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異形の刃、異形の目

<オープニング>

 水の流れる音。激しい鼓動。剣戟の響き。
 死にかけた同僚の呻き声……。
 懲罰騎士団員サッカスは、敵の異形の刃をふせぎながら、様々な音を聞いていた。
 鍔迫り合いをしている剣がぎりぎりとうなっている……。
「でやあああっ!!」
 同僚の一人、ウィンがハルバードを振り回しながら、突っこんでいった。
 サッカスが止める間もない。
 敵の放った大量の光弾を受け、ウィンは倒れた。
 そこは水路に隣接した通りである。
 水源が近く水が綺麗で、養殖場から逃げたらしい魚が泳いでいる川だ。
 夕刻、全ての影が一つになる頃、サッカスは三人の同僚とともにそこを歩いていた。
 最初に異常に気づいたのは、星霊術士クリスだった。
 四人を挟み撃ちにするように、通りに十人ほどの人影が現れ、問答無用で襲いかかって来たのだ。
 そのリーダーらしい巨漢の両腕から鋭い刃が生え、サッカスはその相手で精いっぱいになった。
 ウィンと、その弟のファンがクリスを守るようにして戦っていたが、太刀使いの手下達――こちらも三つ目の姿に変化した――によって、クリスが倒され、さらにファンが倒れた。
 その間のことをサッカスはほとんど覚えていない。
 数人の人影が倒れているので、何人かはウィン達が倒したのだろう。
 太刀使いがにやっと笑った。その目がぎらぎらと輝いている。
 三つ目の者達がサッカスを見つめた。
 サッカスは襲撃者達の目の輝きから目が離せなかった。



「今回助けるのは、懲罰騎士団の団員だ。しかも、こっちの終焉を見る能力を怪しまれないようにしないとならない。まあ、これはいつものことと言えば、いつものことだがな。相手が懲罰騎士団となると、犯罪課の捜査官としてもいろいろ気を使う」
 大剣の城塞騎士・ルド(cn0117)は苦笑いした。
「四人の懲罰騎士団員達が、マスカレイドに襲われるようだ。マスカレイド側は俺の見たところで十人。騎士達も数人を倒すようだが、さすがに多勢に無勢だ。……それに、彼らがマスカレイドを倒してしまうのも問題だからな」
 マスカレイドはエンドブレイカーが倒さない限り、再生してしまう。
「マスカレイドの襲撃は片側に水路がある通りで、事が起きるのは夕方も遅くだ。マスカレイドはリーダー格が刃の手を持つ巨漢のようで、残りの九人は三つ目の異形だ。そこから光の弾丸を撃って来る。で、連中は騎士達を挟み撃ちにして来るらしい」
 一方、騎士団のほうは剣の使い手であるサッカス、ハルバードを使うウィンとファン、そして星霊術士のクリスの四名。
 サッカスがリーダー格と一対一の状態になり、その間に、ウィンとファンがクリスの援護を受けながら、三つ目のマスカレイドを四人まで倒すようである。しかし、騎士の三人も倒され、最後にサッカスが集中攻撃を受けて倒れるという流れだ。
「救援に入るにしても、襲撃前にこっちの事をマスカレイドに気づかれないようにしないとな。連中が襲撃の場所を変えると、こっちも対応するのが難しい。それに、懲罰騎士団は腕利きだが……、彼らにマスカレイドを倒させてしまっても困る。つまり、懲罰騎士団員がマスカレイドを倒さないように注意して、その上、こっちのエンドブレイカーの力を怪しまれないようにしなければならないわけだ」
 無茶な話ですまん、とルドは言った。
「とにかく、何より重要なのは懲罰騎士団の連中が助かることだがな。よろしく頼んだぜ」


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参加者
辻斬り・ティエン(c00416)
刀押収刑事・ルーン(c01799)
赤き瞳の黒龍・エクシエク(c03124)
死神紳士・ユイ(c15844)
晴れの日も雨の日も・クロッカス(c18719)
虚影終刃・レヴィン(c19560)
スプリットムーン・エレナ(c20412)
ガンソード・ジーク(c22003)
剣の城塞騎士・セルジュ(c25038)
フルムスアーラ・ユウ(c27076)

<リプレイ>

●夕刻の襲撃
 天井が赤く染まり始め、通りに面した水路の水面が輝き始める。
 フルムスアーラ・ユウ(c27076)は穏やかな光景に目を細めた。水の流れる音が聞こえるだけの平和な時間である。
 これから、ここが戦場になるとはとても思えなかった。
 ユウが身を潜めているのは、倉庫の間の路地である。あらかじめ虚影終刃・レヴィン(c19560)が調査して確保した場所であり、通りで戦闘が起こればすぐに駆け付けられる場所だ。
 路地の入り口から辻斬り・ティエン(c00416)が、通りの向こうを見つめている。ぱっと見ても判らないが、ガンソード・ジーク(c22003)が確保した資材置き場の隙間には、他の仲間達が隠れていた。
「しかし、歯がゆいものですね」
 刀押収刑事・ルーン(c01799)が呟く。
「マスカレイドと本当の意味で戦えるのは、私達だけですが、それを理解してもらうのは、難しいですからね」
 死神紳士・ユイ(c15844)が苦笑した。
 彼らは懲罰騎士を襲撃しようとするマスカレイドを待ち構えていた。騎士達と連携出来れば、もっと簡単に済む仕事なのだが、エンドブレイカーの能力が知られていない以上、そうもいかない。
 と、ティエンが口を開いた。
「騎士達が来たぜ」
 四人の懲罰騎士が通りをやって来る。
 彼らが襲撃を受けたら、まずジーク達が先行し、さらにユウ達が後続として出る手はずだ。
 ちょうどその時、その先行班では、待機する資材置き場の前を騎士達が通り過ぎていくところだった。
「懲罰騎士団……、あまり好かない連中だねぇ」
 顔をしかめるスプリットムーン・エレナ(c20412)に、赤き瞳の黒龍・エクシエク(c03124)は通りの方を見やった。
「自分はそうでもないけど、能力を隠しながら戦うと言うのも面倒かな。でも……」
「むざむざ殺されるのを見過ごす訳にゃいかねぇな」
 騎士達がちょうど、資材置き場と路地の中間辺りに達する。
「始まった!」
 長い髪を帽子で隠し、通りに出て偵察をしていた、晴れの日も雨の日も・クロッカス(c18719)が声を上げた。
 倉庫の屋根から飛び降りるようにして、十人ほどの人影が騎士達を取り囲む。遠目に、巨漢の襲撃者の腕がギラリと輝くのが見えた。
「……行くか」
 ジークが資材置き場を出る。
 剣の城塞騎士・セルジュ(c25038)も剣を顔の前に掲げ、今は亡き、剣の本来の持ち主に祈りを捧げ、その後に続いた。
 すでに走り出していたクロッカスも帽子を放り投げる。
「何をしている!」
 ジークが叫んだ。
 マスカレイドとしての正体を顕わにした襲撃者達が振り返る。ひどく嫌悪感が湧く三眼が見えた。
「犯罪課の者です、近くの部隊に救援要請を出します!」
 間髪を入れず、クロッカスが言い、胸に下げていた笛を吹き鳴らす。マスカレイドに反応されるのに先んじると言うより、懲罰騎士達に不審に思う余裕を与えないためだ。エクシエクも笛を響かせた。
 当然、その音は路地に待機する後続班に届く。
「さぁて、仕事仕事」
 ティエンが暗い笑みを浮かべて煙草に火を着けた。
 煙草の煙を引きながら路地を飛び出していく。
 ユウも続きながら野太刀を抜いた。
 理不尽な結末を断ち切ることに、何の躊躇いもない。

●眼光
「とりゃー! まとめて倒れろー!」
 エクシエクがドンっと地面を踏み込んだ。三眼マスカレイドが二人、震動にはね飛ばされる。その片割れの首筋をエレナの太刀がはね斬った。
 マスカレイド達は騎士四人を五人ずつで挟み込んでいる。リーダーらしい巨漢が剣の騎士を抑え込み、他の騎士を配下の三眼どもが攻撃する形だ。
 先行班は、騎士の後ろを突いた三眼達に、さらに後ろから襲いかかった。
 クロッカスがライフベリーを取り出す。
「傷の深い人……人……、ええいもう自己申告して!」
 騎士達は三眼が放つ光弾の雨によってすでに重傷である。二人のハルバード使いに守られた形の痩せた男が、ひょろりと手を上げ、クロッカスはそちらにライブベリーを投げた。直後に、三眼達の光弾が騎士に降り注いだが、ライフベリーのおかげで何とか耐えている。
 無論、マスカレイド達は一行のことも無視しなかった。
 巨漢のリーダーのそばに控える三眼が、額の目から一行にも光弾をばら撒いて来る。
 セルジュが前に出て、盾を構えた。次々と光弾が命中するが、セルジュは気にもしない。
「誰も死なせはしない」
 盾から閃光が走り、光の壁が騎士達を包んだ。
 ジークが無造作に右手を掲げ、紫色の炎で三眼に反撃する。
 同時に、後続班がマスカレイドの陣の背後にたどり着いた。
 ティエンが召喚した恐竜のスピリットが、路地と戦場の間を跳び越え、三眼の上に着地する。
「大変そうだな、恨みでも買ったかい?」
 踏み潰した三眼を気にすることもなく、スピリットの上からティエンが騎士に声をかけた。
 三眼の注意がティエンに集中し、エクシエクはその隙を見逃さない。光輝く蹴りで、空中に飛ばされた三眼の一体が爆散した。
 さらに、驚愕に三つの目を見開くマスカレイドの視界に薔薇の花弁が舞う。
「お見事です。これは負けられませんね」
 ユイの刃が、薔薇に目を奪われた三眼を刺し貫いた。
 苦痛に顔を歪めながら、刃を逃れた三眼が見たのは、左手で紋様を描くユウの姿である。ユウの身体を電光が走り、髪が白く染まった。野太刀の切っ先に電光が集中し、三眼を電撃で焼いていく。
 ギンっと巨漢のマスカレイドの刃が鳴った。
 打ち払われた剣の騎士が、間合いを取る。
 マスカレイドは無言でにたりと笑うと、騎士を無視してティエンの方を振り向いた。その前腕から直角に刃が生えている。どこかトンファーを持っているようにも見えた。
 マスカレイドはいきなりしゃがみこむと、低い姿勢から身体を回転させ、肘打ちのようにティエンに突きを放って来る。
 肩口を斬られながらも、ティエンも太刀を抜き合わせた。
「こっちは俺が相手をする」
「では、あまり待たせないようにしましょう……」
 ティエンに答えたルーンの目が鋭くなり、口調も厳しくなる。
「雑魚はとっとと片付けさせてもらう!」
 ルーンが放った矢は吸い込まれるように三眼の胸を撃ち抜き、三眼は膝から砕けるように倒れ伏した。
 三眼と戦っていた騎士達も体勢を立て直し、ハルバードを振るう。
「あんたらは下がってな!」
 三眼達の間を駆け抜けながら、回転斬りで攻撃するエレナが怒鳴った。
「何だとう!」
 一人が怒鳴り返してくるが、
「いや、ここは甘えとこうぜ……」
 もう一人がそれを押しとどめる。代わりに、星霊術士らしき騎士がスピカを召喚し、セルジュの負傷を癒してくれた。
「そのまま援護に徹してくれるとありがたいな」
 レヴィンの声に星霊術士の騎士が頷く。
 事実、エンドブレイカーではない騎士達には、マスカレイドを倒してもらっても困るのだ。レヴィンは騎士に頷き返すと、歩法を変えた。
 高速の動きにレヴィンの姿が数人に増え、三眼の一体を同時に斬りつける。
「……確かに俺達の出番はねえかも」
 ハルバードの使い手が呟いた。
 しかし三眼もしぶとく、額の目をぎらりと輝かせ、光弾を放つ構えを見せる。
「ばら撒き力では負けるけど阻害力は負けないよ! 撃ち抜く!」
 クロッカスの手元から巨大な鳳仙花が開き、三眼の弾幕を正面から抑える様に、種子の弾幕が展開された。三眼の光弾と正面からの撃ち合いになる。
(「……まだ、予断は許しませんね」)
 光の結界で仲間を守りながら、セルジュは敵戦力を分析した。
 マスカレイド側の兵士である三眼は、仲間が一体ずつ仕留めていっている。クロッカスやジークの攻撃により、光弾を広範囲にばら撒かれるのも防いだ。だが、今も攻撃を続けている三眼達は、巧みに移動しながら連携をとり、光弾を連射してくる。その威力は決して侮れない。
 すでに、前衛に立つ仲間全員が少なくない負傷をしている。
 ジークの銃撃によりまた一体三眼が倒れるが、敵のリーダーがまだ無事と言うのも危険だった。どうやら敵リーダーはティエンを目標に定めたらしい。ティエンは余裕の笑みを浮かべてリーダーの両刃をさばいているが、いつ均衡が崩れてもおかしくはなかった。

●凶刃
 ティエンがボスと対峙しながらも、三眼を一体斬り倒した。
 だが、その身体は傷だらけで、クロッカスがライフベリーを次々に投げるが、回復が追いついていない。
 そして、再びマスカレイドの両刃がティエンを捉えた。
 奇妙な二刀流でティエンの剣技を潜り抜け、横腹を切り裂いて来る。
「ハッ、良いねぇ……仕事のし甲斐が出てきたじゃねぇか!」
 激痛の中で、ティエンが笑う。
「ここは私が……」
「いいから、アンタは下がっとけよ。助けに来といて死なれると後味悪いぜ」
 前に出ようとする騎士に言い返してティエンはマスカレイドに向き直った。
 エクシエクにより通りを震動波が走り、ユイの薔薇が舞っている。ユウの電撃に空気が焼かれて、生臭い匂いが漂った。
 一行は三眼達を少しずつ倒し、マスカレイドの数は減っている。しかし、一行の負傷も重く、ルーンやクロッカスが治療にまわり、セルジュは光の結界を張り続けているため、攻撃の手数も減りつつあった。
 ルーンが癒しの風を呼び、星霊術士の騎士がスピカを召喚してティエンの負傷を治療する。
(「……向こうもあまり余裕はないようですね」)
 ルーンは騎士のスピカがもう続かないのを見てとった。ルーン自身、癒しの風を呼べるのは後一回が限界だろう。
「邪魔だってんだ!」
 エレナが、マスカレイドのリーダーとの間にいる三眼を、逆袈裟切りに斬り捨てる。
 三眼の数は三分の一になった。
 だが、三眼達は無表情に光弾を放ち続ける。
「意思がないのか? ……あれの命令のためだけとも思えないが」
 レヴィンは凶刃を振るい続けるマスカレイドに目を走らせた。
「……!」
 直後、三眼の光弾が雨のように降り注ぐ。
 再びセルジュが光の結界を広げ、ジークの弾幕が三眼の光弾を押し戻したが……、セルジュにももう結界を張る余力がない。
 ティエンが凶暴な笑みを浮かべて、太刀を振るう。地を蹴り、電光をまとわせた一刀を切り上げて三眼を両断したが……、舞った血飛沫は、敵のものだけではない。
「もらったぞ」
 初めてマスカレイドが声を出した。低い、地の底でうなるような声だった。
 身を翻したマスカレイドの刃が、ティエンの身体を貫く。
 ティエンの膝が崩れる……、
「ハ、ハハッ……楽しませてくれるぜ」
 が、咥え煙草を噛みしめ、ティエンは踏みとどまった。

●刃を砕く
 エクシエクの踏み込みによって地面が崩れ、三眼の身体が割れ目に飲まれていった。レヴィンとジークによって、他の三眼も始末されている。
 クロッカスのライフベリーと、ルーンの最後の癒しの風がティエンに力を呼び戻した。
 マスカレイドがぎょっとした顔で後ずさる。
 ティエンの一刀はマスカレイドに受け流された。だが、今や邪魔な三眼はいない。
「さて、いろいろやってくれましたが、決着をつけましょうか?」
 ユイの姿が三人に別れ、一人が刃のマスカレイドを抑え込み、二人が太刀と炎の魔術を叩き込んだ。
「大人しく倒れろ、マスカ……じゃない、怪物ーっ!」
 爆炎を受けたマスカレイドに、クロッカスの鳳仙花が炸裂し、
「調子に乗れる時間は終わりだぜ」
 エレナの光輝く突きが頭を直撃した。
「もうキミに攻撃させる気はないよ」
 ユウが振り上げた野太刀を頭上でくるりと一振りし、正眼の構えをとる。その瞳が紅に染まった。電光をまとわせた刃を、弓を引き絞るように右下段に下げ、放たれた矢のようにマスカレイドとの間合いを詰める。
 地を蹴り、すれ違うように一撃を打ち込むと、マスカレイドの身体が感電で震えた。
「うおおっ!!」
 マスカレイドが異形の刃を振り回し、身体の痺れをはね飛ばす。
 だが、それは隙である。絶対的な隙だ。
 ルーンの矢と、レヴィンの電光がマスカレイドの身体を撃つ。セルジュが打ち込み、ジークの黒炎が致命的な威力を見せた。
「……これに耐えるか」
 だが、マスカレイドは狂笑を浮かべたまま、両腕を振り上げる。
「なら……、これでトドメー! くらえ! 必殺キィィィック!!」
 閃光を宿したエクシエクの蹴りが、マスカレイドを貫き、こめられた『竜』がその身体を爆裂四散させた。
 通りに静寂が戻り、ユウがほっと息をつく。その髪が元の色に戻った。
 エレナが仲間達を見回す。
「さて、これでとりあえず一段落か。ま、どうあれ余計な死人は出さないに限るしな」
「手ひどくやられたけどな」
 答えるレヴィンは三眼の光弾で火傷だらけで、仲間達は皆、限界が近かった。後衛にいた者も治癒の技の使いすぎでフラフラである。
 しかし、最後の後始末が残っている。懲罰騎士へのフォローだ。
 クロッカスがマスカレイドの異形の死体を見つめ、
「懲罰騎士団の人に聞いていた通り、見たこともない怪物……。あ、大丈夫ですか?」
 近づいて来た騎士達を振り返った。
「スピカをありがとう」
 エクシエクが星霊術士に礼を言うと、
「いや、こっちも命を救われたようだな。ありがとう」
 騎士達も礼を言い、それぞれに名を名乗る。クロッカスが手当てを申し出ると、星霊術士のクリスが、
「そちらのお仲間の手当てをどうぞ」
 と柔らかな笑顔を見せた。
 クロッカスが仲間と手当てをする間、ジークとルーンはマスカレイドの死体の調査を行った。これも騎士達に怪しまれないためである。ルーンはマスカレイドの刃を回収しようとしたのだが、残念ながらマスカレイドの身体は爆発しており、その上、腕の組織が硬質化した刃は取り外せそうになかった。
「それで、君達は何故ここに? いや、助けられたのは事実なんだが、一応な」
 剣の使い手のサッカスが訊いて来る。
「私達は『人に化ける怪物』の調査中です。不審者の目撃情報があり、ここに来たところ、あなた方の苦境に出くわしましてね」
 ユイが答え、二手に別れていたのもそのためと言うと、騎士達は納得したようだった。
 ティエンが捜査課への報告があると言うと、彼らは質問を打ち切って立ち去って行った。
「最近こういう襲撃事件が多発していますね。マスカレイドはどういう目的があるのでしょうか?」
 騎士を見送り、セルジュが呟く。
 しかし、手掛かりになる様なものは何もなかった。その上、仲間達の負傷も厳しい。
「とりあえず帰るかねぇ」
 エレナが言い、仲間達も頷く。
 仕事は無事に終わったのだ。
 天井が闇に染まる前、一行もその場を離れた。



マスター:灰色表紙 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2012/02/20
  • 得票数:
  • カッコいい10 
冒険結果:成功!
  • 生死不明:
  • なし
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