<オープニング>
宇宙。それは、人類最後のフロンティア……。
宇宙に進出した人類は、その限りなき叡智によって、かつてない繁栄の時代を創り出した。
だがそんな輝かしい時代の陰に、宇宙の全ての悪徳を束ねる悪の帝国があった。
その名は『犯罪帝国ワルモーン』!!
犯罪皇帝・スペースヴルルガーン率いる犯罪帝国ワルモーンによって造り出されたスペース怪人軍団は、宇宙の全てに破壊と恐怖と笑いとを振りまいていたのだ。
スペース怪人の前には、あらゆる通常兵器は無効!! このまま宇宙は滅びてしまうのか……。
だが彼らに対抗する手段は残されていた。あらゆる次元世界より集められたエキスパート達。
その名は『スペース冒険者』!!
彼らは、犯罪帝国から人々を守る銀河捜査官となり、宇宙の平和を護っているのである。
そして今また、深宇宙より犯罪帝国の魔の手が迫り来る……!!
●ワルモーンサイド
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「くっ、くっ、くっ……るらるん、わっるーい事考えちゃった♪」
彼女は魔法の天使・スペースルラルン。可愛い顔して善人そうに見せているが、こう見えてもれっきとした犯罪帝国ワルモーン四大幹部の一人である。 |
今、スペースルラルンは今をときめくスペース遊園地に来ていた。
「このプリンをおっきくさせて、ゆうえんちを壊しちゃえ♪」
きらーんとスペースルラルンの瞳が怪しいオーラをもわんもわん出している。
「カレーは覚めてもしょっぱいにゃあ♪」
ぴろぴろぴん♪
スペースルラルンはプリンを巨大化させる魔法を使ったっ!!
ぼむぼむぼむんちょ♪
しかし、プリンは大きくなっていない。いや……二つに増殖している。
「あれ? あれ?」
二つだけでなく、四つ八つ………どんどん増えていくぞっ!!
「きゃああああっ!!!」
スペースルラルンはいつの間にか、プリンの餌食……いや、増殖するプリンの中に埋もれてしまって、何処に居るのかさえもわからない。ちなみにスペースルラルンの側に居たスペース怪人達も飲み込まれている。
『ちっ、またルラルンの魔法が失敗しやがったか』
肩に乗っていたはずの相棒のうーちゃんはニヒルにそう呟いた。
……少々なさけないが、この調子だと、スペースルラルンの目的が無事に果たされそうだ。
●銀河連邦サイド
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「今日は非番なんですぅ♪ スペース遊園地でエンジョイするのですぅ♪」
今日もまた銀河連邦見習い捜査官・スペースプルミエールは、元気一杯だ。
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「ん? 美味しい香りがするですぅ?」
ふと、辺りを見渡すと……。
「あーれー♪」
「もにょにょへ〜♪」
増殖するプリンに飲み込まれるハナコさん(御年45歳)と、スパイシーギャル(恐らく17歳)らの姿がっ!!
「こ、このままで危険ですぅ!!」
スペースプルミエールは、手に持っていたノソリン型通信機で、近所にいるスペース冒険者達を呼んだのであった。
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