ステータス画面

異型成す群れの行進

<オープニング>

●明日のない日
 崩れかけた瓦礫の壁に、腐って一部が黒ずんだ木製の扉。
 広い都市国家の下層には廃れた地区が広がり貧困層の人々が暮らす中、廃墟も多く治安が悪い地域もまた大半を占めていた。
 しかし吹き始めた暖かい風は貧富に差を与えることはなく。スラムで生活する人々の心にも同様に新しい季節の始まりをもたらしていた。
「おかあさん、このお野菜も大きくなってきたね」
 スラムに程近い場所にある農地の中で少女が屈む。冬の入り口に植えた植物の成長に目を輝かせては、傷めないよう大事そうに鮮やかな葉に触れた。若草色の蔓から垂れるえんどうの莢(さや)を数えていたかと思えば、甘い香りに誘われて熟した真っ赤な実へと駆けて行った。
「この苺はもう収穫できる頃かもしれないわね」
 じゃあ明日は早起きして皆で採りに来ましょうね。母親が優しく笑い掛けると、少女は待ちきれない様子で全身で喜びを表した。
 広がる耕地は誰のものというわけでもなく、スラムの人々が協力し合い育てていた。収穫した植物のうち、スラムの村で余る量を上層の市場へと持って行くことで最低限の生活を支える。決してその先が裕福へと結びつくものではないと知りながらも、生きている事が彼らにとっての希望だった。
「ねぇ、おかあさん。何か来たよ」
 袖をくい、と引っ張られ視線を移せば、母親は声を失った。尾を左右に大きく揺らし大股で畑にずかずかと踏み入ってくる異型の群れを見るなり、すぐさま少女の手を引く。
「早く、逃げるわよ!」
 鋭い爪の生えた鳥の脚が、遠慮無しに歩を進める。
 ぐしゃり。潰れた苺の実が指の間から飛び散った。
 その様子を見てしまった少女が母親の手を振り解き、走り向かう。
 駄目。待ちなさい。母親が慌てて後を追うも手は届かない。
「おまえ、ちっちゃいナ」
 涎を垂らす口を隠すように、気味の悪い笑みを含んだ仮面で顔を覆われたジャグランツが巨大な斧を大きく振り上げ――。
「踏んじゃ駄目。みんなの……」
 お野菜。少女が言い終えることなく、ごとり、と小さな頭部が土の上に転がり落ちた。

●救いの手
「……危惧していた事態が現実のものとなってしまうようなエンディングが視えました」
 集まったエンドブレイカー達を前に弓の狩猟者・ナターリア(cn0011)が厳しい表情で口を開いた。
 それは、先日ジャグランツの襲撃を阻止した太刀の魔法剣士・レイ(c02945)、ハルバードの城塞騎士・エルンスト(c03127)、大剣のデモニスタ・イトカ(c03441)、大剣の城塞騎士・クロミア(c04585)らが憂いでいたこと。アクスヘイムの下層、治安が悪い廃墟周辺のスラム地域で、ジャグランツの群れを率いたジャグランツマスカレイドによる襲撃事件が多数発生するというものだ。彼女以外にも同類のエンディングを視た者が多い。襲撃が行われる場所や時間は異なるようだが同類の事件が多く起こると思われるため、可能な限り被害を減らす必要がある。
 ナターリアが視た事件は、近くに農地が広がるスラムで起こる。ジャグランツの群れは畑で二人の親子の命を奪った後に村へと向かったようだ。
「群れを成すジャグランツは全部で11体。そのうち1体がジャグランツマスカレイドで、どうやら群れを率いているリーダーのようです」
 ジャグランツは体長三メートルにも及び、堅い肉体を持つ。荒い性格でも様々な武器を操り、マスカレイドではない個体であっても油断する事はできない強敵だ。今回のスラムを襲ったジャグランツは鋭利な先端を持つ槍と大きな弓で武装している。一際大きい体格をしたジャグランツマスカレイドに至っては刃渡りの広い大斧で村人達の首を切り落として楽しんでいるようだ。
「……特に小さな子どもや女性などの弱者を襲うのを好むようです」
 悲鳴を上げ逃げ回る姿を追い詰めることで快楽を覚えるなんて、性質の悪い殺戮としか言いようがありません。ナターリアが眉を寄せ、辛そうに目を伏せる。
「数は多いですが、群れにリーダーがいることが分かっています。そのリーダーを倒してしまえば残りのジャグランツは戦意を失い逃げ出す筈です」
 撃破する順番が大きな意味を持ってくるだろう。しかし弓や槍を持つジャグランツ数体がリーダーのジャグランツマスカレイドを護るよう同行しているため、容易に近付く事は出来ない。行く手を阻む敵を優先するか、上手く誘導し敵の動きを乱すか――判断が必要になる。
「特に弓を持つ相手は厄介ですから注意してくださいね」
 それは弓を扱う彼女自身がよく知っているために出た言葉。離れた位置からの攻撃であっても見過ごすことはできないのだ。
「生活する場所は違うとしても、人の命は等しいものです。ジャグランツを率いたマスカレイドの目的は分かりませんが……、救える命があるのなら手を差し伸べたい。どうか皆さんの力で人々を救って欲しいのです」
 ご協力をお願いします。言葉を選ぶように、ナターリアは静かな口調で話を締め括った。


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参加者
爪のデモニスタ・ラプラス(c01185)
杖の星霊術士・ナージャ(c02152)
太刀の魔法剣士・シキ(c02876)
斧の魔獣戦士・コウ(c02877)
杖のデモニスタ・ファング(c03602)
ハルバードの群竜士・ベイルーク(c06770)
槍の城塞騎士・フォルケ(c10040)
アイスレイピアの魔曲使い・ノア(c10055)

<リプレイ>

●撹乱の策
 限られた人の往来しかなかったようなスラムが、騒々しい雰囲気に包まれる。幾つもの角張った鳥の脚が、ひっそりと暮らしていたスラムの人々の生活区域へ踏み入ると、あちこちで大声が上がり始め、駆ける住人により砂埃が舞った。
 突然の侵入者を見るや散り散りに逃げていく人の様子を愉快がるように、ジャグランツ達が低く唸りながらゆっくりとスラムの奥へと向かう。弓を構え、槍を振り上げる。今はただ面白がり振舞っているだけで殺戮にまで及んでいないようだが、いつ気分を変えるか分からない。
(「……あいつらか」)
 人語を解する程度の知能は持ち合わせているというジャグランツの存在を、太刀の魔法剣士・シキ(c02876)が物陰から興味深そうに見遣った。
 スラムへ到着したエンドブレイカー達は、入口近くの建物の陰を利用しジャグランツ達の様子を伺い、奇襲のタイミングを見計らっていた。
 群れの中心で歩いている仮面で顔が覆われたジャグランツの姿を視界に捉えたアイスレイピアの魔曲使い・ノア(c10055)が、心に広がる不安感を落ち着かせるよう金に煌く髪の毛先を弄ぶ。虐殺を辛うじて生き延びた過去を持つ彼は、彼らの行為にまた怒りも覚えていた。マスカレイドの持つ斧へ視線を移すと、真新しさを感じさせる血痕がこびり付いていた。思わず目を伏せ、人々を自分と同じ悲惨な経験に遭わせまいと誓う。
「相手が槍使いとあっちゃ、負けらンねェな……」
 槍の城塞騎士・フォルケ(c10040)が煙草を所持していた灰皿へと圧し潰し、槍へと持ち替える。煙草はまだ半分以上残っていたが、そろそろ頃合いだ。最高の一服は全てが終わってからだな、と独り言ちたハルバードの群竜士・ベイルーク(c06770)にフォルケが声無く答えた。同感だな、と。
「ならば予定通りに、じゃな」
 面倒なことはあまりしたくないのじゃが。ぶつぶつと呟きながらも、杖のデモニスタ・ファング(c03602)の視線は槍を持つジャグランツを狙う。理不尽な暴力に怯える者がいるのならば、例え面倒でも放ってはおけないのだから。スラムの奥へと進んでいるジャグランツ達は、まだ背後に迫るエンドブレイカー達に気付いてはいない。すっ、と標的へと伸ばした掌から黒々とした炎が勢いを増して、最後尾を歩いていたジャグランツの背へと襲い掛かった。
 突然の衝撃に驚いたジャグランツが怒りを露わにしながら振り向く前に、シキが掌から閃光を伴う雷光を放つ。続け様に杖の星霊術士・ナージャ(c02152)が少年のように元気良く喚び出したバルカンが宙をくるりと跳び回ると、再びジャグランツを炎が襲った。
 後方の異変に気付いたのだろう。逃げる老人を追い掛けていた先頭のジャグランツまでもが視線を後ろへと移す。仮面を付けたジャグランツがエンドブレイカー達の姿を捉え憤って吠えると、一斉に残りの者が武器を構え直した。
「開演だ」
 冷たく言い放った爪のデモニスタ・ラプラス(c01185)が邪悪な気配を伴う複数の剣を生み出し、最初にファングが仕掛けた同一のジャグランツへと指差せば、次々と厚い肉体に深く突き刺さっていった。背中から地面へと倒れゆく様に、周囲が喚き始める。
「助けに来た! ここから離れるんだ!」
 先程まで追われていた老人にベイルークが声を張り上げた後、すぐさま別の一体へと視線を戻し自らもハルバードを投げ付けた。緩やかな曲線を描いたそれが手元に戻る頃には、スラムの人々の姿は見えなくなっていた。

●群れの分断
 エンドブレイカー達はまず槍を持つジャグランツに対し、離れた位置から集中して攻撃を仕掛けた。その甲斐があってか向かってくるジャグランツは数を減らし、槍を持った五体のみ。弓で武装したジャグランツ四体はマスカレイドの側を離れることなく矢を番い始めていた。
 弓を構えるジャグランツ達の視界から可能な限り逃れようと、ファング、ナージャ、ノアがやや離れている古びた建物の付近まで後退する。彼らが広がる戦場を視界に収め状況を伺う一方で、前線に立つ者達が壁になるように間に並んだ。
「所詮、獣は獣か」
 行動を悠長に観察するのはもう止めだ。作戦通り槍を持つジャグランツだけが近寄り群れに乱れが生じた様子に、シキが目を細め呟いた。太刀に伸ばした左手を一瞬止め、いつの間にか隣に並んでいた斧の魔獣戦士・コウ(c02877)の姿を横目で睨む。
「俺の足を引っ張るようなら容赦無くブッ潰すぞ?」
「はっ、テメェこそ、オレの邪魔をするようなら敵と一緒にブッ壊すぜ?」
 斧の柄を持つ右手の力を込めてコウも負けじと悪態を返すが、それに応えることなくシキが地を蹴って駆け出す。生み出した残像が隣り合うジャグランツ達の身を削っていく。
 こっからは俺の出番なんだからな。初手の奇襲の際に加わる術を持っていなかったコウが、競り合うように後を追う。肩へと大きく振り下ろされた斧の衝撃に、ジャグランツがぐらりと足元を揺らした。ノアが惹き付けるような旋律を口ずさめば、そのまま意識を奪われたかのようにふらりとよろめきながら、地面へと崩れ落ちた。
「矢が来そうじゃ」
 状況を伺っていたファングが声を上げて促した直後、高い咆哮が響いたかと思うとマスカレイドを囲むジャグランツから順番に矢が放たれた。注意を喚起されたとしても前線で槍を持つジャグランツと将に対峙している者達は、咄嗟に回避する程の余裕は持ち合わせていなかった。ベイルークが右腕に突き刺さった矢を忌々しそうに引き抜き、投げ捨てる。
「まぁ、このくらい大した事ねェ」
 地面へ落ちている矢をフォルケが踏み付ける。脇腹から滲んだ血など掠り傷だ、気にしてなどいられない。数年前までは人々を護る騎士として、その身を盾に戦い抜いてきたのだ。今の外見からは想像し難いが、その志は当時から変わってなどいない。
「かかってこいよ」
 挑発するように『アンジェリカ』と名付けた槍を頭上で一回転させて構え直す。目前のジャグランツが釣られるように槍を高く揚げれば、その隙を見逃すはずもなく。先程被った突きの仕返しとばかりに、フォルケがジャグランツの堅い腹へと勢いよく槍の先端を捻じり込ませ貫いた。
 奇妙な笑みを含んでいた仮面が建物の方向へと向いた。流れ落ちる涎を拭うこともせずに、反動を付けて高々と斧を振り上げる。隠れていれば相手の攻撃が届かないのは確かではあるが、自らの視界も限られてしまう。回復の術を操る故に、物陰から出て仲間の戦況を把握しておかなければならなかったナージャが、咄嗟に危険を察知する。目の前に杖を出して、襲い来るだろう衝撃に耐えるためにぎゅっと目を瞑った。
(「来る――!」)

●仮面に刃を
 ぽたり。鮮血が渇いたスラムの内へと滴り落ちる。
 ナージャへと投げ付けられたはずだったマスカレイドの斧は、自分よりも小さい彼女のを庇うように幾分か前方に位置していた高身長のラプラスによって遮られた。しかし高い闘志を持つ彼でさえも、その身を抉られるような衝撃に覆面の下の表情が歪む。
「ラプラス、ごめん――」
「いや、大丈夫だ。それよりもまだジャグランツが残っている」
 安心させてやるかのように手を軽く上げ、体勢を整える。絶対に無事に終えて帰る。恋人を想い、そう心に誓っている彼にはここで倒れるわけにはいかない理由があった。勿論彼だけではない。誰しもが等しく、ジャグランツマスカレイド率いる群れがスラムで起こす行為への憤りを感じていた。
「これで残り七体じゃ」
 宙にぐるりとファングが杖で円を描けば結界陣が展開され、幾つもの魔力を帯びた矢が槍を持つジャグランツの胸へと突き刺さった。暫く呻き声を上げていたが、かき消えて動きを止めた。
 残り七体。それがマスカレイドへ総攻撃を仕掛ける頃合いとして予め示し合わせていた数。今、エンドブレイカー達の前に残るのはマスカレイド一体に、槍を持つジャグランツと弓を持つジャグランツが三体ずつ。
 ファングの声を合図に、残りのエンドブレイカー達も一斉に、仮面が顔を覆うジャグランツへと標的を定め始めた。前線を支えていた四人に至っては誰もが少なからず傷を負っている状況ではあったが、リーダーのマスカレイドの撃破に向け再び身を奮い立たせた。
「腐ったその頭、この俺がブッ壊してやるぜ」
 自分より弱い相手に手を上げたことが許せない。スラムへ向かう途中に横切って来た畑の様子を思い出したコウが真っ先に飛び出し、腕を獣のように具現化させる。既に魔獣の血により高められていた身体は周囲を取り巻くジャグランツの隙間を潜り抜け、肉厚のマスカレイドの身を深く削り取る。
 空いた彼女の隙を埋めるようにシキが間に入り、素早い動作で幾つもの残像を伴い太刀で横斬りしていく。弓を操るジャグランツへも斬り込みを繰り出し、もはや群れとはいえない数の相手を翻弄する。
 同じ色の髪が風になびき、同じ色の瞳がジャグランツマスカレイドを見据える。普段の仲は険悪であるように見える二人だが、互いの動きは目を閉じても感じ取れることができるようだった。血を分けた彼らは、無意識に相手の実力を認めていた。
 星霊の召喚や魔法円の展開を的確におこない、仲間の体力を支えていたナージャが、自身に残された体力を感じ取った。
「スピカ、お願い」
 これが、最後。最も疲弊しているフォルケへと祈りを込めるように星霊を向かわせた。スピカがぎゅっと寄り添えば、肩口から止め処なく流れ出ていた鮮血が止まる。その様子を見届けると、表情を引き締めた。スピカは、もう喚べない。
「貴様らのような存在は、スラムの物語には不要だ」
 体力を奪い取る恩恵を再び得ようと、ラプラスがマスカレイドへ向けて鋭い爪で宙を引き裂いた。虚空の爪が生み出されるも、間に立つ槍を持つジャグランツが邪魔となり届かない。邪魔だな、と息を吐きながらも気を緩めることなく身構え直した。ならば、とノアが胸を締め付けるような旋律を紡ぐ。それは過去の虐殺により亡くなった人々の想いが響き渡るようで。
「……君に最初で最後の歌を捧げよう」

●鎮めの唄
 長引いていた戦闘も、漸く終わりを告げようとしていた。
 マスカレイドが高位置から振り下ろす斧の動きはすっかり鈍っており。強く叩き付けられた先程のようにはさせないと、今度はコウ自身の斧で受け止める。両の足に残りの力を込め、振り払った。反動でふらついたマスカレイドへ、回復から攻撃へと切り替えたナージャの召喚した星霊が容赦無く襲い掛かる。
「おいで、バルカン!」
 僕の敵を焼き払って。彼女の声に合わせるように尾の炎が勢いを増して、仮面のジャグランツへと燃え移った。焦げた匂いに眉をしかめながらもフォルケが素早くマスカレイドの懐に飛び込み、槍を喉元から突き上げた。
「いい加減、そろそろ退場してもらおうか。招かれざる客よ」
 マスカレイドの背後へ回り込んだベイルークが首へ一度、二度とハルバードの先端を神速に突き刺すと、大きく太い尾が跳ねてやがて動かなくなり――巨大な身体が崩れ、重みをある音を立てた。カラン、と地へ転がった仮面がさらさらと崩れ、砂と一体化していった。
 倒れた死骸を一瞥した後、シキが目の前のジャグランツへと太刀の切っ先を突き出すと、手から弓が抜け落ちた。残ったジャグランツ二体がじりじりと後退を始め、終には走り去ってスラムから逃げ出し始めた。
 人々が生きる世界が舞台ならば、人生は物語。そう自説を持つラプラスにとって、命を奪う存在は本当ならば生かしておくわけにはいかない――腕を高く振り上げ邪剣を生み出そうとしたが、逃げるなら無駄に追わなくていいだろうと言うシキの言葉に、そのまま静かに腕を下ろした。

 先程までの襲撃が嘘のように、柔らかな風がスラムを吹き抜けた。
 ジャグランツの姿が見えなくなり、物陰や村の奥からそろりと人々が姿を現し始める。尋ねたところ、幸いスラム内での死者は出ていないようだった。先にベイルークがスラムへ響き渡るよう注意を促し、ノアが突然の事態に付近で混乱していた女性や子供を隠れるように誘導した。その結果が、戦闘中に住人が紛れ込むという事態を防ぐことに繋がったのだ。
 ありがとう。裾が綻びた服を着た少女が近寄り、にこ、と笑い、大人たちも安堵の表情を浮かべ礼を口々にする。僕より小さい子も沢山いるんだ、とナージャが瞳の色を曇らせるもすぐに表情を戻し、笑い返した。
「少しぃ、手当や片付けの手伝いをしましょうかねぇ」
 見渡せば死骸や壊されたと思われる扉の木屑が散開していた。普段通りの間延びした口調でラプラスが提案すれば、他のエンドブレイカー達も頷く。ファングは率先して、仮面が消え失せたジャグランツの方へと向かう。観察し、後でジャグランツマスカレイドのレポートを書きたいのだという。
(「ここでは犠牲は出なかったけども、途中に広がっていた畑では……」)
 今の私に出来ることがあるならば、とスラムの人々に向けてノアが優しく緩やかな歌を紡ぐ。
 この声が、届きますように。
 人の気が無くなり静寂に包まれていた隣の畑へもまた、紡がれた歌が春の穏やかな風と共にもたらされていた。



マスター:沙良ハルト 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/04/13
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  • カッコいい17 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
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