ステータス画面

廃墟に潜む野獣

<オープニング>

●血に餓えた野獣
『グルルルゥ』
 とある廃墟の一角に野営するジャグランツ達。
 唸るその様子は明らかに不平不満を募らせているようだった。
 突然その中の一体が武器を持ち立ち上がり、どこかに行こうとする。
『ガァッ!?』
「カッテにウゴくナ! オトナしくまっテろ!」
 が、暗闇からぬっと出てきた仮面を着けたジャグランツに咆哮と共に蹴り飛ばされた。
「もうスグダ」
 力強いその声は燻るジャグランツ達を抑えるのだった。

●闇に潜む敵を討て
「廃墟近くのスラムを、マスカレイド化したジャグランツに率いられたジャグランツの群れが襲撃するという事件の原因が判明しました」
 集まったエンドブレイカー達に太刀の魔法剣士・ユーリ(cn0054)は話を切り出した。
「どうやら、エアシューズの群竜士・ナギ(c02610)、爪のデモニスタ・クゥナ(c02298)らが予測していたように、ジャグランツに君臨する『王』が出現しているらしいのです」
 現在、多くのジャグランツがダンジョン化した廃墟の中で野営を行いつつ、王の号令を待っているようだ。
「おそらく、これまでのような小規模の攻撃では、効果が上がらないと考えて、より大規模な攻撃を仕掛けようという事なのでしょう」
 無論、このままジャグランツ側の準備が整うのを待つ必要はない。
 ハルバードの城塞騎士・アクス(c02064)やハルバードの城塞騎士・メイフェリア(c01621)の予測通り、今度はこちらからの反撃の時なのだから。
「廃墟のダンジョンには、多数のジャグランツの群れがおり、深入りすると危険になります。担当のジャグランツの群れを撃破したら、他のジャグランツが集まって来る前に、撤退して下さいね」
 下手に長居して失敗した場合、命の保証はできませんから。
 ユーリはサラッとそう付け加えると、古びた地図を広げる。
「皆さんが担当して頂く群れは、この場所にいる12体のジャグランツです。そしてその中の一体が群れのリーダーである、マスカレイドになります」
 ジャグランツとはジャガーの頭部に鳥の脚、恐竜の尻尾を備えた凶悪なバルバだ。
「リーダーのマスカレイドは、六本の腕が生えており見間違える事はないでしょうね。そしてそれぞれの腕に長く鋭い爪を持っています」
 その他のジャグランツは剣を持った個体と、ハンマーを持った個体がいるようだ。
 そしてジャグランツ達は戦いに飢えている状況なのか、戦闘が始まると死ぬまで撤退することはないらしい。
「野営するジャグランツを撃破する事で、敵の動きを遅らせる事ができるでしょう」
 ユーリはエンドブレイカー達の顔を見回す。
「危険な任務になりますが、これは守る為の戦いでもあるのです」
 よろしくお願いしますと、ユーリは頭を下げると、エンドブレイカー達を送り出すのだった。


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参加者
ハルバードの魔曲使い・プリス(c00625)
杖の星霊術士・ミスリット(c00716)
ハンマーの魔獣戦士・オレガ(c01708)
大剣の魔獣戦士・エドガー(c01811)
エアシューズのスカイランナー・アズ(c02247)
太刀の魔獣戦士・レイティシア(c02758)
爪の魔獣戦士・ヒスイ(c02936)
爪の群竜士・シンルー(c10380)

<リプレイ>

●廃墟への潜入
「ジャグランツが集まってるって。大変なことになる前にやっつけなきゃー」
 布で覆い、光量を押さえたランタンを片手に間延びした声でのんびりと廃墟を進むのは杖の星霊術士・ミスリット(c00716)だ。
「戦争を仕掛けようとは恐れ入るぜ、ココはなんとしてもこの部隊は殲滅して街には一歩も入れねえ」
 まだ敵の勢力が集まっていない今がチャンスだと、ハンマーの魔獣戦士・オレガ(c01708)は頷くように同意を返す。
「騒ぎは今更、ですが……マスカレイドを率いるのは、異常すぎます、ね……杭は出てるからこそ、討ちましょう、か」
 太刀の魔獣戦士・レイティシア(c02758)は酒場で聞いた王の話を気にしつつも、取り敢えず目前の敵の事に集中する。
「初依頼もジャグランツ退治だったけど……、今回もだからボクは何かご縁があるのかな〜」
 むむむ、と考えているながらも音を立てないようにそっと歩く爪の群竜士・シンルー(c10380)。
「まぁ、細かい事はあとにしましょう。どちらにせよマスカレイドのジャグランツは放って置けませんからね」
 体の大きいオレガのにしがみ付くように、ハルバードの魔曲使い・プリス(c00625)は明るそうに振舞うも、付け耳が心無し元気なさそうに垂れているのは気のせいなのだろうか。
「……怖くないですよ。廃墟とか怖くないですよ?」
 震えながらも必死に弁解するプリスであった。
「むぅ、ジャグランツが12匹……強そうな上にこっちより多いなんて!」
「攻撃の標的や後ろに下がるジャッジを誤れば死ねそうですねー」
 その様子を尻目にエアシューズのスカイランナー・アズ(c02247)の呟きに、サラっとそう返す爪の魔獣戦士・ヒスイ(c02936)。
 そんな中光源を持たずに周囲と目標群の動向に注意をしながらやや先行していた、大剣の魔獣戦士・エドガー(c01811)はハンドサインで一行を止める。
 どうやら、この曲がり角の先から光が漏れているようだ。
 パチパチという音と、光の揺らめき具合から焚き火を焚きながら野営しているのだろうか。
『グルルルゥ』
 さらに気配を消すとそっと角まで近付いていくと、複数の唸る声が聞こえてくる。
 この先で間違えない。
 エドガーはペンダントに一度だけ指で触れると後方に目配せする。
 エンドブレイカー達は頷くと武器を握り締め、角を曲がり一気に飛び出し、陣形を組み立てた。

●先手必勝
「当たると痛いー」
 戦闘を開始した瞬間、ミスリットは拡散術式を組み込んだマジックミサイルを放つ。
 着弾した二体の内の剣を持った個体へエドガーは、背面から大剣を抜き頭上で一回転させながら距離を詰めると、その勢いのまま力を込めて大荒々しく剣を振るい、強烈に薙ぎ払う。
『グガァ!?』
 相次ぐ攻撃に思わず二、三歩後退りしたジャグランツ。
 ハッと顔を上げ、最後に瞳に写ったのは高く飛び上がったアズが自身へ迫ってくる所だった。
 一体のジャグランツが斃れる横で、レイティシアは表情を引き締めると軽く飛び上がり、稲妻の闘気を篭めた太刀で兜割りを放つ。
 そこへ合わせるように前に出たオレガは力を溜めると、ハンマーを勢いよく振り下ろす。
 そのまま地面に叩きつけられたジャグランツは動かなくなる。
「わう、重ぉ……わぁっ!?」
 プリスも負けじとズルズルと引き摺っていたハルバードを持ち上げる!
 ……が、よろめきずっこけた。
 しかし、その拍子に投げられたハルバードは弧を描いてジャグランツの腕を引き裂いてゆく。
 傷付いたジャグランツを標的に捉えるとヒスイは魔獣化した腕で一撃を加えると共に傷口を切り裂いてゆく。
「九龍族秘伝の舞……見物代はキミ達の命だよー!」
 力強く舞うように繰り出されるシンルーの荒波がさらに一体を押し流し倒してゆく。
 まさかこれから狩りに出るはずだった自分達が狙われるなどとは少しも考えなかったのであろう。
 完全にジャグランツ達の意表を突いた形になったエンドブレイカー達が初手を握った。
 いきなり仲間を倒され浮き足立ちそうになるジャグランツ達だったが……、突如その後方の暗闇から飛んできた強烈な衝撃波がオレガの体を引き裂いてゆく。
『ナニヲしていル! さっサとシンにュウしゃヲコロせ!』
 声と共に現れたのは六本の腕を持ち顔に仮面をつけたボスのジャグランツマスカレイドだった。
「前は赤いジャグランツと戦ったけど……今度は六本腕か〜」
 シンルーは思わずまじまじと見てしまう。
 マスカレイドが一喝したことで、ジャグランツは踏み止まりそれぞれ咆哮を上げると武器を掲げ突っ込んでくる。
 どうやらここからが本当の戦いになりそうだ。

●エンドブレイカーと野獣
 向ってくるジャグランツ達にエンドブレイカー達は入口を背に半円の陣形で対応する。
「ええと、けんかじょーとー?」
 殺気立ち突撃してくるジャグランツを前にミスリットは何となく呟くと、結界陣で囲った剣のジャグランツにマジックミサイルを着弾させてゆく。
 それに合わせるようにエドガーが大振りの薙ぎ払いを放つと、二体のジャグランツの腹を裂く。
 だが、ジャグランツも負けてはいない。
 ハンマーを持ったジャグランツがエドガーの体を強かに打ちつける。
 さらに剣を持ったジャグランツが迫る。
「んっふっふ〜♪ こう見えても結構強いんだよ! 多分!」
 そこへアズが横槍を入れるように回転しながら突撃を繰り出す。
 追撃を加えるようにレイティシアが太刀を構え居合いを斬りを放つと、袈裟状に切り裂かれたジャグランツはそのまま仰向けに倒れさる。
「おらおらおらぁああ!!」
 剣に斬りつけられながらもオレガは咆哮を上げ、魔獣化させた腕で乱舞を繰り出す。
「葬送曲を奏でましょう。僕作曲! 夜想曲【ルーイン】!」
 プリスは廃墟の寂しさ侘びしさを表わした一曲をマスカレイド目掛けて奏でる。
 それに対し、マスカレイドは爪を鋭く振るうことで生み出した虚空の刃で攻撃し、プリスの体力を奪うと、またたくまに傷を癒してしまう。
 しかしその間にもヒスイの繰り出した魔獣の腕の殴打によってさらに一体のジャグランツが沈み、二体のジャグランツが激しい水流で押し流されてゆく。
 配下のジャグランツはこれで後6体だ。
 最初に先制した分、エンドブレイカー達が有利に戦闘を運んでいるが、それでも大分損害も出ている。
 未だ油断は許されなかった。

●力と力
 マスカレイドのにより統率が取れたジャグランツは果敢な攻撃を繰り出してくる。
 エンドブレイカー達も守勢に回りそうになるが……。
「だいじょーぶー?」
「わふっ、わふっ、わふーん♪」
 ミスリットが味方の足元に拡大させた癒しの魔方陣を発生させている横で、プリスが付け耳をパタパタとはしゃぎ回ってる……否、ハピネスダンスを踊っている。
 二人の回復により、気力と自由を取り戻した前衛陣が再び攻撃に転じた。
「我が身に宿すは狂獣の爪牙! 万象須く切り裂き、滅ぼせ!」
 左腕を黒い毛に覆われた魔獣の腕に変えるとエドガーは剣を持ったジャグランツへと襲い掛かる。
 さらに連続で放たれたアズのサマーソルトキックが、ジャグランツの顎を正確に捉えると、そのままの勢いで倒れてゆく。
 レイティシアは次の標的を素早く決め、間合いを計ると、飛び上がりつつ稲妻の闘気を篭めた太刀で斬り裂いてゆく。
 そこへ頭上で振り回しながらオレガが距離を詰めると、そのハンマーを一気に振り下ろす。
 グシャっという音と共にジャグランツが絶命する。
 ヒスイは倒れ去ったジャグランツを踏み越え次のジャグランツへ接近すると、魔獣化した腕で激しく舞うように全身を切り裂いてゆき、追撃するように刃状の衝撃波が斬り刻むと、ジャグランツは膝をつき倒れた。
 少しするとマスカレイド以外の全てのジャグランツが倒さていた。
『まっタく、ツカえナイヤツらダ』
 後方にいたマスカレイドは斃れたジャグランツを踏み付けながら此方に向ってくる。
 次の瞬間六本の爪が赤く染まったかと思うと、ヒスイは斬り飛ばされていた。
 ヒスイは素早く起き上がると魔獣の血を覚醒させる。
「我が身に宿りし魔獣の血潮よ、狂い巡れ! 其は恐れず退かず、全てを打ち砕く破壊の顕現!」
 エドガーも反射的に傷を癒す。
「てめえらの王ってのは何モンだ!? 何考えてやがる!?」
 オレガは咆哮を上げつつ魔獣化した腕を振るうが、マスカレイドから返ってくる言葉は無い。
 旋律や衝撃波、斬撃に火炎弾が次々マスカレイドに命中していくが、マスカレイドは構わず爪を振るう。
 それによって起きる衝撃波がエンドブレイカー達の生命力を奪ってゆく。
「行って来てー」
 間延びしたミスリットの掛け声に尻尾から次々と火炎弾を撃ち出し、マスカレイドを炎で包んでゆき、エドガーの一撃が脇腹を抉ってゆく。
『グァッ!?』
 さらに宙から飛び込んできたアズの頭突きを食らうと、赤く染まった爪が元に戻った。
 そこへ飛んできたプリスのハルバードが腕と体を斬り裂いてゆく。
 さらにはヒスイとシンルーの二重の衝撃波がマスカレイドの全身に傷を残す。
 マスカレイドは苦し紛れに反撃に転じようとするが、いつの間にか間合いに踏み込んだレイティシアが武器を弾きつつ、感電させる。
「気合で負けてられっか! マスカレイドなんぞに負けれるかよ!」
 咆哮と共に放たれたオレガの魔獣の腕がマスカレイドの胸を貫くと、仮面が割れ腕が力無く垂れる。
 腕を引き抜くと、そのままうつ伏せに倒れていった。

●死闘の末の勝利
「内容簡単なのに中身ハードでしたー」
 自身も大分ボロボロになってしまったが、何とかなったので、まぁよしとしましょうー。とヒスイが周りを確認する。
「みんな大丈夫〜動けない人は肩を貸すよ?」
 シンルーが声を掛けるが、皆何とか大丈夫だと、返事を返す。
「さて、早いところ撤収しましょう」
「疲れたねー早く帰ろー」
 レイティシアとミスリットが声を掛けると、プリスは全力で肯定する。
 本当は鎮魂歌の一つも奏でたい所だが、いち早くこの廃墟から出たいのだろうか。
 オレガが火の後始末を終えると、一行はその場から離れてゆく。

 今回は先手を取ることで、大きな被害を免れた。
 しかし、次には何が待っているのだろうか。
 エンドブレイカー達はそれぞれの思惑を孕み廃墟を後にするのだった。



マスター:黒岩薫 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2010/05/05
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冒険結果:成功!
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