『 貴女と・・・共に・・・ 』

●体当たりの告白

 さえずりの泉で、ファルケンとシエヌは向かい合っていた。
 そよそよと、優しい風が二人を包む。
 そして、そのときはやってくる。

「シエヌさん……貴女が好きです!」
 顔を真っ赤にさせながらも、真剣な表情でファルケンはそう、シエヌに叫ぶ。
「誰よりも……貴女が……ずっと……一緒にいて欲しいっ」
 そのファルケンの気持ちにシエヌの胸は張り裂けそうになっていた。
 シエヌも同じく顔を紅く染めて。
「……あ……えと、うちも……貴方のこと……好きです…………ずっと、側にいます……」
 緊張して、言葉が流れるように続かない。
 シエヌの顔がさらに赤くなっていく……。
「シエヌっ!!」
 ファルケンはその答えを聞き、思わずシエヌを強く抱きしめた。
「ファルケン………」
 そして、ファルケンは愛しげにシエヌの頬に手を添え、顎を軽く持ち上げる。
 顎を持ち上げられたシエヌは、そっと瞳を閉じ。

 二人の唇が重なる。
「すごく……嬉しいです……」
 シエヌはひと時の幸せをかみ締めていた。
「私も……」
 嬉しそうに二人は微笑み合い、もう一度、口付けを交わすのであった。

 小鳥のさえずりが、はっきりと聞こえる。
 まるで、二人を祝福するかのように………。


イラスト: 参太郎