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ボケとツッコミ、どちらが上か!

<オープニング>

●夢想
 白い靄の中、当てもなく歩くのは一人の女性……名をシエラと言う。
 因みに三十路を越えた、いわゆるアラサーの独身で花婿絶賛募集中の彼女だがそれでも日々、友人と楽しく過ごしていてそれなりに充実した毎日を送るも……寂しさに襲われる時だってやっぱりあるんです、だって女の子だもん!
「……ここは何処でしょうねぇ」
 まぁそれはさて置き……変わった状況下に置かれている彼女はと言えば普段と変わらず少し間延びした口調で余り違和感を覚えていない模様だったが、そんな彼女の視界が急に晴れれば『人影』が一つ現れると小さな囁きではあったが、甘い言葉を奏でてくれた。
「あ……」
 それを聞いて彼女は早鐘の様に胸を高鳴らせる、それこそ正しく理想の……。

「……で、俺はこう言ったんや。その武器格好いいなって!」
「確かにそれは便利で……って爪楊枝並みに小さいレイピアのどこがやねーん!」
 それから現れた理想の『人影』との突っ込み漫才に明け暮れるシエラ……前振りは全く何も関係ありませんでしたはい。
「ノリ突っ込み最高ですぅ〜」
 ともかく、彼女にとって楽しいその時間は呟いた通りに正しく夢の様で、時間を経れば経る程に実感出来なくなったからこそ自らの頬を抓ろうとした、その時。
「駄目よ、それじゃあ。夢が覚めてしまうわ」
 唐突に響いたその声を聞いて、手を止めて彼女は辺りを見回すと新たな影が一つ彼女の視界にいて。
(「夢が覚めるぅ? 終わらない夢なんて……あるのかしらぁ」)
「あなたの夢を、夢のまま終わらせるのは勿体ないと思わない? 私が、あなたの夢を現実にしてあげる」
 口調からすれば女性と察する事が出来た『彼女』はシエラが次に脳裏に過らせた疑問に正しく応じると何時からか『彼女』の近くにあった扉を開け放てば、外に出る様に指し示す。
「本当に……?」
「えぇ。だから今までしたくても出来なかった事を存分に楽しんでね。楽しみ終わったら、私の宮殿に招いてあげるわ」
「あ、ありがとうございますぅ!」
 果たして訝るシエラではあったが『彼女』は首を縦に振ると、笑顔浮かべて頭を下げるシエラへ手を振り返すが扉の向こうへ消える直前、その背へ最後に一言だけ添えるのだった。
「もし、あなたの夢を邪魔する嫌な奴が来たら……私の王子様達が、やっつけてあげるから安心してね」

●一撃必殺のツッコミ
 それからそれから……。
「それは今から五年前の話だった……」
 とアクエリオの何処かの街角で集う面々を見回し、話を振る男性がいた。
 とりあえず、そこから続く彼の話は長くて余り面白くもないので以下中略。
「……その怪しげな液体を舐めて、俺は断言したんや。『これは猛毒だ!』てなぁ!」
 そして直後、響いたその小ボケに果たして突っ込んだ者がいた。
「それ舐めて、なんでまだお前生きてるねーん!」
「ぼるふあぐっぺ!!」
 それは文字通りの突っ込みで、ただ偉く長い助走をつけた上でのドロップキックはツッコミと言うには激し過ぎて……その直撃を受けた男性は十数m先の民家の壁に激しく叩き付けられそれから動かなくなると、彼の周囲にいた取り巻きはそのおかしな光景を目の当たりにしたからこそ、蜘蛛の子を散らす様に逃げ出して。
「でもぉ、いまいちのボケでしたねぇ……ノリツッコミの方が良かったでしょうかぁ?」
 そんな取り巻きには一切の興味を示さずシエラ、首を捻れば不満げな表情も顕わに次なる標的を探し始めた。
「では改めてぇ、素敵でハイレベルな知的ボケをしてくれる方を探しに参りましょ〜」

●求む、卓越したボケ師
 時は遡って、アクエリオの旅人の酒場では犬薺のデモニスタ・フィリーネ(cn0027)が何時もの様に何と言うか、困った依頼を持ち込んでいた。
「……とそう言う事で、ある女性の夢から現れた彼女そっくりのイマージュマスカレイドがツッコミ殺人を起こす前に倒して下さい」
「まぁ、何と言うか」
「らしいと言えばらしい依頼ですわね?」
「皆まで言わないで下さい……」
 果たして項垂れながら言う彼女へ、周囲に集う皆の反応はと言えばすっかり慣れたもので微笑ましいと言うか生温いと言うか……まぁあははうふふと談笑弾ませて、ますます凹む彼女ではあったが
「それはともかく、このまま町の各所で響くボケに反応しては殺人を犯されるままにはしておけませんので早急にそのイマージュマスカレイドを倒しましょう!」
「でもそれを倒して、シエラって子は無事に済むの?」
「その点は問題ありません、思う存分戦って下さい。まぁ現場を荒らし過ぎない様に等、気にする所は気にしなければなりませんが」
 すぐに気を取り直す辺り、フィーとしても慣れたもので改めて話を元に戻せば響いた疑問にも即時に応じると暫し続く、質疑応答ターイム!
「あとあと敵はその、イマージュマスカレイドだけなの?」
「私達の様に、明らかな危害加える者との戦闘に置いてはいつぞやにも現れた白馬の王子様の様なイマージュマスカレイドも配下として出て来る筈です。でも、個々はそう強くはないので変に気を抜かなければ皆さんならきっと」
 そして最後は拳を握り締めてフィーが断言すると、少し間を置き落ち着いてからマスカレイドの誘因場所と手段について、現場近隣の地図を広げ指差しながら説明を始める。
「現れる大よその場所に時間帯も分かっていますので、後は事前に上手いボケを考えてその時に言えば勝手に現れてくるかと思います」
「でも……近くに居住区があるんだな。なら、そこから近くにある広場まで何とか誘引するのが無難か。後、何か注意する事はないか?」
 その説明を受け、一人のエンドブレイカーが思案しながら呟いてフィー含め周囲の見回し尋ねると
「……あ」
「何か、嫌な予感がする」
 果たして最初に声を発したのはフィー、どうやら何事か思い出した様で……それを聞いた皆が皆、言葉にこそせずともそんな予感だけは内心で一致させると
「もしも皆さんさえ良かったら事後、実際に彼女の夢を叶えてあげて下さい。生憎と別件あって私は同道出来ませんが、皆さんの良いボケを期待……ではなく、悪しき終焉を打ち砕くべく皆さんの奮闘を期待していますね」
 それは見事に的中して、複雑な表情を浮かべる皆ではあったがそんな反応にあえて笑顔を返してフィーは最後、言い直した上で何時もの様に恭しく皆へ頭を下げた。


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参加者
アイアムアスリーピング・ディー(c00031)
アヴァロンの蒼騎士・ガウェイン(c00230)
盾の城塞騎士・イブン(c00470)
ライオン先生・レガード(c01052)
セイヴァーセイバー・ラーズエル(c04538)
退かない媚びない省みない・エレノア(c04817)
紫眼姫だけの紅眼の守護紅蓮獣・トモヤ(c08696)
懐刃の・シズル(c18016)
ナラティブスキルの眼鏡芸人・ヴァント(c18172)
お肉大好き・テスカ(c22717)

<リプレイ>

●うだる夏の、とある一日はボケで始まった
「あの、俺なんでここにいるんでしょう。『何時も通りでいい』って事も言い含められたのですが……」
 ツッコミ魔王と化したイマージュマスカレイドのシエラ打倒を掲げる面々が集えばその最初から、いきなり懐刃の・シズル(c18016)が天然を発揮してボケる!
 が皆は突っ込まない。今回、シエラを倒す為にはボケ続けなければならないのだから戦いも始まっていないのにツッコむだなんてそんな。
「そこにボケとツッコミと笑いある限り、負けられない戦いがそこにある……芸人の意地とプライドにかけて全力で戦わなければなるまい」
 と言う事でツッコみたい気持ちを我慢して仕切り直すナラティブスキルの眼鏡芸人・ヴァント(c18172)。
 エンドブレイカーだからどうこうと切り出さない辺り、魂から芸人であると言う証か。
「そう言えばエルフヘイムでも、何か似たの出てきたよね……どんなに派手にやっても、傷つく人がいないのは気楽だわ」
 そんな彼に退かない媚びない省みない・エレノア(c04817)が頷きながら思い返して笑みを湛え……一体どんな事があったか多くの者は知らずも
「んー。詰まる所、突っ込んだら負けって事だなー。作戦的に主にはマスカレイドが」
「ふむ……そうなるのか?」
「うんたぶんー!」
 先まで立ったまま寝息を立てていた様な気がするアイアムアスリーピング・ディー(c00031)が一先ず総括すれば、何事か考え込んでいるライオン先生・レガード(c01052)が首を捻ると、それには若干八歳の曲がった付け髭が可愛らしい紫眼姫だけの紅眼の守護紅蓮獣・トモヤ(c08696)に頷かれれば、納得して後に皆を見回し言うのだった。
「とりあえず、始めようか」

●駄目だこいつら早く何とかしないと
「聞いたか? 今日、この近くの公園でお笑い頂上決戦があるらしいぞ」
 シエラが近隣に来るだろう頃合いを見計らい、お肉大好き・テスカ(c22717)とセイヴァーセイバー・ラーズエル(c04538)にレガードが揃い出張って、彼女が興味持つだろう話題を声大にして話せば、早速釣れる魚。
「えー。それって本当ですかぁ〜?」
「あ、あぁ」
 その余りの速さにレガードは思わず鼻白むが、彼の動揺に目的は知る筈もないシエラはと言えば。
「……飛び込み参加って、ありでしょうかねぇ?」
「そう言えばツッコミ役がいないと嘆いていた人がいた様な」
 次いで疑問を響かせると、それにはラーズエルが応じれば
「それじゃあ私、行ってみますねぇ。ありがとうございますぅ!」
 それだけ言ってシエラは公園の方を目指し駆け出せば
「じゃあ私達も戻って、ツッコミに備えようか」
 これを持って陽動班の任務はあっさり終了、後は公園で迎え撃つだけとなってテスカは笑んで二人へ言えば、彼女の後を追い駆けた。

 一方、公園では。
「ボケとツッコミは案外奥が深いからネー、上手くできるかナーってちょっとドキドキするネ? その辺も楽しむつもりでイマージュ退治、皆で頑張ろうかネ!」
 先ずシエラを迎え撃つヴァントらを遮蔽物がないので公園の外から見守る一人、アヴァロンの蒼騎士・ガウェイン(c00230)が屈託のない笑みを浮かべ皆を見回して言うが、呑気に寝息を立てているディーを見れば苦笑浮かべたその傍らでエレノア、偶然近くに落ちていた二本の枝を持つとそれを頭につけて言ってみた。
「……鹿ー♪」
「わー、おもしろーい!」
 果たしてボケオーラを早くも無駄に放出させる彼女へ、トモヤが歓声を上げたりと無駄に長閑な光景が広がっています!
「おっまたせー」
 とそんな時にシエラを誘い出した三人も再び合流すれば、公園の真ん中でシエラを待つヴァントの方を見ると、何時何時からか彼女と相対していて……だが、戦いは始まっていない模様。
「ツッコミ役不足の方ってぇ〜、貴方の事ですかぁ?」
「あぁ、そうだ……」
 もやがてシエラが穏やかな表情で尋ねると、彼は掛けるサングラスを直しながら彼女の問いに応じれば、高まる緊張感のその中。
(「ボケてくれるまでボケないハゲない叫ばない……自ら危険な役目を申し出る漢の為にも。そしてヅラだけは拾ってやろう!」)
(「こっち見んな」)
 テスカの内心は全力で表情に出ていて、最後に状況を確認すべく周囲を見回した彼の目に留まれば届かない心の声で応じて後、いよいよ話を切り出す。
「だが先ずテストだ、果たしてこれにツッコめるか!」
 果たして上体を逸らし、右手人差し指に全身全霊を込めてシエラを指し言えば……体勢を戻した彼は高らかに言い放った!
「クイズ・アクエリオ……始まるよっ! 優勝賞品のシエラと結婚出来る権を目指して皆さぁ、レッツ!」
「やったぁ、これで私も結婚出来るぅ……って勝手に人を賞品にすんなーぁ!」
「何、だと……ただのツッコミ好きな素人さんじゃない!」
「うふふ〜」
 そして互いの攻防が済み火花散らす二人だったが……その元に盾の城塞騎士・イブン(c00470)が何やら携えやって来た。
「杏仁豆腐だよー。冷たく美味しい杏仁豆腐だよー」
「はーい、一つ下さいなー!」
 果たしてそれを見て、今日も暑いからと彼から杏仁豆腐を受け取り食せば……直後、彼女はそれを地面に叩きつけ言った。
「てんめっ、普通の豆腐じゃねぇか!」
「杏仁の香りのする豆腐です。何か可笑しいでしょうか」
「成程ぉ……ってちっがー!」
 だが直後に響いたイブンの解は尤もで、納得し掛けたシエラは再びノリツッコミ。
「この人達のボケ……とぉっても、手強いですねぇ。それなら、私も本気を……!」
 そして彼女は二人を鋭い視線で睨み据え言うと、何処からか現れた白馬の王子様風マスカレイドを見留めたからこそヴァントは皆へ手招きすれば、やがて戦いは始まった!

●ボケとツッコミ頂上決戦!
「……最初に皆へ言っておく、万が一俺が死んだら骨とヅラは拾って家宝にしたまえと!」
「ヅラだったんかーい!」
 果たして戦場を掌握すべく、芸人ヴァントは続けざまボケてシエラを抑えるも直後に六連撃を受け膝をつく彼へ、レガードは言った。
「骨は拾って……ヅラか? うむ、何時かは拾ってやるぞ。ボケは良く分からんから多分拾えんが」
「どちらかと言えばボケを拾ってくれ……!」
 そんな彼へ思わず本音溢す芸人へ、今度はテスカが断言して誓う。
「私は大丈夫だ、安心しろ。ヴァントが倒れたら、ちゃんと埋めて埋葬してやる……ヅラをな!」
 そしてサムズアップする彼女にヴァント、この場は我慢して項垂れるとそれを見たトモヤが次いで同情の視線を投げ、はっとある事に気付き尋ねる。
「う? 骨は体の中なの。後、お兄ちゃんってヅラなの?」
「うっ……」
 あくまでそれはデマなのだが、純粋に瞳輝かせる彼の問いにヴァントはこう言わざるを得なかった。
「あぁ、ヅラだ……」
「否定しろよー!」
「この状況下、否定するのは下の下の芸人のみ! 貴方はそれが分かっていない……っ!」
 果たして肯定する彼に、様々なボケを聞いて悩むシエラだったが……まずヴァントを優先的に狙う事決めればツッコむも、その場へ更にラーズエルのツッコミ(とウインターコール)が轟く!
 すればシエラとラーズエルはツッコミだけの応酬を始め、彼を守るべくレガードもその場に割り込むと果たしてこの状況に戸惑う白馬の王子様風イマージュマスカレイド、どうしたものかおろおろと。
「二人ともやるな……けれどオールマイティなあたしの実力を見るがいいわっ」
 それを見逃さずにエレノア、精神的ダメージからか突っ伏したままの芸人にラーズエルと突っ込みあっているシエラへ高らかにそう言うと、白馬の王子様が一体へ見事なゴッドパフォーマンスを披露して大爆発に巻き込めば皆を見回して言う。
「これでも真面目に戦っているんだよ?」
 と……確かに二つと同じポーズがないゴッドパフォーマンスのみで戦う彼女は確かに浮いたが、だからこそレガードは感心しながら自身でも知らぬ内に素でボケるのだった。
「これが芸人魂……か!」


 それから暫く。
「……やー、皆暑い中で良く頑張っているなぁ」
「全くですね」
 欠伸しながらも器用に矢を打ち、一体の王子様マスカレイドを仕留めたディーは相変わらず続くボケとツッコミ合戦を見て呑気に呟くと、イブンも同意と頷いて。
 ディーにとっては寝て過ごせればそれだけで良いのだからボケやらツッコミには興味がない模様で、イブンはイブンで渋いボケを披露してから後は年齢相応に真面目な様子で王子様マスカレイドを着実に減らしている一方。
「俺の方がイケメンじゃネ?」
「敵と仲良くするなよーっ!」
「ちぇー」
 頑張ってボケる他の面々の一人、ガウェインはまだ残っていた一体の王子様マスカレイドの肩に手を回し、胸張ってシエラに尋ねれば彼女から飛んでくるグーは避けて残念がると王子様マスカレイドに向き直り、ヴィクトリースマッシュを決めご退場願った。
 何と酷い仕打ちだ、ガウェイン……だがそれよりもシズルの方が更に酷かった!
「はい。紹介します。相方のアイアンドラゴンさんです。ドラゴンさん、コンディションはいかがですか?」
 そう言って数多のナイフでアイアンドラゴンを構築すると、返事の代わりにそれは最後の王子様マスカレイドへ躍り掛かり、圧殺する……何かもうボケと言うレベルを超越している気がするが、これがシズルクオリティなんだろうねきっと。
「ばっちりだそうなので皆さんご遠慮なくボケて下さいね。俺達、死ぬ気で頑張らせて頂きます!」
『味方まで殺る気かー!』
 果たして笑顔で断言する彼だったが、敵味方問わず総ツッコミを貰って……場がもうグダグダっぽいのはきっと気のせいです。
「……こう、何かしっくりきませんねぇ」
 とそんな中でもふとそう呟くシエラの様子から、まだ満足していない様で。
「はーいっ、閃いたっ!」
 そんな時にここで漸くトモヤが腕掲げ振り言えば、シエラの注目を引くと彼女の元へ歩み寄ればテイルデストロイでしばき倒した上で言った!
「尻尾で御仕置き……尾でオシオキ」
 どうやらダジャレとボケを勘違いしている彼ではあったが、それでもトモヤは会心の出来と思ったからこそ、純粋な光湛えた瞳でシエラへ尋ねる。
「……おもしろい?」
「こんな可愛い子に突っ込めない……!」
「む? 俺はまだボケていないぞ……これでもまだ25歳だ」
(「はっ、歯痒い……!」)
 果たしてその反応に対しシエラ、次に近くにいたレガードへ掌底見舞えば困惑する彼の反応とボケに内心ツッコみたくも自重するエレノアだったが
「ちゃんと突っ込んで下さい。ボケた以上、大人も子供もありませんっ! そしてレガードさんもボケにボケで返さない!」
「ツッコんでいいのか……」
 一方で自重しないラーズエル、フリージングアクセルで切り込みシエラへツッコむと次にレガードへ言えば、困惑する彼。
「だがすまん。今こそ何か降りた俺の渾身のボケを……!」
 しかし注意された彼は果たしてそう言うと皆、何となくそれを合図に纏めてボケる!
「これはタナカ君の分! これはスズキ君の分! そしてこれは……ズボリンスキーの分!!」
 だがしかし、響く数多のボケの中で場に燦然とテスカのボケが輝き轟けばベッタベタなそれにシエラがツッコみ、綺麗に乾いた音を響き渡らせる。
「一体誰ぇーっ?! 特に最後ーぉ!」
 果たして見事な手応えあったツッコミはテスカを吹き飛ばす!
「一つ、覚えておくんだ……ボケにはリアクション力もとっても大事だってね、ぐふっ!」
「死ぬほど深い傷じゃないゼー! って、味方に突っ込んじゃったゼ……!」
「ツッコミ程度で倒れたらいけません。もっとボケないと、面白くありませんから」
 そして苦悶の表情浮かべ、最後の遺言の様にシエラへ言う彼女だったがガウェインとイブンが彼女を癒すと、シエラの反応伺えば
「……あはははぁ。とっても……面白かったよぉ……?」
 果たして先のツッコミに漸く満足したらしいイマージュマスカレイドは、そう最後に言い残して場から掻き消えるのだった。

●どうしてこんなに酷くなるまで放っておいたんだ!
 そして一行はシエラ本人の家へ足を運べば、ボケとツッコミについて教義する事となる……唐突な珍客、と見る人が見ればそう言うだろうがシエラからすれば喜んで! と言う事で。
「ちゃんと教えろよー。甘かったら、あたしが修正するぞ」
 皆の『正しいボケへのツッコミ講座』をエレノアが高みの見物、ではなく見守る中で一行はそれぞれにシエラへ先ず、正しいツッコミについて語る。
「ツッコミって言うのはボケた相手に愛を持ってやらないと、だゼ?」
「愛、ですかぁ」
「そうだね。ツッコミは会話をテンポ良く進める為の『話術』であって、話の腰を折るものじゃないんだ。って言うか、ボケの人を倒しちゃったらそこで会話が終わっちゃうでしょ? ツッコミはテンポと力加減が大事なんだよ?」
「ただやみくもに頭を叩けばいいってものではない。ボケとツッコミ、互いの信頼と引き立て合いがなければ笑いは生まれないんだ!」
 その最初をガウェインが切り出すと、首を傾げる彼女へラーズエルが頷きその理由を明確に説明すると最後に熱くヴァントが正論説けば、成程と何度もシエラが頷く中で講義は徐々に熱を帯びて行った。

「待った待った、だから全力はいかん。ソフトに素早く……ツッコむ場所はこう、延髄を……」
「それ、当身じゃないか? ツッコミならやはり、顔面目掛けたキレの良い寸止め裏拳だろう」
 それから暫く、意外と呑み込みは悪くない彼女だったが実際のツッコミはまだ荒々しく、その講義を受けながら漸くボケについて会得したレガードも口を挟むが、まだ及第点の様でテスカに諭されれば今度は彼女がシエラに手解きをする番……も、それから始まったのは腕立てやら腹筋やら筋トレの数々。
「これで海辺の視線はお前のMO☆ NO☆」
「やったぁ……じゃなくて!」
 その終わりに軽い調子で彼女が締めれば喜ぶシエラではあったが即時ツッコミを披露すると、それを見てエレノアが初めてここで動く!
「そう言えばボケと墓穴って似てるよね。ボケツと言えば火事の時とか、皆で水を運ぶヤツ。あれ、最初に考えた人偉いよね」
「それを言うならバケツですー!」
 果たしてオールマイティな彼女が繰り出したボケに対しシエラは基本のツッコミと、寸止め裏拳を皆の前で披露すれば……エレノアは笑顔浮かべ言うのだった。
「それだけ出来ればあなたも今日から立派な芸人よ」

「……で、シズルは何をしているんだ?」
「べ、別にお笑いの極意を盗んで一儲けする魂胆はないですよ……」
「笑いの道は厳しいぞきっと……Zzz」
 と綺麗に場が纏まるそんな傍ら、ディーはシズルの天然ボケをしっかり殺していたのはそれからすれば、些細な出来事でした。

 ちゃんちゃん。



マスター:紬和葉 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/08/01
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