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泉に潜むウサミミの恐怖

<オープニング>

 今からお話しする話は確定されているようでまだ確定されていない未来のお話です。

「……ふぅ」
 一人の旅人がその疲れを取るために森の中の小さな泉の前に腰を下ろした。
 このあたりはこの旅人のようにたまたま通りかかった者だけが極まれに通るだけのようで、草木は生え放題、泉の水こそは綺麗ではあるが整備されている様子はなく、ただそこにある、といった感じであった。
 しかし、この旅人のようにたまたまではあるが通りかかったものにとっては砂漠の中のオアシスであり、疲れきった体を休めるのにはもってこいの場所であった。
「おぉ、なんときれいな水なんだ!」
 旅人は、背負っていた荷物を下ろし、肩をポキポキと鳴らすと、泉に駆け寄りその澄み切った水をおいしそうにゴクゴクと飲み始めた。  
「ぷはー! うまい!!」
 見た目どおり、その水はやはりとてもおいしかった。
「こんなにおいしい水に出会えるなんて、険しい山道を歩いてきた甲斐があったってもんだ」
 旅人は今来た道を思い出しながら水を飲んでいると、後ろからザシ、ザシと誰かが歩いてくる音がした。
 ここは、もともと人が訪れるような場所ではないので、この辺りで音がするとなると獣しかいないと、すぐさま旅人は振り向いた。
 するとそこには草木の陰からウサギの耳がひょっこりとのぞいていた。
「なんだ、ウサギか……」
 熊か何かの類だと思っていた旅人は音がウサギのものだとわかると安堵のため息を漏らした。
 しかし、そのウサギの耳をしばらく見ていると何か様子が違う。
 草木の陰から出てきたそれは、耳こそはウサギのものではあるが耳から下が見慣れたウサギの姿とは異なっていた。
「うわぁ!!」
 旅人は驚き、とっさに逃げようとする。
 しかし、その逃げようとした先にもまたそのウサギの耳をした何かに行く手を阻まれる。
 実はこの化け物、1体だけではなかったのだ。 
 その、行く手を阻まれたウサギの耳の化け物に旅人はグサリと一突き、その手に持っている武器で刺された。 
 旅人の真っ赤な血が体から垂れ流れ、その綺麗な泉をうっすらと赤く染めた。

 話は数日戻るのですが、この旅人がいた森の中の泉に事件の発端となるラビシャン達がいた。
 あたりは木々がうっそうと生い茂り昼にもかかわらず太陽の光をほとんどさえぎっていて、一応歩けるものの、山道とはまったく違って自然が剥き出しになっていた。
 この森の中の少し開けたところに泉があり、そこだけ太陽だけの光が満足に差し込み、水面をキラキラと輝かせていた。
 この泉はこのラビシャン達の住処になっているらしく、ラビシャン達は泉で水浴びをしていた。
 水浴びしているラビジャンは全部で6体。この住処にいるラビシャンはこれで全部のようだ。
 
 今回、退治していただきたいラビジャンはこの6体です。ラビシャンはウサギのような長い耳とウサギのような下半身、ウサギっぽい手が特徴のピュアリィです。ラビシャンは武器として長い爪のような武器を持っています。この武器は皆様の武器である『爪』と同様の効果を与えます。
 また、ラビシャンは皆様を誘惑してくることがあります。これは【4マヒ】や【暴走】や【防御封じ】のバッドステータスを与える可能性があります。非常に危険ですので気をつけてください。
 爪での攻撃の射程は、その攻撃内容によりますが誘惑の射程は遠距離となります。
 魅惑を受けないためには近距離を保てばいいのでしょうがそうなりますと、爪での攻撃を受けてしまうかもしれません。
 今回、遭遇するラビシャンの数は6体ですがそのうち3体を倒すことでこの事件は防げます。3体だけではこの場所に留まらず他の住処を探して移動してしまうでしょう。
 
 このままでは罪のない旅人の命が確実に失われてしまいます。
 しかし、まだこの事件は起こったわけではありません。放っておけば確実に起こってしまいますがまだ起こっていない出来事なのです。
 この事件が起こらないように未然に防ぐことができるのは皆様エンドブレイカーの方々しかいません。
 どうかこの話をご覧になった方は、この事件を未然に防いでいただけないでしょうか。


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参加者
槍の群竜士・シャオリィ(c00368)
大鎌のデモニスタ・カルナ(c00992)
弓の狩猟者・レティーナ(c02613)
鞭の星霊術士・マロン(c02650)
大剣のデモニスタ・イトカ(c03441)
大剣の城塞騎士・ソル(c07090)

<リプレイ>

●森の影から
 薄暗い森の中、エンドブレイカーの一同は今回の目的の泉が遠くに見える位置にじっと身を潜めていた。
「ピュアリィかぁ……、ちょっと苦手なタイプだけど、色んな相手と戦って経験を積みたいし頑張ろう!」
 槍の群竜士・シャオリィ(c00368)は、持ってきていた望遠鏡で泉の方を観察しながら意気込んでいた。
「たとえ如何な容姿であろうと、一度牙を向ける事が分かればそれは只の獣。故に、悲劇を避けるために討たねばならない。」
 と、大剣のデモニスタ・イトカ(c03441)も泉の方をを眺めながら自分の心情を述べた。
「うさ耳のねーちゃんか……、眼福っちゃ眼福だな……」
 と、大剣の城塞騎士・ソル(c07090)がニヤニヤしながつぶやいていると大鎌のデモニスタ・カルナ(c00992)に「不謹慎ですよ」と軽く注意された。
「あはは……、すまねぇな」
 と、ソルは言うと自分の大剣で自分の左肩をトントンと叩くとさっきのニヤニヤした表情とは消し去り己の集中力を高めた。
「よし、それじゃあ作戦通り行きますか!」
 と、誰からともなく発せられると、他のエンドブレイカー達も「おう!」と一声あげ、最悪のエンディングを回避するために戦いの泉へと足を向けた。

●泉に潜むウサミミの恐怖
 エンドブレイカー達は今、あらかじめ立てておいた作戦通りに泉をぐるりと囲むように2つのチームに分かれ、泉がもう目の前に見える森の木の陰に身を潜めていた。
 泉を左側から攻めるAチームはシャオリィ、カルナ、そして鞭の星霊術士・マロン(c02650)で構成され、シャオリィとカルナが前衛になり、マロンが後衛という陣形を取った。
 一方、泉を右から攻めるBチームにはイトカ、ソル、そして弓の狩猟者・レティーナ(c02613)で構成され、イトカとソルが前衛になり、レティーナが後衛という陣形を取った。
 対する今回の目的となるラビシャン達は両チームの真ん中に位置する泉のほとりで優雅に水浴びをしており、エンドブレイカー達に気がついているという様子は今のところまったくなかった。
「さぁて、ウサギ狩りの時間だぜっ!!」
 ソルのその声と共に両チームのブレイカー達が一気にラビシャン達に向かって突撃した。
「ウサギさんウサギさん、俺と遊ぼうぜっ!!」
 ソルは大剣を荒々しく振るうと目の前のラビシャンに切りかかった。
 突然の攻撃に動揺したラビシャンはソルの攻撃を直撃すると悲痛な叫びを上げた。
 仲間を傷つけられたことに腹を立て、その脇にいた別のラビシャンがソルに向かってその鋭い爪を使って切りかかってきた。
 ラビシャンの爪が一直線に空間を裂きソルを襲う。
「ぐあっ……」
 攻撃を避けることができずソルはラビシャンの爪を左腕に食らった。
「こんなの大しことじゃねぇ!」
 そう言い放つとソルは再び大剣を握りなおす。
 ―――ブォン。
 可愛らしげな外見とは裏腹に、イトカはソルが攻撃したラビシャンに向かって疾風のように接近すると、その持っている大剣を軽々と持ち上げ、全力で叩きつけた。
 再び悲痛な叫び声をあげると攻撃を受けたラビシャンはその場に倒れこみ再び起き上がることはなかった。
 仲間を失ったらラビシャンは激怒すると、イトカに向かって切りかかったが、その攻撃はイトカには当たらなかった。
「オレ達の事も忘れないで欲しいぜ!」
 その声と主にシャオリィがソル、イトカ、レティーナとは反対方向からラビシャンに接近し竜撃拳を放った。
 その攻撃が1体のラビシャンに直撃し、ラビシャンが倒れる。
「君らにとっちゃ縄張りに入られてイラッ、てところなんだろうけども、悪いけど戦うんなら死んでくれるかな」
 と、同時にカルナが持っている大鎌を頭の上で激しく振り回しはじめると、その大鎌をさっきダメージを食らったラビシャンに向かって乱舞した。
 ラビシャンはその攻撃を直撃し、悲鳴を上げた。
 仲間のラビシャンはダメージを受けたラビシャンに駆け寄ると安否を気にするようなしぐさを見せたが、そのラビシャンが大丈夫であることを確認すると、キッとカルナを睨みつけ、鋭い爪で激しく切りかかってきた。
 カルナはその攻撃を食らってしまったが、悲鳴を上げることもせずにすぐさま体勢を立て直した。
「お願いスピカ!!」
 マロンは星霊スピカを召喚するとスピカをカルナの元へと飛ばした。
 スピカはカルナの体をペロペロとなめるとカルナの受けたダメージが少しだけ和らいだ。
「ありがとうマロン」
 カルナはマロンに礼を言うとすぐに敵のほうに視線を戻した。
 カルナの後方ではマロンが嬉しそうににっこりと笑っていた。  
 戦況は現在、ソル、イトカ、レティーナの前には2体のラビシャンが対峙しており。シャオリィ、マロン、カルナの前には3体のラビシャンが対峙しており、相手のラビシャンの戦力を完全に二分割することに成功した。
「ふふふ……」
 シャオリィ、マロン、カルナらAチームの前に対峙しており、最もダメージを受けているラビシャンが妖しげな笑みを浮かべた。
 ラビシャンがトロンとした目をカルナに向けてくる。
「えっ……、体が……!」
 すると、カルナの体が完全に無防備になる。
 その状態を見るや否や、ラビシャン2体の攻撃が連続でカルナを襲う。
 1撃目を受け、すぐさま身構えるカルナだったが、2撃目を避けようとしても避けきることができず、2撃とも直撃してしまい、カルナは地面に倒れこんだ。
「ふふふ……」
 最もダメージを受けているラビシャンが笑みを零す。
「食らえっ!」
 そこに、シャオリィの竜撃拳がそのラビシャンに炸裂する。
 笑っていたラビシャンは今までのダメージの蓄積に加え今のダメージを食らってしまいその場に笑いながら倒れこむ。
「よし!」
 シャオリィはガッツポーズをとると、次のラビシャンに残りの2体に視線を向ける。
 2体のラビシャンは仲間を失い他の2体のラビシャンの方に逃げていった。
「逃がしません!」
 そう言うと3人はラビシャンを追った。
 結果的にAチームとBチームは合流し。6人が揃う。
 対するラビシャンは4体。数ではエンドブレイカー達が勝っていた。
「当たれっ!!」
 レティーナが後方から勢いよく放った弓が、1体のラビシャンの胴体に直撃する。
 同時にソルがダメージを受けたラビシャンを大剣で薙ぎ払う。
 二人のダメージを受けたラビシャンはバタリとその場に倒れこみ動かなくなった。
 さらに敵の数を減らしさらに優位になるエンドブレイカー一同。
 ラビシャンは、圧倒的な力の差を感じ自分達に勝ち目がないと思い、一歩、また一歩と後退する。
 ラビシャン達は逃げ道を探そうとするが、自分達の周りを6人のエンドブレイカーが綺麗に取り囲んでいるために、逃げようにも逃げることができそうもない。
「くっ……!」
 どうしようもできない状況にラビシャンのうちの一人が声を漏らす。
「逃げれないのならっ!!」
 ラビシャンが爪をギラリと光らせ、イトカに一直線に攻撃を仕掛けてくる。
「……」
 イトカは無言でその攻撃をかわすとその大剣を斬り下ろす。
 イトカの攻撃を食らい悲鳴を上げるラビシャン。しかし、同時にもう1体のラビシャンがイトカに向かってその爪で一直線に攻撃してきた。
 イトカは避けることができず、その攻撃を食らいその場に倒れこむ。
「スピカ!!」
 マロンは星霊スピカを召喚してイトカのダメージを和らげた。
 しかし、イトカが倒れこんだその一瞬の穴をラビシャン達は見逃さず、そこからエンドブレイカー達の包囲網を突破した。
「悪いけど……、逃がすわけにいかないから!」
 シャオリィは竜撃拳を放ったがラビシャンには当たらなかった。
 ラビシャン達はさらに森のほうへ駆け抜けていく。
「私に任せてください!」
 レティーナは自分で『スティンガークォレル』と命名したお気に入りの矢を取り出すと全神経を研ぎ澄まし、イトカの攻撃を受けたラビシャンに照準を合わせた。
 ―――ビュイン。
 レティーナの弓より放たれた矢は一気にラビシャンとの距離を縮め、狙っていたラビシャンの胴を貫いた。
「あぁ……」
 貫かれたラビシャンは声にならない声を出し、その場に倒れこむ。
 しかし、残念ながら残りの2体のラビシャンは森の中へ消えていってしまった。

●戦い終わって
 戦いが終わってエンドブレイカー達はそれぞれ安堵の表情を浮かべていた。
 2体は逃げられたにしろ、これで罪なき旅人の命が奪われるといった最悪のエンディングを回避することができたのだ。
「しっぽ気持ちー」
 マロンは倒したラビシャン達を埋葬しながらその尻尾を撫で回していた。
「この尻尾の毛玉も帰っちゃおうかな……」
 そんなことをつぶやいていたが、他のブレイカーに「辞めろ」と言われ、しぶしぶ尻尾の毛玉を持ち帰るのを断念し、一緒に埋葬した。
 現在、泉はとても綺麗に輝いている。
 そういえばここの水っておいしいんだっけか、確かそうだったな、飲んでいってみようかな……、いや……疲れているしさっさと帰ろう。なんていう、たわいもない会話を交わし再び澄み切った泉を眺め笑いあった。
「よし、帰ろう」
 誰ともなくそうつぶやくと、エンドブレイカー達は数日後には旅人が来るその泉を後にし、帰路に着いた。



マスター:金糸雀 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:6人
作成日:2010/04/13
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冒険結果:成功!
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