ステータス画面

金紗参道の、赤絨毯

<オープニング>

 『金紗参道』と呼ばれた、滝まで砂地が続く観光地。
 そこにシーホースがやってくる。暗い影が待ち受けているとも知らず。
「ゼルデギロス様の復活の為に……、我が血と肉を偉大な魔王に捧げる」
 シーホースが理解するまで待ちはしない。老人らしき男は、持っていた儀式刀を恐れもせずに胸元に突きたてる。
 ドシュっと鈍い音と、続けて奇妙な音が経ち登る。一気に引き抜かれ、血があふれだした音だ。
「ッ! ッ!」
 噴き出た血を浴びたシーホースは、バタバタと暴れて逃れようとするが叶わない。噴き出た血だけではなく、足元にまで流れてくる血。さながら底なし沼に嵌ったかの如くに、もがき苦しんで行く。
 その姿は段々と段々と、あふれる力に狂喜する何かに移り変わって行った。
「ゼルデギロス様の御力。まさに偉大なるべし。シーホースよ、新しき同胞よ。共に、愚かなる者どもを恐怖にうちひしがせるのだ!」
 いななくシーホースを楽しそうに見つめ、痙攣し動きを留めて居た老人がゆっくりと動き出す。街や村を襲い暴れ回ろうとする彼らの顔に、あの仮面が張り付いていたが、村人たちには見る事などできなかった。
 
「アクエリオ水神祭が無事に行われたよ。沢山の人が笑顔で居られて嬉しかったなあ。それに素敵なお祭りで、良かったよね」
 狩猟者・セラ(cn0120)がそんな風に話を切り出して、周囲の様子を確認し始めた。
「アクエリオの星・リィナ(c01845)さんが、アクエリオの水瓶から、水神アクエリオの使いと言われる『シーホース』の群れを、アクエリオ各地の水路へ先導してきたんだ」
 彼女はシーホースを先導してアクエリオの各地を巡っているので、この時期ならシーホースも、あちこちで見ることができるのだという。
「水路を祝福すると言うシーホースが来るのを、水路近くで宴会しながら待ってるって風習があるんだ。面白いよね、これも水神祭から続くお祭りの一環なんだってさ」
 とそこまでは楽しそうに口にしていた、セラの顔が曇る。
「なぜか判らないけど、シーホースがマスカレイド化したそうなんだよ。指揮官らしきアンデッドマスカレイドやピュアリィと共に、歓声をあげる村人達に襲いかかってしまうんだ」
 その力の前に、村人は次々に殺されてしまうのだという。お祭り気分なこともあり、逃げ切れる者も少ないだろう。
「この悲劇を阻止するために、力を貸してくれないかな?」
 せっかく守った笑顔を、最後まで守り切りたいのだと頭をさげる。
 
「それが目的なのか判らないけど、マスカレイド達は水路からやって来て、宴会中の村人に無差別に攻撃を始めるんだ。村人を説得して一時的に退避してもらっても、次の場所その次の場所という風に移動するから……。倒す以外に方法はないだろうね」
 だが無差別に行動する性質があるということは、利用できるのだとセラは続けた。
「もっと上流とかの手前で、宴会をやっちゃえば良いんだ。人がいない場所で宴会してれば、村人は居ないから巻き込むこともないからね」
 そう言いながら、シーホースは下半身が魚であるが普通に陸上で闘うことが出来るので、能力は下がったりしない忠告をくれる。指揮官であるアンデッドマスカレイドが健在である限り、どんなに不利でもシーホースもピュアリィも退くことはないだろうとも。
「強さはシーホース、指揮官のアンデッド、ピュアリィの順。逃がさないためには、アンデッドは最後にした方が良いね」
 魔力で固めた水の弾を打ち出す能力を持っており、この水流がかなり強力なのだと言う。その分、他の個体と違って前蹴りは使ってこないのだとも教えてくれる。
「シーホースは水神の使いで、守るべきアクエリオの人々を襲って殺すなんて悲劇……。打ち砕かなければならないよね!」
 そう言いながら、重要な事だと補足を1つ付け加える。
「シーホースは拒絶体なんだよ。撃破すれば元に戻せるから、助けてあげてね」
 と言いながら、地図や宴会用の小道具や食材を次々に取り出し始めた。
「助け終わったら一緒に宴会してくるってのはどうかな? あそこは宴会向きの場所もあるし、温泉も近くにあるからね」
 おびき寄せの為だけに……、ってのも勿体ないよね。とニコニコしながら、セラはぺこりと、もう一度頭を下げて皆を送り出した。


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参加者
蒼空のカケラ・プリュム(c00386)
不撓不屈の鋼・カディシュ(c01141)
緑風を抱く・ヘイゼル(c05936)
紫雷・クロエ(c07289)
金色の夢・レイ(c09602)
舵輪の・リリア(c14179)
ラスボス・ラピス(c14865)
雪割り蕾花・デジレ(c18812)
銀麗の槍士・ミラ(c20674)
鱗蹄・イーシュカ(c21933)

<リプレイ>

●金斜参道の、賛砂行
「どう言う方法か判らないけど、シーホースまでマスカレイド化させるなんて……。敵もなりふり構わなくなってきたなぁ……」
「はい、ちょっと待った。こっちに行こうね〜、こっちの方が良いスポットだよ?」
 楽しみを待つ人を襲うなんてもっと許せないけどね。と先頭を歩く金色の夢・レイ(c09602)を止めて、紫雷・クロエ(c07289)がすこしだけ離れた道を示す。男の娘を呼びとめるチョイ悪親父。それだけ聞くとなんだか危険な事を想像してしまうが、きっと気のせいであろう。
「ん、いやね。もしアクエリオの星さんがまだならね、こっちの方が邪魔にならないと思うんだよ」
 流石に年の功、場所の選定にも抜け目が無い。少し意味は違うが、こっちの方が女の子にもてるからね……。なんて言ってるので、あながち間違えてはいないだろう。
「ふむ。この辺りは鳴き砂の浜辺じゃな。砂浴場もあるそうなし、終われば皆で入るのも良かろう」
「砂浴は良いかもしれませんね。肌を見せたくない人にも良いですし、冷水浴も併設されてること多いから」
 もっきゅもっきゅ、と足音立ててラスボス・ラピス(c14865)が引き返すレイに代わって先頭を進み始めると、隣を行く雪割り蕾花・デジレ(c18812)が道々で花を摘みながらクルクルと歩き始める。
「この辺りの水路はですね『花隈川巡り』と言って、上流の滝から下流まで観光地ごとに別の花が咲いてて、花束を作るとどのコースを通ったのか判るそうなんですよ」
「川下りか……。温泉で酒を飲み、川を下って酒を飲む。良さそうだな、誰か誘って行ってみるか」
 楽しそうに語るデジレに、銀麗の槍士・ミラ(c20674)が適当な相槌を打ちながら、終わったら温泉につかって一杯いこう。と何人かに声をかける。今は舌を湿らす程度にしか残念だよねえ……。とクロエが早速同意を示した。綺麗な胸元に見惚れていなければ恰好良いのに、残念な人である。
「よっし、一番乗り〜。私は木の上で偵察してるね♪」
「お酒は、ほどほどによ。リリア」
 舵輪の・リリア(c14179)の足取りはギクっとぎこちなくなる。鱗蹄・イーシュカ(c21933)の忠告は実にありがたいのだが……。
 言えない。実は一滴も飲めないので、ハッタリかまして酒瓶持っています。なんて言えるわけがなかった。グギギギっと振り向いて、判ってるって! と返す笑顔には不思議な哀愁が漂っていた。
「じゃあ、始めましょうか? 遅くなるようなら、ランプを付けるわね」
「おし。ジュースは用意してるから、休憩しながら何曲かいこうぜ」
 イーシュカの歌に合わせて、蒼空のカケラ・プリュム(c00386)が竪琴を爪弾き、不撓不屈の鋼・カディシュ(c01141)が手拍子を取り始めると、ささやかな宴会が始まった。武器は足元において布飾りで隠して、木の上には妖精たちが鈴なりで待ち構えて。……あ、リリアも忘れないであげてね!
「早く助けて、この宴会を本当のものにしなくちゃ!」
 緑風を抱く・ヘイゼル(c05936)が呟くと、デジレやレイが頷きながら手拍子を打つ。それはみんなの思いそのものであり、願いでもあったのだから。
「おいでなすったな。また後でシーホースさんと一緒に聴かせてくれよ、プリュム♪」
 そうこうするうちに、何人が上げる手に気がつきカディシュは得物を手に取ると、刃を抜いて颯爽と立ち上がる。続くように羽や刃の音が鳴り響き、戦闘態勢が一瞬のうちに整えられた。
 彼の望みは叶えられるのであろうか? 戦いの行方は?
 それは……、シーホースだけが知っている。

●全滅! ケーキとかムースとか、そういった何か。
「このリリアお姉さんに任せなさいって!」
「!」
 とあー! リリアが仲間達を飛び越えて、木の上からシーホースに降りそそぎ、上から押さえつけられ頭を強打した馬体は、怒りに任せて水流を解き放つ!
「あー、それ後で食べようと思ってたのに!」
「お姉さん……、ケーキの方を心配って酷いよ〜」
 彼女を狙った水流はラミアへ向かったレイへと直撃し、その余波で脇にあったチーズケーキが吹き飛んだ。
 それは薄い塩味の効いたダブルカッティングチーズと、甘いクリームチーズを載せた、仲間が行列を並んでやっと購入した逸品クアドラであった。
「死ね、滅びよ、朽ちよアクエリオの民よ!」
 男は地獄門を開いた。それは威力こそ抑えられていたものの、前衛全員を巻き込む血河山屍の地獄絵図である。
「こざかしいわ! やるぞプリュム」
「そうですね。ファータちゃん、行きましょうか」
 ラピスとプリュムが妖精の軍勢を呼び寄せ、その雲の中を可憐に舞い踊る。ブーン、ズズズン、バララララ! とうるさく飛び回り、虹の光が明滅するようなダンスが繰り広げられた。恐るべし妖精軍団。
「つあっ、チェェーストォオオオ!」
「迸れ、銀光剣!」
 リリアがこじ開けた隙を、チャンスと取ったかカディシュが突き進む。大上段から一気に振りおろし、幸運も手伝って最も傷ついたラミアを葬り去った。戦機は動く、ヘイゼルは突き動かされるように隙間へ入り込み、新たなラミアに斬りかかると、老人に正面を向け背中をがら空きにすることで攻撃を誘ってみせる。信頼できる仲間がいればこその、大博打であった。
「魔王なんて復活させたって、破滅以外の何があるの?」
「そうそう魔王復活したら結社なんて只のファンクラブだって」
 挑発を入れたら何枚でも挑発を重ねよう。彼女の憤りに、クロエが新たな油を注ぎこむ。これで気を取られてくれれば良いと期待して……、なんというか一行の期待は妙な感じで裏切られた。
「それの何が悪い? 破滅の何処が悪いというか、復活した魔王を讃え従いその果てに滅びる。その何が悪いのかね」
 狂信者。
 理屈が通らない、この後も幾つかの会話が繰り広げられるのだが、同じように話が通じないのだ。
「じゃあ僕もいこっかな。怪我の治療もしたいしね」
「ほわー。可愛い……。あ、いけないいけない。攻撃、再開するね?」
 レイの足さばきは、軽やかなダンス模様。近づいて遠ざかって、中心線は動かさずにしゃなりしゃなり。優雅に揺れ動くドレープが、動いたかと思うと既に切り裂いている。血潮を上げて自らの傷を癒す様は、妖華を思わせる艶やかさである。
 そんな彼の動きを参考に、自分だったらどう踊ろうかなあ? なんて考えていたデジレが我に返って鍵を放り投げた。それはラミア影越しに尾を絡め取り、動きを始めたのだ。
「私は『鱗蹄』の銘を持つ者、シーホースを苦しめる者は、余計に許せないわ」
「ん……。トドメは任せる。落ちよ稲妻、下れよ雷槌!」
 イーシュカの飾りナイフが、紋章を描く。
 紋章から鏡を、鏡から鳩の群れを召喚し、傷ついた一体に降りそそぐ。その様子にミラはあと一息で倒せると判断し、最後の一体の力を削ぎにかかった。輝くような神速の一撃は、翻って雷鳴となりが大蛇の半身を縛ったのだ。
「お前達の本拠地は何処だ!」
「この大地の全て」
 思わず苦笑する。こう真顔で返されては、正気であると思うことの方が無理である。情報は諦めるか……、と一同に徒労感が広がって行った。
「水神の使いなのだから、魔王の力に負けちゃいけないでしょうが」
 しかも、あんなのですよお?
 クロエがへこんでいるのも無理はない、あんな相手が敵ではやる気がそがれて仕方がないのだから。とは言え、相手にだけやる気があっても仕方がないと魔書を開く。
 パラパラとページをめくる音が、戦場の騒音の中で不気味なまでに静かに鳴った。鳴り終わったときには、騒音を立てていたはずのシーホースの脚は、石となってその動きを大きく減じていたのである。
「侮りも油断も不要。このままガツンと倒して、平和に酔いどれようぞ」
 待ち受ける衝撃を前に、ラピスが嫣然と微笑んだ。
 戦いは、佳境を超える。

●水塵災と防水陣
「嵐が着ます! 皆さん、お気をつけを……!」
「回復は任せる! こいつ、なかなかにしぶとくてな!」
 ファータちゃん、カディ達を!
 激流の大波と、槍の葬列を過ごしてプリュムとカディシュの瞳が交差する。二人は一瞬の後、妖精の輪が広がり前衛の傷を癒し始め、傷を確かめもせずに残るラミアめがけて突進した。
「お前達が何を企もうとも、好きになんてさせない……!」
「はっ、無駄。全ては無駄なのだ! 偉大な魔王の威光を妨げることなど、できぬ!」
 言ってろ! ヘイゼルの銀剣が唸る、兜割りから間を置かずに切り上げるV字の剣閃が日の光を照り返すと、老人のフードが弾け飛んで死相の浮かんだ顔が露わになる。その顔色は何処までも青い。
「守られた約束、のどかに暮らす彼方の田園。捨てられたパズルは完成せよ、在りし日の光景よ!」
「広がるその手には何? それは意思、それは教え、それは即ち愛である! ……もう大丈夫よ」
 デジレの放る、完成された呪力がまるで時間をも戻すように傷をふさぎ始めると、イーシュカの描く紋章は残る二人の傷を重傷から軽傷へと置き換える。先ほど放たれた、大規模な攻撃の影響は、粗方が建て直されたのである。
「終わりだ。唸れ雷電、そは神鳴る力、ラァァイトニィィングピアス!」
「結構持ったけどラミアは終わり、詰みだねぇ。相手が正気なら……、捕まえても意味があったのに」
 あ、クーにも活躍させてやれば良かった。とミラが気がついた時にはもう遅い、最後のラミアは打倒され、あとはシーホースと老人を残すのみ。残念だよねぇ? クロエはそう言いながら鞭を胸元から取り出して、最後の締めに入った。万が一に老人を先に倒したとして、海馬が逃げ出さないようにである。
「おおっとお! リリア姉さんのおかげで作戦成功。これは表彰ものの活躍じゃない?」
「そんな事は……。いやそうじゃな、どうせならこのまま殊勲賞を狙ってみんかえ?」
 おっけー任された! どこか抜けてる頭脳をフル回転させて、リリアが再び宙を舞う。しれっとした顔でラピスは苦笑することもなく、次なる一手を繰り出した。再び妖精の群れが天を覆う。治療体制が整っているとはいえ、出会い頭の一撃をくらう前に倒してしまうのは有効であろう。
「馬鹿な、わしが負ける? お、おのれぇぇ、偉大な魔王に栄光あれ!」
「最後まで騒がしい人だなあ……。正気でないみたいだし、そろそろ退場だよね?」
 いいぞー、倒しちまえ! 周囲の声援を胸に、レイは艶やかに踊りだす。あれから数合を交わし、最後に残った老人に対してペコリと頭を下げて踊りだす。舞うのは黒鳥、寄せては返す、実に40連の高速撃を喰らわせたのである。その間、一度もスカートが跳ね上がることはなかった。拍手が無いのが残念ではあるが。
「おかえりなさい」
「よかったね、シーホース」
 全てが終わり、ソーンと共に傷とが失せた海馬に、デジレとヘイゼルが迎え入れる声をかけた。
 戦いは、一同の勝利に終わったのである!

●双浴の館
「凝った作りの刀みたいだけど……。これ、何か判るか?」
「儀式刀……。だと思いますけど……、詳しくは判りません。問題なのはこれの役目が何か、です」
 血で染まった刀を取り出して尋ねるカディシュに、イーシュカが応える。血が新しいこと、老人の傷具合から自害したことまでは推測できるが、それ以上は明確な事が判らない。
 それで儀式は終わりなのか、それともこれがいまだに機能しており、なんらかの法陣を刻んでいるのかは区別がつかないのだ。それもまた彼女がナイフで天に刻むように紋章を描いているから思いついただけの話で、コレ1本で判別することは難しかった。それこそただの刀、であるかもしれない。
「さてさて、難しい話はこれまで。温泉を借りる手はずは整っておるので、入りに行こうかのぅ」
「足湯か何かがあれば入りたいな……。そういえば、その下半身で陸上でも大丈夫なの?」
 率先するラピスにくっついて、移動していたヘイゼルがふと足を止める。シーホースの移動に興味を覚えたからだが……。
 ぷかーぷか〜。下半身は空に浮かんでいた、もしかしたら逞しい上半身で持ち上げているのかもしれないが……。ロマン的にも浮かんでいると思いたい。
「ぎゃあ! こら、なめるなって。ごめんってば!」
「あー言葉は通じないけど、頭の中身は割とお堅いと思った方が良いぞ?」
 人参要るか? ほーれほーれ。と振りまわし始めたリリアを、ペロペロと舐めまわしてから、おっこちた人参のお相伴に預かっている。これも食べなくても良いのだが、仕方ないもらっておくか……。という態度とカディシュの言葉から、彼らシーホースにしてみれば、騎士が道行く子供をあやすのと変わらないのであろう。
「言葉は通じないけど、内容は通じるんだよね? 撫でても大丈夫、なの……?」
「愛情と敬意を持っておれば、良いみたいね」
 そんな感じでヘイゼルとイーシュカが濡れるのも構わず、水で血汚れを落とし始めた海馬を撫で始める。彼女の言うように、敬意と愛情を持って接すれば別に怒ったりはしない様子であった。
「到着〜。水着あるからみんなで一緒に入れるよね? シーホースも一緒に入れたら嬉しいなぁ」
「砂浴と温泉の間にあるアレ、冷水場に見えるから大丈夫……、なのかな?」
 デジレがシーホースが居やがらないのを確認して、一同はレイを先頭に一斉にお着換えに走った。ここからは温泉につかりながら宴会タイムでござる。
「一仕事終えてからの酒はやはり格別だな……。今日はもう存分に呑んで楽しもう」
「そうですねぇ。お酒もですが眺めも格別! ゆっくりしていくとしましょうかねぇ」
 ざぶんとお湯につかったミラが、手ぬぐいを頭に載せたクロエと酒を酌み交わし、縁に腰かけたクーをつついて遊んでいる。見ればリリアやレイは砂浴場でまったり、まとめた金の髪を布で覆っていると、なんだか姉妹のように見えるから不思議である。
「はい、これ途中で花を摘んで作ったんだよ……、あプリュムさんかな?」
「昼寝小屋でこんな物を見つけたので、ここでも弾こうと思って。おもちゃ見たいなものですけどね」
 デジレが背を伸ばして海馬の首に花飾りを掛けると、奥から竪琴の音が聞こえ始めた。温泉の備品なのか防水性がありそうではあるが、全体としては粗末な作り。それでも遜色ないのは彼女の腕前であろう。
「約束通り聞かせてくれよ、とりあえずシーホースが満足するまで?」
 この地は、シーホースが祝福した湯とか、穢れを落とした癒しの湯とか、さまざまな呼び方をされることになるのだが、それは一行の預かり知らぬ事であろう。
 こうして一日は終りを迎える、一行の戦いと共に幕は閉じたのであった。



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いまいち
参加者:10人
作成日:2011/08/24
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