ステータス画面

ラッドシティ大飛蝗:ホッパー・ギグ

<オープニング>

 収穫した作物の仕分けは、最も幸せな作業のひとつ。
 様々な穀物や南瓜、秋野菜が山と積まれた作業場で、村人たちはしみじみと思った。
 有り難いことに、今年も充分な量の収穫があった。これなら収穫祭も大々的に執り行えそうだ……。

 キシャアアア!
「な、何だ?!」
 突然、耳障りな音共に何かがわらわらと降ってきた。
「きゃーっ!」
 作物を選り分けていた女性たちが悲鳴を上げた。彼女たちを突き飛ばし、立って歩くバッタのような、カマキリのような虫顔のバルバが作物の山に飛びついて行く。
「サア、食い尽くセ!」
 一際大きい虫顔のバルバが、両手に握った鞭を振り回して叫んだ。
 鞭の先端は収穫に用いる鎌の何倍も鋭く光り、作業場の隅に積んだ藁を撒き散らす。
 逃げ惑う村人たちを押し退けて作物に群がったバルバは、手当たり次第に貪り始めた。
 みるみるうちに食い荒らされる、大切な収穫物。
「何をする!」
 勇敢な青年が、収穫物を守らんと棒を振り上げた。
「アア、ドケ!」
 だが、バルバの鞭が青年の腕ごと棒を絡め、哀れな勇者は作業場の出入り口に叩きつけられた。


「紫煙群塔ラッドシティの話は聞いているでしょうか?」
 翠の城塞騎士・フルート(cn0099)の言葉に頷くエンドブレイカーたち。
「ラッドシティは、今や棘(ソーン)に覆われ、多数のマスカレイドが出現し始めているらしいのですが、この都市に一足先に向かっていたエンドブレイカーの皆さんから、重大な知らせが届きました」
 知らせによれば、ラッドシティでは10月30日に収穫祭が開かれるらしく、現在はその準備で大わらわらしい。
 だが、準備のさ中に『マスカレイドに率いられた千体以上のバルバが現れて、農村の食料を食い尽くしてしまう』という事件が発生するエンディングを見たというのだ。
「このバルバ……インセクテアなのですけど、現在アクエリオとラッドシティの間に広がる森の中で戦力を整えていて、ラッドシティへの移動の準備をしているらしいのです。取り急ぎお手すきの皆さんにお願いします。すぐに森に向かい、集結しているインセクテアたちを討って欲しいのです」
 収穫祭を楽しみにしているラッドシティの人々のためにも、とフルートは言う。

「インセクティアたちは、マスカレイドを中心として70体程度の群れを作り、群れごとの戦闘訓練などを行っているようです。それで今回は、この群れひとつづつに対し、一斉に攻撃を仕掛けて壊滅させる、という作戦を取ることにしました。
 これなら、襲撃を察知したマスカレイドが逃亡したり、群れを統合して反撃してくるといった事態を防ぐことが出来るだろうと思います」
 そう言ってフルートは、卓を囲んだエンドブレイカーたちを見回した。
「戦いになると、マスレカレイドはまず、配下のインセクテアで迎撃するでしょう。つまり始めに配下との集団戦が発生するわけです。この戦いに勝利してはじめて、マスカレイドと闘うことが出来ます」
 配下のインセクテアは数は多いが、それほど強力な敵ではないようだ。30名ほども集まることが出来れば、集団戦に勝利することはおそらく可能だろう。
「ただ……もし集団戦で戦線を離脱する皆さんの数が多かったら、かなりの苦戦を強いられるかもしれません。くれぐれも注意してください」
 しかも、マスカレイドとその直属の部下は強敵だという。
「マスカレイドインセクティアの武器は両手に持った鞭です。鞭なのですけど先の方に鎌状の部分があって、鞭アビリティの他に切り裂き攻撃を使います。それから直属の部下インセクティアが5体。これらはマスカレイドではないのですが、同じように鞭のアビリティを使い、マスカレイドを攻撃する者を重点的に攻撃するようです」
 なので、くれぐれもご注意を、と告げた後、フルートはふと遠くを見るように視線を巡らせた。
「このマスカレイドたちは……故郷エルフヘイムから逃亡したインセクテアの将軍なのかもしれません」
 と、彼女は再びエンドブレイカーたちに振り返って微笑んだ。
「性懲りもなく……ですよね。とにかく、これ以上悪さのできないように、懲らしめてやってください」


マスターからのコメントを見る

<リプレイ>

●セッション1 バズ!
 こんな湿っぽいギグより、収穫祭っていうコンサートの方が絶対楽しいのに。
 ねぇ?
 生姜と紅葉おろしの冷奴・レーゼ(c03746)がニコニコと視線を注ぐその先には、70体にならんとするインセクテアの群れが蠢いている。
 奪還屋・ベルガー(c20975)は念を入れて森の状況を確認し、周囲のエンドブレイカーたちに伝えた。特に問題はなさそうであった。
「只でさえぇうっとおしいのにぃ、数が多いなんてぇ大迷惑よぉ?」
 狂水の巫女・ヒヨリ(c21101)があくび加減にインセクテアを見遣ると、それが合図とでもいうかのようにエンドブレイカーたちは得物を構えた。
 頭数だけ見ればエンドブレイカーたちの倍はいそうである。なれば、赤毛の・エフクェフ(c15604)の如く、彼我の戦力差に気を引き締めたエンドブレイカーたちも多い。
「負けられません!」
 負ければ己はもちろんのこと、ラッドシティで収穫祭を迎えようと働く人々にも被害が及ぶ。
 しかも、インセクテアは村人が丹精込めて作った収穫物を、正当な対価を出すでもなく、あるいは殺戮の果てに貪るというのであった。人として、自由農夫として、収穫の喜びは何事にも代え難いと知る大地の輪廻・ミウシヴァン(c16467)やゼット・ソシエゴ(c14053)にしてみれば、とんでもないことである。
「積み重ねてきたものを理不尽に蹂躙される謂れなんて、ありませんわ」
 バーガンティーレース・ラーレ(c02476)の言葉に頷く。そこに続いた暴野兎・ラパン(c16507)の一言で、エンドブレイカーたちは一斉に行動を起こした。
「折角の作物を食い荒らすなんて悪い蝗だね。祭りも控えてることだし、さっさと畳んでしまおうか」
 ――未来の悲劇ごと、潰えてくださいませ!
「知っていますか? 食べ物の怨みって、恐ろしいんですよ」
 狐疑逡巡・シュゼット(c06355)の眼が燃えた。

(「見知らぬ人間も全て救いたいなんて綺麗事、言わへんけど、な」)
 ざくざく。ざくざく。
 紗幕覆いの狐・アルジリア(c11622)が撒き散らす邪剣の群れが、インセクテア軍のまっただ中で逆巻く。
 ここだけでない。
 インセクテアの頭上のあちこちで刃が踊り、火球が爆発し、星霊たちが走った。
「折角の秋の味覚がっ!」
 灯詩・シャルロッテ(c13891)のフレーズに導かれるように、【一軒家】の仲間たちが連携を取って敵陣に切り込んでいく。
 迂回知らずの運び屋・マイト(c01923)はその先鋒に飛び込んた。
「随分腹ペコらしいね、でもお前たちに喰らわせてやるのはこの蹴りだけだ!」
 傍らをグランスティード共々始まらない終末の騎士・ディアーク(c00600)が駆け抜ければ、インセクテアの羽根はちぎれて宙を舞う。
「先へ行け」
 巨大なハンマーが硬質な金属光を閃かせる中、破城鎚・アイネアス(c00387)が仲間を促した。
 駆け抜けるエンドブレイカーたち。
 群がろうとするインセクテアは、何時かの何処かの誰か・ラート(c22401)が投げつけるキノコの煙に巻かれて動きを封じられる。
「飢えているのはなぜですか……」
 そんな中、蒼玉の錬金術士・トキミ(c26203)はインセクテアの虫顔を見つめて独りごちた。
 一方、エンドブレイカーたちにも、容赦ない鞭の一撃が間断なく降り注ぐ。
「マスターが敵をひきつけている間に、私めが相手の壁を突き崩す」
 護式兵装高機動型強襲用メイド・ユノ(c05481)が、マスターの八色を導きし竜・ステラ(c04387)を押し出しながら作戦を口にする。
 ええと、君は「盾」となる……とか何とかだったような?
「ユノさんは少しウチを敬うことを覚えたらどうっすかねぇ!? ……って、あの」
 作戦を了解した幻燈光・アリア(c00724)までもが、彼女の陰に隠れつつ相手の攻撃をやり過ごす有様。
 マスターとガーディアンは結果的に、協力して1人乙女を護った。善哉。
「お祭りを壊して収穫物を食い尽くすなんて許しませんよ!」
 立て続けに竜を撃ち込み、意気を上げる若木の意志・ケイト(c15774)。その傍らではサルタ・クロス(c03530)に妖精が同化していく。
 手早く、しかし堅実に。妖精の羽音を立てて、ナイフが周囲を切り裂いた。
 だが、向かってくるインセクテアの数は多い。マスカレイドではないとは言え、その数で集中攻撃を受ければ、いかなエンドブレイカーといえども無事には済まなかった。
 ラッドシティには行かせない!
 数体を巻き込んで回る真赤な勇者・エイカ(c14993)へ、インセクテアが殺到した。弟と世の女性だけの味方・エリック(c13978)から、称号の通り癒しの援護があったものの、数の暴力に押し切られてしまう。
 引きずられ、捕縛され、しかしそこからもがきつつ逃れ。
 同じく、インセクテアを巻き込むように戦場に火柱を立てる豪腕の剣士・クロト(c04753)も、続く仲間へその意志を託して倒れた。
 それでも、仲間を前へ。
 幸憑き・クニークルス(c08070)が揮った光刃は細く、鋭い。
「お腹をすかせた飛蝗さんたちには悪いけれど」
 退く気もないのよ?
 立ちはだかるインセクテアに薄く微笑む。

 ひだまりのゆりかご・ドロシー(c03427)が放った一閃が、群れを奥まで裂いていく。
 後方支援に徹する世界がキャンバス・チコリ(c15381)も、インセクテアを吹き飛ばして進路を確保し、トリック・アーツ(c15136)もまた味方の援護とばかりに、手裏剣を乱れ撃ち。
 それこそが己の役割。
 仲間を確実にマスカレイドインセクテアの元へ送り届ける。
「配下はともかくマスカレイドは逃がせないね」
 辺りを見渡し、残るインセクテアを探す駆け巡る青空・ウィスラム(c14633)。
 エンドブレイカーたちの大きくゆるやかな連携は、インセクテアの群れを着実に減じていく。
 やがて、道が拓けた――森の奥、戦場の末端、マスカレイドの前へと。
 【ドルチェ探偵団】の恋結び・シラベ(c00041)が、前を行く仲間たちにインセクテアの行動状況を知らせる。振り返りはしないが、確かに受け取ったと、手を挙げて応える仲間たち。
「マスカレイドが逃亡した将軍だったとして……ラッドシティに向かってるってことは、そこにカーニバルがあるのかしら?」
 仲間の背を見ながら、白金の狙撃手・サリア(c02780)は呟いた。

●セッション2 ジャム!
「よし、マスカレイドのとこまで辿りつけた」
 夜の閃戟・フート(c04482)がそう言って漆黒のハルバードを振り払うと、インセクテアの最奥の群れは一斉にギチギチと不快な音を立てた。
 既に臨戦態勢は整っていた。戦いはそのまま第二戦へと連なる。
 フートの横を、近接攻撃の使い手が駆け抜ける。
 同じ【一軒家】のぎんいろにゃんこ・レティーファ(c00039)であった。飛び交う鞭を身を低めてかいくぐり、次の瞬間、ぱっと土塊が散ったかと思うと樹々の梢のさらに先まで飛び上がった銀琅の刃がインセクテアの頭上に落ちる。
 金属を擦り合わせるかの如き不快な音声は、インセクテアの悲鳴か。
「剣よ……薙ぎ払え……」
 忘却の紅い闇・アリシャ(c05304)は、そんなレティーファを指差し、後へ続けと己が剣軍に命を下す。
 後方から攻撃を放つ仲間たちへ、虫共の鞭を届かせぬように前を塞ぐのが接敵する者の役割であるならば、後ろに立つ者の役割は近づいて敵を刻む者を援護することである。
「いっぱい思い出作る邪魔はさせませんからっ!」 
 【一軒家】の面々で他に前を行く者はいなかったから、光紡ぐ翼・アトラ(c03756)の放った禁呪の詠唱は、インセクテアの鞭と綱引きをするシルバーバック・ドロシー(c07104)の背後から滲み出るように広がって配下を鞭ごと絡めあげた。
 息を整えるドロシー。魔獣の腕が膨れ上がる。
「耐え切れるもんなら」
 耐えてみろ。
 それもまた彼女いうところの禁じられた力。巨大化した掌はインセクテアを掴み上げ、握り締め……。
「怯ムナ! 征ケ!」
 鎌のように鋭く閃く鞭先が飛ぶ。
 マスカレイドだ。
 5体の配下インセクテアのさらに奥に陣取ったインセクテアは一際大きく、その腹にはくっきりと――ここに立つエンドブレイカーたちには見慣れた――白い仮面が浮き上がっている。
「あいつか……」
 低く吐き出す那由他刀・ルーン(c01799)。
 思い出すのは、記憶にある古い書物の一節だ。
「世界の終末を告げるものとして蝗が作物を食い尽くす……とか」
 万が一にも、ラッドシティでそんな光景が繰り広げられてはたまらない。
 ギリギリと弦を引き絞るその隣では、もふ毛求めて・プレノア(c03487)が召喚した星霊アクアがマスカレイドに向けて、激しい水波を送り出したところだった。
 白波の上すれすれを、明るい生命光の尾を引く矢が飛んでいく。
 マスカレイドは威嚇するような咆哮を上げた。
 配下インセクテアの首が、一斉にこちらを向く。
 それなりの人数のエンドブレイカーたちがマスカレイドとその配下の部隊に当たっていたが、配下のインセクテアはそれら目の前の敵よりも、今の攻撃を繰り出した2人に狙いをつけた。
「だが、あなたの相手はこの僕です」
 インセクテアの鞭を嵐穿で搦め捕り、狼騎・ローランド(c17220)は静かに告げる。
 ここは、通さぬ。
 漆黒の得物を振り切ると、インセクテアは背中から地面に倒れてもがいた。
 そしてまた。
「さあさ、ご覧になって」
 スナーク・ミカギ(c05325)は後ろ手に、ミスターサー・ルーシルベルト(c06023)と紡ぎ出す何度目かのフィット。ひらりゆらりの爪一撃、翻弄されるインセクテア。
「全くしつこい奴らだね」
 さすがマスカレイドの配下だけはある。ルーシルベルトの爪が喰い込むのに耐えて、インセクテアは鞭を鳴らす。
 頭数ではエンドブレイカーが圧倒的だ。
 しかし、残るインセクテアの一撃もまた鋭さを増していた。

●セッション3 ギグ!
 【ドルチェ探偵団】の面々が、先に得た情報を活かしつつ、インセクテアへの攻撃を仕掛けていく。
「楽しみな収穫祭を潰される訳にはいかないよね!」
 遠くインセクテアに群がる邪剣に鋭気を得つつも、黄昏の鎮魂歌・ナユタ(c00026)は眉を顰めた。
 シラベとのデートを目論んでいるからには、この虫を是が非でも止めねばならぬ。
 ならばかのデートを成就させん。
 紅き閃光・リゼット(c12222)が紅い扇を翻す。
「仮面に満ちたこの闇を、払うは我エンドブレイカーなり!」
 颶風一大、烈々たる気迫が渡り合うのは、マスカレイドインセクテアの鋭刃。
 甲高い咆哮が響き渡る。
「リゼットくん、うしろうしろーっ!」
 眠りの・イリック(c03275)が叫ぶ先で、配下の鞭が風と人間の皮膚を切り裂いた。
 受傷したのはやむなし、イリックの喚び出した劫火は周囲を舐めるように焼いて行き、その間隙を縫ってラーレやラートたちが癒しの技を施した。
 倒れはしないし、倒させない。ミウシヴァンはしっかりと受け止め、リゼットも足を踏ん張って、両者は互いに頷き合う。
「今、回復します!」
 青薔薇の香りも高く、凛にして柔の音。
 旅浪のマイマー・シャルロッテ(c08319)の妖精がキラキラと輝く光を零しながら輪を描いた。囲まれた仲間の表情が緩み、湧き上がる力を得て再び獲物を取る。
 総じてエンドブレイカーたちは攻防一体、その層は厚かった。
 地を蹴りにくくなった、と思えばそれはインセクテアの動かぬ躯体のせいであって、そんな物が視界の端々に入ってくるようになると、動いているのはわずかな配下インセクテア、そして意気軒昂に鎌のついた鞭を振り回すマスカレイドという状況になっている。
 ――奴は逃げるだろうか?――
 一瞬、ソシエゴは考えを巡らせた。
 どうあれ逃がすつもりはないが、万が一ということもある。
「腹が減ってるなら、これでも食べるんだな!」
 希少植物「チェイストマト」がぬらぬらと滴るほどに、マスカレイドはさらに激高したようにみえた。
 どんな理由があるにせよ。
「収穫してお祭り前の幸福な時間を壊すなんて許せませんね」
 思いを込めて星舞幻奏・クレア(c12658)が奏でる銀月の調べに乗り、空の宅急便・カナタ(c01429)の送り出した星霊ヒュプノスが列をなしてとてとてと走る。
「悪いことしようとする虫にはがつーんとね! 続けー!」
 ボスのマスカレイドとエンドブレイカーたちとの間に挟まれる形となった配下インセクテアは、星霊の蹄に踏んづけられて崩れ落ちた。
 そのインセクテアを蹴散らして、サムライガール・ヤナ(c06455)が踏み込む。
「さぁ、返してもらおうか、その腹に収めたもんを」
 鈍く重たい「気」を叩き込み。
 反撃のしなりは鋭い。鎌の切っ先がポニーテールを掠め、いくばくかの黒髪が乱れ散る。
 ゴボッ。
 だが一方、マスカレイドの喉からは不吉な音が……。
 いやまあ、吐き出されても困るんだけど。
 すると、頭をかくヤナの頬を別な「刃物」が掠めた。
 彼女を傷つける物ではない。それは後ろから飛んできて、マスカレイドの外骨格を喰いちぎったから。
「虐殺なんてエンディング、視たからには放っておくのも寝覚めが悪い……でしょ?」
 振り向けた視線の先、うっすらと細く目を開けて、世界を見つめるアルジリアは杖の先で地面を叩いた。

 食料の確保以外に、何か目的があるのか。
 ローランドが語りかけたとて、何の返事がある訳でもなかった。
 鎌鞭の威力は次第に衰えて、だがなおマスカレイドは敵対する――たとえ、周囲の配下インセクテアが全て地に伏してしまっても。
 アトラの呪綴が、エンドブレイカーたちを導く。
 森は収穫の暖色めいて、ざわざわと鳴る梢に和するクレアの旋律は高く低く、戦場に響き続ける。
 チャンス!
 カナタの声を起点に、フートは鋸葉のヒイラギを閃かせ。
「くらえ……!」
 赤く、また黒く、アリシャが邪眼を従えて。
 湿っぽいギグはお断り、だから、
「先ずはハッピィエンドを始めようか!」
 あくまでも優雅に、飄々と。ルーシルベルトとミカギが飛び込んだ。

 ――ギ――、――!!

 インセクテアがどこでどうしていて、何を目的にラッドシティへ向かい、どういうことをやらかそうとしていたのか、エンドブレイカーたちの疑問はつきない。
 倒れたインセクテアの中には、のそのそと蠢いたり泡を吹いたりしてまだ意識のある者もいて、ルーンとプレノアを始め何人かのエンドブレイカーたちが会話を試みた。たいした成果は得られなかったが。
 また別な一団は「ハーブ」を用いるミウシヴァンを筆頭に、傷ついた仲間を癒して回る。
「街と女の子に被害が出なくて何より」
 エリックはそう呟いて、大儀そうな仲間に手を差し伸べる。
 皆で健やかに、ラッドシティの門をくぐりたいもの。

 エンドブレイカーたちが目を向ける、紫煙群塔はすぐそこに迫っていた。



マスター:葦原いつき 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:49人
作成日:2011/10/19
  • 得票数:
  • カッコいい17 
  • せつない1 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
 

<戦闘結果>

●Battle1(勝利!)


順位戦功点名前
1418紗幕覆いの狐・アルジリア(c11622)
2385星舞幻奏・クレア(c12658)
3335空の宅急便・カナタ(c01429)
4330サムライガール・ヤナ(c06455)
5315夜の閃戟・フート(c04482)
6303那由他刀・ルーン(c01799)
6303忘却の紅い闇・アリシャ(c05304)
8264光紡ぐ翼・アトラ(c03756)
9263黄昏の鎮魂歌・ナユタ(c00026)
10210眠りの・イリック(c03275)
11209ミスターサー・ルーシルベルト(c06023)
12176狼騎・ローランド(c17220)
13173もふ毛求めて・プレノア(c03487)
14166紅き閃光・リゼット(c12222)
15154旅浪のマイマー・シャルロッテ(c08319)
16149シルバーバック・ドロシー(c07104)
17147ゼット・ソシエゴ(c14053)
17147スナーク・ミカギ(c05325)
19138ぎんいろにゃんこ・レティーファ(c00039)
20135大地の輪廻・ミウシヴァン(c16467)
21134世界がキャンバス・チコリ(c15381)
22110真赤な勇者・エイカ(c14993)
22110奪還屋・ベルガー(c20975)
24109迂回知らずの運び屋・マイト(c01923)
24109蒼玉の錬金術士・トキミ(c26203)
26108白金の狙撃手・サリア(c02780)
27106恋結び・シラベ(c00041)
2899護式兵装高機動型強襲用メイド・ユノ(c05481)
2987暴野兎・ラパン(c16507)
3076始まらない終末の騎士・ディアーク(c00600)
3169狂水の巫女・ヒヨリ(c21101)
3268灯詩・シャルロッテ(c13891)
3367幸憑き・クニークルス(c08070)
3463狐疑逡巡・シュゼット(c06355)
3556八色を導きし竜・ステラ(c04387)
3654若木の意志・ケイト(c15774)
3752生姜と紅葉おろしの冷奴・レーゼ(c03746)
3850何時かの何処かの誰か・ラート(c22401)
3945破城鎚・アイネアス(c00387)
4039赤毛の・エフクェフ(c15604)
4138トリック・アーツ(c15136)
4231バーガンティーレース・ラーレ(c02476)
4231サルタ・クロス(c03530)
4428幻燈光・アリア(c00724)
4526弟と世の女性だけの味方・エリック(c13978)
4526駆け巡る青空・ウィスラム(c14633)
4722ひだまりのゆりかご・ドロシー(c03427)
4722豪腕の剣士・クロト(c04753)
4917金の月の錬金姫・ソフィティア(c17068)