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ふわもこ! 春のぴよたま祭り

<オープニング>

 ぴよぴよ。まんまる黄色のかたまりが、転がるように地面を駆ける。
 ぴよぴよぴよ。後から後から続くのは、おんなじ黄色のまんまる坊やたち。
 ぴよ! ふわふわの羽を震わせて、先頭の大将が凛々しい声をあげた。
 それは、ちいさなひよこたちの、いつもの日常。
 でも、その『いつも』が嬉しいねと、村娘は笑い餌を撒く。
 ――さあ、今年もやってくるよ。可愛いひよこと卵のお祭りが。

「みんなはアクエリオにはもう慣れた? まだ僕はあのゴンドラには慣れないけど……今日はちょっとした情報を持ってきたよ」
 すっかり青い空が眩しくなり、通りを吹き抜ける風にも暖かみが増した春の午後。いつものように酒場に駆け込んできた、魔鍵の星霊術士・オルタ(cn0090)は、挨拶もそこそこに話を切り出した。
 いつもの、とは言っても、その表情は普段と少し異なるものだ。例えるなら、緩みそうになる口元を必死で隠し、つとめて平静を装っているような――まぁ、悪い知らせを持ってきたという訳ではなさそうだ。
「ここから少し遠出した所に、キアーラという農村があってね。何でも近々その村で祭りがあるそうだよ」
 何でもキアーラは養鶏が盛んな村で、まるまるとしたにわとりはこれまたまるまるとした卵を産み、生まれるひよこたちもまんまるで、更にふわっふわのもっこもこらしいのだ。
「新しく生まれたひよこたちがすくすくと育つように願いを込めて、産みたての卵をみんなで味わおうと……まぁそういう趣旨のイベントのようなんだけどね」
 と、そこでオルタは一息つき。ややあって、こほんと一つ咳払いをして続きを話した。
「ひよこには餌やりも可、さらに触り放題で一緒に遊ぶ事も出来るそうだよ」
 ま、まぁ企画としては面白いんじゃない? とオルタは瞳を泳がせて早口でまくしたてる。ああ、触りたいんだねと、その態度で早くもバレバレだった。
「卵料理は、キアーラ村特製のふわふわオムレツが振る舞われるんだってさ。中はとろっとした半熟で、自家製の濃厚チーズも絡まってなかなかの味だって評判だよ」
 これに村で採れた完熟トマトを使ったケチャップをかけて食べれば、更に美味しさが増すだろう。ほどよい甘さと酸味が混ざり合ったケチャップは、口当たりもいい。
 さらに、祭りではちょっとしたおまじないが流行しているらしい。このふわふわオムレツにケチャップで名前を書いて食べれば、その相手とずっと仲良く過ごせるのだという。勿論、普通に食べても何の問題もないし、他に絵を描いたりしてみるのも楽しいだろう。
「料理に自信がある人は、自分のオリジナルレシピを振る舞うのもいいね。村の人も飛び入りは歓迎してくれるみたいだし……あ、でも卵料理限定なんだってさ」
 ひよこと戯れつつ、卵料理を楽しむ。何だか諸行無常を感じてしまうような祭りだが、ひよこの可愛さと料理の美味しさは保障するよ、とオルタは言った。
「あ、言わなくても大丈夫だと思うけど、祭りだからって必要以上に羽目を外さないように、迷惑はかけないようにしようね。もちろん、未成年はお酒なんか飲んじゃ駄目だよ」
 それさえ守れば大丈夫。後はみんなで、賑やかに楽しく祭りを堪能しよう。ひよこも愛らしい鳴き声で迎えてくれるはずだ。
「その、良かったら……でいいんだけど! みんなで行ってみない?」


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参加者
NPC:紫銀の星霊術士・オルタ(cn0090)

<リプレイ>

●ふわもこの海
 陽気な村人の声に導かれて、シアとフィーナが目にしたのは、あちこちで転がるように駆け回る、まんまる黄色のひよこたち。
「はっ、フィーナ! ロープでひよこを囲む円を作るんだ!」
 一匹でも多くのひよこをもふりたいシアの出したアイディアに、名案ねとフィーナは喜び、ひよこ包囲網が完成する。
「これで思う存分モフれるわね♪」
 一方、じーっとひよこと見つめ合っているのはジゼル。
「……かわいい……」
 そんな彼女の頭の上に、ロザリンドはひよこをぽふっと乗せてみる。それでも気付かないジゼルに可愛いねと笑って、餌をあげるのはシシィ。
「む、シシィちゃんおいしそーですか? 食べてみます?」
 じっと掌の餌を見つめるシシィに、チコリスはにやりと笑って餌を一掴み。
 ……ぱくっ。
「本当に食べたぞなもし!?」
 びっくり顔のロザリンド達に向かい、シシィは微妙な顔で苦笑いする。
「何だか恐ろしい図の気がするが……折角だしゆっくり癒されよう」
 少女達の反対側では、フェイを筆頭に6人の男達が、今まさにひよこと戯れんとしていた。
「ひーよこまるまる、おおきくおなりー」
 のんびり餌をやるサイクスの頭が、急にずしりと重くなる。何事かと見てみれば、そこにはまんまるにわとりを乗せてにやりと笑うフェイの姿が。
「あはは可愛い可愛いぐっ!」
 だが、そんなフェイの頭にも、グレンの差し出したひよことにわとりの親子がぽふりと乗せられる。
「グレンの頭には何匹乗るかなぁ?」
「……待て。何故俺の頭にもひよこを乗せる」
 一匹ずつひよこを手に取り、くすくす笑うノア。ふわふわした小さな命をどうしても振り払えず、グレンはされるがままになっていた。
「ほれ、見てみろひよこ。全く男はいつまで経ってもガキだよなぁ」
 手の中でころころ転がるひよこに語りかけ、セシリオはのんびりと皆を観察していた。ガルドはひよこを頭に乗せ、親子丼を美味しそうに食べている。
「ていうかガルド……ひよこ乗せて親子丼を食うな」
 軽口を叩きあえる、そんな仲間達と過ごす時間は……やはり楽しい。
「我々のぉー! 達成すべき目標はー! ぴよぴよどもをもふもふすることであーる!」
 栄えあるぴよぴよ部隊の勇者達は、ひよこの群れ目掛けて突撃する。
「何だ、餌か、餌が欲しいのか!」
 どこまでもハイテンションに餌を撒くルナンガの元へ、我先にとひよこたちが群がってきた。
「あ、ルナにひよこさんたちとられちゃう……! イシュお願い、もっと撒いて!」
「大丈夫か、な?」
 すごい剣幕で詰め寄るベンテンに押され、ありったけの餌をばらまくイシュタル。と、ひよこだけではなく、にわとりまでもがベンテン目掛けて押し寄せてきた!
「ちょっと、ちょっと、テンはエサじゃないぞ」
 ひよこと一緒に草原をくるくる回っていたカルラは、慌ててにわとりたちの間に割って入る。しかしその勢いたるやすさまじい。
「くっ、つついたな! なんだ反逆か! 反抗期かー!」
 もみくちゃにされながらも、彼らはちょっぴり嬉しそうだった。
「ひよこいっぱいなの〜♪」
 お日様の色でまぁるくていっぱいのひよこに囲まれて、ユーリィカは幸せいっぱいの吐息を漏らす。『ひよこの家』の皆も嬉しそうだ。
「ひよこたち来い来い〜、食べ物いっぱいあるよ♪」
 エルスの撒いた餌に沢山のひよこが寄ってきて、辺りはまるでぴよぴよの海だ。ルミリアは早速、ひよこをもふもふしたり頭に乗せたりしている。
「しっかし……美味そうだ」
 まんまるのにわとりを見たアランは、思わずじゅるりと唾を呑み込んだ。
「食べるの駄目! 絶対!」
 そんなアランにニイネがびしっと指を突き付けて、代わりにとひよこ型の弁当箱を差し出す。ひよこの海に揺られながらも、彼らは卵料理を堪能したのだった。
「仲良しさんどっちがたくさん出来るか競争です」
 餌やりに夢中になるナノを見て、フィオルは手にしたひよこをそっとナノの頬に触れさせる。ふわりとくすぐったい感触が、優しく頬を撫でた。
「わあ! びっくり。おどろきました。楽しいいたずら?」
「ふふふ、ごめん。あんまり楽しいものだから、悪戯してみたくなったんだ」
 幸せな時間を有り難うと、フィオルも笑った。
「ねーねーすごいふわふわだよふわふわ!」
 思う存分ひよこをもふりに来た『うたたね』は、ユリウスを筆頭に、皆ひよこの愛らしさに魅了されていた。
「きゃ〜きゃ〜ころころ転がってるぅ!」
 指でひよこをつんつんするフアナの胸は、既にきゅんきゅんときめいている。
「あう、どうしよう……たくさんいてどの子からもふもふすればいいかわかんないよぉ……」
 わたわたと手を動かすアルチェステラの周りには、ティマが撒いた餌のせいなのか、ぴよぴよと沢山のひよこが集まっていた。
「はう〜、落ち着きなくてピヨピヨで可愛いのですよ〜」
 見ればユリウスがひっくり返り、ひよこの中に埋もれてしまっている。ひよこの布団でおねむのようだと、ティマは笑った。
(「誘ってきたは良いけど、リリナはフワモコに夢中で構ってくれないのですよ」)
 真剣にひよこと遊ぶリリナを見て、ならばちょっぴり悪戯をしかけようと企むイオン。
「……ひゃんっ!? な、何これ……」
 イオンの手により、そっとリリナのローブに入れられたひよこは、背筋を滑って下着の紐をつついたりと、まことやんちゃな遊びっぷりを発揮してくれた。
「もう、イオンさんたら……知りません!」
 まだくすぐったいのか身をよじらせ、それでもリリナはぷいとそっぽを向ける。それは、年相応の少女の顔で――その顔が見れた事を内心喜び、イオンは良い思い出を作れたと笑うのだった。
「奇天烈すぎるだろう此処にこの面子は」
 男3人で祭りにやって来た、ジェイの第一声がこれだった。見ればアンブローズがクロッツに寝そべってみろと言い含め、その身体に餌をばらばら撒いている。
「……何だこの状況。動けない」
 たちまち群がるひよこたち。あっという間にふわもこ山の出来上がりだと、アンブローズは満足げにクロッツを眺める。
「なんだジェイ硬直して。お前好きだろ? こういうの」
 続けてジェイの懐や頭にも次々にひよこを乗せていくアンブローズ。仕返しとばかりに、ジェイは餌をアンブローズに投げると、一際大きなにわとりが彼の頭をついばんだ。
「やめろ俺の貴重な毛が……!」
「……毛、既に貴重だったのか」

●ふわとろ天国
 ぴよこぷみぷみ〜という可愛らしい歌を口ずさみ、『てふてふ』のラサティは持参した卵尽くしのお弁当を広げる。
「レイ、一番大きいのがほしいの!」
 お絵かきは得意だというレイがケチャップで描いたのは、可愛らしいひよこの絵。
 一方、にわとりに触りたがっているのはクヤク。でも流石に人目が気になるから、眺めるだけにしようと思い直す。
「せっかくかわいいにわとりさんがいるんですから、一緒に遊ばないともったいないですよ」
 そんなクヤクの背を押すように、アレクがそっと間に入って壁を作った。クヤクが結局どうしたのかは……彼のみぞ知る。
「そう言えば……こうすると、ずっと仲良しでいられるんだってね」
 にこりと笑って、ブランクとニノンはケチャップを取り出し、オムレツに互いの名前を書く。
「えへへ〜、いっただきますっ」
「あれ、慌てて食べるから、口の周りに付いてるよ」
 ニノンの口元に付いていた欠片を、ブランクは指先でそっと拭い、ぱくりと口に入れて。
「……えっとね、あのね、言ってくれればいいからね?」
 恥ずかしそうに呟くニノンは、明らかに慌てていた。
「絵はあんまり得意じゃないですけど」
 オムレツに絵を描いているのは、アオとクーン。アオは頑張ってひよこを描こうとするも、出来たのはケチャップで塗られた赤い丸。
「俺のは自信作だもんねー」
 一方、鼻歌を歌いながら描いたクーンのひよこは、綺麗に描かれた見事な一品だ。
「美味しかったら、いいんです」
 ドキドキしながらナツメが書いたのは、大切な人――ソウガの名前。それだけじゃ恥ずかしいから、音符と星も書いちゃったりして。
「おや? ナツメさんはたくさんかけてますねぇ。私の名前……ですか?」
「って、わあ! ソウガさん見ないでー!」
 慌ててオムレツをかき込むナツメの口元にケチャップが付いているのを見たソウガは、ごく自然に指先で拭い、ぺろりと舐めたのだった。
「オムレツですか……なるほど、これは素晴らしい出来映えです」
 まさに命を凝縮した味わいだと、リラは料理に対する感想を一しきり述べ、あっという間に一皿を完食する。
 同じく隣でオムレツに挑戦していたテティは、旅団の皆の名前をケチャップで書こうとして……でもスペースが足りないのでひよこの絵を描いてぱくんと食べた。
「さて、ここは腕の見せ所だな」
 卵料理に取り掛かるのは、『夢幻亭』店長のヴァイス。作るのはカスタードプディングだ。デコレーションにもこだわりを見せる彼の料理に、料理のレパートリーを増やそうと勉強中のデルヴィーンが興味を示した。
「これは……見た目も綺麗ね。良かったらコツを教えてくれないかしら?」
「ああ、私で良ければ」
 こうして青空の下、ヴァイスによる料理教室が開かれたのだった。
「わーいみんな! こっちこっちー! リィザせんせーのお料理教室が始まるぜー!」
『ウォークライのキャラバン』のナハトが、団員達を手招きする。彼らが今回挑戦するのはオムライスだ。
「はい! わからない事があったら何でも聞いて下さいね!」
 先生は初めてでドキドキのリィザは、ひよこに心奪われつつも手際よく支度にかかる。
「リィザ先生! 卵の準備はバッチリです!」
 ひたすら卵を割り続けるハルだが、ちょっぴり殻も混じっていたりする。
「実家にいる時に、下の子達に作ってあげてたんだよね〜♪」
 手際よく材料を切り分けるのはイツキ。具材は星形と見た目も凝っている。
「へぇ、皆普段から料理するのかい?」
 卵を焼くのはミウシヴァンの担当だ。火力に気を付けて、中身はとろとろの半熟に。
「アタシの料理の腕はあくまで自分用だったからねぇ」
 仲間達の料理を見てコツを掴んだのか、デアドラがふむふむと頷く。
「料理は基礎の基礎しかできないので……皆先生です」
 尊敬の眼差しで皆を見つめるキサだったが、マークスに視線を移した所でちょっぴり硬直した。
「なんでこうなったんだああ!」
 絶叫するマークスのフライパンの上にあったものは、チャーハンのようなご飯炒め。
「いや、とっても美味いでさァ♪」
 ちゃっかりつまみ食いをしたクジャが、満面の笑みで親指を立ててみせた。
 こうして無事にオムライスが完成し、デザート代わりにセヴェルスの作ったエッグノッグが振る舞われた。
「ふむ、少し空気を入れすぎたかな?」
 首を傾げるセヴェルスに、そんな事はないとナハトは笑い、オムライスの上に大きく旅団の名前を書く。
「えへへー、おれ、皆とずっと仲良くしたいなぁ」

●合言葉は、ぴよたま!
 まんまるひよこがころころ転がり、触ればふわふわ、餌をあげれば懸命についばむ。
「ああ、もう、かぁいいよぅ!」
 はわわーと頬ずりする勢いで、リンは掌のひよこをそっと抱きしめた。見ればにわとりもまんまるで……あ、こっちに転がって来た。
「お姉ちゃんをいじめたらだめぇ〜」
 リンに突進するにわとりを、妹のサキがぎゅうううっと止めた。あ、でもまんまるで抱き心地がいいかな?
「……こっそりひよことか乗っけてみようかな」
 思う存分愛でていたソフィアは、肩にひよこを乗せて卵を検分しているレイナの頭に、更にひよこをぽふっと乗せてみた。
「これは……癖になりそうね……」
 ひよこの山に埋もれるというのも、いいかもしれない。
「良かったら、私の料理食べてみない?」
 オルタを呼び止めたルーウェンが作っていたのはプリン。種類も豊富で、食べ比べを勧められたオルタは一つ一つじっくり味わった。
「オルタさ〜ん!」
 まんまる黄色のひよこを手に包み、駆けてくるのはファイ。
「はい。ひよこさんです」
「え? う、うん。それは分かるんだけど」
「まん丸くて可愛いわね」
 続いてアエラが、にっこり笑ってオルタの手を取り、ひよこを乗せてあげる。こうでもしないと触れないだろうと思っての事だ。
「他人に強制されてなら仕方ないねぃ」
 フォムルスも笑いながら、頭や肩に次々にひよこを乗せていった。既にオルタの顔は隠し通せない程にまっかっかだ。
「ほらほら、素直になりなさい」
 アエラが指差した先には、全身を使ってひよこを愛でているゲオルグがいた。
「ふわもこもふもふで可愛いなぁ。なんて幸せなのだろう……」
 人目も気にせず全力でもふるその姿は、ある種の神々しさを感じさせる。
「やほー! ふわまるぴよたま可愛いな! けしからんもふってやるぅぅぅー」
 ひよこを頭に乗せたパルシェレートは、『ぴよこ帽子』と命名し、仲間達にも勧めて回った。
「では、失礼して私も……」
 ひよこを撫でていたアイザックも、お気に入りの一羽をそっと頭に乗せる。うん、ふかふかだ。
『Priere de la vie』のロアもすっかりひよこに懐かれて、彼は両手に乗せたひよこを仲間達に差し出した。
 くすりと笑って受け取るのはクイール。一方デュークリスはそっと人差し指を立てて、ルーファスの頭にひよこを乗せた。
「おい、デュークリス! 勝手に乗っけんなよ!」
「自分より……君といた方が、ひよこも安心すると思うんだ」
 ねぇ? とデュークリスはクイールに同意を求め、彼女も素直に愛らしいと返す。楽しそうな仲間達を見ていると、ロアも思わず笑顔になっていった。
 一方、セキノトは積年の疑問を晴らす為に祭りへやって来ていた。
「とりゃああああ!」
 手ごろなひよこに、セキノトはドレスアップをかける。だが……対象に拒否られたドレスアップは効果を発揮する事なく、彼はがっくりと膝をついた。
 ああ、夢のヒヨコ大名行列が消えていく……。
「オルタン、本当にありがとう楽しかったよ!」
 そんなセキノトを尻目に、オルタと一緒にひよこに餌付けしていたモーリーは、初めて見るひよこに大感激しつつ名残惜しそうにひよこに手を振った。
「祭りも、もう終わりだね……」

「行き成り御免なさいね? 私はセレティナ」
「俺は……レオンだ」
 素敵な名前ねと返して、セレティナは小さなひよこをそっと抱きしめる。どう触ればいいのか悩むレオンに、優しく撫でてあげればいいと――その言葉でひよこに触れたレオンは、ふわふわした感触に驚いたようだった。
「ふふ、きっとまた会えるわ」
 別れ際。意味ありげな微笑を浮かべ、セレティナは静かに歩き出す。
「また会える……か。俺もそんな予感がする」
 不思議な女だったなと呟いた言葉は宙に溶け、遠くからは祭りの喧騒が余韻のように響いてきた。



マスター:柚烏 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:76人
作成日:2011/05/21
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  • 楽しい16 
  • ハートフル25 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
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