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踊るだいこんと春キャベツ

<オープニング>

 酒場へ集ったエンドブレイカー達へと竪琴の魔曲使い・ミラ(cn0007)が紹介したのは、疲れ切った様子の男だった。
 周囲をうろうろしていたところを見付け、彼女が連れてきたのだ。
「こちらに来れば、力をお借り出来ると噂に聞いてきまして……」
 椅子に腰を下ろすと、男は向き合うエンドブレイカー達へひとつ頭を下げる。
 彼は様々な野菜を栽培する村から来たと、簡単に挨拶した。
「今の時期は春キャベツが旬なんです。瑞々しくて柔らかくて、評判なんですよ」
「サラダとか、美味しそうですね」
 ミラの呟きにほんの少しだけ誇らしげに笑って頷いた男は、すぐに思い出したように肩を落とした。
「先日、春キャベツの畑に大根みたいな葉っぱが出てたんです」
「だいこん?」
 冬の野菜ですよねと、ミラが首を傾げた。
「おかしいなと思って、引っこ抜いてみたんです。そうしたら、大きさは犬くらいでしょうか。薄い紫色の大根……のようなものが、『キエー!』って凄い声で悲鳴を上げまして……」
「……はあ」
 その悲鳴を聞いて腕が動かなくなってしまい、逃げられたのだと男は嘆く。
 そして『大根のようなもの』はあろうことか収穫を控えた春キャベツを齧り始めたのだ。その美味しさを知ったのか、次から次に食い散らかしているのだと男は重い溜息を吐く。
「退治しようとしました。でも引っこ抜いた時の悲鳴で腕が動かなくなったりする上に、逃げるんです。そりゃあもう速く!」
「……走るんですか?」
 姿を想像してか顔を顰めて問うミラに、男は力いっぱい頷いた。
 下のほうがふたつに分かれている大根を想像すれば判り易いだろう。
「村の者と協力して、頑張って倒そうとしました。でも追い詰めたら、そいつが踊りだしたんです……」
「…………」
 ミラの眉間に刻まれた皺が、一層深くなった。
 男はがっくりとうなだれて両手で顔を覆う。彼曰く、その踊りを見ると力が抜けてしまうらしい。そして倒し切れなかった『大根のようなもの』はまた春キャベツの畑に戻って埋まり直しているのだという。
 つまり。
 畑から引っこ抜こうとすると麻痺を伴う悲鳴を上げ、足で素早く逃げ、踊りで力を奪うのだ。
 自分達の手には負えない。
 そう感じていたところに、解決してくれる者の噂を聞き付けてこの酒場へとやって来たという。
「お恥ずかしい話ですが、野菜を育てるばかりで生きてきた村の者には、退治するとかそういうのがどうも……向いてないみたいで」
 疲れ切った表情の男へと「お飲み物でも注文されては?」と促したミラは、男が席を離れたところでエンドブレイカー達へこそりと伝える。
「……畑の春キャベツを全部食べられてしまって、他の作物も狙われて、困り果てているエンディングが見えました」
 その『大根のようなもの』は戦い方を知らぬ者には脅威でも、エンドブレイカー達にとってはさほどの難敵ではないという。同時に複数を相手にするとなればそれなりに厄介だが、基本的には一匹ずつ畑に埋まっているのだ。
 其処にマスカレイドの影は無いが、不憫なエンディングは存在する。
「無事に倒せたら、お礼にとれたての春キャベツをご馳走して下さるそうですよ」
 お願いしますねと、ミラが小さく頭を下げた。


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参加者
盾の魔曲使い・ナガツキ(c02096)
杖の魔法剣士・ハビ(c02986)
アイスレイピアの魔曲使い・フェイラン(c03199)
杖の星霊術士・ハク(c04315)
杖のデモニスタ・アリシャ(c05304)
大鎌の魔獣戦士・エデッサ(c06356)
爪の群竜士・グィー(c06772)
ナイフのスカイランナー・ニム(c08218)
ハンマーの城塞騎士・アノ(c08447)
ハンマーの魔獣戦士・シヴィアル(c10327)

<リプレイ>

●大根(略)
 一行が畑へと赴いた時、まさに勇気ある村人が大根を抜かんとするところだった。
 見渡せば、畑には所々にぽっかりと不自然な空隙がある。恐らく食われた跡なのだろう。
「キエー!」
「ああっ、腕が!」
 麻痺したらしく動かない村人の腕から、身を捻って薄紫色の大根が逃げ出した。

 てってってってっ、ぽすっ。もぞ。

 ちなみに逃げた大根が畑に埋まり直した音である。
 奇妙な光景を目の当たりにして、誰もが少しだけ呆気にとられた。
「不謹慎ながら、ちょっと可愛いです……」
 うっかり心をときめかせてしまった杖の星霊術士・ハク(c04315)は頭を振って油断は禁物と自身に言い聞かせ、野菜自体が珍しいナイフのスカイランナー・ニム(c08218)は殊に赤の瞳を瞬かせる。
「変なの」
「本当に足がある! 面白れー!」
 走る姿に、ハンマーの城塞騎士・アノ(c08447)は「これもう動物だよなぁ?」と感嘆の声を上げた。作物に危害を与えないなら、もう少し観察していたいかもしれない。
 初めて訪れた場所に落ち着かないらしく杖のデモニスタ・アリシャ(c05304)はきょろきょろと周囲を確認している。穏やかな春風が淡い緋色のリボンを揺らした。警戒するべきものがあるとすれば大根くらいで、此処は至って平和な村のようだった。
 大鎌の魔獣戦士・エデッサ(c06356)が気付いたように、魔獣化させた爪先でキャベツを這う小さな芋虫を器用に摘み上げる。
「……キャベツ、とても、美味しい、の、ね」
 虫が食うのは野菜が美味しい証拠。しかし虫ならまだしも、大きな大根に狙われては春キャベツが食い尽くされてしまう。
「大根モドキに春キャベツを食べられてしまうのは、お辛いでしょうね」
 村人の命を繋ぐ作物だ。緩やかな挙措でアイスレイピアの魔曲使い・フェイラン(c03199)が慮れば杖の魔法剣士・ハビ(c02986)が言葉に頷いた。
「美味しく育てるのは難しいものですから。……それにしても」
 キャベツが並ぶ畑の中、揺れる大根の葉は非常に目立つ。浮いていると言ってもいい。
 多分、彼らとしては紛れているつもりなのだ。
 ともあれ此処は戦い方を知る者達の出番だと、各々が武器を構える。十匹の位置は把握済みで、大根を追い込む場所は「作物に被害が無ければ何処でもいいよ」と鷹揚な回答を得ていた。
 村人達は、手に負えないものをどうにかして貰えるだけで有難いのだ。
「それじゃ、いくよ」
 一番手を担う盾の魔曲使い・ナガツキ(c02096)が大きな身体で大根の傍に立つ。彼も含め、春の野菜を心待ちにしている者は多いだろう。悲しいエンディングは村人達に限らず、それを楽しみにしている者達にも及ぶのだ。
「害獣駆除だって不幸なエンディング相手には遠慮なんかしないよ!」
「キエー!」
 ナガツキに抜かれた大根が悲鳴を上げた。麻痺は無い。彼はそのまま構えた盾で強かに殴打し、吹き飛ばす。すかさず駆けたエデッサが腕に魔獣の力を宿し爪で薙ぎ傷口を切り裂いて、杖を掲げたアリシャが魔法の矢を放った。
「逃がさない……貫け閃光」
 躱すことの出来ない五の矢が降り注ぎ、あっさりと大根は動かなくなる。
 悲鳴につられて他の大根が動いたということも無い。しっかりと作戦を立て、連携も図れるよう準備してきた彼らには物足りないほどだったが、あちこちで様子を窺っていた村人達から歓声が上がる。
 ふとハンマーの魔獣戦士・シヴィアル(c10327)が視線を遣れば、ゆるゆると高く煙が上っていた。料理を準備しているのだと気付き、頬を緩める。あれを美味しく頂くため頑張らなくてはならない。
「っし、じゃあ次は兄貴だな!」
 覆面を被った謎の怪人――ではなく爪の群竜士・グィー(c06772)の声に、次に畑へと入ったのはハビだ。畑に埋まっているところへアビリティを撃ち込めば易々と攻撃出来るのだが、一行は敢えて順番に抜いてみることにしていた。
 深呼吸をひとつ、大根へと臨む。
「せっかくですからね」
 村人達の期待を篭めた視線の先、エンドブレイカー達は真剣且つ楽しそうだった。

●挑むひとびと
「キエー!」
「キエー!」
「キエー!」
 のどかな春の畑に、幾度も悲鳴が響いた。彼らが律儀に一本ずつ引っこ抜いているからだ。
 フェイランは楽しそうだったし、ハクは緊張して少々ぷるぷるしていた。好奇心に満ちた者、真剣な面持ちの者と様々である。
 故郷の皆への土産話になる。そう思いながら畝を跨ぎ、ニムが大根に手を掛けた。
「キエー!」
 大根もまだまだ元気だった。キャベツを傷付けないようにと気を付けながら、手にしたナイフを横に一閃、そして真っ直ぐに突く。よろめく大根へ凍てる力を帯びた細身剣を翳してフェイランが迫り、氷の刃で斬り抜け、其処へ幾重にも残像を伴ってハビが斬撃を降らせれば、堪らず大根は動かなくなる。
 大根を抜いた当人に続き、仲間達が攻撃を重ねる。
 概ね逃がすこと無くその場で仕留め、運悪く麻痺を付与されるなどして逃がしても、見張り役として目を光らせるアリシャや遠くへ攻撃を飛ばせる者が狙い撃っていた。
 尚、アビリティによっては流れ弾が発生し、その度に攻撃を受けた大根が勝手に逃げ出している。彼らはまた勝手に埋まり直していたので深く気に掛けなかった。ただ時々、振り返ってみると大根の位置が微妙に変わっていたりする。
 ――ところで、エンドブレイカー達が熱心に大根を屠る理由がもうひとつあった。
「まてまてなぁ〜ん♪」
「ごるぁ、待てやぁっっ食い物〜!!」
 必死で逃げ回る大根を、楽しげなシヴィアルと目を血走らせたグィーが追い掛ける。引っこ抜く際、フェイランは「こちらの大根は食せるのかしらね♪」と笑顔だった。
「……食べ物、は、動かない、もの、よ」
 訥々と追うエデッサも、この大根をはっきり『食べ物』として分類している。
 薄紫色の、悲鳴を上げて走り回り、そして踊る大根を、食べるつもりでいる者が半数を超えていた。食べられそうなら食べてみるというのは、決して間違った行為ではないのだが――切り口から覗く毒々しい紫色は、躊躇させるに足るものだった。
 村人達と違って何処までも追い掛けてくる相手に、大根は敢然と向き直り得意の踊りを披露する。
 うねうねうね。
「……踊り?」
 ニムが首を傾げた。
 ある意味で力の抜ける姿だったが特に何ということもない。ちなみに、一行が見事に連携を図って倒してしまっていたので、大根の踊りを見るのは後にも先にもこの一度だけだった。
 ナガツキの歌い上げる魔曲の旋律が敵愾心を殺いだところへ、アリシャが喚ぶ禍々しい剣が降る。横から踏み込んだアノが上下の猛打を食らわせれば、苛烈な一撃に大根が「めしゃっ」となった。
「あっ」
 大根はおろし大根と化した。
 これはこれで調理の手間が省けようというものだが、やはり色々と毒々しい。
 また一匹、タライに浸けられる。泥落としも兼ねて水にさらしているのだ。傍にしゃがみ込んだハクの目の前には割と原形が残っているものと、残っていないものが半々だ。そろそろタライに収まらない。
 悲鳴を上げる口はあるものの目は無いらしく、ニムやアノが興味深そうに突いていた。
 誰もが真剣に対処しているのだが、相手が相手であるため何処か和やかに大根は倒されていく。だが土を踏み固めることすら厭うグィーをはじめとして、配慮する者が多く居たために戦闘でキャベツが傷付けられることも、畑が踏み荒らされることもない。
「よいしょなぁ〜ん!」
「キエー」
 シヴィアルが抜いた大根は、何だか既に弱っていた。流れ弾を食らっていたのだろう。
 魔獣化させた腕で殴打し爪撃を食らわせたところに、ハビの放つ魔力の矢が翔る。十の光が着弾しぽてりと大根は倒れた。
 魔獣の腕で、エデッサがぎゅうぎゅうのタライへとそれを運んでいく。
「さてと、最後だね」
 ナガツキが声を掛け、アリシャが臨む。仲間達へ視線を遣れば皆一様に頷いた。その手に最後の大根が抜かれていく。
「キエー」
 やはり余波を受けて弱っていた。
 虚空から召喚した剣の群れに斬られた大根へグィーが迫る。足を払った不意を突いて背後を取り、渾身の力を篭めて強く地に叩き付けた。これも「めしゃっ」となる。
 彼は高らかに拳を突き上げ、勝利を宣言する。
 村人達から喜びの拍手が起きた。

「スピカは万全です!」
「水もご用意しました」
 ぐっと杖を握る手に力を篭めたハクと、器に水を湛えてハビが備える。
 水にさらしても大根は毒々しかった。本能的に「食べないほうがいいんじゃないかなあ」と思う者はあれど、挑む猛者を止める者は無い。
 のみならず多くは「大丈夫そうなら自分も」というチャレンジャーばかりだった。村人達から見れば、これだけ春キャベツがあるのだから何もそんなものまで食さずともという感じである。
 道具も用意して、既に頭の中で大根の調理法を様々に思い描いている者も居たが、一先ず味見を兼ねて齧ってみることにした。
「お味噌汁にしたいね。炙ってお醤油でも……」
「サラダ、ポトフ……肉料理の感覚でもいいな」
 薄めに削いだ一枚が、ナガツキとグィーの手に渡る。
 しゃり、と音を立てて猛者達が噛み締めた。
 エンドブレイカー達の視線が集中する。シヴィアルを第一に仲間達の瞳には期待と不安と好奇心と夢と、他にも色々満ちていたが――。
「…………」
「…………」
 毒は無いようだ。
 ただ如何ともし難いほど渋く――そしてとんでもなく、苦かった。
「あら、身が引締まって美味しそうに見えましたのに……残念ですね」
 咽る猛者達に、期待していた者達の心を代表してフェイランが呟いた。

●春空の食卓
「甘い」
 まずはそのままの味をと出された柔らかい色合いのサラダ。感動の眼差しで見詰めていたニムは、せっかくだからと何も掛けずに口に放り、丁寧に咀嚼して飲み込んでから素直な感想を零した。
 芯すら柔らかく、噛むほどに瑞々しい。
 小動物のように一生懸命しゃくしゃくしていたハクの「体の中がすーっときれいになるみたい」という言葉に、エデッサがひとつ頷いた。
 塩と黒胡椒のシンプルなドレッシングを絡めれば、その甘さが一層引き立つ。胡椒が苦手であれば此方をと卵ベースのこっくりしたソースが用意されているのも嬉しい。
 星霊術の天井から春の暖かな日差しが降る中、テーブルは外へと運ばれていた。
 優しい春風が、何処からか花の香りも運んでくる。
「春キャベツって凄く柔らかいんだなー」
「うん、甘いね〜」
 笑顔で頬張るアノにナガツキも頷く。大根は色々と名残惜しいが、今はこのキャベツを楽しむことが一番だろう。あっという間にサラダは空になっていき、いよいよ料理が運ばれてきた。
 コンソメと野菜で煮た素朴なスープに、誰もが表情を綻ばせる。とろけるほど柔らかくなるまで煮た根菜の中、キャベツの歯応えが残されているのがアクセントのようだ。言葉は少なく、けれど優しい味にアリシャはひっそりと目を細める。ちなみに使われている大根は普通の大根だった。
 リクエストの多かったロールキャベツは、一行に子供が多いのを考慮してか丁寧に小さなサイズで作られていた。トマトの赤が目に鮮やかで、スプーンで掬えば一口で収まってしまう。
「美味しいですね!」
 ハビが頬を緩ませた。噛み締めれば春キャベツの甘さと、味の染み込んだ肉の旨みが流れ出す。更にトマトの酸味が飽きさせない。
 手間かと思い悩んだものの、頼んで良かったとフェイランも微笑む。働いた後の食事は格別だ。
「しっかり召し上がりたい方は、此方をどうぞ」
 オリーブ油と塩に春キャベツとベーコンを絡めたパスタに、食欲の旺盛な者達から歓声が起きた。立ち上る湯気が、食べる頃合を見計らって作っていることを物語る。
 パスタを取り分けている最中に来たのは、胡麻油と少量の塩で炒めたシンプルな料理だった。漂う香ばしい胡麻の香りが鼻腔をくすぐれば、グィーは食べる手を休められない。贅沢で幸せな困惑だ。
 焼きたてのキッシュも程好い大きさでつい手が伸びてしまう。こんがりと綺麗に焼き色の付いたそれにフォークを落とせば、見目からは予想外の柔らかさにエデッサは驚く。
「……美味しい、わ」
 しっとりとした生地にふわふわとした食感が楽しく、クリームにキャベツの甘みが尚負けていない。
「よし、これもピーマンは入ってないな」
 アノは予め頼んでおいたのだ。村の女は「好き嫌いは駄目よ」なんて言わなかった。ただ、彼女は「食べられないものが少ないほうが色んなものが食べられて楽しいわよ」と笑っていた。
 たっぷりのシチューが運ばれてくる。ナガツキが頼んだものだ。彼が「おお」と声を上げる。焦げ目が付いているのは、チーズを乗せて軽くオーブンで焼いたかららしい。パンは、硬いものと柔らかいものが用意されていた。
「ええと、ええと」
 次にどれを食べるか、悩んでしまう。瞳をあちらこちらへと向けていたシヴィアルの前に、盛った皿を向けたのはハクだった。彼女が窺うように傾げば、にっこりと笑ってシヴィアルはそれを受け取った。運ばれてくる料理に目移りしているのはニムも同じだ。彼にとって貴重品だった野菜が惜しげも無く形を変えて次から次へと現れる。隣のアノに倣って、全部を味わう心積もりでいた。
 村人達は、大根を退治してくれた上に春キャベツに傷も付けず、畑も荒らさず、そして食べてくれる一行に感謝するばかりだった。手塩に掛けて育てた野菜を、美味しいと何度も述べて味わってくれることが嬉しくて仕方ないのだ。
 美味しいですかという村人の問い掛けにフェイランやアノは満面の笑みで、ニムはこくこくと頷いて料理に感謝した。テーブルにはまだまだたくさんの料理がある。勿論、そのひとつも残さないつもりのグィーやナガツキは、改めて野菜を育てた村人達に敬意を払って頬張った。
 とても美味しいですと素直に感想を述べて、ハビが村の男へと声を掛ける。
「自分、野菜や果物を育てるのが好きなんです。家庭菜園ですが」
 畑仕事の手伝いを申し出れば、村人は驚いていた。そんなことまでさせられないという意味だろう。だがハビの「教えて頂きたいこともたくさんありますし」という言葉に、少し考えている様子だった。
「私どもは野菜を育て出荷するまでしか考えたことがありませんでしたが、そうやって外の方をお招きするのも、より野菜を知って頂くことに役立つのでしょうね」
 何より、エンドブレイカー達の食べっぷりと「美味しい」という言葉が村の者達を刺激したようだ。「きっと名物になります」とハクが告げれば、力強く頷いた。
 楽しみにしていた柔らかい春キャベツを心ゆくまで堪能して、誰もが笑顔を見せている。
 そろそろ、満腹にもなりつつあるが――。
「まだ、お料理ありますよー」
 ごちそうさまの挨拶は、もう少し先になるようだ。



マスター:輿水悠 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2010/04/26
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