ステータス画面

ラッドシティ大飛蝗:沈黙は金、雄弁は銀、喧騒は石?

<オープニング>

●あるラッドシティの農村
 その日、村の畑は蠢く緑に覆われた。
 昨日まで秋の果実がたわわに実った木々は丸裸にされ、金色の海のようだった麦穂はその先端どころか茎の半ばまで失っている。
「存分ニ腹ヲ満タセ」
 大量のインセクテアの群れ。ほとんどのインセクテアが凄まじいまでの食欲を発揮して村を襲っている中、仮面を被ったリーダーらしきインセクテアが、胸の真ん中にある、人間のものとそっくりの瞳を神経質に動かしながら、他のインセクテアにそう命じる。
「オラの、オラの畑がぁ!」
 畑の遠巻きに嘆く男。言葉から察するにこの畑の農夫だろう。マスカレイドは胸の瞳でこの農夫に一瞥をくれると、農夫は黒い閃光と共に石像と化した。騒がしい農夫が静かになった事でマスカレイドはそれ以上の関心は示さなくなる。
 そしてインセクテアがあらかたその畑の作物を食いつくしたところで、マスカレイドは次の畑目掛け、彼らを率いて飛んで行った。

●緊急事態
「紫煙群塔ラッドシティで大量のインセクテアが現れる」
 杖の魔曲使い・マルセル(cn0049)は酒場に入るなり開口一番、皆にそう告げる。
「ラッドシティも棘(ソーン)に覆われており一部のエンドブレイカーが向かっていたが、その彼らから届けられたエンディングだ。
 10月30日に行われるラッドシティの収穫祭に向けて準備が行われているところを、同種のマスカレイドに率いられた千体を超えるインセクテアが襲撃するというのだ。
 今、そのインセクテア共はアクエリオ―ラッドシティ間に存在する森で戦力を整えながら、ラッドシティへ移動する準備を進めているらしい。
 ラッドシティを守るためには、急ぎ森へ赴いて出立前の奴らを討ち取る必要があるだろう」
 マルセルは続けて、インセクテア達との戦いの話に焦点を合わせる。
「インセクテア達はマスカレイドを中心に70体程度の群れをいくつも作り上げている。
 奴らの逃亡や連携を阻止して壊滅させる為に、今回その各群れを一斉に攻撃するのが今回の作戦だ。我々もそのうちの1つを攻める。
 インセクテアマスカレイドは配下のインセクテアに迎撃を命じ、集団戦となるだろう。群れのリーダーであるマスカレイドと戦うには、ここを突破する必要がある。概算だが、おそらくエンドブレイカーが30名程いれば、1つの群れを抑えられる見積もりだ。
 その後、マスカレイドや直属の配下との戦いが待っている。集団戦でこちらも何人か負傷撤退するだろうから、特定個人に依存した作戦は運用しにくく、残った人数によっては厳しい戦いになるかもしれん、と言っておこう。
 まず、この群れを率いているリーダーマスカレイドは胸に現れた瞳で相手を石化する、邪眼の力を持つ。
 そいつの側にいる直属の配下が、群れの中でも特に優れたインセクテアと、巨大な蜂のマスカレイドが各1体だ。
 インセクテアの方は、鞭を扱うのが得意な奴らの中でも、高度な技を使いこなすだろう。リーダーマスカレイドが石化に伴うマヒ、次に述べるが蜂マスカレイドが毒を扱う事を考えると、傷口を狙っての一撃は決して侮れん。
 蜂マスカレイドの方は毒針を射出する他、一時的に空に飛翔したり花粉をばら撒いたりといった回復能力を複数所有しているようだ。マヒさせたからと言って油断はしないようにな」
 一通り作戦を伝えた後、やや間を置いてマルセルは再び語る。
「マスカレイド達はエルフヘイムのインセクテアが言っていた、奴らの将軍である可能性が高い。
 半年を経てようやくのお出ましだが、早速彼らには舞台からは降りてもらおう。
 皆、宜しく頼むぞ」


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<リプレイ>


「はっ!」
 アリオトはインセクテアとの距離を腕の長さよりも至近に詰め寄ると、体の急所目掛けて目にも止まらぬ速さで太刀を振るう。
 手酷い怪我を負いながらも立ちはだかる相手。インセクテア達は自身の仲間が襲撃されているのを見るや、次々と鞭を振るい、アリオトを責め立てた。
「くっ……」
「(アリオト!)……っ!」
 アリオトの左脚に巻き付く鞭。仲間の窮状を見たダラントスが駆けつけるも、アリオトの動きを封じた鞭は更にダラントスにまでおよび、右腿を捉えられて歩みを止めさせられてしまう。
 動きの一部を封じられながらも、すぐ側の背を向けているインセクテア目掛けて、アリオトは正中線を狙い太刀を振るう。だが、脚に巻き付いた鞭に体を引っ張られ、高速に振るった一撃は急所を外してしまう。
 インセクテアの鞭から生えたオーラの刃。アリオトは体に巻き付かれた鞭に体中を斬りつけられながら、地面に引き倒された。
「ダラン! ……そこをどきなさい!」
 ダラントスを守護すると決めていたラーラは魔曲でインセクテアに言う事を聞かせようとするが間に合わず。ダラントスもまた獅子の咆哮で身を縛る鞭自体を引き裂き抵抗するも、数で迫る相手に再び縛られ、オーラの刃で全身を刻まれながら、身動き出来ない状態で顔から地面に叩きつけられた。
 大量に襲いかかるインセクテア達は、エンドブレイカー達の奮闘で急激に戦場から数を減らしている。
「ぐっ!」
 だが、一方でエンドブレイカー側にも倒される者が何人か出ていた。最前線で鞭の攻撃を一身に受け止め、後の事を託す仲間達。最前線で戦うアナムとヴィクトリアもまた全身を鞭で絡め取られ、オーラの刃で体中に傷を負う。
「アナム様!」
「危ない! ヴィクトリア君!」
 アナムの様子に気をとられるヴィクトリア。その彼女に無数の鞭が迫ろうとしている。アナムは最後の気力を振り絞り、自身の戦装束の金具に鞭が引っかかっている事を利用して一気に拘束を斬り破るも、間に合わずヴィクトリアは戦う力を失ってしまう。
「僕もここまでか……」
 だが戦場の女神は、いや、共に戦場に立つ仲間たちは彼を見捨てなかった。
「開け、楽園の扉」
 アルストロメリアが開く楽園の陽光。
「しっかり!」
「今度こそ助けて見せるんだから!」
 アルフォートとラーラが捧げる戦歌。
「かの者に、祝福あれ!」
「まだ早いどす、アナムはん!」
 ミケコとチームメンバーのヒノエが舞う祝福の舞い。
「……どうやら、僕はまだここで果たす役目があるようだね」
 立ち上がるアナムは、薔薇の花弁を生みだしながら、華麗に白銀のソードハープを振るう。
 敵の数が減る速度は時と共に加速度的に上がっていき、50人が向かったこの戦場で立ち続けた43人が、残りが1体に迫る。
「マスカレイドへの道、開かせてもらおう」
 バルドゥインがマスクの奥から溶岩弾を思わせる炎を吐く。
「オレの炎で燃え尽きろ!」
 マークスがそれに合わせ、周囲の地面すらも一部ガラス化するような熱の炎を吹き付ける。
 2人の炎にあぶられたインセクテアは気を失い、地面に伏し倒れた。


「フゥ……」
 マークスは吐き出した炎の代わりに、辺りの空気をゆっくりと肺に吸い込んだ。呼吸器系を中心に魔獣化した器官が人のものに戻っていく。
 迎え撃ってきたインセクテア達は皆、地面に横たわったり、呆けた様子で宙を見ている。この集落についてはもはやラッドシティ侵攻は無理だろう。
 だが、まだ倒さなければならない相手がいる。
「……」
 倒れたインセクテア達の奥で彼らを操っていたリーダーたるインセクテアマスカレイド。そのマスカレイドは、側近のインセクテア1体と、巨大な蜂のマスカレイドを連れ、激戦を終えたばかりのエンドブレイカー達に襲いかかってきた。
「ぐぁっ!」
 リーダーマスカレイドの胸部の瞳が見開かれ、放たれた呪われし光がウァッドの体を内側から急速に蝕む。そこを間髪入れずに側近が、鞭を操って岩を投げつける。避けようとすれども体が言う事をきかず、主の言う事を聞かない腕に岩はぶつかり、激痛がウァッドの体を直走る。
 それでも気力を振り絞り、体内の竜を拳に集めてマスカレイドに解き放つが、負った怪我は蜂のマスカレイドが自分の口から取り出した花粉団子を癒しの力に変え、主を回復させてしまう。
「やっぱ強いな。……ウグッ!」
「動かないで」
 マリスは空色の宝剣『蒼炎のアル=カトラス』に念を込めるて剣に宿る炎を媒介に星霊フェニックスを呼び出し、ウァッドの体に入り込んだ不浄を星霊の炎で焼き払う。
「立てる?」
「ああ、悪りぃな、マリス。まずはあの蜂から畳みかけるか」
 多少回復したウァッドの言葉に、他の何人かのエンドブレイカー達も同意見だと賛同する。
「チームスカマル、みんな無事だね? ……標的・蜂のマスカレイド。いくよ」
 スカマルリーダー、アナムの号令。隊員達は武器を構え、回復を行うマスカレイドへ集中攻撃を加えんと森の大地を駆け抜ける。
「……効率を考えると……蜂から……どうする?」
 ナツキはスカマルの面々が蜂に向かっていくのを見ながら、自ら所属する城壁隊リーダーのサクラコに問う。
 サクラコは自分達の隊員が全員この場にいることを確認した後、同じく通達を出す。
「城壁隊も、各個撃破の為、蜂のマスカレイドに集中攻撃します!」
 サクラコのガントレットからボウガンの弓が左右に飛び出し、中央に徹甲弾がセットされる。
「技を出す器官を射抜きます。皆さん、それまで耐えて下さい」
 オーラで視力を強化し、カノンは藍色の弓に矢を番える。まずは癒しを行う蜂の手元を狙い、引き絞った弦を弾くように手放した。
 矢は蜂の前足の付け根に刺さり、一瞬激しく羽をばたつかせる。その様子に反して肝心の前足の一本は動きが極端に鈍り、矢が効いている事を示す。
「さぁ行け、黒鉄兵団!」
 【スカマル】のタランの描く紋章から現れた兵士の幻。鋭いダランの視線に宿る意志を組み取ったかのように、鉄の鎧を纏った兵士達は肉厚の剣を持って突撃を行い、蜂を翻弄する。
「セイッ!」
 後方から矢や幻影兵士などが飛んでいく中、グィーは蜂に肉薄し、赤く輝く鉤爪で思いっきり蜂の腹を真横に引き裂く。
「やるな、2人とも。グロー、僕達も続くぞ!」
「わかりましたわ」
 2人に続き、他の【スカマル】メンバーも持てる力を振り絞る。
 そんな激しい戦場の中で、優しげな曲調の歌が辺りに聞こえた。
(「これが君に送る輪舞曲だよ」)
 青い体液を腹から流す蜂に、アルフォートが唄いながら華麗な舞いを踊る。そしてフレーズのフィニッシュと共に蜂のいる場所に爆発を起こす。
 煙が立ち込める中、苦悶に蠢く蜂はより一層激しく羽を動かすと、低い音を立てながら木の葉を散らして空へと飛び出す。上空の枝葉を雲海のように裂き、空が、陽光が大地の生き物に姿を大きく見せた。
「……ぬ。逆光か」
 あの状態ならば、撃墜も容易いはず。バルドゥインはそう思い大きく息を吸い込むが、森の薄暗い闇を引き裂くように飛び込んだ太陽の光が逆光となり、彼は炎を吐くタイミングを逸する。視界が戻った頃には、蜂は太陽と風の癒しで傷を塞ぎ、勢いを取り戻していた。
「回復を許してしまいましたが、もうそうはいきません」
 蜂が枝を折りながら大地に戻ったところを、マージュは英雄騎士の幻を自分に降ろし、武器を持たない逆手の拳を蜂の複眼の一つにお見舞いする。
「城壁隊、集中砲火!」
 苦悶する蜂に放たれるサクラコの徹甲弾。それに合わせて隊員達が真空の刃や多数の妖精、石化の魔術と後方からの砲撃を重ねていった。
 もがきながら殺意だけは向ける蜂のマスカレイド。集中攻撃の為に節くれだった脚の一本は半ばで折れている。もはやその命は風前の灯。
「シャラ、いくぞ」
「うん」
 蜂に止めを刺すべく、レイルはアックスソードを構え走り出す。レイルの後ろになびいていた灰色の髪を乱す事なく、彼の脇をシアラグナが作りだした幻獣が駆け抜けて前脚で蜂を押さえつけた。
 蜂の身動きが取れないところを、レイルは渾身の力を込めて真一文字に振るう。
 その一撃で、蜂のマスカレイドは胸部で上下に分断され、ほとんど攻撃も出来ないままに絶命する事となった。


 蜂のマスカレイドにエンドブレイカー達が集中攻撃を加えている間、リーダーマスカレイドと側近のインセクテアは猛威を振るっていた。
「あああ……!」
 胸の邪眼からの光を受け、艶のある緑の髪も、瑞々しいピンクの瞳も、無機質な灰色へと変貌していくラーラ。誕生する少女の石像。
「急いで何処かへ連れて行くんだ! ぐぅっ!」
 彼女を背にして庇うハギオスもまた体内で石化が始まっており、進行が顕著に表れている腕に、側近の9本に分裂した鞭で激しく打ち据える。その一撃にハギオスは思わず片膝を着いてうめき声を上げた。
 側近が今一度大きく鞭をふりかぶったところを、針の剣を手にした妖精達が襲いかかる。
「させません」
 スティアが妖精を指揮しながら、急ぎ石化している者を戦場から退避させる。その彼女目掛けて、リーダーマスカレイドが体を向けた。
「……!」
 思わず身構えるスティアだったが、彼女に邪眼が放たれはしなかった。
「カーニバル総出で引越しか? 大変だな」
「お前らがいるということは裏にいるのは『カーニバル』か!? いったい何を企んでいる!」
「……祭リ、祭リ、祭リ?」
 マークスとカークはリーダーにカーニバルという単語を使ってかまを掛ける。だがリーダーは意味を理解しているのか意味不明の言葉を呟くのみ。
「オレの炎で燃え尽きろ! マスカレイド!」
 埒が明かず問いかけを諦め、マークスが大きく背をのけ反らせながら肺を空気で満たす。前に踏み出すと共に激しい炎を2体に向けて放ち、カークも邪剣の群れを呼び出して攻撃を加える。
「面倒なことになる前に倒させてもらう」
 炎に焼かれているマスカレイド達に、バルドゥインは更にリーダーマスカレイドの足元から火柱を噴き上げさせた。炎が敵の全身を包み、リーダーマスカレイドの周囲に噴煙が立ち込める。
 リーダーマスカレイド煙に撒かれている隙に、ハギオスは空中に跳び上がって側近の側頭部に踵を叩きこみ、エルトは魔法銀の盾槍スターゲイザーに光輝を集め、一直線に側近に突きの一撃を腹にお見舞いする。
「弱き民を守るのが騎士の務め。インセクテアによって被る悲劇は、私たちが必ず食い止めて見せる!」
「ガガ……ググガ……」
 外骨格の鎧と腹を槍で貫かれた側近は、意味を成さない声を上げながら、尚も鞭を振るう。傷ついてなお勢いが衰えない一撃を肩や胸、わき腹に受けながらも、エルトは引き下がらない。
 絶え間なく降り注いでいた鞭の雨が止んだ。代わりに注がれたのは血飛沫。側近の腕や肩を貫通した邪剣の群れは虚無へと帰り、栓の無くなった傷跡から体液が吹き出る。
「今だよ」
 大鎌を片手に印を結ぶイシュタルの、静かながらに通る声。
 スティアは彼の言葉を受け、再び妖精の群れを呼び寄せる。
「これで終わりです。……さようなら」
 青白く清んだ光を放つ妖精。光は束となり、側近の体を通過する。光が通り過ぎた後、側近はゆっくりとその場に倒れた。


 一方でリーダーマスカレイドもまた、炎の中から邪眼の力を周囲に放つ。
 石の魔力を浴びつつも、ベンテンは篭手の大砲から素早く何度も火炎弾を撃ちこんでいくが、今一つ決め手にならない。
「インセクテアを大量に率いていただけある、か」
 あまり悠長に射撃を続けていても、このままでは先に石になってしまう。ベンテンは一気に距離を詰め、頭上を跳びこして背後に回り、リーダーマスカレイドの頭部目掛けて手刀を叩きこむ。マスカレイドはふらつきながらも、至近距離から黒い光をベンテンに放ち生命を呪う。
 リーダーマスカレイドがベンテンに注意を向けている間、マスカレイドに風を切って駆けてくるもう一つの影。
「よそ見していると、危ないよっ!」
 グランスティードに跨るリン。彼女が手綱を引き、その意図を組んで大きく前脚を上げた星霊は、体重の幾分かと重力とを掛け合わせ、強力な蹄の一撃をマスカレイドに落す。
「いいのかな、ボクにかまってて」
 にやりと唇の端を釣り上げながらマスカレイドを挑発するリン。その挑発に乗るように、マスカレイドはリンに向けて胸の瞳を開く。
 だが、マスカレイドの横っ面を、オーラの刃が張り倒した。
「てめぇの舎弟はブっ倒した。後はお前さんだけだぜ」
 斧の柄で自分の肩を叩きながら、フェリアルがマスカレイドに告げる。彼もまた城壁隊として蜂のマスカレイドと戦っていたが、蜂に集中攻撃を加えていたエンドブレイカー達が標的を撃破し、リーダーマスカレイドを囲ったのだ。
「彼らにも事情はあるのでしょうが、人に仇成すならば討ち果たすのみです!」
 ニザームの声に応じて、妖精達がマスカレイドを取り囲み、針で何度も体を刺す。彼の仲間達の攻撃も相まって、比較的優位に戦っていたマスカレイドは一気に形勢が不利となる。
「まだまだいくぞ」
 ウォルフが振り回すハルバードから放たれる、刃の形を成したオーラの数々。マスカレイドの体を包む炎を一瞬割り、緑色の体に裂傷が生じるのが見える。
 一歩、二歩、とマスカレイドは勢いに押されるように下がった時、草むらに隠されていた狩猟用の捕縛罠が、マスカレイドの脚を挟もうと開いた口を勢いよく閉じる。
 罠の口は獲物を捉える事なく空振りするものの、驚き立ちどまったマスカレイド。
「チャンスっす!」
 アルバは引き絞った弓を維持していた馬手を離し、軽く二桁に達する数の矢がマスカレイドの頭上に豪雨の如く落ちていく。
「デューアさん、決めて下さい!」
 アルバの声に応えるように、走り出すデューア。軽くガントレットを撫でると、手首を覆う辺りから鋭い杭の先端が顔を出す。
 せめて返り討ちにせんとマスカレイドは瞳を最大限に見開く。それに対してデューアは一撃で全てを終わらせようと、避ける素振りも見せない。
 胸の瞳孔に呪力の籠った黒い光が集まり、いざ解き放たれようとした矢先、左脚に激痛が走り、マスカレイドは体勢を崩してしまう。思わず激痛の元をマスカレイドが見ると、カノンの放った矢が脛の中央部を貫通していた。
「はぁ!」
 瞳から霧散する黒い光の代わりに、突きたてられる鋼鉄の杭。濁った瞳から、異臭のする液体がどろりと流れる。
 同時に、マスカレイドの仮面が乾いた土塊のように細かい粉が落ち、加速度的に崩れる速さを増す。
 完全に仮面が消え去った時、インセクテアの体もまた、生命を失った。

 斯くして、マスカレイドを倒した一同は、捕縛された者や石化された仲間を解放し、勝利の報を他のエンドブレイカー達に届けるのだった。



マスター:閂守仁 紹介ページ
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いまいち
参加者:50人
作成日:2011/10/19
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 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
 

<戦闘結果>

●Battle1(勝利!)


順位戦功点名前
1391白鋼の剣士・デューア(c05970)
2307楽天弓・アルバ(c03383)
3272赤房の・ウォルフ(c06764)
4259城塞のような全身鎧を着た・サクラコ(c02942)
5242藍色弧矢・カノン(c03340)
6227恋する少女・ラーラ(c13184)
7220海鳥に憧れて・マリス(c08452)
8210緋霧・レイル(c03187)
9176閃影・イシュタル(c05076)
10162誇り描く・タラン(c16629)
11160勇気の鈴・リン(c05168)
12159飛翔剣舞・スティア(c10668)
13156超獣武神バルカイザー・バルドゥイン(c04209)
14143くろねこの守護騎士・マージュ(c05678)
15138野生の戦士・マークス(c03816)
16137ママに捧ぐセレナーデ・アルフォート(c04063)
17136活人拳・ウァッド(c02372)
18127覆面猛虎・グィー(c06772)
19116欠けない月と・ベンテン(c01195)
20112天光の聖騎士・エルト(c22576)
21111空のストレイター・ハギオス(c01797)
21111太陽の光と踊る花・リロ(c17408)
23103フェアリア・シアラグナ(c03011)
2497星霊の楼閣・エステル(c21474)
2596幻を謳う・グロー(c12883)
2687魔鍵の星霊術士・アルストロメリア(c15869)
2784槍の妖精騎士・ニザーム(c10257)
2784戦神無宿・フェリアル(c02753)
2964きのこ法師・カーク(c00056)
3060銀の太陽・アケルナル(c21325)
3158木と太陽と拳・ミジェロ(c22192)
3257薔薇の牆・アナム(c06804)
3257大剣の城塞騎士・ルー(c05404)
3456陽焔の媛・ヒノエ(c25219)
3553闇招きの・ケーシィ(c22376)
3652名代無き歴史書・ベルゥルー(c03066)
3748業炎と雷の錬成者・ヴィクトル(c22458)
3846暁の娘・ルーシェ(c00297)
3944ドロッイイ・マーサー(c03527)
4043チャンピオンフィスト・トウガ(c05655)
4142槍の神楽巫女・ミケコ(c26222)
4241ナイトランスの天誓騎士・ジョナサン(c22435)
4338求む平穏拒むは不幸・タケマル(c25048)
4437人形は人形に・ナツキ(c26238)
4535天涯の冷火・エカテリーナ(c23824)
4631永遠の妹戦士・ルーシア(c20641)
4729豊穣の娘・チャオ(c23035)
4828戦うメイドさん・ヴィクトリア(c17185)
4925夜刀守・アリオト(c02453)
5020傭兵・ダラントス(c01996)