『 おつかれさまにゃ(にこっ 』

●夢の告白

 ルィンフィーネはたくさんのプレゼントを用意しながら、アスティルが来るのを今か今かと待っていた。
「早く来ないかな?」
 木陰が気持ちいい女神の木の下でちょこんと座って、待っていた。

 一方、アスティルは。
「うわあああ、ほっかむりの漢が、漢ぁ〜〜」
 ほっかむりの素敵な漢達に囲まれ、ほっかむりを着けられていた。

 そして、数時間後。
 アスティルはへとへとになりながらも、何とか無事にルィンフィーネのいる女神の木の下まで、たどり着く事が出来たのである。
「す、すみません……ちょっと、休ませてもらってもいいですか?」
「じゃあ、こちらにどうぞ♪」
「え? いいん、ですか?」
 ちょっと照れながらもアスティルはルィンフィーネの申し出を素直に受け止める事にした。
 ルィンフィーネの膝枕。
 こんなに幸せでいいのかと、思わずアスティルは考えてしまう。
 でもすぐに、その考えは消えてしまった。あんな大変な試練を乗り越えたのだから、ご褒美をもらってもバチは当たらないだろう、と。

「あら、アスティルくん……」
 何分も立たずにアスティルは、すやすやと夢の世界に旅立ってしまっていた。
 よほど疲れていたらしい。
 ルィンフィーネはついでだからと、アスティルの崩れたリボンを綺麗に直してあげる。
「………好き……です……」
「え?」
 アスティルの突然の寝言。
 それにルィンフィーネは驚く。
 けれど。
 ルィンフィーネは静かに、アスティルの唇に自分の唇を重ねた。
 その後、真っ赤に顔を火照らせていてたが……。

 幸せな午後。
 幸せな夢。
 目覚めても覚めない夢はいつまでも、二人の中に……。


イラスト: 天瀬晶