その傍らで銅色斧鉞・ジーク(c03342)が漏らした呟きは、断固とした決意が含まれていて、しかしその想いまでは己の内でのみ紡いで。
(「慣れぬ事なんて些細だ、絶対探し出してやるよ。前に、進むと決めたんだしな」)
「はい、家宝の所在を必ず掴みましょう」
「グリウ達を安心させない、だぉ!」
 それでも未だ付き合い短い割、胸中同じだからこそフォンに気侭な冒険者・ライス(c12588)がしっかりジークの心情を察し頷けば、二人へ穏やかな笑みだけ返して彼。
「ならここで二班に分かれるか。夕暮れ辺りに……あそこで一度落ち合おう」
「それでは、ご武運を」
 目的の街へ至ったからこそ、一度だけ歩を止めて要点だけ最後に言うとプレノアの祈りに皆頷けば一行は散開するのだった。

●先ずは外堀から
 尤も、それから散開してもすぐに行動へは移らない一行。
 先ずは外から、家宝を奪った疑惑持つ者達の情報を集める事にするのだった。

「所で、トリニテートについて知っている話あれば聞きたいんだが……」
 その内のモヒカンチンピラ、カザックが取り仕切るグループ『トリニテート』の実情を把握しようと動いていたジーク、彼らの日頃の行動から演技とは言え上手く取り入る為に必要となる筈の武勇伝やら、様々な事をトリニテートとは縁薄そうな人々から聞いて回っていた。
「え、樽酒一気飲み? そう言う話じゃなくてもう少し恰好のいい話を……」
 尤も、その前途は多難の様でもあって果たしてこれからどうなるか。

 その一方でヴァンはと言えば、ブランが経営する酒場の状況を確認していた。
「他にどんな武器があったんだ? カッコイイ武器とかあるかな……!」
「価値観は人それぞれだからのぅ。まぁ儂としては比較的好みのものが多かったな。太刀とか馬鹿でっかい鍵とか……」
 まぁ専らその話は中に飾っている武器の話に及んでいて、老人の巧みな話術もあればヴァンはますます老人との話にのめり込んでいくのだった。
「うんうん……!」
 最後の最後で何とか、家宝の長剣について思い出し話を聞く事が出来た事は補足しておく。

 だがその中でもガウェインは唯一、独自の行動を取っていて。
「成程、そう言う状況で」
 町を警備する衛兵達と話交わしてはカールフォン家の現状や置かれている状況を話した上で何かに拘り過ぎず、様々な情報を得ていた。
「しかしカールフォン領か……大変だな、あそこは未だにやる事が沢山」
「分かっていますよ。でも残された子息のグリウが漸く、ね」
 その内の一人はカールフォン領の内情を多からずとも把握していて、しかしそれでもと決意固めた表情で言葉紡いだガウェインの様子を果たして彼が見れば
「……ふむ、まぁこの町も少なからず前領主には世話になっている。必要な事があれば出来る事は手伝おう。皆にもそう言っておく、が過度な期待もするなよ」
「ありがとうございます」
 一つだけ確かな約束を交わすと、恭しく頭を垂れて後に槍騎兵は穏やかな笑みを湛えた。


「あとあと、最後にお昼のご飯はやっていなかったんだぉ!」
「……えぇと、一先ずは以上でしょうか?」
 時間はあっと言う間に過ぎ夕刻、決めていた集合場所に集った面々はライスの話を最後にプレノアが中心となって各自、集めてきた情報等の統合を済ませていた。
「話だけでは流石に分からんな……まぁ直接、出向くとするか」
 その最後をジェフリーが締めた通り、家宝の所在に繋がる確証は日中の情報収集だけでは掴めず、彼の調査も空振りだったからこそいよいよ直接の行動へ出ると決まれば皆も頷くが
「まさかこの様な服装を着る事になるとは……。着慣れない物と言うのは、落ち着かぬものでござるなぁ」
「そうかぁ? 俺は全然気にならないけどなー。まぁ行こうか、そろそろな」
『トリニテート』へ赴くオボロ、彼らに合わせた装いに戸惑う彼へヒューイもその装いに苦笑漏らしつつも宥めれば……その最後には鋭い眼差しに戻って言うと、夜の帳落ちた黒の中へ一行は足を踏み出すのだった。

●疑惑の1 〜モヒカンチンピラはお世辞に弱いか?
 それから二手に分かれた内の一方、町の片隅にある今にも崩れ落ちそうな屋敷を根城とするチンピラグループ『トリニテート』のリーダー、カザックと五人は介していた。
「お前らか、『トリニテート』に入りたいって奴らは?」
 尤もここへ至るまでの間、彼の部下の方からつけられた因縁で一悶着こそあったが、それ故に五人の実力が明らかになればフォンの手土産の話も聞いたからこそ、カザックとて無碍には追い払わず屋敷の広間へ皆を招き入れれば、彼を前に先ず詫びるヒューイ。
「あぁ。手間掛けさせちまってすまねぇな……しかし成程、強そうだ。この町で好き放題やってるそうじゃねーか、羨ましいもんだ。オレたちもちっと腕には自信があるんだが、仲間に加えちゃもらえねーかな?」
「商家の厳しい躾に辟易していた……トリニテートやカザックさんみたいに自由が良いんだ。だから仲間に加えてくれよ!」
「まぁ部下の躾もなっていなかったみたいで、それはお互い様でいいし……あんたらほど強い奴らが仲間に加わってくれるって言うんなら、俺の方こそ歓迎するぜ」
 次には笑みを湛えカザックを称えると、ジークの叫びもまた確かに受け止めたからこそモヒカンは笑んで五人の加入を諸手挙げて歓迎する。
(「意外と男気があるでござるな。髪型さえまともなら普通にもててもおかしくはないでござるが……」)
 その中、穏やかな笑みを湛えながらもカザックの人物像を早く固めるオボロはさてこれからどうするかと銜える長楊枝を上下に揺すり思案するが、とりあえずより多くの情報を得る為にその懐から酒瓶を一本取りだしては言うのだった。
「ならば誓いの盃を交わして貰えぬでござろうか?」

 と言う事でそれから五人が持ち寄った酒と肴を主にして始まる酒宴。
「……いちいち過去を詮索したりするのも面倒だしな」
「カザック殿……やはり男は見た目ではござらんな。御主の様に器が大きいと、女も男も寄って来るのでござるな」
 安い割に酒精の高い酒ばかりではあるが、耐性があるらしいカザックの様子は盃を重ねても余り変わった様子は見られず、それでもオボロを主とした五人との会話には少なくとも会ってまだ間もないのに比較的、打ち解けている様子は見る事が出来ていた。
「えぇ。私もこうしてトリニテートの一員になれた事、嬉しくございます」
 その後に続いたフォンの方を見れば、彼の敬う様な眼差しを受けてカザック。
「あんた女か? 随分綺麗だな」
「……ふふ。御冗談は御止め下さいませ」
 あくまで演技だがそれでも艶ある風貌には彼でなくとも見蕩れ……それ故、良く勘違いされる事でも未だに慣れないフォンは僅かに固まり頬を強張らせるが、それは上手く隠して穏やかに応じたその次。
「そう言えば噂に聞いたでござるが、最近良い物を手に入れたとか?」
「……へぇ、耳が早いな」
 オボロがいよいよ本題を切り出すと果たして表情を変えたカザック、未だに酒こそ含みながらも瞳眇めて彼を見るが
「御主の器の大きさを見込んで頼むでござるが、是非一目見せて貰えぬだろうか?」
「まぁ折角だ、見せてやるよ。着いてきな」
 それを受けても至って普通に、動じる風にも見せず話続ければ……そう言ってカザックは立ち上がると五人を連れて、確かな足取りで歩き出した。

●疑惑の2 〜酒場と言うか、最早武器屋では?〜
「いらっしゃい」
 かたや、ブランが経営する酒場を訪れた残る五人は年長者であるジェフリーを筆頭に入口の扉を潜って彼の歓迎を受けていた。
「すげー! 見た事ない武器が一杯だぜ!」
「夜ご飯……美味しそうだぉ!」
 尤も入って早々、酒場のあちこちを落ち着きなく見回しては言うヴァンとライスの様子を見てブラン。
「変わった組み合わせだな」
「まぁな、色々あって……と言う事にしておいてくれ」
「詮索はしないさ、どこでも掛けてくれ」
「ありがとうございます」
 苦笑を浮かべると歯に物が詰まった物言いのジェフリーの発言も何ら気にせず皆へ席を進めると、恭しく頭を垂れるプレノアだったがやはり先の彼らと同じく辺りを見回すと……ブランを見て尋ねる。
「そう言えば最近危険な橋を渡っていい物が入ったという噂を聞いたのですよ。私も都市を渡り歩く身、自身を護る良い武器に興味があります」
「へぇ、成程……そう言う事情持ちか」
 すればそれを受けて不敵な笑みを口元に浮かべる親父へ、それぞれ注文を頼みながら頷いて彼女。
「無銘の武器ですが私もきっちり鍛えていますし、良い物とやらを見たいのです」
 遠回しでも端的に、自らの望みを彼女は告げるが……それは暫く酒場内を飛び交うオーダーによって反応はないままで。
「さて、それなら……これで皆の期待に添えるか分からないが」
 しかしそれでも五人の頼んだ注文が卓に全て揃えば次いで、果たしてプレノアの願いは受け入れられると一本の剣を取り出したブラン、それを彼女へ託すが……確かな冴えこそ持つその剣は、カールフォン家の家宝のそれとは違ったもの。
(「武器屋との接点は見られたが、件の長剣については誰も見ていない……となると、隠し持つかそれとも」)
 それを見て、日中に町の武器屋を巡ったジェフリーは聞いた話を思い出しながら思案するも、それを打ち消す様に初めて声を発したハインツ。
「噂に違わず、素晴らしきコレクションだとお見受けした! しかし、刀剣類が多い様な? 例えばハルバードはないのか? あれこそ武器中の武器……突いて良し、薙いで良し、引っ掛けて良し! 正に究極の武器と言えよう! ハルバードこそ!」
「ハルバード、ねぇ。飾っていないのは……シンプルじゃないから、だな」
「何ィ? ならもうハルバードじゃなくても良い! 何かこう、もっと由緒正しい武器は無いのか〜!」
 あちこちに飾られている数々の武器のせいか、恐ろしくテンションが高かった!
 因みに彼が頼んだのはライムジュースのトニックウォーター割りで、酒に飲まれている訳ではない。
「とりあえず落ち着け……なら率直に聞こう。こんな剣はないか?」
「それ、は……」
 その事は知りながらもつい確認しながらジェフリーも彼の言に乗ってまっすぐ本音をぶつけると、果たして口籠るブランが浮かべた表情は後ろめたいものではなく、憐憫を含んだそれ。
「何だか眠くなってきたぉ……」
 故にその表情を見止めたライスはプレノアと共に彼の息子と遊びつつも周囲の客から聞いていた話を打ち切れば、ハインツも自身の得物を取り出そうとしていたからこそ今日はここまでと暗に皆へ告げるのだった。

●果たして出た結論
 一先ず二日を費やして一行は確かな結論に至っていた。
「『良いもの』は、前衛的な形状の斧だった。で翌日も許可を貰い屋敷の中は全て見て回ったが……家宝の長剣はなかったな。屋敷内の管理が大雑把だった事を考えると、それだけ厳重に隠蔽している事は考え難いし、そも適当な場所もなかったな」
「それに目利きの出来る奴じゃなかった事を考えると家宝とは言え、あれを奪う理由は薄いと思う」
 先ずはカザックの周囲を調査したヒューイがその結果を紡げば、ジークも頷きフォンが持ち寄った剣を受け取った際のカザックのはしゃぎっぷりを思い出して添えると
「ブランは実物こそ見た時があったが、しかし手元にはないと言う話だった。武具を管理している倉庫も全て見せて貰ったが、怪しい所は特になく」
「人となりについて信用は出来る様だゼ。武具の類の入手ルートまでは最後までは分からなかったけどナ」
 次いでブランの側をハインツが纏めれば、衛兵伝手に聞いた話を思い出したガウェインが捕捉すると間違いないそれらの事実からヒューイが解を紡ぐ。
「……となると結果、家宝を持ち出したのはギッターリと言う事になるのか」
「これは参ったんだぉ!」
「とてもそう見えないのは、俺の気のせいか?」
 そして渋面を浮かべる彼に、あえてなのだろうライスは普段と変わらず明るいままの調子で言葉発すると流石のヴァンでも呆れた様子を垣間見せるが
「ともあれさぁ、これからはお仕置きの時間だぉ!」
「その前に改めて纏めるべき情報を纏めてから……ですね」
 それでも犯人は見つかったのだから、と言う代わりにライスが握り拳を固め言うとついその様子に巻き込まれたプレノアは初めて小さな笑みを零しながら、少なくとも今持つギッターリの情報について皆と頭寄せ、纏め始めるのだった。



マスター:紬和葉 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/04/21
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