●試練

 あなたの勇気で、正解の道を選ぶ事ができた。
 どんな冒険が待っていようとも、どんどん先に進むぞっ!!


「や、良く来たね……あれ、去年も会ったっけ?」
 君の登場に気づいてクリスは軽く手を挙げた後、首を傾げる。彼女の背後には吊り橋が何本も架かっており、同時に幾つもの落ちた吊り橋の残骸も見られた。
「後ろの吊り橋、沢山あるけど幾つかは本当に危なくてね。去年はアレが落ちたし」
 言われてみれば示された先には崩落した吊り橋がある。
「そう言う訳で、ボクは危ない吊り橋を教える為にここに居るんだよ」
 何故か時折メモをとりつつ頷き、クリスが顔を上げて指さした先には一本の吊り橋。
「あっちは新たに突貫で作ったもので」
 そこまで言うと身体の向きを変えてまた別の吊り橋を指さす。
「向こうのは板がちょっとね」
 どうやらどちらも問題のある吊り橋らしい。
「うんうん。ま、そうなんだけど、あの二つが一番マシな橋だから」
 頑張って渡ってね、とクリスは微笑んだ。

●出題者



古き良き吊り橋、こっちだ!
女房と畳は新しい方が、橋だって!