ステータス画面

『舟歌』〜バルカローラ〜

<オープニング>

 アクエリオの水瓶からもたらせる水は、アクエリオ全体をうるおし、あまねく都市全体に水を行き渡らせる。
 放棄領域の水路。ここもまた流れる水で潤っていた。
「やれやれ、この辺りも物騒になってきたもんだ」
 ゴンドラ乗りのボーグは、大きな荷物を乗せたゴンドラの上で独りごちる。
 隣の村とは街道で繋がっているのだが、放棄領域の水路をゴンドラで突っ切った方が早く、まして大きな荷物を運ぶなら、水路を運ぶ方が楽なのは自明の理だった。
 ……ただ気がかりな事もある。村の若い者の話では、最近この辺りでバルバを見掛ける様になったのだ。
「まったくゴンドラに乗っておれば逃げればいいだけじゃが、隣村の自警団とでも協力して退治して欲しいもんじゃ」
 ボーグは唄の合間にボヤきながらゴンドラを進めて行く。その水面から飛び出る槍!
「な、なんじゃあ!」
 槍を躱したボーグだったが、次の瞬間大きな水音を立てた赤い腹のバルバが、水を滴らせながら次々と跳び乗ってきた。1体だけ体格の大きい隻眼のイモリアンが、ボーグを見て舌なめずりする。
「しまった、バルバはイモリアンじゃったか!」
 櫂を手に絶望的な状況に唸るボーグに、イモリアン達の顔にある白い仮面は見えなかったのである。

「えーっと、この村とこの村なんだけど街道がこう繋がってるのよ。けどこっちの放棄領域の水路を突っ切るとほら、凄く近いでしょ?」
 噂詠の魔曲使い・ルトゥン(cn0053)は、テーブルの上に置いた地図を指しながら説明している。
「ここを突っ切って荷物を運ぼうとしたボーグさんってゴンドラ乗りのお爺さんが、イモリのバルバ『イモリアン』のマスカレイドに襲われるわ。
 最近バルバが出るらしいってのは知ってたみたいなんだけど、ゴンドラで逃げればいいと思ってたみたいね。残念だけど水中から襲われ、殺されてしまうわ。だからちょっと助けてあげて欲しいの」
 そう言ってルトゥンは手帳を開く。
「イモリアンは知ってるよね? 毒々しい赤い腹をしたイモリのバルバで、水の中を主体に行動する少し小型のバルバね。主に槍を扱い、水の中に居る時の方が強いの。
 今回出て来るイモリアンマスカレイドは5匹。水中から槍を投げたり、ゴンドラに乗りこんで襲い掛かって来るよ。自分の槍で貫いて殺したいらしく、ゴンドラを攻撃して沈めるって事はしないみたい。
 ボーグさんは不安を感じている様だし、護衛を申し出ればゴンドラに乗せて貰えると思うけど、10人乗って荷物が乗ると、船上での戦闘スペースは殆どないから、船上と水面で交戦する事になると思うわ。イモリアンは水の中に居る時の方が強いので、ゴンドラ持ってる人が行くなら、複数のゴンドラで行くのも良いかもしれないね。
 どちらにせよ、ボーグさんはしっかり守ってあげてね。」
 そう言ってルトゥンは手帳を閉じたのである。


マスターからのコメントを見る
参加者
天照月華・シャルリア(c00398)
寂寥たる淡月・ヤツキ(c01233)
白雪華・リーゼシュテイン(c02776)
幽星の黒獅・イスラティル(c03535)
銀の猟犬・ラーゼン(c05060)
魔鍵の星霊術士・アルストロメリア(c15869)
星霊との繋がりの扉を開く者・キャサリン(c20216)
鱗蹄・イーシュカ(c21933)
流浪の探索者・コテツ(c22325)
黒竜・アリエッタ(c22491)

<リプレイ>


「あなたが、ボーグ?」
 放棄領域を流れる水路、その中を進むゴンドラを呼び止め、4艘のゴンドラが追い付くと、魔鍵の星霊術士・アルストロメリア(c15869)は、そのゴンドラを操る老人に話し掛ける。
「いかにもそうじゃが?」
(「くっ……風に靡くって……だめだ、堪えろボク」)
 黒竜・アリエッタ(c22491)は、涼やかな笑顔で振り返ったボーグさんの鼻毛が風にそよぐのを見て、視線を逸らし下を向いて肩を震わせる。
「私達は隣村まで行きたいのだが、いまひとつ地理に疎い。案内して貰えると助かる。代わりと言っては何だが、最近この辺りはバルバが多いと聞く。護衛は任せて欲しい」
 アルストロメリアが重ねて言うと、
「ほっほっ、隣村は大した距離もないし案内するのは構わん。バルバの話は儂も聞いとるし、正直少々不安だったところじゃ。お主ら強そうじゃし、大勢おるから安心じゃな」
「泳げるバルバもいますし、気をつけないとです」
 歯を見せ、鼻毛を揺らして笑うボーグに、腕を組んでその大きな胸を強調した星霊との繋がりの扉を開く者・キャサリン(c20216)が、追従し、談笑しながら5艘のゴンドラは水路を進む。
「ジェナスさん、どうですか?」
「〜〜〜♪」
 泳ぐジュナスをゴンドラ上から窺うキャサリン。前屈みになった彼女の胸がこぼれ落ちそうであり、ボーグのゴンドラに移った鱗蹄・イーシュカ(c21933)が、ジェナスが揺らす水面のさざめきに嘔を口ずさむ。彼女の網膜にボーグさんの鼻の穴から出ているものは写らない様になっている様だ。
「さて……どこから来るか……」
 まだ使える水路に勿体ないと思いつつ、白雪華・リーゼシュテイン(c02776)が水面に視線を戻した時、その水面を突き破り雷撃を纏った槍が飛び出して来た。
「来たな、仮面憑き共。精々良い声で哭けよ」
 ボーグを狙って飛び出したライトニングピアスを、彼にボディガードを発動させていた幽星の黒獅・イスラティル(c03535)が叩き落す。
「安心しな、老師。己が必ず護り切ってやるぜ」
 イスラティルはボーグを振り返って言うと、目を細めて槍の落ちた水面を睨み、Lion heartsを構える。
「敵襲でござる!」
「笑止な。襲ってきた事を、後悔してもらいましょうか……」
 流浪の探索者・コテツ(c22325)が声を上げ、自身が操船していたゴンドラをボークのゴンドラの右前に接舷し、天照月華・シャルリア(c00398)もゴンドラを左前に接舷すると、櫂を持つ手に神鉄棍【夜天昇竜】を握る。
「ふおぉぉぉ〜!」
 ボーグは情けない声を上げ右往左往し、鼻毛も激しく左右に揺れる。
「さ〜って、いきますかねぇ!」
「綺麗なお水、行き交うゴンドラ……響く歌声……ボク、凄く、好きなの……だから、マスカレイド、なんかに……消させたり、させない……」
 逆側から水飛沫を上げ跳び出したイモリアンが繰り出した槍と、銀の猟犬・ラーゼン(c05060)が突き出したハルバードが交錯し、イモリアンはそのまま水面に落ちて消え、赤い髪を風に靡かせ、ゆらり立ち上がった寂寥たる淡月・ヤツキ(c01233)が、ゴンドラを守る様に宙に邪剣群を呼び、敵の出方を窺う。
「ドッキング完了です」
 左後にそのヤツキを乗せたゴンドラを接舷させたキャサリンが、笑顔を浮かべて胸の谷間から魔鍵を取り出し、その間にリーゼシュテインのゴンドラが右後に接舷する。これでボーグのゴンドラを4艘のゴンドラが囲む形となった。
「水中からとは、厄介。水路とボーグ、守らないと」
 アルストロメリアはボーグの横に立って彼に背を向けると、アケメネスの鍵を手に水面をその紫の瞳で睨む。
「狭い船上で動いても混乱するだけ、私は此方の方向を担当するわね」
 太腿のベルトからナイフを引き抜いたイーシュカが、そう言って進行方向に対して左側に向き直る。
「グエェェェ!」
 次の瞬間、2匹のイモリアンが水面から跳び、水飛沫を上げた3本の槍が、雷撃を纏って3方向からエンドブレイカー達を襲った。


 雷撃を纏った槍がリーゼシュテインの魔導装甲穿ち亀裂が入るが、リーゼシュテインはお構い無しに鍔が雪の結晶の形をした『Snow Drop』を掲げ、
「一方的にやられる訳にはいかないのでな」
 弾かれた槍を掴もうと水面に顔を出したイモリアンに吹雪をぶつけ、周囲の水ごと凍ったイモリアンが沈む。
「ああ、逃げちゃったです」
 同じイモリアンにヒュプノスを飛ばしたキャサリンは、残念そうにヒュプノスを呼び戻す。
「やはり跳んで来た所を狙わないといけないな」
「ですね」
 2人は顔を見合わせ、再び水面を警戒する。

 跳躍したイモリアンの槍が、シャルリアの頭を貫こうと繰り出される。
「思ったより、速いです」
 首を曲げ、顔の前に【夜天昇竜】を掲げて攻撃を逸らすが、逸らしきれずその穂先が【白月蒼衣】ごと右肩口を斬る。着地して足を踏ん張り、後ろへ跳んで水の中に逃げようとするイモリアンに、
「逃がさないんだよー!」
 八重歯を光らせたアリエッタの飛ばした気咬弾が爆ぜ、目くらましになってイモリアンの動きが暫時止まり、
「襲ってきた事を、後悔してもらいましょうか……お返しです」
 そのチャージを受けたシャルリアの掌が、イモリアンの鳩尾に打ち込まれると、浸透勁が背中に突抜け、イモリアンは体をくの字に折る。口から液体を吐きながらそれでも水中に逃げようとするイモリアン。
「……来て、来て、斬って……」
 ヤツキが空中を舞わしていた邪剣群がそのイモリアンを背中から斬り、予想外の方向からの攻撃にイモリアンが振り返り、首を元に戻す。その眼の前には漆黒の髪を風に靡かせ距離を詰めたアリエッタ。
「グゲェ!」
 イモリアンは驚いて尻尾を叩き付けるが、その尻尾を左腕でガードしたアリエッタの右拳による正拳突きが、その仮面に叩き込まれた。
「グ……ゴ……」
 イモリアンの手から槍が滑り落ち仮面が砕けると、イモリアンもそのまま崩れ落ちる。
「先ずは1匹……だね」
 ヤツキはイモリアンの骸を一瞥し、水面に警戒の視線を戻した。

「くぅ……」
「ふぉっ、大丈夫か?」
 一本の雷撃槍は躱したが、もう1本の雷撃槍がアルストロメリアの右側頭部を裂き、アクィラの帽子が裂け、赤い毛が数本風に舞う。流れる血が右頬を濡らし、ボーグが心配そうに声を掛ける。
「大丈夫よ、かすっただけだから」
「其処か! ふんっ、水の中から隠れてしか攻撃が出来ない臆病者かい? 陸に上がって戦う事すら出来ないなんてとんだ腰抜けだな」
 アルストロメリアは垂れ落ちた赤髪を纏めると、紫鬼灯で留め、槍の飛んできた方向、ラーゼンが叫びながら千刃発破を叩き込んでいる水面にヒュプノスを飛ばす。
「咆えルナ!」
 ラーゼンの挑発に飛び出そうとしたイモリアンであったが、顔を出した周りをヒュプノスに跳ばれ、虚ろな眼をしてそのまま沈んで行った。
「あっ」
「ああっ……飛び出してから出し方がよかったね?」
 残念そうに湧き出る泡を見るラーゼンに、アルストロメリアは申し訳なさそうに謝った。

「シャアアァァァ!」
「来るでござる!」
 水飛沫を上げ鋭い穂先を構えたイモリアンが、風を切って降下して来る。迎え撃つはコテツ。炎剣と氷細剣を左右に構え、殺気を真正面に受ける。
(「流狼衆に比べれば大したことないでござる」)
 交錯する穂先と刃。双方が息を吐くとコテツの頬か切れ血を吹くが、イモリアンの左腕からも血が噴き出し、その腕が凍る。すかさずコテツは炎剣で斬り掛るが、その切っ先は跳び退いたイモリアンの胸を僅かに焦がすだけで空を斬る。
「外しタカ!」
 イモリアンはコテツを睨むと水路に戻ろうとするが、その眼前に紋章が現れる。描かれたその紋章は老ゼペットの紋章。描くのはナイフをペンの如く宙のキャンパスに滑らせたイーシュカ。
「驚いていってね」
 声に合わせて紋章から鳩の群れが飛び出し、マジックハンドがイモリアンの足を掴んだ。イモリアンは視線を落としその手を槍で突いて振り解こうとする。
「崩雪の牙よ、乱れ舞え」
 その耳に聞こえる別の男の声。……そして荒れ狂うオーラの刃がその身を刻む。振り下ろしたアックスソードを構え直したイスラティルに視線を向けたイモリアンは、多勢に無勢とばかりにじりじりと下がる。
「覚悟するでござる」
 コテツが斬り抜けるが、その攻撃を受けるに任せてイモリアンが水面に跳ぶ。が、その首が、後ろから回転しながら跳んできた刃に刎ね飛ばされた。空中を回転するイモリアンの頭、その瞳が見たのは、
「逃がす訳ないだろう? 其の頭蓋、解体してやったぜ」
 ブーメランの弧を描いて戻ってきたアックスソードをキャッチしたイスラティル。その周りにはイーシュカの喚んだ黒鉄兵が、攻撃陣形を敷いて佇んでいた。


 最初に上手く2匹を屠ったエンドブレイカーであったが、隻眼を含む残り3匹は水中から槍を投じるのに終始し、隻眼は後回しにしているから無理に追わないとして、他の2匹が飛び出してきても追うタイミングで雷撃槍が飛び出し、マヒは与えているものの、なかなか捕えられないでいた。

「少々手荒い手をとるしかあるまい」
 リーゼシュテインが詳細を説明すると、全員で連環したゴンドラ片側に寄りアリエッタがゴンドラの縁ぎりぎりまで前に出る。
「ガアァ!」
 飛び出る2匹のイモリアン。
「くっ、こんな時に限って2匹かよ! ……が好都合!」
「1匹は拙者が行くでござる」
 ラーゼンが咆え、コテツが駆ける。その間に水中から投じられた槍が、アリエッタの右太股を貫く。
「痛ぁーいっ、けど、予想通りなんだよ!」
 備えていたアリエッタが竜気を爆発させその傷を癒し、アリエッタ狙って降下して来るイモリアンに、
「お願いしますね♪」
「ヒュプノス、行って」
「まどろみの中に沈むのです」
 キャサリンとアルストロメリアがヒュプノスを飛ばし、シャルリアが眠りの雲を放つ。3重の睡眠攻撃にイモリアンは抗しきれず、脱力し落下していく……が、
「私達のゴンドラにご招待しよう」
 そこをフローターで水面を走ったリーゼシュテインが、イモリアンの体をゴンドラ目掛けて突き飛ばした。
 もう1匹の槍はコテツを貫いていた。コテツは両剣を鞘に戻し、向い入れる様にその穂先を受けると、槍の柄を掴む。
「肉を切らせて骨を断つでござるっ」
「騎士たる誓約、言の葉にて残響せよ!」
 そのまま後ろに向かって投げ飛ばし、そのコテツの体から槍の穂先が抜けたところで、イスラティルの騎士の咆哮がその傷を癒す。
「そろそろ……散って……」
 ゴンドラ上2匹のイモリアンを縫い付ける様に、ヤツキの邪剣群が天頂方向から降り注ぐ。その時、水音。隻眼のイモリアンが、仲間を助けようと水面から飛び出してきた。……が、その胸に破城槌を叩きつけられ、吹っ飛んで遠くの水面に落ちる。
「この2匹を倒したら、相手してあげるから大人しくしてなさい」
 紫の瞳を光らせたイーシュカが、大きな水飛沫を見て不敵に笑う。その後ろではエンドブレイカー達に包囲されたイモリアン達が、背中合わせで必死に防戦していた。
「動きが止まって見えるぜ! そこだ! そらそらそらそらそらぁ!」
 ラーセンのハルバードが幾重にも突き入れられ、上からはヤツキのレギオスが容赦なく降り注ぐ。
 イモリアン達は流れる血と痛みに闘志を奮い立たせるが、アルストロメリアとキャサリンのヒュプノスが、それを嘲笑う様に飛び跳ね、催眠ガスを出しその夢を喰う。
「この一撃……黄泉への駄賃と受け取れ……!」
「月雨流 闘魔一式が一つ……破っ!」
 ラーゼンのハルバードが1匹を肩口から袈裟切りし、【夜天昇竜】を放り上げたシャルリアの双掌による破鎧掌が、もう1匹の腹を気で打ち抜いたのは同時。回転しながら落ちて来た【夜天昇竜】を掴んだシャルリアの眼前で、2匹は崩れ落ちたのである。
「隻眼が来ますよ」
「わぁ、凄い怒ってるよー」
 水路側を警戒していたイーシュカの声に、胸を揺らしたキャサリンの声が重なる。
「貴様ラ、許サン!」
 潰れていない眼に怒気を宿らせた隻眼のイモリアンは、自身の負った全ての傷を癒してゴンドラに這い上がって来たのである。
(「出て来るなら部下と一緒に出てくればよかったんだよ、まぁ各個撃破できるからいいけどね」)
 ヤツキは『屠ル薔薇』を構えながら小首を傾げるのだった。


 ヤツキの言うとおり、敵の首魁とは言え1匹だけでゴンドラ上に上がって来ては、隻眼は集中砲火の的でしかななかった。
「1人になっても逃げずに向かって来る勇気だけは褒めて差し上げます」
「行かせないよ! おじいさんは苛めちゃ駄目なんだからね!」
 シャルリアが右小脇に棍を構え、突き出した左掌から飛ばした気咬弾が2連爆ぜ、隻眼の1つしかない目が眩んだところに、黒髪とつけしっぽを揺らして懐に飛び込んだアリエッタの拳が叩き込まれる。
「ガハッ! やル……しかし負ケン!」
 隻眼が槍を振りかぶるが、
「二刀一刃、咬抜!」
「部下達の元へ送ってやるぞ!」
 コテツ氷細剣と炎剣で並びて斬り抜け、リーゼシュテインが逆側を斬り抜ける。隻眼の腕や脚から鮮血が舞い、その血が凍る。
「ガアァァア!」
 手足の自由を奪われた隻眼が咆え、無理やり腕を動かし槍を投じる。
「……させない……」
 力無いその槍は空中でヤツキの喚んだ鮫剣に弾かれその手に戻り、追う形で鮫剣が隻眼の脇腹に突き刺さる。
「ヒュプノスさん、またまたお願いします」
「せめて安らかな眠りの中で逝くがいい」
 キャサリンが大きな胸の上に乗ったヒュプノスの頭を撫で、アルストロメリアも合わせてヒュプノスを飛ばす。
「部下を殺されて背中を見せない。それがてめぇの信条か、その意気やよし!」
 ヒュプノスの跳躍で意識が途切れそうになる隻眼に、ラーゼンのハルバードが容赦なく突き入れられ、隻眼が槍を交錯して幾つかの突きを逸らす。その背中に衝撃を受け振り返る隻眼。
「術士だからって、舐めないでね両生類風情が……」
 柔らかな微笑みを一瞬で氷らせたイーシュカが、ナイフを隻眼の背に残したまま跳び退く。入れ替わる形でオーラの刃が飛来し、その体を切り刻んだ。
「ガハッ! 貴様ラ如キに……」
 崩れ落ちる隻眼は、最後の力を振り絞って雷撃を纏わせた槍を投じる。……が、その槍はイスラティルのJohn Smithを掠め、水面に消えた。
「残念だったな」
 イスラティルのその言葉を最後に、隻眼の体は生きている事を止めたのであった。

「ふおぉぉぉぉ〜凄かったのぅ」
 緊張の糸が切れへたりこむボーグさんに言葉を掛け、骸を始末したエンドブレイカー達は水路を進む。5匹のイモリアンの散った水路には、ヤツキが浮かべた一輪の花だけが、風を受けて回っていた。



マスター:刑部 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/09/19
  • 得票数:
  • 笑える2 
  • カッコいい8 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。