ステータス画面

≪アルカナ魔法教会≫どれがお好み? 三つの妖花は危険な香り

<オープニング>

 森を進むとある村の行商人の隊列。ふと気付くと漂ってくる甘い香り。
「なんだ? この香りは?」
「おい、あれは……」
 仲間が指差した先には三人の美少女。その体を覆い隠すのが普通の服ではなく花びら、足元に見える緑……明らかに人間ではない、危険な存在なのに恐怖も感じず、体も動かない。感じるのは、少女の可憐さに対する畏怖にも似た感情と、手を出してはいけないと理性が忠告し続けているのに沸きあがる欲望。
「クスクス……いらっしゃい」
「私はいつでも大歓迎よ」
「私を選んでくれたら、嬉しいな」
 少女達の鈴の鳴る様な声を聞いた瞬間、男達の理性は折れた。
「大は小を兼ねる! 大きいのはやっぱり理想的だよな!!」
「いやいやこういうのはバランスが重要なんだよ! 大きすぎず小さすぎず……素晴らしい! マーベラス!」
「馬鹿かお前達は! この小さい、と言う事がいかに重要か理解していないのか! そう、これはある種禁断のものに手を出すという感じがたまらないんだよ!」
 三番目に関してはある意味事実と言う点は置いておくとして。
 三人のある点に関して著しい、ある意味絶望的なまでの格差があるアルラウネ達の競い合った誘惑の前に、男達は次々と魅了され、一様に悲惨な終焉を迎えた……。

 深い森の中、三体のアルラウネはそれぞれに自分の魅力を主張し、言い争っています。全員が自分に絶対の自信を持っているために互いに全く譲りません。彼女達の最終的な勝敗を決める方法は『魅了した人間の数』。そのため、森の中を通る人間を狙う事を考えたようです。
『絶壁、普通、爆裂』の3タイプ。三匹に大きな実力差はありませんが、ごく一部に著しい格差が存在しますので、呼び分けるには苦労しないはずです。
 勝利条件は『アルラウネを3体倒す』となります。
 アルラウネとは、大きな花と一体化した姿をしているピュアリィです。
 足は人間の足になっているので、普通に歩くことができます。
 アルラウネは武器を持たず、花粉を飛ばして攻撃してきます。この花粉は、ときどき『プラスワン』が発生することがあり、ダメージの他に【毒】や【3マヒ】のバッドステータスが発生することがあります。
 また、甘い香りを漂わせて攻撃してくることもあります。この攻撃も、ときどき『プラスワン』が発生することがあり、ダメージの他に『自分【術】』の効果や【暴走】のバッドステータスが発生することもあります。
 攻撃の射程は、どちらも遠距離です。
 好みは人それぞれ、よって最終的な結論など出よう筈もないのですが、その辺りがピュアリィの知性の限界と言うことでしょう。哀れな犠牲者を出さないように、さくっと倒してしまいましょう。
 アルラウネ達はそこそこ手強い相手ですが、あなた達ならば、必ずや打ち倒す事ができるでしょう、がんばってください!


マスターからのコメントを見る
参加者
幸せの紡ぎ手・シェラ(c00784)
那由他刀・ルーン(c01799)
大鎌の星霊術士・ティア(c01857)
もふ毛求めて・プレノア(c03487)
大鎌の妖精騎士・パリス(c21271)
サイドポニーの弾丸令嬢・ノエミア(c21871)

<リプレイ>

●言わない方が良い事、考えない方が良い事もある
 アルラウネ退治へ向かう道中、那由他刀・ルーン(c01799)は同行してくれたメンバーを一通り見やって考えた。
(「それにしても、たまたま手が空いていた人に協力を仰ぎ同行してもらいましたが……たまたまでしょうが女性の皆さんが共通してそだっ……」)
「……育ってないとか考える人にはお仕置きです」
(「あれ? 私口に出してませんよね?」)
 もふ毛求めて・プレノア(c03487)にぺちぺちと叩かれるルーン。視線が痛い。口に出していないのに考えている事が分かるとか、どれだけ勘が良いのか。
 気が付けば随分と森の奥へ進み、何か聞こえてきた……アルラウネ達だ。予め打ち合わせた通り、サイドポニーの弾丸令嬢・ノエミア(c21871)と幸せの紡ぎ手・シェラ(c00784)、大鎌の星霊術士・ティア(c01857)と大鎌の妖精騎士・パリス(c21271)、ルーンとプレノアの3グループに分かれ、戦闘準備。
 突然の襲撃にうろたえるかと思われたアルラウネも、相手が人間と分かると魅了の対象とすべく、その体制を整える。
 爆裂サイズと相対するノエミアとシェラ。
「……こいつを見てると無性にムカムカする」
「そうですね……それに魅了して弄んでぽいっとか……許せません!」
 多分に私怨が含まれている気がするが、彼女達を突き動かすのはエンドブレイカーとしての使命感……だといいなぁ。
 一方、普通サイズのアルラウネと対峙するはティアとパリス。戦闘と言うのは精神がものを言う局面も多い……いざ戦う前、アルラウネがティアに放った挑発は辛辣極まりないものだった。
「あんたなんかにに私が倒せるわけないじゃない、この絶壁まな板娘」
 ビキッ……!
「んだと! 誰が絶壁だこら! いいだろう、やったろうじゃんか、覚悟しろ!」
「ティ、ティア!? お、落ち着いて!!」
 一気に暗黒面に落ちそうな禍々しいオーラを放つティアをパリスが必死で宥める。世の中には言わない方が良い事、考えない方が良い事もあるというのが、よくわかる光景であった。

●男って奴は!!
 甘い香りが立ち込める、というよりアルラウネ達はエンドブレイカー達を魅了するために甘い香りを放つのみなので、むせ返るような甘ったるい領域が発生する中、戦闘は激化する。ノエミアは旅団の巨乳軍団への嫉妬をぶつけながら白い大鎌『ピアノ』を振るう。戦闘の音やら星霊の鳴き声やらで実名が伏せられているのは、まだ幸いだろうが、アルラウネからすれば完璧にただの八つ当たりである。
「……さんの服ね、おっぱいが上半分見えちゃってるんだよ。ねえ、わかる? これがホントのセイ職者……なんて笑えないっての!」
「なんだか分からないけど、隠せば良いじゃないこのペタンコ!」
「ぺ、ぺたっ……もー許さないっ!! 絶対潰す!! じゃあ隠せばいいって? 甘いよ! ……さんなんかね、いつもローブ着て隠してるのに、そのローブがぽっこりって盛り上がってるんだよ? 全然隠せてないんだよ!」
「胸のサイズなんて……サイズなんて……ぶつぶつ」
 ノエミアの八つ当たりの猛攻に加えて、胸のサイズに対する呪詛の台詞がこれでもかと盛り込まれたシェラの嘆きのセレナーデが一気にアルラウネの体力と気力を奪い去る。嫉妬のパワーは恐ろしい。三つの班の中で一際勢いがあるのがこの班であった。
 対絶壁サイズ戦、ルーンとプレノアはというと。
「胸のサイズで人の好き嫌いは変わりはしない。そんなことも理解できぬ貴様に魅了などされはしない」
 とか。
「胸が無いから好きになったのではないですよ、プレノアが成長しようと、今のままだろうとありのままでいいのですよ」
 とか、プレノアの前で格好良い事を言っていたルーンが……。
「……この絶壁、と言うのがなんとも言えないですね……美しい♪」
 魅了されていた!!
 対普通サイズ、ティアとパリスの方でも。
「綺麗……この絶妙のバランスが理想的だぜ……♪」
「やはり胸は大きいほうがいいのか、絶壁には生きる権利は無いのか!?」
 ティアが我を忘れてパリスの肩をガックンガックン揺さぶる。
 アルラウネ達は相応に、かなり弱っているものの男性二人が魅了された事は戦力ダウンと同時に、計り知れない精神的ダメージである。
「絶壁は……究極です♪」
「普通サイズの絶妙さ……至高だぜ♪」
 そんなもスルーして、とろんとした目付きで胸のサイズの魅力をつぶやく。男って奴は!!

●事が終わったら、弁明を聞こう
 ともあれ、既に相手もボロボロなのだ。これ以上被害が広がる前に何とかしてしまうべきだろう。
 八つ当たりと怨念の嫉妬パワーで最初にアルラウネを倒したノエミアとシェラがすかさず残りのフォローに入る。
 パリスを揺さぶり続けていたティアも二人のフォローが入った事で我に返って。
「ハッ……! い、いけないいけない! 話は後で聞くとして……」
 だらしない顔をしている恋人に見せた顔は、鬼のようだった。その形相を見たアルラウネが我が事のように震え上がる程に、怖い。
「まずはこっちを倒さないといけないよね!」
 怒りと怨念が弦を弾く音一つ一つにこもったディスコード。精神を誘惑で破壊するアルラウネだが、今回は恨みの音で精神を逆に破壊されてしまう事となった。
 変わって、最後に残った絶壁。こちらはプレノアが星霊ノソリンのノンノンの突撃で討ち果たしていた。進路上に魅了されたルーンがいたとか、そのルーンが吹っ飛ばされた上に着地した時にぐしゃっという卵が潰れたみたいな音がしたとか、そういうのは気のせいだと思う、多分。
 派手に暴れた周辺を、プレノアのドローブラウニーも使って綺麗に片付けて、いざ帰り道。治療され我に返ったパリスとルーンは、非常に気まずい思いをする事となった。パリスは散々散々コケにされ、挑発までされて肉体的にも精神的にも傷ついたティアを慰める事になり。
「胸なんか関係ないって。俺はティアが一番好きだよ」
「本当に!? さっき普通サイズが至高とかどうとか言っていたじゃない!?」
「ほ、本当だって……」
 慰めつつも魅了された手前、返す言葉がどうしても弱くなって本当に一番好きか、と何度も詰め寄られるパリス。
「胸は関係ないんじゃなかったんですかっ」
「と、当然ですよ!? 今回魅了されたのだってたまたま……」
 そう、別に絶壁アルラウネに心奪われたわけではない。戦闘中油断してしまってこういう事態になっただけだと必死で弁明するルーン。ぷぅっと頬を膨らませている様子は可愛らしくもあるのだが、言うだけ言って魅了されて事に変わりはない。
(「これは、当分機嫌を直してくれそうにありませんね……」)
 そんなやり取りの横で、ため息をつくノエミア。
「まずは……さんの大きさを目指してみよう……お兄ちゃんも『千里の道もイッパツマン』って言ってたことだし」
 結局、胸の大きさは気になるところであるらしい。機嫌を損ねたプレノアがけしかけた星霊達の鳴き声で名前が聞こえなかったのは、幸いかもしれない。一番の当事者であるルーンは、行きと同様、帰りも痛い視線を浴びながらプレノアに叩かれて帰る事になるのであった……。



マスター:睦月江介 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:6人
作成日:2011/05/04
  • 得票数:
  • 楽しい2 
  • 笑える18 
  • ハートフル1 
  • せつない1 
  • えっち1 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。