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『黒鳥』コゼットの挑戦:黒翼の羽ばたきは滅びの調

<オープニング>

「皆さん、アクエリオ水神祭の予定はもうお決まりでしょうか?」
 世間話をするように、太刀の魔法剣士・ノルン(cn0085)は切り出した。
 アクエリオ水神祭は年に一度催される、アクエリオ最大のお祭りだ。当日はゴンドラレースや水着コンテストといったイベントも盛り沢山で、楽しみにしているエンドブレイカーも大勢いるだろう。
「そんな水神祭が黒鳥の配下であるマスカレイドの軍勢によって襲撃されてしまいます」
 マスカレイドの軍勢は、水神祭の当日に会場に出現した巨大な空間の裂け目からやって来る。そして、波乗りバルバや黒いゴンドラ乗りに水神祭は蹂躙されてしまう。
 エンドブレイカーの断言は、情報からの推測といった不確定なものではない。エンディングに表れた、確固たる事実であり確定した未来だ。
 そのままなら、という条件付きでだが。
「彼等が通過する空間の裂け目が巨大である為に、その向こう側の風景を確認することができました」
 ノルンがエンディングに見た空間の裂け目の向こう側、そこは湖の中央に建立された美しい城のような外観の霊廟。霊廟には、代々のアクエリオの星が眠ると言われている。
「このエンディングを潰し水神祭を守るために、先手を取ってゴンドラで奇襲を掛け、彼等の計画を覆してしまいましょう」
 黒鳥勢力はこの霊廟を城砦に改修しており、空間の裂け目から水神祭に残る全戦力を投入しようとしている。アントマン塚の戦いで多くの配下マスカレイドと集積していたゴンドラの木の全てを失った黒鳥コゼットにとって、この作戦は最後の賭けなのだろう。
 最早後のないコゼットは、死力を尽くしてエンドブレイカーを迎え撃つことは想像に難くない。
「激戦は避けられないでしょう。苦戦もまた必至です。ですが、皆さんが力を合わせて立ち向かえば、必ず勝利を掴むことができます」
 だが、無策で挑むにはあまりにも敵の規模が大き過ぎる。
 作戦を練るためにと、ノルンはエンディングから知りえた敵勢力の情報を伝えた。
 湖の霊廟に集うマスカレイドは、バグラバグラやアントマンといったバルバのマスカレイドと、黒いゴンドラ乗り。そして、彼等が殺害したゴンドラ乗りや霊廟に眠っていたゴンドラ乗りがアンデッドと化したのであろうアンデッドマスカレイド。
「決戦を控え、その主力は霊廟の中に集結しているようです。ですが、湖の島の周囲には、波乗りの修練を行っているマスカレイドバルバや、ゴンドラの調整をするマスカレイドが数十体残っているようです」
 霊廟を攻略する前に、まずはこの周囲に残ったマスカレイドを制圧する必要がある。
「次に、霊廟は城砦化されていますので、攻め込むには城門を突破しなければなりません」
 霊廟内部の状況までは分からないが、数多くのマスカレイドが決戦を前に臨戦態勢で大気していることは確実だ。
 そんなマスカレイド勢の直中へと突入し城門を開放するのは、困難を極めるだろう。
 首尾よく霊廟内部へと攻め入ることができても、霊廟内部の構図御は複雑になっているらしく、気を抜くことは出来ない。
「黒鳥コゼットは、おそらく霊廟の最奥に位地する歴代のアクエリオの星達が眠る聖域に居るでしょう」
 しかし、状況次第では逃走を図る可能性もある。逃がさないためには、相応の工夫が求められる局面も予想される。
「危険な戦いですが、これはアクエリオでも屈指の力を持つ上位マスカレイド黒鳥コゼットを討ち取る好機でもあります。容易な事ではありませんが、彼女を討ちアクエリオを覆うマスカレイドの闇の一端を打ち払ってください」

 このエンドブレイカーによる黒鳥コゼット討伐作戦が失敗に終わったなら、アクエリオ水神祭はコゼット勢力によって蹂躙されてしまう。
「アクエリオ水神祭を、会場を訪れる人々を、守ることができるのは皆さんだけです。どうか、この作戦を成功に導いてください」


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参加者
響き重なる子守唄・ミルフィ(c00385)
壊し屋・ジョルジュ(c01908)
銀狼・シオン(c02524)
途切れぬ路の先へ・リーフィルーナ(c04055)
蒼風の旅人・ロウ(c05215)
ついぞ想わぬ・アズハル(c06150)
橙黄音色・リチェリー(c10887)
硝子の祈り星・ミーチェ(c11053)
ナイトエッグ・クリステル(c15363)
勇者リリオス・リリナ(c21124)

<リプレイ>


 ある湖に浮かぶ島。島の中央には、歴代のアクエリオの星が埋葬された荘厳な霊廟が建立されている。けれど、今そこは邪悪なマスカレイドの拠点となっていた。
 黒鳥コゼット。彼女が率いるマスカレイド勢を討つために、大勢のエンドブレイカーがゴンドラを駆り島を目指していた。
 そんな中、速度に優れたゴンドラで構成したグループが、いち早く島へと接近する。ゴンドラには、揃いの黄色い布が巻かれていた。
 4隻のゴンドラは、最後尾に位置する一隻を操る銀狼・シオン(c02524)の指示に従い、その舳先をある一点に向けていた。
「あの港。あそこを抑えられれば……」
 水恐怖症のため、なるべく水面以外を見るようにしていた硝子の祈り星・ミーチェ(c11053)は、湖岸に設置されたいくつもの桟橋や係留用の杭に目を向けている。
 後続する多数のエンドブレイカーが上陸するためにも、港を制圧することは重要だ。
「独学で練習したけど、ちょっぴり緊張するなあ。でも、笑顔一杯のお祭りのために頑張ろう!」
 少し不安混じりにオールを漕ぐ橙黄音色・リチェリー(c10887)。そのゴンドラに同乗した響き重なる子守唄・ミルフィ(c00385)が魔曲を奏でる。
「うーん……お伽噺のセイレーンみたいで、何だか……複雑です」
 彼等の襲撃に気付き、波乗りの練習をしていたバグラバグラが前進を阻む。だが、魔曲に魅力されたバグラバグラは、波乗り板の制御を手放し水中に沈んでいった。
「クリステル、今だ!」
 襲ってくるバグラバグラに、蒼風の旅人・ロウ(c05215)は自らゴンドラを攻め寄せた。
「任せてください!」
 その合図に合わせ、ナイトエッグ・クリステル(c15363)のナイトランスが突き出される。積極的に前に出るクリスタルのスタイルを活かした操船に、ロウは内心で練習の成果を誇った。
 水上での敵勢力の抵抗はその程度だったが、港を守るため陸上には少しずつアントマンが集結しつつあった。
「ちょっと揺れるけど……リリナ、ごめんな」
 桟橋を塞がれる前に上陸しようと、ついぞ想わぬ・アズハル(c06150)はゴンドラのスピードを上げる。ゴンドラが桟橋に接近すると同時に、勇者リリオス・リリナ(c21124)は跳躍した。
「ディー、一気に決める!」
 妖精のディーが憑依した炎剣が、橋上のアントマンを一閃した。
 リリナの元へとアントマンが殺到するが、続けて上陸したアズハルも防戦に加わり抗戦する。すぐにリチェリーとロウが繰るゴンドラも接岸し、アントマンを押し返していった。
 そして全員が上陸すると、エンドブレイカー達はアントマンを容赦なく駆逐する。
「てめぇら雑魚には興味がねぇ。湖の藻屑になりやがれ!」
 獣の腕を模した漆黒の籠手から放たれる火炎弾が、桟橋上のアントマンを撃ち落とした。
 統制の取れていないアントマン達は、この港に近い者から順次駆け付けているのだろう。それは戦力の逐次投入という愚作でしかなく、後手に回ってでも迎撃態勢を整えるべきだった。
「まさに後の祭りってところだな」
 冷たく言い放った壊し屋・ジョルジュ(c01908)の召喚した邪剣の群れは、多数のアントマンを斬り伏せていった。
 けれど、その快進撃も長くは続かない。
「皆さん、どうやら強敵が現れたようですわ」
 途切れぬ路の先へ・リーフィルーナ(c04055)が笛を吹いて皆の注目を集めてから、前方の一点を指し示す。
 そこには、他とは明らかに異なる屈強な体格を誇り、特に腕が異様に太く発達したアントマンの姿が。その腕に担いでいるのは、重厚なイカリ。
 エンドブレイカー達は知る由もないが、そのアントマンはコゼットに仕えるアントマンのリーダーの一体、ハーバーアントだ。
 ハーバーアントの出現は、苦戦を余儀なくするのだった。


 ハーバーアントの戦力は強大で、エンドブレイカー達の侵攻は完全に停滞していた。
「調子に乗るなよ。貴様の動き、封じてやろう」
 ジョルジュの魔道書から呪いの蛇影が放たれ、ハーバーアントに絡みつく。だが、その身体を石へと変えることはできなかった。
「あの敵の攻撃は危険過ぎますね。……何とか喰い止めてみます」
「同感ですわ。足止めができなければ、どれだけ持ち堪えられるか分かりませんもの」
 ミルフィの奏でる魔曲とリーフィルーナが召喚した冬の嵐が、ハーバーアントの闘士を奪い腕を凍り付かせる。
「まさかとは思うが、お前さん自分が黒幕だとか言わねぇよな? ま、そりゃねえか」
 シオンは、ハーバーアントの風貌を観察して独りごちた。コゼットの裏に黒幕の存在を疑っているシオンだが、さすがにこのアントマンがそうだとは思えない。
 他のアントマンとはあまりにも力量に差のあるハーバーアントに、エンドブレイカー達は戦力を集中させざるを得ない。だが、通常のアントマンもまだまだその数を残しており、そちらへの対処も必要だ。
「えっと……」
 今回の戦いの特性上、複数の敵に攻撃する手段と敵の行動を阻害する手段の双方を準備しているメンバーが多い。ロウもまたその1人だが、だからこそこの局面でどちらを選択するか迷いが生じてしまう。
「ロウはあのリーダーの足止めを。周囲の雑魚は俺に任せろ!」
 特に多くの相手へと攻撃が及ぶ手段を持つアズハルがそう宣言し、言葉通りに多数の鍵群が錬成され周囲のアントマンへと飛散する。
「分かったよ。これでも踏んでろ!」
 ハーバーアントへの対処を任されたロウは、その進路上にマキビシをばら撒いた。
 エンドブレイカーの戦術によって、さしものハーバーアントもイカリを振るう動作が鈍くなる。
「随分調子が悪そうだね。そんなにフラフラしてて、あたしを抜けるのかな?」
 優勢であると誇示するように、ハーバーアントの眼前に立ち塞がったのはリチェリーだった。愛用の棍が回転し、黄緑と橙の線を描き出す。
 ハーバーアントが動作の一部を封じられているとは言え、リチェリーの行動は無謀に見える。だが、誰かが危険なハーバーアントを抑えなければならず、その役に最適なのはリチェリーだった。それを自覚しているからこそ、仲間達が十全に実力を発揮できるよう敢えて余裕があるよう振舞っているのだ。
 勿論、仲間達もその気遣いを無駄にしたりはしない。
「騎士たるわたしが、遅れを取るわけにはいきません。水神祭を、アクエリオの人々の笑顔を守るため、突破させて貰います!」
 獲物へと飛び掛かる猛禽の如く、騎士槍を構えて突進するクリステル。噴出するオーラは、光の翼を想起させる。
 純白の騎士槍に貫かれ、ハーバーアントの身体が傾いだ。
 この機を逃すまいと、エンドブレイカー達の攻撃がハーバーアントへと集中する。満足な反撃も繰り出せない様子に、エンドブレイカー達は強敵の撃破を確信した。
 だが、それは早計だった。
 ハーバーアントの背後に控えたアントマンの内、数体が手にしている武器は杖。それらが、ハーバーアントの足元に癒しの魔法円を描き出す。
 行動の不自由を浄化されたハーバーアントは、傍目にも伝わってくる怒気をイカリに込め、地面へと強烈に打ち付けた。
「女王サマの敵! キサマら、タオス!」
 蓄積した闘気をも放出したその一撃によって生じた衝撃波は大地を走り、対峙するリチェリーのみならずクリステルにも及び、さらにシオンとロウにまでも至った。衝撃波の直撃と、振動や散布する瓦礫は4人に深刻な傷を与える。
「いけません……。皆さん、耐えてください」
 自身も傷を負ったかのような苦しみを噛み締め、ミーチェは癒しの魔法円を描いた。しゃらしゃらと杖が奏でるその音色が、この時ばかりは悲痛なミーチェの内心を語っているかのように聞こえる。
「フェニックス。皆に癒しを!」
 再びハーバーアントの行動を阻害しようとアイスレイピアを構えていたリリナだったが、この状況にもう一方の武器に構え直し星霊フェニックスを召喚した。
 ミーチェとリリナの回復支援によって4人は危機を脱したが、ここぞとばかりにアントマン達も畳み掛けて来る。エンドブレイカーと接敵しているアントマンは手にした武器を打ち振るい、離れたアントマンらは酸の液を撒き散らす。
 苛烈なアントマン勢の攻勢に、エンドブレイカー達は回復を余儀なくされ、押し返すことができなかった。


 直前の優勢を逆の立場から見せつけられたような苦境に立たされたエンドブレイカー達。敗北へと重く傾いた勝負の天秤に、誰もが撤退を考慮する。
 けれども、戦いの流れはさらなる変容を見せた。
「えっと、誰なのかな?」
 後方から飛来し自身を癒した光る拳に、リチェリーは困惑を隠せなかった。今回の戦いに同行しているメンバーに、この技法を用いることができる者はいないからだ。
「桜の花吹雪……。そうですね、まだわたしは倒れていませんから……前へ向かいます!」
 さらに後方から花吹雪がクリステルを鼓舞し、シオンとロウへ楽園の門から陽光が降り注ぐ。
「助かったが、こいつぁ一体どういうことだ?」
「オレ達を回復してくれて、アントマンを攻撃しているということは……」
 危うい状態で踏み止まっていたシオンとロウは、戦況全体を把握する余裕はなかった。そんな2人の後方から、エンドブレイカーを避けてアントマン達へと邪剣の群れが襲い掛かっていた。
 邪剣に続いて、褐色の少女が空中からハーバーアントへ三叉の鉾を突き立てる。
「味方が追いついてきたのか。助かったな、うむ」
 妖精の描いた輪の中で癒されながら、大量の魔鍵を錬成し邪剣の群れに続くアズハル。その言葉通り、一連の援護は彼等と同じく島の周囲を制圧していたエンドブレイカー達だった。
 ウインクをしながら援護を申し出てくれた青い髪の女性は、蒼白の刃を横薙ぎに振るいアントマンの侵攻を阻んでくれる。同時に、棍で逆向きの軌跡を描き敵を打ち払った青年は、活発そうな笑顔で敵を逃がしはしないと宣言する。
「お言葉に甘えて、お任せしますわね」
 戦線の維持を頼み、リーフィルーナは吹雪を広範に召喚した。
 冬の嵐に凍えながらも抗戦するアントマン達を、紅蓮の門から出現した地獄の炎が無慈悲に焼き払う。アントマン勢はその戦力を着実に削られていた。
 援軍を得て苦境を押し返すエンドブレイカー達だが、だからこそアントマン勢の反攻も凄まじい。
「誰か、リチェリーさんを助けてあげてください。僕の支援だけでは、支え切れない……」
 ハーバーアントと相対しつつ、左右からもアントマンに攻め寄せられているリチェリー。ミーチェは癒しの魔法円で支援しているが、このままでは長くは保たない。
 そこへ、別チームのエンドブレイカーが駆け付けた。白髪の女性はリチェリーとアントマンとの合間に身を潜り込ませるやいなや、空中へ飛び上がった。意表を突くその動きに対処できず、アントマンは頭上からの一撃に沈んだ。
「なんとか意識を逸らしました。皆さん、ここが正念場ですよ」
 ミルフィが掻き鳴らした不協和音によって、アントマンは敵ならば誰かれ構わず闇雲に攻撃を向け始める。
 敵の陣形が崩れた今こそ、戦いを制する好機だ。


 脇を固める味方が破られたことで、ハーバーアントは決着を急ぐ素振りを見せる。
 すかさず、ジョルジュが魔道書を開いた。
「お前の見せ場はもう終わりだ。これ以上はやらせん」
 攻勢に出ようとイカリを構えたハーバーアントの手足が、ジョルジュの呪力によって石と化した。
 ハーバーアントの攻撃が不発に終わった事で、ミーチェは先ほどと同じ展開を許しはしないと、後方の杖を持ったアントマンを見定める。
「同じ轍は踏みません。……シルキーさん」
 ミーチェが召喚した星霊ヒュプノスが軽やかな跳躍で跳ね回った後には、杖を持ったアントマンが地面に倒れ昏睡していた。
「お見事! あたしも負けてられないよね」
 ミーチェを称賛しつつ、リチェリーはハーバーアントに打撃を重ねていく。
 だが、それを契機にリチェリーに未だ健在であったアントマンが一斉に押し寄せる。
 戦闘に於いて、主力に対する支援は全体の生命線と同義と言える。アントマン勢はその生命線を失った。ハーバーアントこそが外敵を排除する唯一の戦力であることを理解しているアントマン達は、ハーバーアントの周囲を防衛する陣容を急遽構築したのだった。
「そちらも必死のようですね。ですが、わたし達はアクエリオに住む人々の未来を背負っているのです」
 クリステルの突進が、ハーバーアントを守るアントマンの一体を貫く。そして、開いた戦線をロウは見逃さなかった。
「オレ達は負けない! 絶対に、アクエリオの明るい未来を掴み取る!」
 ロウが大剣を振るい巻き起こした竜巻は、ハーバーアントを中心に周囲のアントマンを飲み込んだ。
 辛うじて難を逃れたアントマンは、リチェリーやクリステルに襲い掛かる。
「これで、貴方がたは動けません」
 けれど、その手足はリリナの召喚した冬の嵐に凍結してしまう。
「悪いが、次がないよう徹底的に潰させてもらおう」
 ジョルジュに鋭い眼光が射抜くと同時に、邪剣の群れがアントマンを切り裂いていた。
「水神祭の襲撃なんて、絶対させませんわ」
「俺達を敵に回した事が、お前等の最大の不幸だったな。うむ」
 畳み掛けるリーフィルーナとアズハルによって、アントマン勢はハーバーアントを除く全戦力が潰滅した。
「はっ、小娘の我が儘と一緒にお前も終わっとけ」
 最後まで頑なに抵抗を続けたハーバーアントだったが、ついにシオンのガントレットから放たれた火炎弾に捉えられる。
「女王……サマ……」
 炎に焼かれ苦しみ悶えるハーバーアントの屈強な肉体も、既に限界を迎えていた。力尽き崩れ落ちたハーバーアントの身体から、マスカレイドの仮面が砕け散る。
 この瞬間、この大規模作戦の第一歩が成功を収めたのだった。
 激戦を制した喜びに、エンドブレイカー達は一斉に拳や武器を高く掲げた。
「ありがとう。キミ達の協力が無ければ、この勝利は得られなかっただろう」
 援護に駆け付けてくれた他のチームメンバーに、リリナは礼儀正しく礼を告げる。
 共に強敵を打ち倒したエンドブレイカー達は、握手やハイタッチを交わして互いの健闘を称え合った。
 この勝利は、まだ最初の一歩に過ぎない。
「砦の中から逃げ出すゴンドラがいるかもしれません。周辺の警戒に当たりましょう」
 傷付いた身体を休めることもそこそこに、ミルフィは立ち上がり仲間達を促した。この大規模な戦いの行く末は、まだ見えてはいないのだ。
 けれど、大勢のエンドブレイカー達が黒鳥コゼットとその勢力を討つために一致団結している。敗北という未来など、誰1人として感じてはいない。
 数日後に控えたアクエリオ水神祭りは、きっと例年通り盛大に開催されるだろう。
 そこには、今日ここで戦ったエンドブレイカー達の笑顔も加わっているはずだ。



マスター:流水清風 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/08/07
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