『 ランララの夜に 〜2人だけの秘め事〜 』

●星屑の輪舞曲


 偶然、彼女に出会った。
 ただ、通り過ぎるだけのつもりだった。
 そのはずなのに……これはあの女神の加護のせいだろうか?
 それとも、周りの熱に当たったのだろうか?
 酔っている。
 そうなのかもしれない。
 こうして、彼女の肌を感じ。
 こうして、彼女を欲するなんて……。
 けれど、止まらない、止められない……。

 今日だけは、彼女と秘密の恋をしよう。


 ほんの少しだけ、言葉を交わす。
 それだけのはずなのに。
 いつの間にか私の体には、いくつものリボンがつけられていた。
 体が、熱い。
 こんなにも体が、胸が熱いのは気のせいだろうか?
 彼の触れる、手が……私を誘う。
 わかっている。
 本当はいけないことだって、わかっている。
 なのに、どうして……逃げられないの?
 いや、逃げられるのにどうして、逃げないの?
 わからない、わからないけど……。
 今はこのまま、あなたの腕の中に、いたい。

 今日だけは、貴方と二人きりの、秘密の夜を……。


イラスト: 綺人