ステータス画面

血に飢えしものども

<オープニング>

●惨劇
 都市国家の最下層、光も差さぬスラムの一画。
 ジャガーの頭部、鳥の脚、そして鱗に包まれた尻尾――人を見下ろすほど巨大なバルバ『ジャグランツ』の群が、突如雪崩れ込んできた。すべてが大きく歪曲した幅広の刀を持ち、人々に襲いかかる。
 未だ寒さが残る風を凌ぐべく、瓦礫の中のような廃屋で身を寄せ合い暮らしていた人々は、彼らを見てすぐに狂乱の叫びをあげた。必死に逃げようとしているにも関わらず、動作は彼らから見て緩慢だった。
 子供を守ろうと覆い被さった母親の背に蛮刀が刺さる。未だ息のある母親を蹴り飛ばし、子供をなます斬りにし、狂ったような愉悦の声をあげる。泣きながら睨み付ける母親を別のジャグランツが止めを刺した。
 愛しい者を守ろうと立ち向かった青年は、奮闘むなしく血を流し崩れ落ち、更にその上をジャグランツが踏みつけていく。
 怒号と悲鳴と泣き声が入り混ざる。
 その声が止む頃、残ったのは吹きさらしにされた人々の死体のみ。まともな形状をした遺体など無く、微かな家屋さえも破壊されている。
 通り抜ける風が彼らを悼むよう、小さく泣いた。

●討伐
「どうやら太刀の魔法剣士・レイ(c02945)、ハルバードの城塞騎士・エルンスト(c03127)、大剣のデモニスタ・イトカ(c03441)、大剣の城塞騎士・クロミア(c04585) らが危惧していた事態が起ってしまったようだな」
 腕を組み、目を伏せた状態で斧の城塞騎士・ヘーゼル(cn0021)はエンドブレイカー達に語りかける。
「私が見た限り、ジャグランツは人を殺すということを楽しんでいるようだ――無論、食料なども奪われたが、どちらかといえば、虐殺に重きを置いているようだった」
 彼は一度其処で区切ると、腕を組んだまま指をとんとんと動かす。
「現れるジャグランツは全部で十二体。マスカレイドと化したジャグランツに率いられ、人々の集まっている場所に大仰に現れる。そして敢えて少しだけ待ち、人々が逃げ惑うところを順番に殺していく。残虐で度し難い行為だ」
 更に人が逃げにくい場所、例えば出入り口が崩れた廃屋、行き止まりになっている路地など――そこに獲物がいれば、奴らは必ずやってくると、ヘーゼルは言う。
「マスカレイドも含め、ジャグランツは全て蛮刀を所持している。知っているものもいるとは思うが、奴らは三メートル近い体躯で獰猛な性質だ。数の上でも我々を圧倒している……マスカレイド云々を抜いても強敵といっていい」
 しかしどうやらジャグランツにはそれぞれ役割があるようで、半数は人を逃さぬよう退路を塞ぎ、三体ほどでその中を獲物を追い回し、マスカレイドを含む残った三体が獲物を襲う。つまり半数はあまり積極的に戦闘に参加しないらしい。
「弱者を襲うがゆえの余裕なのだろうな。それを利用すれば、有利に戦いを進められるだろうが――ただ、マスカレイドを討つと、他のものは逃げるやもしれぬ。奴らをどうするかはお前達次第だが……」
 組んでいた腕を解き、鈍い金色の瞳を開く。
「微弱ではあるが私も同行しよう。秩序を乱すものは何人であろうと許さぬ」
 強い視線を向けて、宜しく頼むと告げるのだった。


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参加者
ソードハープの魔曲使い・マリールイーゼ(c00206)
槍の群竜士・シャオリィ(c00368)
トンファーの群竜士・リンク(c00805)
太刀の魔法剣士・ルィン(c01263)
ナイフの群竜士・タルヤ(c02488)
アイスレイピアの魔法剣士・レイアス(c02502)
杖の星霊術士・キリエ(c05013)
杖の星霊術士・シャルティナ(c05667)
NPC:斧の城塞騎士・ヘーゼル(cn0021)

<リプレイ>

●狩人、駆ける
 闇夜をエンドブレイカー達は駆け抜ける。
 昼間はそれでも明るかったのだが、夜になると上層と比べても格段に暗い。
 太刀の魔法剣士・ルィン(c01263)は此処は一段と空が遠いと見えぬ空を憂う。
 スラムは静かだ。所々崩れかけた建物が外よりも深い不気味な闇を湛え、まるで全体がぼんやりとした不安を纏っているような暗澹たる気分を誘う。それがジャグランツの襲撃の結果なのか、元々この一帯がもつ気配なのかは、わからない。
「うぉぉぉぉぉ〜!! 弱い立場の人たちを遊びで殺戮するなんて、絶対ぇゆるさねぇかんな! 今に見てろよ、ジャグランツ、マスカレイド!!」
 気合いの雄叫びをあげたのはトンファーの群竜士・リンク(c00805)だ。
 此処まで激しく主張する者はなかったが、心は皆同じ。
「殺戮を楽しむなど許し難き奴らだ……」
 淡々とアイスレイピアの魔法剣士・レイアス(c02502)が呟く。
「罪のない人を殺しちゃうなんて許せないです」
「殺戮はダメなのですよ〜。断固阻止なのです」
 大きい帽子を揺らし杖の星霊術士・シャルティナ(c05667)が拳を振り上げれば、杖の星霊術士・キリエ(c05013)がほんわかと頷いた。
 そんな二人に任せておけとリンクがアピールする。他にも何気なく隙を見つけては彼はちょくちょくと女性陣に声を掛けている。
「曰く、奴らは頭が弱いので挑発しやすいが体力はかなりのものだ、だとのことだ」
 斧の城塞騎士・ヘーゼル(cn0021)が事前に声をかけてきたエンドブレイカーの言葉を伝えた。
 即ち持久戦は辛くなるやもしれぬ、と。
「さて、今度は奴らが狩る獲物に狩られる番だ」
 しかし上等だと、ナイフの群竜士・タルヤ(c02488)が頷いた。
 何でこんな酷いことが同時期に多発しているんだろう。槍の群竜士・シャオリィ(c00368)は取り留めもなく考え、止める。
「苦しんでいる人を救いましょう」
 ソードハープの魔曲使い・マリールイーゼ(c00206)がそんな彼に気付いたのか、にこりと笑みを見せた。
 今は迫り来る敵を倒すこと。人々を救うことを優先せねば――彼らは駆ける。

「ジャグランツが来るよ、逃げて〜」
 キリエの声が暗いスラムに響く。他のエンドブレイカーも同じ。それぞれに逃げ遅れた人々へジャグランツの存在を知らせ、逃げるようにと促す声をあげる。
 同時にそれは、彼らがどの場所で戦うべきか、今ジャグランツがどのあたりにいるのか探るという一面もあった。
 声かけに応じてぽつぽつと人が移動する。しかし何処へ行こうかと戸惑う様子の人々に、彼らは丁寧に指示を行う。
「ジャグランツだ! 逃げろ!」
 言いながら曲がり角をルィンが覗き込んだ時、比較的大きな口を開く廃屋を見つけた。
 元々はどういった用途のものだったのかは知るよしもないが、壁が抜かれたがらんと広い空間は戦い向きに見えた。入り口は壊れて縦に大きな穴を開けているような状態だが、天井は決して高くはない。
 ジャグランツの身長を思うにギリギリだった。しかしこれ以上低ければ奴らが入ってくるのかどうか解らない。そういった意味でも十分な場所だった。
 周辺の人々の避難が済んだのだろう、集まってきた仲間達とこの場を戦場にすると決める。
「さあ、行きましょうか」
 マリールイーゼがキリエとシャルティナを振り返る。これまでの聞き込みで大体ジャグランツがどのあたりにいるのかは、わかっている。

●襲撃
 琥珀色の獣の瞳が女三人、内ひとりは幼い子供を視界に認める。趾が地を蹴る。
 ジャグランツはわざと転がる石塊を蹴り飛ばし音を立てる。その音を聴いた三人は、彼らの姿を確認する前に逃げ出した。
 一人子供が蹌踉ける。されど転ばず、素早く体勢を整えて走り出す。
「お、おっきくって怖いのが来たのですよ〜っ」
 子供――シャルティナが叫ぶ。相手が加減して追っている、というのもあるが、隙を見せようともジャグランツは手を出さない。
 彼らは戦闘地点に見いだした建物から真っ直ぐ正面の道に立っており、逃げ込む先は自然とその建物しかないようにできている。
「きゃーー、怖いのです〜!」
 建物に向かって声をかけるように、キリエが声を上げる。
 それは仲間達への知らせとなる。
 入り口から顔を出したシャオリィが「ば、化け物!」と驚愕の表情を浮かべる。こっちへ来いと仲間へ向けてルィンが手招きする。
 他にもジャグランツの高い視界からは、包帯を巻き負傷したようなリンクとレイアスの姿も確認できていたはずだ。
 真っ先にマリールイーゼが建物に入る。追ってキリエが、振り返りシャルティナを呼んだ。
「早く、こっち!」
 シャオリィが呼びながら石を拾い「こっち来るなよっ!」とジャグランツ目掛けそれを投げる。投げた石は先頭を行くジャグランツの胸部に当たる。やばいという表情をわざと浮かべて、シャオリィが隠れるように引っ込む。
 がん、と建物全体が振動した。追ってきたジャグランツが脅しも兼ねて体当たりするように、入り口に顔を突っ込んだのだ。
 暗闇に不気味な光が浮かぶ。怯える顔の女性達、怯えながらも武器を構えんとする男達。
 そんな獲物の姿に彼らは満足げな笑みを見せ、建物の中に順番に潜り込む。多少入り口が壊れようと気に掛けず、威圧的に武器を振りかざしながら。
 後退るエンドブレイカー達に引っ張られるように、彼らは十二体とも建物へと入る。
 先に入った三体が武器を天井の一部を刮ぐよう振り上げた。埃がぼろぼろと落ちる。
 振り下ろした一撃は牽制。さあ、逃げろという鬼ごっこの合図――だったのだが。
 さっと左右に避けた獲物の一人がレイピアを素早く抜き、高らかに名乗りを上げた。
「我は一振りの剣にて罪を刈り取り悪を滅する! 我が名はレイアス。推して参る!」
 同時に動き出す、闇夜にうごめく影――獲物が「戦える」と悟ったのだろうか。仮面をつけたジャグランツが大きな咆哮を上げると、ジャグランツ達が三体三体と二手に分かれた。

●狩り
 思い切り横薙ぎに振られた一撃を受けたのはルィンだ。蛮刀と太刀が鈍い音を立てて食い合う。
「……ったく、刃、欠けるだろうが」
 じんと痺れた腕に敵の力を実感し、彼は悪態をつく。その背後からしなやかな影が飛んだ。
「さて、悪いけど仕事なんでね。キミたちには死んでもらうよ」
 静かに言うなりタルヤが空いた胴へと拳を繰る。
「……と言っても、獣に人の言葉は解らんよね」
 タルヤの瞳が冷たくジャグランツを射貫く。
 上半身をルィンに抑えられる形になりタルヤに脇を攻撃されたジャグランツは前のめりになる。尻尾が唸る――その勢いで身体を捻り、体当たりでタルヤとルィン両者を振り切った。
 二人は同時に後方に飛ぶ事で逃れる。
「任せるぜ」
 後ろに控えるヘーゼルにルィンが短く告げながら、残像を残しながら斬撃を打ち込む。
 スピカのマスコット付の杖を振り、キリエがマジックミサイルを放つ。無数の光の軌跡がジャグランツへと襲いかかる。
 怯んだジャグランツへ、タルヤがナイフを振り下ろす。断末魔は獣のもの――逆上した他のジャグランツが蛮刀を隙の出来たタルヤへと突き出す。
 その腕を横薙ぎに斬り下ろす。断つことは敵わぬが、傷は深く、思わずジャグランツは腕を引く。
 再び居合い斬りを仕掛けんと納刀したルィンがにやりと笑んだ。
「愉悦も享楽も悪かねェ。だがお遊びはそこまでだ」

 シャオリィが素早く動き敵の蛮刀をあちらこちらへと誘導する。
 その背へとリンクが回り込み、積極的に攻撃を仕掛けた。
「背はチビッコいけど、スピードなら負けねーぜ!! うぉぉりゃぁぁ!!」
 気合いを込めた一撃がジャグランツの巨大な背中に打ち込まれる。ぶんと尻尾ごと振り抜かれ、リンクが床に沈むと、シャオリィが追撃を阻止せんと立ちふさがる。
「にゃんこさん焼き払ってなのですよ〜」
 シャルティナの声と共に駆ける黒猫の尻尾が炎を放つ。炎がジャグランツの鼻先を掠めたところへ、シャオリィが剛鬼投げで投げ飛ばした。
 背の低い少年が仲間を投げ飛ばした事に他のジャグランツが何を思ったかは知らないが、もう一匹のジャグランツが振るった蛮刀で、彼は床を滑った。
 倒れ込んだシャオリィへ再度刀を振り上げたジャグランツだが、ふと何かへ視線を向けた。その先にはソードハープのハープ部分を構え誘惑魔曲を奏でるマリールイーゼが居た。
 ぼんやりと立ち尽くすジャグランツへ「マリールイーゼが作ったチャンス! 無駄にはしねーぜ!」と叫びながらリンクがトンファーを連続で打ち込んだ。
 レイアスが対峙するはマスカレイド。乱暴に振るう蛮刀は床や天井を軽く引っかけながらもその威力は変わらない――がっと鈍い音を立ててレイピアで抑えるが、その威力に痺れた腕でレイアスは反撃できない。
 横から鳥の足がぐんと伸び、レイアスは横腹に強い衝撃を受けて飛ぶ。追撃に蛮刀が斬り込んだ。それでも彼はレイピアは離さない。
「やるな……だが、その程度ではまだ倒れんよっ!」
 構えながら起きあがり、言い放つ。深いやもと思った傷はキリエのスピカがすぐに癒した。
「ふぁいとなのですよ〜」
 彼女の声援を背に、彼は再び立ち向かう。

 どうやら戦況を見て、見張り役のものが攻撃に加わることにしたらしい――すでに倒れたジャグランツは四体。未だ未だ数が多い。
 このままじゃつらいな、タルヤが思った時だ。
 建物の更に奥から無数の人影が現れる。まさか一般人――と思ったが、それは駆けつけた他のエンドブレイカー達だった。二十名近い人数でいながら巧く潜んだもので、ヘーゼルや他のエンドブレイカーを助けるようそれぞれに攻撃を仕掛けていく。
「負けるわけにはいかないです」
 ハープを奏でながらマリールイーゼがマスカレイドをじっと見据えた。
 そんな彼女の不意をつくよう襲いかかったジャグランツの刃を駆けつけたルィンが太刀で受ける。吹き飛ばされ、瓦礫の中に突っ込む。
 演奏を止めて剣を構えたマリールイーゼは浮かない顔だ。剣を振るうのは嫌いなのだ。
 しかしもう一匹が迫る。タルヤが背後からジャグランツの下肢に竜撃拳を打ち込むが止まらない。後ろに蹴飛ばされ、彼女の腕は届かない。
 双方からの攻撃に、マリールイーゼは躱すことでしか応じられない。しかし思い切って間合いへと踏み込み、十字を刻んで一方を退ける彼女の背をもう一方が狙う。
「光の矢よ、貫くです!」
 その背後から光の矢が伸び、シャルティナのマジックミサイルがジャグランツを射貫いた。正面へと回り込んだヘーゼルが斧を振り下ろし、その行く手を防ぐ。
 更にもう一撃、太刀が獣面を横に斬り裂いた。
「よぅ、もうちっと遊ぼうぜ」
 振り返りながら、ルィンが血塗れになりながらも少し崩れた髪を掻き上げ笑った。血を流しながらの笑みはジャグランツでさえ無意識に後退るほど何とも言えない凄みがあった。

 数が減ってきた――劣勢かと思われたが、どんどんと状況は変わっている。エンドブレイカー達もマスカレイドへ向かい攻撃を仕掛ける時間が増えてきた。
 蛮刀を一閃し大きく開いた懐に飛び込んだシャオリィが哮る。
「お前たちの好きなようにはさせない!」
 迷わず拳を振り切る。正面から腹部を打ち抜く竜を纏った拳にマスカレイドがよろめく。
 ナイフを煌めかせタルヤがその足を切り裂くと、耳を覆いたくなるようなジャグランツの唸りが建物を振るわせる。
「ボスをやっつけちゃって下さいですよ〜」
 スピカを放ちながらのキリエの声援を受けて――決して彼のためだけの声かけでは無いのだが――リンクが咆えた。
「喰らえ!!」
 トンファーが風を食いながらジャグランツの背を強打する。ぐらりと揺れるマスカレイドに向かいレイアスが踏み込み、鋭い剣戟と共に駆け抜ければ、目の前に大きな巨大な氷の像が出来た。
 最後にシャオリィが竜撃拳で氷を粉々に砕いたのだった。

●闇夜
 マスカレイドが落ちた。残されたジャグランツが戸惑うところへ追撃の手が伸びる。レイアスとルィンとサンダーボルトが真っ直ぐ彼らを焼く。
「……終わったかな。しかし、さすがはジャグランツ。強敵だったね」
 ナイフを収めながらタルヤが逃げた闇を見つめた。
 未だ傷を負っているものを順番にキリエとシャルティナがスピカで癒していく。
 ばた、と大きな音がする。皆が驚き振り返ればシャルティナが転んでいた。上半身を軽く起こした彼女はてへへと照れながら笑う。
「ヘーゼルさん、起こしてですよ〜」
「気を抜くな。幼いからといってエンドブレイカーとして戦う以上、許されぬ失態だ」
 近くに居るからと助けを求められるもヘーゼルは不機嫌そうに言い放つ。しかし止む無しと手を差し出そうとした時、横からリンクが駆けつけ「大丈夫かっ」とシャルティナの手を取り、助け起こした。
 キリエの治療を受けながらレイアスは周囲を見渡す。
 この戦いで犠牲になった人間はいない。少なくともこの近辺で起こったであろう事件は止められたのだろう。
 事の発端への疑問は残るものの、良かった、とシャオリィが少し表情を和らげる。
「ジャグランツがいなくなったこと、皆さんに教えてあげないとです」
 治療を終えたキリエがと杖を握り微笑んだ。
 しかしそれが済めばエンドブレイカー達にもうやるべき事は残されていない。
 では戻ろうかと誰からもなくそんな雰囲気になった時、
「もし問題がなければ少し演奏したいのですが……」
 己の演奏が傷ついたスラムに灯る光になればと、マリールイーゼが皆に問うた。行き場に迷った視線がヘーゼルへと向かう。
 答えを委ねられたヘーゼルは背を向けた状態のまま「好きにすればいい」と告げる。
 少し微笑んで、真剣な表情に戻ったマリールイーゼがハープを構えた。
「おやすみ……空がみえねェな」
 ちっ、と小さく舌打ちしつつ、ルィンが暗い夜空を仰いだ。
 背後で奏でられる鎮魂歌は、スラムの闇に溶けていった。



マスター:神崎無月 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/04/19
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