インフィニティゲートの探索の結果、冒険者達は広大な地底空洞に到達した。
 地の果てに待ち構えるは、数多の武器を携え、ドラゴンさえも屠るという巨大な女神像型ギア。
 光り輝く方円に刻まれしその名は『エンプレスマインド』。
 竜殺しの女神は、禁域を犯した同盟諸国を敵対者と認め、殺戮機動を開始する……。

 この危機に対して、緊急に集められた冒険者達の迎撃が行われた。
 彼らは、凶悪なまでの破壊力を持つ拡散女神砲の前に、幾人もの仲間を失いながら半日に及ぶ戦闘を戦い抜いたのだ。
 そして、延べ1万人以上の冒険者による11回に渡る攻撃は、少しずつ着実にエンプレスマインドの力を削いでいった。

 そして、最後の一撃が下される。
「ナイチチ、ライアット、援護頼むぜ!」
 LH分隊に所属する、借金まみれなヒトの紋章術士・ガンガルス(a09429)は、術手袋『カッパーグラブ』に紋章の力を宿して殴りつける。
 このエンブレムブローの一撃が、女神に与えた最後の打撃となった。
 幾多のダメージが蓄積された女神の仮面は音を立てて砕け、その動きを停止させたのだ。

 湧き上がる歓喜。だが、それはすぐに驚愕の叫びとなる。

 女神頭部コアが破壊されると同時に、方円の列柱が崩れ、遺跡中央の光り輝く方円が光の渦とともに大地へと吸い込まれ始めたのだ。
 この異常現象に逃げ出そうとする冒険者達を止めたのは、チーム朧月の閃耀せし霜剣・レスタス(a20292)である。
「慌てるな。動いているのは法円の構成要素のみ。他の場所にも俺たちにも影響は無い」
 これは、慎重に撤退の時期をはかっていたレスタスならではの指示であったろう。

 このレスタスの言葉に踏みとどまった冒険者達は、明滅し大地へと流れ込む光の螺旋に目を奪われた。
 その幻想的な美しさは、それを見た全ての冒険者の魂を揺り動かすのに充分なものであったのだ。

「まるで、魂ごともってかれるようだ」
 レクタスは、その光景と湧き出でる感情をそう表現する。
 しかし、それは誇張では無かった。
 幾人もの冒険者達が、明滅する光の螺旋の中に渦巻く異空の回廊を見たのだから。
 それは、目の前の実際の光景とは少し違っていた。
 心の……魂の内側から湧き出でてくるような光景。

「これは……魂の……回廊……」

 冒険者の一人が口を開く。否、全ての冒険者の心の……魂の内側から、その言葉は響いたのだ。

 『魂の回廊』という、謎の言葉が……。

 しばらくしてその光の螺旋は姿を失い、破壊されたエンプレスマインドと、冷たい遺跡の壁とだけが残される。

 光の螺旋は消え、魂の回廊の幻も消えた。
 だが、冒険者達の魂の奥底には消えない灯火のように、その姿が焼きついたのだった。

 『魂の回廊』。
 その意味は判らない。だが、その言葉には強い力が宿っているのは確かのようだった。
 もしかしたら、この言葉こそ、エンプレスマインドが護ってきた秘密なのかもしれない。

 冒険者達は不思議な充足感と、そして『力ある言葉の謎』と共に遺跡を後にしたのだった。

 それはフォーナ感謝祭の7日前の出来事だった。


  
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■結果発表

対エンプレスマインド戦
全11ターン 結果発表!
●2005年12月17日(土)
【第1ターン】
9:00〜 9:15
【第2ターン】
10:00〜10:15
【第3ターン】
11:00〜11:15
【第4ターン】
12:00〜12:15
【第5ターン】
13:00〜13:15
【第6ターン】
14:00〜14:15
【第7ターン】
15:00〜15:15
【第8ターン】
16:00〜16:15
【第9ターン】
17:00〜17:15
【第10ターン】
18:00〜18:15
【第11ターン】
19:00〜19:15


大作戦の概要