レイメイの誕生日〜宝石市へと出かけよう!〜



<オープニング>


「久々に宝石市を覗きに行こうと思うのなぁ〜ん」
 酒場に訪れた幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)は、その場にいた冒険者たちへと声をかけた。
「前にクローバーを模した宝石で飾られた儀礼用の剣を買った市が開かれるって聞いたのなぁ〜ん。装飾から武具まで、宝石の付いたものがいろいろ売り出されるらしいから、ただ覗きに行くだけでも楽しいかなって思うのなぁ〜ん。港の傍で行うらしいから、夕方は水平線に沈む夕日を眺めるのも風情があっていいらしいなぁんよ?」
 そう説明してから、皆を見回す。
「一緒にどうかなぁん?」


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参加者
NPC:幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)



<リプレイ>

●宝石市へと出かけよう!
「ここが宝石市ですのね……何だかワクワクしてきちゃいました♪」
 港町へと辿り着き、宝石市の開かれている広場へと来た蒼き水の煌き・ミオナ(a38150)は、日光を受けて煌びやかに輝く宝石の数々に、感嘆の声を上げた。
「お誕生日、おめでとうございますわ」
 まずはご挨拶を、とミオナは幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)へと声をかける。
「ミオナさん、ありがとうなのなぁ〜ん」
 レイメイの嬉しそうな笑顔を見てから、早速目当てのものを探そうとミオナは市場の中へと足を踏み出す。
 一緒に来た冒険者たち、それに他所から来ている一般の人たちも2人1組で行動する者が多く、ミオナは彼らの姿を見て羨ましく思う。
「これも綺麗、あ、あれも素敵……」
 けれど、宝石を見て回っているうちに宝石が大好きな彼女は羨ましく思う気持ちも忘れ、素敵な1品を探して、市場の中をさまよい歩いた。
(「贈り物を探すために出かけるのは、実は初めてなんだよなぁ」)
 紅灯の光と成る太陽・ジェイド(a46256)は己の行動を思い出し、そう思う。大切な日を忘れることが多く、そのための贈り物をするという習慣がなかったのだ。
 けれど今回ばかりはそうとは違う。言葉だけで伝わる思いもあるけれど、それだけではなく素敵な贈り物を添えたいのだ。
「レイメイさん、お誕生日おめでとうございます。素敵な1年になりますように」
 そう言って蒼き激流の舞闘士・ニルギン(a55447)は手作りのケーキを入れた小さな箱を差し出した。
「ニルギンさん、ありがとうなのなぁ〜ん。……とても美味しそうなぁんね」
 中のケーキを確認して、レイメイはとびきりの笑顔を向ける。
「一緒に見て回りましょう」
 ニルギンの差し出す手にレイメイは己の手を重ね、市場の喧騒の中へと足を踏み出す。
「僕は杖が欲しくてねェ、名前と一緒の『ピジョン・ブラッド』のルビーを使った品があれば良いんだけど。見つかるかなァ?」
 針の痕・ピジョン(a45211)は楽しみにしていた宝石市に辿り着くなり、早速見て回り始めた。
「我は近々友人と仮面舞踏会へ行くんでな。その準備よ!」
 共に連れ立って来た青色・ネロ(a41458)はその仮面を探すのだと息巻いている。
 ピジョンが手に取ったのはルビーが先端にあしらわれた金属杖であった。扱っている店自体が骨董品を集めているため、その杖の柄もやや錆びている。
 それを見つけたネロは「ぷぷっ」とからかうように笑って、口を開いた。
「お主の杖錆びてんぞ、また変なのつかまされたんじゃないのか〜?」
「僕が気に入ったんだからほっといてくれヨ」
 骨董品だということは分かった上で買ったのだ。買った本人であるピジョンが気に入っているのだからと、次はネロの仮面を探しに歩き始める。
 ネロが見つけて手に取ったのは青い宝石で飾られた仮面。
「ふゥん、ネロ君にしては趣味の良いもの選んだじゃないか」
 先の反撃と言わんばかりにピジョンがそう口にする。
「バカ言え、我輩のセンスはいつもランドアース一よ!」
 ネロはそう返してその仮面を買い求めると、早速つけて見せた。
「レイメイさん、お誕生日おめでとうございます」
「レイメイ、誕生日おめでとう」
 丘紫の歌姫・セラ(a60002)と瑠璃の音色・アイギール(a65468)が揃ってレイメイの元へ祝いの言葉をかけにやって来る。
「日頃のお礼に、わたくしたちから贈り物を差し上げたいのですけれど……」
 そう告げたセラたちと共にレイメイは、市を見て回り始める。
 まだ自分の納得のいく1品を見つけていないレイメイは、彼女らと回る間も探し続けていて、そちらに集中している間に、セラとアイギールはこっそりと贈り物を買い求めた。
「今年も幸せな一年でありますように」
 一通り見て回った後、先ほど買い求めた贈り物――エメラルドで四葉のクローバーを象った耳飾り――をセラたちはレイメイへと差し出す。
「わぁ、素敵なのなぁ〜ん」
 受け取ったレイメイは早速、耳に着けてみて「どうかなぁん?」と首を傾げる。
「レイメイにぴったりだ」
 アイギールは微笑んで、そう返した。
 レイメイと別れた後、アイギールはセラを人通りが少ないところへと促した。
「セラ、これを」
「え?」
 彼女へと差し出したのはこれまたこっそりと買い求めていた1対の指輪。
「遅くなってしまったが、受け取って欲しい」
 指輪には誓いの言葉が刻まれている。
「セラ、ずっと一緒にいてくれ」
 アイギールの顔を手元の指輪を交互に見て、セラはただ驚くばかりであったけれど、すぐにはにかみながら、左手を差し出した。
「……つけて、いただけまして?」
「もちろん」
 差し出された左手の薬指へとアイギールは片一方の指輪を嵌めた。
「2年ぶりの宝石市、本当に久しぶりですわ」
 紅色の剣術士・アムール(a47706)は市場に足を踏み入れながらそう口にする。
「今回も結構いいものがあるといいですわ」
 翠色の魔術師・ウェンデル(a47704)も楽しみと言わんばかりの笑みを向け、アムールの傍を歩く。
 原石に装飾品、儀礼用の武具など様々な店を巡った後、2人は1軒の店の前で足を止める。そこは珍しくも鎧や服などの防具に宝石をあしらっているものを集めた店だ。
「こんな宝石が施された防具、初めて見ますわね」
「うふふふっ。宝石をあしらった洋服、初めて見ますわ」
 アムールもウェンデルも初めて目にするその防具の数々に目を輝かせた。
 それぞれ思い思いのものを手に取って、店の奥へと用意された試着室で試しに着てみる。アムールは革製の鎧を、ウェンデルは術士向けに作られた服を気に入る。
 それぞれが着やすいように直しを入れてもらってから、受け取った。
(「宝石の市ですか。珍しいものがあるかもしれませんし、無くとも宝石は見てて楽しいですから、面白そうです」)
 好奇心の徒・コーマ(a74434)はそんなことを思いながら独り、市場の喧騒の中へと足を向ける。
 まず探すのは本日の主役でもあるレイメイへの贈り物。
 彼女の外見から若草をイメージするような装飾品か、動物をモチーフにした小物やアクセサリーが喜ばれるだろうか、とそう言ったものを探し歩く。淡い、若草色にも近い緑色の宝石で象られたノソリン型の小物入れを見つけると、それを贈り物にしようと買い求める。
 次に探すのは個人的な買い物で、地方の伝承や言い伝え、伝統工芸などをモチーフにしたものだ。これはというものを探し当てては、その装飾品に謂れなどがあるのかどうか訊ねながら、コーマは探し歩いた。

 冒険者たちが各々の求めるものを探して歩いているうちに、大分日も暮れてきた。
 港に面する広場は、夕日に照らされ昼とは違った顔を見せる海面からの光の反射も受けて、宝石たちが違った表情を見せている。
「ん……?」
 これといったものが見つからずずっとうろうろさまよい歩いていたジェイドはその違った表情を見せる宝石を見つけ、立ち止まる。
「指輪、かぁ……」
 それは1粒のダイヤモンドが埋め込まれた、シンプルな指輪。昼間見たときは何も感じなかったというのに、夕日に照らし出されると何故だか惹かれるものがある。
 贈り物としては定番なものだけど、贈ろうと思う女性を思うと、喜ぶ姿が浮かんでくる。
(「そっと指輪を通して、結婚を申し込んだら、どんな表情をするんだろう」)
 そんなことも思い浮かんできて、真剣に考えている自分が滑稽に思えてきた。
 けれど、悪くはないだろう。
 ジェイドはその指輪を買い求め、可愛らしく包装してもらった。

 誘った冒険者たち皆がそれぞれ思い思いのものを買い求めていく様子を見たレイメイは、手の中にある小さな包みも見て、満足そうに頷き、広場を後にしようとする。
「一緒に帰りましょう?」
 ニルギンがそう言って、彼女の傍を歩き始めたかと思うと、小さな箱を取り出した。朝貰ったケーキの箱よりそれは小さく、開ければ同じ指輪が2つ、その身を寄せ合うように並んでいる。
「プレゼントです」
「素敵なぁんね……本当に貰ってもいいのかなぁん?」
 ケーキも貰っているのに、と気後れするレイメイの手を取って、ニルギンは片方の指輪をその指へと嵌めた。それを見て、レイメイは頬を赤らめながらも「ありがとう」と小さく呟く。
「こういうお買いものって、楽しいですね。でも、貴女と一緒だともっと楽しいです」
 肩を寄せ合いながら、ニルギンはぽつと呟く。
 レイメイも同じ思いだと、小さく頷いて、2人は夕暮れの港町を背に、ゆっくりと歩き出すのであった。


 終。


マスター:暁ゆか 紹介ページ
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作成日:2009/05/18
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