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『黒鳥』コゼットの挑戦:星なる湖に潜む者

<オープニング>

●黒鳥の狙い
「みんな、大変よ! アクエリオ水神祭当日に、事件が起きるエンディングが視えたの!」
 いつものぼんやりした口調とは違い、どこか焦りを含みつつ早口でまくし立てながら、勿忘蝶の星霊術士・ミルティーユ(cn0116)は酒場に駆け込んだ。
 彼女が視たエンディングとは、アクエリオ水神祭の当日。会場に巨大な空間の裂け目が現れ、波乗りバルバや黒いゴンドラ乗りの軍勢により、アクエリオ水神祭がメチャメチャにされると云うもの。
 この空間の裂け目は、空虚なアガルタ・クロノ(c15837)から報告のあった『怪盗』の能力と思われる。幸い空間の裂け目が巨大だった為、エンディングに『やってくる向こう側の風景』を見ることが出来たのだ。
「というわけで……水神祭会場前に、敵が空間の裂け目に準備の為に集結している所をゴンドラで奇襲して、相手の目論見を叩き潰してしまいましょう」
 水神祭が大変なことになってしまうなんて、放っておけないものね。そうミルティーユは、真剣な眼差しと口調で言葉を紡ぐ。

 彼らが集結している場所は、代々の『アクエリオの星』が眠ると言われる霊廟。
 この霊廟は、湖の中央にある島に作られており、美しい白のような外観をしているようだ。
 『黒鳥』勢力はこの霊廟を改装して城砦化しており、『空間の裂け目』が現れると共に、残る全戦力を投入して水神際に乗り込んで来ようとする。
 アントマン塚の戦いで、多くの配下マスカレイドと集積していたゴンドラの木の全てを失った『黒鳥』コゼットにとって、この作戦は最後の賭けなのだろう。
「彼女にはもう後は無いわ。きっと、死にもの狂いで迎撃してくるでしょうね」
 激しい戦いが予想されるけれど……みんなが協力して戦えば、十分勝機はあるわ。
 彼女は薄氷の瞳を伏せつつ、淡い金の髪を揺らしながら語る。
「だから、この大きな悲劇の終焉。なんとしても破壊をお願いね」
 再び開かれたその眼差しは、どこまでも真っ直ぐだ。
 『黒鳥』コゼットの最後の拠点――湖の霊廟に集結するマスカレイドは、バグラバグラやアントマンらバルバのマスカレイド、黒いゴンドラ乗りのマスカレイド達。そして、彼等が殺害したゴンドラ乗りや霊廟に眠っていたゴンドラ乗りがアンデッド化したものと思われる、アンデッドマスカレイド達だ。
 決戦前と云うことで、主力部隊は霊廟の中に集まっているようだが、湖の島の周囲には波乗りの練習をするマスカレイドバルバや、ゴンドラの調整をするマスカレイドが数十体残っているようだ。
「まずは、このマスカレイドを制圧する必要があるでしょうね」
 次に……と、更に口を開くミルティーユ。
 島の上にある霊廟は城砦化されている為、攻め込むには城門をこじ開けなければならない。
 内部の様子までは分からないが、決戦直前であることから、多数のマスカレイド達が臨戦態勢で待機しているのは間違い無い。その中に突入して城門を開けると云うのは、並大抵では無いだろう。
 また、霊廟内部の構造は複雑になっているらしく、霊廟に入った後の戦いでも気を抜くことは出来ないと思われる。
「『黒鳥』コゼットは多分、霊廟の最奥にある、歴代のアクエリオの星達が眠る聖域に居ると思うわ」
 ただ、状況が不利になれば逃走を図る可能性もある。逃さないように工夫が必要かもしれない。
 この戦いは、アクエリオでも指折りの力を持つと云う上位マスカレイド、『黒鳥』コゼットを打ち取る千載一遇のチャンスになるだろう。
 彼女を討つ事で、アクエリオに広がるマスカレイドの闇の一端が払われる事が期待出来る。
 しかし作戦に失敗し、『黒鳥』勢力がアクエリオ水神祭の襲撃に成功した場合……水神祭はメチャメチャになってしまう。
「……そんなこと、させられないわよね。だってアクエリオのみんなが楽しみにしているお祭りだもの」
 そんな人たちの幸せを導く為にも、どうか力を貸して欲しい。
 そうミルティーユは。真っ直ぐな薄氷の瞳でエンドブレイカー達を見る。
 考えることは多い。だが、多数のエンドブレイカーたちが協力をして作戦に参加すれば、きっと成功を収める事が出来るだろう。


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参加者
斧・ミルラ(c00450)
虚月・レクサス(c03071)
アイスレイピアの星霊術士・ファイナ(c03790)
夜霧の舟・エルナンド(c04241)
絃歌・リィ(c04382)
星屑眠唄・ベニ(c05477)
黒ノ咎猫・キーストア(c07587)
暁天への憧憬・ミリアム(c14462)
ミストバトラー・ヴァルナス(c17802)
鳥曇・アサノア(c19009)

<リプレイ>

●一手遅れの戦場
 荘厳な空気の立派な星霊建築の建物。それが『星の霊廟』だった。とても巨大で、中が複雑な構造になっていることは外から見ても十分分かる。
「ここが本拠地ねえ。折角綺麗な造りしてんのに勿体ねえな」
 巨大な建物を見上げつつ、黒ノ咎猫・キーストア(c07587)は呟いた。それはどこか神秘的で圧倒される建物だから。このような目的に使われるべきではない。そう彼は思い、紫色の瞳を細める。
 でも……。
「マスカレイドの巣窟に突っ込むのちょっと楽しみね♪」
 くすりと笑みを浮かべ、緩やかな黒髪を揺らしつつ斧・ミルラ(c00450)は語る。
「マスカレイドは、私利私欲ばかりだ」
 そんな物の為に、祭りを人の命を潰させるわけにはいかない。
 緩やかに灰色の瞳を閉じつつ、夜霧の舟・エルナンド(c04241)は口を開く。この先には、アクエリオ水神祭の無事が待っている。だから――。
「さあ、私たちでこの戦いを制し、アクエリオ水神祭を無事に開催させるわよ!」
 ぐっと両手を握り締めながらアイスレイピアの星霊術士・ファイナ(c03790)が語れば、暁天への憧憬・ミリアム(c14462)とミストバトラー・ヴァルナス(c17802)も静かに頷く。
「邪魔するなんて許せないよね。ゴンドラレースとか、すごく楽しみにしてるんだから」
「皆様が楽しみにされている水神祭、安心して執り行えるように致しませんとね」
 2人の言葉に絃歌・リィ(c04382)は口元に笑みを浮かべる。
「黒鳥のお嬢さんの執着は未だわかりかねますが、この都市を訪れ水神の恩恵をいただく以上、せめても報いねば」
 静かに霊廟を見上げつつ、彼は語る。その隣で、星屑眠唄・ベニ(c05477)は静かに辺りを見渡す。
「……ベニ、怖くないよ……」
 星霊スピカのティをきゅっと抱き締めつつ静かに呟く。そのまま、みんなを守るお手伝いが出来るから、大丈夫。そう自分に言い聞かせるように呟き真剣な眼差しを向ける。
 皆の会話を聞きつつ、鳥曇・アサノア(c19009)はにやりと口元に笑みを浮かべ。
「さあ往こうか。祭りは壊させねえ」
 そう口を開いた。

 他の部隊より、少し遅れて突入をすることを選んだ10人。
 霊廟までの道程を、アサノアは周りの道を切り開く部隊に礼を呟きつつ駆け、虚月・レクサス(c03071)とキーストア、エルナンド、リィは周囲を警戒しつつ走る。ミルラとミリアムはその荘厳な建物を目の前にして少し感心したように見上げる。ミリアムが礼をした後突入すれば――どこも戦闘は開始しており、状況を良く見通す事が出来た。
 ざっと見る限り、コムナーの部隊は灰色の髪の男性と、銀の二つに結わいた髪を揺らしながら駆ける少女。そして、緑の外装を纏った少女がコムナーの近くで戦っている様子が見える。少し苦戦をしているようだが、その戦闘の状況は優勢のようだ。
 ゲバルディの部隊は、掩護の必要は無さそう。ナイトランスを構えた騎士の攻撃の後、漆黒の髪をなびかせながら足技を見せる少女の様子は少し余裕すら見える。
 先ほど、戦場を迂回して奥へ進もうとする数十人の姿も発見した。奥もまた、問題は無さそうだ。
 ならば……視線をぐるりと回せば、痩せ細った老人を相手している部隊が危険な様子だと察する。
「急ごう」
 危険を察してレクサスがそう言葉を漏らせば、皆頷き仲間を助ける為に急ぎ足を踏み出した。

●傷付く仲間
 10人のエンドブレイカー達が戦闘を行っている現場へと急いで近付く。戦っている側とは逆側へとまわり、相手の逃げ道を塞ぐ事を考えた。彼等の目的は上位のマスカレイドを撃破する事。ならば、相手がより不利になる状況へと動くのは当然のことだ。
 先に戦闘を行っている仲間達は既にかなり危険な状況の様子。前衛にて支える3人は、既に倒れそうな程傷を負っている。彼等は急ぎ足で包囲を行う。
「まずいな……そろそろ撤退を考えるべきだな」
「行くわよノソリン、一緒に突撃よ!!」
 隊列を整えながら、アムゥレファル(c04347)が呟いたのとほぼ同時。ファイナが星霊ノソリンに跨り、前線へと突撃して行く。
「祭りの前座の大花火、散ってもらうよ、盛大にね!」
 疲労困憊の仲間達の横をすり抜け、アサノアは翡翠の武器飾りを揺らしつつ、白き仕込み杖の斑雪を構えて敵へと接近する。そのまま緩やかな弧を描き敵を確かに斬りつけた。
「さぁ、纏めて薙ぎ払ってあげる!」
 ミルラが花模様刻まれた大きな斧、灰かぶりを思い切り薙ぎ払えば、その一撃は衝撃波が派生し多くの敵を傷付ける。ミリアムも共に走り、自身の腕を魔獣化させて勢いよく斬り裂けば、レクサスも爪を煌めかせて思い切り引き裂く。
 すっと、傷付いた仲間を庇うようにエルナンドは進み出ると、微笑みつつ自身の分身を作り出す。
「君はもう少し、私と遊ぼうか」
 そのまま多重射撃を仕掛ければ、周りにいる配下のマスカレイドががくりと膝を付いた。
「大丈夫……ですか?」
 傷を負ったユウカ(c07635)達に声を掛けつつ、ベニは竪琴を抱き締め不快な音を大音量で奏でる。そんな彼の声にアルフォンス(c02075)は頷く。
「悪いな、助かったぜ!」
 拳を握り締め光の拳を放ち自身を癒す彼を守るように、リィは切ないメロディを奏で、キーストアは長く伸びた黒く細身の鞭、Schwarze katz Mariaで敵を縛る。ヴァルナスが星霊ヒュプノスを召喚し、催眠ガスを放ち眠りの連鎖を起こせば、またマスカレイドが膝を付く。
 傷付いたエンドブレイカー達を庇うように武器を構える10人。その姿を見て、白い髭を生やした痩せ細った老人は、一歩後ずさる。
「まさか、お前達は囮だったのか」
「別にそうするつもりはなかったけどね。結果としてそうなってるかもしれないけど」
 多くの配下マスカレイドを携えつつ顔をしかめる老人の姿に、フレン(c04282)はぽつりと呟いた。
 しかし彼のその言葉は聞こえていない様子。慌てながら戦場を離れようと駆けて行く。
「待ちやがれ!」
 レクス(c12720)が声を上げて追おうとするが、周りの配下達に囲まれて追う事が出来ない様子を察し、いち早くリィが声を掛ける。
「私達にあの敵は任せて下さい!」
 そのまま仲間達に目配せをして皆頷き合うと、逃げて行った老人を全員で追いかけた。

●勝利に囚われた翁
 逃げて行く老人マスカレイドを追い駆けるエンドブレイカー達。老人は、逃げる事は出来ないと悟り、エンドブレイカー達を倒して突破しようと考え足を止めた。
「我が名はミケロ爺! コゼットにゴンドラ乗りのイロハを教えた師匠!」
 振り返り木の杖を構えつつ、彼は高らかに自己紹介をする。エンドブレイカー達も足を止め、それぞれ武器を構え相手の様子を伺う。
 敵の戦力は先ほどの半分だ。――残る半分は、前の戦場で仲間の足止めを行っている。
「……数に勝る敵に挑むも、なかなか心躍るものです」
 冷静な面持ちのまま、微かに感慨深くリィは呟く。
 数はこちらが不利。だが、相手だって痛手を負っているうえ焦りを感じる。その覚悟の程は如何か。
 此処にある全ての終焉見る者とて、一隊なのだ。だから……。
「決して易く、退くことはありませんよ」
 口元に笑みを浮かべつつ、リィは羚羊で出来た竪琴Harkを持ち、その爪で弦を弾き音を奏でる。
 その音色は心に響く悲嘆の旋律。大きな音で紡がれるその音は、敵の気力を奪っていく。
「……悪いけれど。此処で止めさせてもらうよ」
 レクサスが爪、Sothisを構えてミケロ爺へと降り掛かれば、その爪は赤く染まり敵を横に引き裂く。
 ミルラが斧を横薙ぎにし、ファイナが星霊ノソリンに乗り駆ける。キーストアが後方から鞭で結界を作り敵を包囲し、ヴァルナスが星霊ヒュプノスで眠りへと誘っていく。
 続く攻撃にミケロ爺は身体を揺らめかせるが、その瞳に宿した強き意思は消えぬまま。そのまま木の杖を掲げ火の弾を放ちミルラの身に降り注がせる。
「コゼットは勝たねばならぬ。それが我が教え!」
 不敵な笑みを浮かべて語る老人に、アサノアは仕込み杖を抜き構え――。
「祭りっつーもんは、皆が懸命に作り上げた夢の結晶なんだよ。てめえらが易々とぶっ壊していいもんじゃねえ」
 緩やかな斬撃を、老人へと与える。それは、この後のお祭りへの人々の想いを乗せた攻撃。
 エルナンドは灰色の髪を揺らしながら衝撃波を放ち、ミリアムが魔獣の腕を振るう。
 後方から、ベニは竪琴を手にし、不快な音を奏で相手の精神を壊していく。
 優しい笑顔では無く、真剣な眼差しで敵を見るベニ。その眼差しには、目の前に立ち向かおうと云う強い意思を宿している。それは、自分に出来る事をしっかりやろうと云う想いがあるから。
 自身を狙うエンドブレイカー達を、ミケロ爺は配下達に指示を出し傷を与えようとする。しかし、こちらの連携は確かなものなうえ、数多の敵を狙い攻撃を放つエンドブレイカー達の有利は変わらない。
「コゼットが勝つのだ! 去年はアクエリオの星となれず、惨めな思いをした……だが、この力を得た今年こそ、コゼットが『アクエリオの星』の座を得る時! 操船技術も何もかも、去年とは比べ物にならんぞ!!」
 高らかに宣言をするミケロ爺。その瞳を見れば、彼がコゼットがマスカレイド化し、力を得た事を心底喜んでおり、彼女の勝利を第一に考えている事がよく分かる。勝利への強い執着心――彼の老人のその感情が、コゼットの性格の元となったのだろう。
 だが、エンドブレイカー達が背負うのは水神祭の無事。祭りを楽しむ人々の未来。
「それでも、水神祭を邪魔することは許せないよ」
 澄んだ緑の瞳で真っ直ぐミケロ爺を見、オレンジの柔らかな髪を揺らしつつミリアムは魔獣の腕を振り下ろす。のんびりとした口調だが、その言葉はとても真面目なもの。
「ヒュプノス、頼んだわよ!」
 敵に接敵しつつ、ファイナは星霊ヒュプノスを召喚し宙を舞わせる。ふわりと跳躍をした星霊は敵を眠りへと誘い、ファイナの体力を癒していく。レクサスも接敵しつつ魔曲を奏で幻獣を創り出せば、群れを為した幻獣はマスカレイドへと突撃をしていく。エルナンドが剣と魔法の多重射撃を行い、アサノアが頭上から敵を攻撃をすれば、ミケロ爺を攻撃しつつ少しだが配下の数は減っていく。
 ミルラが斧を握り締めたところで、ミケロ爺からの炎の弾が飛び、配下の攻撃が集中して飛んでくる。彼女の体力が危険になったことを察したヴァルナスが、斧を握り前へと駆け敵を横薙ぎにする。
「危険です、下がってください」
「ベニも……回復しますね」
 リィがミルラに呼びかけ勇気をもたらす音楽を奏で、ベニが星霊スピカのティを召喚すれば、青色の星霊は少女の頬をぺろりと舐め傷を癒す。
「ありがとう……!」
 傷を癒してくれた2人に笑顔で礼を返すミルラ。
「さっさと終わらせようぜ!」
 キーストアが鞭を振るい、ミケロ爺へと伸ばせば――その鞭は相手の足を縛り自由を奪う。
 続く攻撃に、ミケロ爺は悲鳴を上げる。配下に命を出すも、敵の集中攻撃を恐れたリィの荒れ狂う音波と、ベニの星霊バルカンの炎の攻撃により、冷静さを失い指示もままならなくなる。
 ヴァルナスが斧を構えていると、怒りに包まれたミケロ爺から魔法の糸が放たれ身を包む。――彼は傷よりも、身を包む執事服を汚されたことに怒りを覚えたのか、にこりと黒い笑顔を浮かべる。
「とりあえずは、消して差し上げましょうね」
 そのまま渾身の一撃を斧から放てば、ミケロ爺は弱々しく悲鳴を上げ――そのまま地面に倒れた。
 1人のコゼットを支える巨大な力。それをエンドブレイカー達は、確かに打ち取ったのだ。

●続く戦の後に待つ未来
 ミケロ爺さえ倒してしまえば、配下は大した敵では無かった。強さはかなりのものだったが、指示を無くした敵は統率が取れておらず、こちらのしっかりと考えられ、連携の取れた動きに敵う訳が無い。
 傷の癒えたミルラとミリアムが前にて魔獣の腕を振り下ろし、ファイナにアサノア、ヴァルナス、リィ、ベニ、キーストアの広がる攻撃で次々と配下マスカレイドは倒れていく。
 レクサスが接敵する相手へ幻獣を向かわせれば――その敵はレクサスへ仕返しをするように傷を与える。その一撃は運悪くかなりの傷となってしまった。彼の危険を察したエルナンドは、きらりと光りを乗せた刃を煌めかせながら太刀、銀鉤を構え月のような弧を描き彼を助けるように敵を斬り裂く。
「エル、ありがとう」
「……君を、守りたいから」
 灰色の瞳で大切な人を見るが、レクサスは少し不満げな様子。護られるのは性に合わない。
 後方からのキーストアの魔鍵の力で傷を塞がれ、お返しをするように彼はエルナンドの後ろにいる敵を標的とした。
 疲労の溜まってきた前衛陣に、過多にならない程度に回復を施すリィとベニ、キーストア。その温かい光に感謝を述べつつ、前にて戦線を支える7人のエンドブレイカー達は攻撃を続けた。

 些か乱戦にはなったが、大きな傷も無く全ての敵を倒す事が出来たエンドブレイカー達。敵数の多い中、確かな攻撃手段と隊列、そして後方からのサポートがあったからこその功績だろう。
 無事に制圧が終わった事に安堵の溜息を零しつつ、お疲れと声を掛け合う。
 さて、これからどうするか――。
「決着はもうついているかもしれないけど、奥に進みましょう」
 何かまだやる事があるかもしれないから。
 ファイナが真剣な声色で語れば、皆頷く。自分達はまだ戦えるのだから、出来る事はあるはずだ。
 迷路のようになっている、複雑な星の霊廟を駆ける10人のエンドブレイカー。
 1つの大きな戦果を挙げたことで、皆どこか落ち着きを取り返したような気がする。
 アサノアは、急ぎ足で颯爽と駆けながらその顔に笑顔を浮かべる。
「祭り、楽しみだな!」
 この戦いは、盛大な祭りの前の良い余興のように感じたから。この後の水神祭は、きっと素晴らしいものになるだろう。希望の見えたその未来に胸を逸らせながら、彼等は更に奥へと進んで行く。



マスター:公塚杏 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/08/07
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  • カッコいい22 
冒険結果:成功!
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