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危険なキノコを討て

<オープニング>

 ここは穏やかで平和な農村。
 母娘が目指す遺跡の入口は、草が刈られこざっぱりとした、空き地の片隅にぽっかりと口を開けていた。
「着いた、着いた。せっかくだから一番よいキノコを取りたいよね」
「うふふ、今日は最高のマッシュルームパイを焼き上げられそうな予感がするの」
 今日は楽しい女子会だ。様々なぶっちゃけネタの打ち合わせをしつつ、母娘はパイの餡に使うキノコ採りに来た。
 遺跡の入口を覆うムシロを開いて中に歩み入る。中の空気は生温かて湿っぽい。まるでキノコの生育の為だけにあるような空間であった。
「美味しそうなキノコが、いっぱいだよ〜」
「ホントね。アンゲラちゃん。奥に行きすぎないで。使う分だけでいいから」
 遺跡の奥に少し進むと、二人はホダ木から生えている赤児の腕ほどに育ったキノコを見つける。
 瞬間、物陰からぱふっと音がして、甘くて香ばしい芳香がひろがった。
「ティヒヒヒッ。お母さん……何これ気持ちわるい」
 思いがけない攻撃を受けて、喉を突くような息苦しさを感じた。身体は熱を帯びて、汗ばんで濡れるような感覚が全身に広がる。
「う、クスクス。アンゲラちゃん。息を止めて……逃げるわよ」
 湿った着衣が皮膚と擦れるだけで、電流が流れるような刺激が駆け巡る程に、何もかもが敏感にるような気がした。
「たひゅけて、なんだか苦しいよ」
 アンゲラを見ると、皮膚をゾクゾクと震わせながら、笑うかのように咳き込んでいる。
「しっかりひてぇ!」
 エリーザは力を込めて娘の手を握った。一刻も早くこの場を離れようと、そう思って足を踏み出した瞬間、足を滑らせて、膝が砕けるような姿勢で地面に倒れた。
「うしょ、こんなぁ……」
 泥まみれになり、息が詰まったような声をだしながら、エリーザは娘を引っ張って、懸命に這って逃げようとした。
 直後、動き出した毒々しい色の巨大キノコの群れは、長く伸ばした腕で二人を縛り上げた。
 
 
「といった次第で、農村に住む母と娘が、巨大キノコのマスカレイドに殺されることが分かりました」
 赤の魔曲使い・アンナ(cn0055)は深呼吸をして、胸にいっぱいに息を吸い込んだ。
 息を吸い込んで大きくなったのはお腹であったが、気持ちは落ち着いたようだ。
「現場は村はずれのキノコがたくさん生えている遺跡です。料理に使うキノコを採りに訪れて、二人は被害に遭われます」
 アンナはゆっくりとした口調で言うと、酒場の中を見渡し、この依頼を引き受けてくれそうなエンドブレイカーたちの顔を見つめた。
「倉庫の中に潜むマスカレイドは全部で六体です。遺跡に入ってくる者に攻撃を仕掛けてきます」
 遺跡の中は薄暗くてジメジメしている。
 それだけではなく、キノコ栽培のための枯れ木や容器などが、雑然と置かれているため、見通しがよくない。
「遺跡への出入り口は一つだけですから、中からなら侵入者が来れば直ぐに分かるでしょうね」
 ずるい気もするが、敵に見つからずに中に入ることは難しい。ある程度は敵の先制を受けることを見越した上で、作戦を立てておいたほうが良さそうだ。
「見境のない嫌な攻撃をする敵ですから、母娘が遺跡に入ってしまわないようにして、決着をつけたいですよね」
 言うとアンナはもう一度大きく息を吸い込む。
 マスカレイドを討ち滅ぼし、悲劇のエンディングを打ち砕くことが、エンドブレイカーの使命である。
 遺跡の中がメチャメチャになれば、この日のキノコが採りはできなくなるかもしれないが、それは仕方ないことだろう。
 むしろ整理がなっていないから変なキノコが湧いたと考えば、遺跡の掃除を促す良いきっかけになるかもしれない。
「今から向かえば母娘が遺跡に着く前に到着できます。ええ、みなさんなら、きっとうまくやってくれると信じています! よろしくお願いします!」
 アンナは楽観的な観測で話しを締め括ると、これから頑張ってくれる皆に、敬意をこめて頭を下げ、酒場から送り出した。


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参加者
アイアムアスリーピング・ディー(c00031)
愛想義心の朱蓮・ナリュキ(c00161)
刀押収刑事・ルーン(c01799)
私の紅茶が飲めないんですか・アオイ(c02430)
我儘サンドリヨン・アルカナ(c02976)
蒼穹に響く調べ・アリア(c07162)
死を贈る白き華・アリーシャ(c07191)
海緑を纏いし御魂狩之護刀・ショウキ(c10227)
狂騒の騎士姫・ラウラ(c20576)
夜陰に咲く六花・ルーシア(c27132)

<リプレイ>

「……中からは、何も聞こえないみたいだね」
 聞き耳を立てていた、蒼穹に響く調べ・アリア(c07162)の言葉に頷きを返し、洞穴を思わせる遺跡の入口を潜ると、頬に生温かい空気が纏わりついた。
「ふたりが来る前に、さくっと駆除してしまいましょう」
 木の腐る匂いはパンを思わせる香ばしさだった。だが、死を贈る白き華・アリーシャ(c07191)は戦いに備えて、口にマスクを当てた。
 陽光が直接差しこまない遺跡の中、そこかしこに置かれた箱や丸太を避けながら、一行は慎重に足を進める。
「じゃな。楽しき未来を思い描く母子のためにも、終焉は断ち斬っておきたいの……」
 言葉と共に、海緑を纏いし御魂狩之護刀・ショウキ(c10227)のため息が漏れた。
 母娘の対処も必要と考え、入口に注意書きを残して来たが、管理している村人が聞いたことの無い注意があっても真に受ける可能性は低い。とは言え、戦いの最中に踏み込んで来る可能性も低いので、懸念する問題は起こらないだろう。
 狂騒の騎士姫・ラウラ(c20576)の召還した妖精が、薄闇を青白い燐光を散らしながら飛び、薄墨を流したようなモノトーンの空間を淡く照らす。食べられるキノコだけが生えるように管理されていることは素晴らしいが、ゴチャゴチャ感は半端では無かった。
「んー。早くしないと、ふたりがきちゃうんだよ」
「まったく、マスカレイドでは無くとも、物の怪でも沸き出しそうな場所じゃな」
 ショウキはラウラに頷きを返しつつ、生えているおもむろに手を伸ばしてキノコを失敬して、カゴに入れはじめた。
「わー。僕もきのこは好きなんだ。旨み成分に香りもいいし、どの料理にも大抵合って万能食材じゃない?」
「……何だか美味しいキノコのお料理が食べたいの。無事に終わったら、みんなで一緒にどうかしら?」
 が、ショウキの手の動きに気づいた、アリアが何気に気持ちを吐露すれば、我儘サンドリヨン・アルカナ(c02976)がぽつりと話して、話題に弾みをつけた。
「ところで皆さん、キノコのマスカレイドも『ブイヨン』を使えば食べられますけど……」
「んー。鍋にしたらおいしい時期なんだが、そういうのはノーセンキューだなー」
 続く、刀押収刑事・ルーン(c01799)の言葉を、あっさり流すように返すと、アイアムアスリーピング・ディー(c00031)は星霊たちの様子に気を配る。
「香りは良くても、マスカレイドじゃ倒すしかないなぁ」
 そんな二人の会話は、聞こえていない様子で、私の紅茶が飲めないんですか・アオイ(c02430)が穏やかに目を細めた。
「かなり反則なキノコのようじゃし、心してかからんとのぅ」
 ガスの洗礼はいつあるかも分から無い。愛想義心の朱蓮・ナリュキ(c00161)は前方を警戒しながら、慎重に歩みを進め、アルカナも仲間の配置を確かめるように、後ろに視線を送る。敵に対する用意は出来ていて、奇襲に対しては充分に対応できそうだ。懸念を上げるとすれば、仲間同士の距離が近すぎることぐらいだが、雑然としたこの場所では仕方ない部分もある。
 そんなタイミングで、暗闇の奥からパフッと音がしてチョコレートのような香りが満ちた。
「ひゃんっ!」
 夜陰に咲く六花・ルーシア(c27132)が艶っぽい叫び声を上げた。ガスの効果によって痺れが足先から広がり、身体の芯が熱く目の前が渦巻くような感覚に陥った。次々とガスの噴射される音が続く。甘酸っぱいガスは、攻撃の及んで居ない仲間たちに襲いかかる。アリーシャの用意したマスクは用を為さなかった。鼻腔を刺激する香りは激しい頭痛を引き起こす。
 箱の上に登ろうとしていた、ディーがバランスを崩して転げ落ち、砕けた木片が埃と共に舞い上がる。
「癒しの風よ、煙霧を払え!」
 ガスにいち早く反応した、ルーンの声が闇を裂く閃光の如きに轟いた。直後、海原を思わせる穏やかな風が吹く。
「分かっていたとはいえ、効きますねぇ……」
 アオイは言葉と共に、星霊との奇跡を讃えた荘厳な杖を前に突き出した。ホダ木を倒しながら飛び跳ねる紫の巨大キノコを目がけて星霊ヒュプノスは飛翔し、その前方で踊るように一回転すると、プクッと毛を膨れさせながら、催眠ガスを撒き散らした。

「そこの赤いの。あなたの相手は、わたしたちなのよ」
「けしからんキノコは、成敗してくれるにゃー」
 アルカナの挑発の言葉に続いて、ナリュキが叫びを上げた。言葉自体に特別な効果は無かったが、赤い巨大キノコの攻撃は紫のキノコに対応する七人ではなく、アルカナ、アリーシャ、ナリュキの三人に向いた。
 直後、アルカナが間合いを詰め、腕を伸ばし始めた赤いキノコの柄に火炎を伴う斬撃を叩き込んだ。下から上へ強烈な炎に傘を裂かれた赤キノコの体に業炎が広がる。後を追うように続いたナリュキが地を蹴り、小さな身体から繰り出された横薙ぎの爪刃は赤い軌跡を描いて、キノコの傘の肉の一部を抉り取った。
「星よ、刃に秘めし獅子の力を解き放てっ」
 さらにアリーシャの召還した四肢の輝きが咆吼と共に、燃え盛る赤キノコの傘を引き裂いた。

「あー、痛い!?」
「だいじょうぶだよね? ディー」
 間延びした声を上げ、弓を杖代わりに立ち上がったディーが、慣れた手つきでピンクの矢を放てば、言葉と共にディーの前に躍り出たラウラが振り上げた碧翠煌剣――ロックギターを紫キノコの傘の上に叩き込む。直後、伸ばされた紫キノコの腕が、その胸を打ちつけ、裂け飛んだ布の間に覗く白い皮膚に筋状の腫れ痕を刻んだ。
「敵がいっぱいじゃのう。兎に角、数を減らすのが先決じゃ」
「はいっ。……確実に仕留めてゆきます」
 言うと同時に、ショウキは刃を抜き出し、その青緑色の刃が、飛来した敵の腕を弾き飛ばす。
 続く動きで、前に踏み出したショウキは半月の軌跡を紫キノコに刻み、ほぼ同時に横に跳んだルーシアは、刹那の逡巡の後に踵を踏み込んで、父への想いと共に前に飛び出した。
 瞬間、前に突き出したアイスレイビアから鋭い冷気が立ち上がる。冷気を帯びた刃は白銀に輝き、直進するルーシアの決意に答えるように、敵意を露わに迫る紫キノコの身体を斬り、長く伸びた腕を氷で覆い尽くす。
「はあっ!」
 直後、気合いと共にルーシアが斬り抜けると、その紫キノコの身体は氷壁に閉ざされて完全に動かなくなった。
「我が罠からは逃れられん、貴様がここで朽ち果てよ」
 勢いに乗じるように、ルーンはトラップフィールドを発動した。バラ撒かれた大量のマキビシは、闇の中で鋭い輝きを放ち、突き刺さる鈍い音と共にその小さな足を貫いた。
 残り四体。数の上では一体しか減っていないが、既に無傷の個体は存在しなかった。
「さて、一気にたたみかけちゃいましょうか……」
「僕の歌に酔いしれて!」
 漂うヨーグルトの匂いを感じながら、アオイが星霊ヒュプノスを差し向ければ、その跳躍によって眠りに誘われた敵に、肉薄したラウラが必殺のアッパーブロウを繰り出す。そこにアリアの澄み切った声が、音量を増しながら響いた。
 散乱したホダ木を踏みつぶす音を立てながら、紫キノコはヨーグルト臭のガスを吹き出す。
 だが、その威力は無視できる程に、小さいものになっていた。
「なんで、チョコやヨーグルトのようなガスなんだろう?」
「んー、まー、どうだっていいや」
 素朴な疑問を歌詞に変えた、アリアの切ないメロディが、こだまを繰り返し続け、無造作に放たれたディーの桃色の矢が次々と紫キノコのハートを射抜いた。
 戦える紫キノコは残り二体。
 ショウキはボロボロに傷ついた一体を、大上段からの重撃で両断すると赤キノコとの戦いの方に視線を向けた。

 業炎に包まれた赤キノコは闇を照らしながら、二本の長い腕を、触手の如くにうねらせている。
「美味しく料理して差し上げるのよ?」
 アルカナが巨大化させた魔獣の腕で鷲掴む。不意に胴体である柄を、握り締められた赤キノコの悲鳴の如き音が轟いた。
 追い打ちを掛けるように、ナリュキの放った奪命の牙が、不可視の刃となって襲いかかり、衝撃音と轟かせながら、その極太の柄に傷を刻む。
「……蹴散らすわ」
 アリーシャの振り回す暁大鎌の風切り音が聞こえる。高速回転を続ける刃が燃え盛る炎を斬り裂いて、巨大な赤キノコの体表に無数の傷を刻み込んだ。
 揺れ動く赤キノコの腕が高速で振り回される。舞い乱れる腕に刃のオーラが輝いた。それを認めた瞬間、巨大な銀の刃を突き出して構えたアルカナの両足に激痛が走った。
「……ッ!?」
「アルカナ、お主は……」
 崩れるように膝をつくアルカナの首から下に、棘のついた腕が巻き付き、棘は深々と肉に苦込んでいる。抉られた傷口から溢れ出す血は、音も立てずに地面を急速に潤し、鉄錆の如き血の香りが立った。驚きの声と共に前に出ようとした、ナリュキの太腿にも激痛が走った。棘のオーラを纏う腕が太腿の肉をごっそりと持ち去っている。
「……白銀の御手以て癒し給え」
 声と共にアリーシャの光り輝く拳が飛ばされる。だが充分とは言えない効果に、その表情が焦りの色に染まる。
「癒しの風よ、彼の者を癒せ」
「遅かったわね。助かったわ」
 瞬間、ルーンの呼んだ癒しの風が、血の香りを消し飛ばし、アリーシャが振るわれた紫キノコの腕を鎌刃で弾いた。
「紫は、これで最後です」
 直後、地を凍らせ、紫キノコの脇に滑り込んだルーシアが、氷を帯びた刃をひと突きすると、最後の紫キノコは、濁った紫の粘液を零しながら果てた。
 半分以上の体力を残しているとはいえ、赤キノコの身体は業炎に包まれたままだ。
「さて、終わらせちゃいましょうか……」
 アオイは鋭い表情で、赤キノコ見据えると、星霊ヒュプノスを差し向けた。激しい戦いなど関係ないといった様子で、その周囲を飛び跳ねながら眠りを誘う。
 一方、仲間の支援を受けて、ここまでの戦いの傷を癒した十人のエンドブレイカーの優位は圧倒的であると言えるだろう。
 傷ついた赤キノコの体力はこれからも削られ続け、限界に達するのも時間の問題だ。
「さあ、あとひと息だよ」
 闘気を三度、放出したラウラが、ロックギターを掻き鳴らすと同時に踊り始める。
 闘気の後押しを受けた妖精の踊りは、花吹雪のように無数の燐光を散らし、赤キノコの周りを幻想的な光で満した。その可愛らしいダンスに、心奪われて赤キノコは棒立ち同様となった。
「お主も随分弱ってしまったのう」
 積み重なったダメージに加え、防御はおろか、攻撃の一部も封じられた、赤キノコが振り下した腕は虚しく地面を叩くだけだった。
 ナリュキは、伸びきった敵の腕の根元を見据えて、爪刃を袈裟懸けに振り抜いた。瞬間、生み出された虚空の刃は、六連の衝撃となって、敵を揺さぶった。
「もう、がんばるのをやめてはどうかしら?」
 巨大化させた魔獣の腕は、敵の粘液で赤く染まっていた。言葉と共に振り下ろした平手が強引に赤キノコを押し倒した。
 瞬間、そこら中に赤い粘液が飛び散った。
「さて、さすがにもう終わりよね」
 崩れかけたホダ木の山に飛び乗ったアリーシャが頭上で大鎌を振り回した。直後、落下の勢いを加えた大回転の刃を振り下ろせば、傘は砕片を撒き散らしながらズタズタに破け、同時に貼り付いていたマスカレイドの仮面は粉々に砕け散った。大量の粘液吹き出した。やがてフルフルと揺れていた赤キノコはビクッと身体を揺らして硬直して、完全に動かなくなった。

 かくして戦いは終わった。
 まだ母娘はやって来ていないため、早々に立ち去れば、すべてをうやむやにできたかもしれない。
「甘いスイーツな香りを振りまいといて、味はどうなんじゃっ!」
 だが、好奇心に負けたナリュキが、呟きと共に赤キノコの残骸をガブリと囓った。瞬間、脳を突き抜ける電撃のような甘味が五感を支配し、間もなく恐るべき苦みが襲いかかって来た。
「ギャッ!!」
 苦みを消すために囓る。囓るから苦くなる。甘味と苦みの波状攻撃が、健康に良くないことだけは理解出来た。
「な、なによこれ! めちゃくちゃじゃないの?」
「えー、こんなんじゃ、キノコ採りなんて無理だよ!」
 ナリュキが赤キノコの味の余韻に、浸っているタイミングで、母娘がやって来た。
「……さて、これは、私たちも掃除を手伝うべきなのかしら」
「いいえ、こんなバケモノキノコを倒して頂いた上に、そんなお願いする訳にはゆかないわ」
 惨状に肩を落とす、二人を気遣うように、アリーシャが言うと、母親は首を横に振って、即答で返した。
 何が起こったかは、一目瞭然であり、命を助けられたことを、二人は理解していた。
「……それに今日は女子会ですから、片付けは別の日ね」
 母親はそう言うと、片付けをしようとしていたアリアの手を取って、にっこりと笑うと、お礼をしたいと言葉を続けた。
「じつは、こんなものがあるのじゃが」
「なんと、素晴らしいわ!」
 思い出したように、ショウキは戦いの前に、失敬したキノコの入ったカゴを差し出した。母は目を輝かせて声を上げ、娘も飛び跳ねて喜んだ。
 動機は不純だったかもしれないが、ショウキのお陰でどうやらマッシュルームパイも作れそうだ。
「なんと素晴らしい日かしら! 今日はみなさんも、いっしょに楽しみましょう!」
 母親はそう言って、一行を誘い、娘の手を引いて歩き出した。その後ろ姿は、まるで春が訪れたかのような暖かさで満ちていた。



マスター:もやし 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2011/12/28
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冒険結果:成功!
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