●残念!

「焼きます♪ 妬きます♪ 嫉妬と書いて〔かんどう〕と読むのですよ〜♪」
 どうやら先ほどの歌声はこの歌だったらしい。
 歌っているのはセイレーンの少女で七輪の上で黒い何かを焼いている。
「餅は見る影も……ハッ」
 セイレーンの少女が貴方に気付く。この光景に貴方の体に悪寒が走る。
「みぃ〜まぁ〜しぃ〜たぁ〜ねぇ〜?」
 貴方は必死に弁解するも、少女は箸にいかにも体に悪そうな真っ黒な塊を取り、近付いてくる。
「食べてもらいますからね〜♪」
 少女の一言がスタートの合図、貴方は全力で逃げ出した。後ろから迫り来る嫉妬の塊から必死に逃げ……気が付けば、スタート地点に来ていたのは言うまでも無い。