『 『探し物?』 in ランララ聖花祭 』
●貧乳のグリモアを……求めて?
ランララ聖花祭が行われる場所で、二人の調査員は辺りをじっくり調べていた。
鬱蒼と生い茂った木々が、二人の調査員の行く手を阻んでいた。
「ここですか? ここにあるのですか!? あの幻とまで言われた『貧乳のグリモア』がここにあるのですかっ!!」
調査員の一人、シーラは怪しい地図を片手に森を彷徨っていた。
…………言うまでもないが、調査員達が見るところ全てに、いちゃいちゃする恋人達がいる。
そして、シーラのいう貧乳のグリモアの『ひ』の字すら見えてこない。
「『貧乳のグリモア』……そんなのは無いと思うんだけどなぁ……」
そんなことを呟きながら、シーラの後をついていくのは、もう一人の調査員、ホノカ。
「何かいいましたか?」
ふとシーラが振り返り、ホノカを見た。
「ううん、何も。シーラちゃんの探し物、見つかるといいね」
「もちろんです。あっ、ちゃんとホノカ様も探してくださいね?」
釘を刺されてしまった。
「う、うん、頑張るよ」
一応、返事をしておくが、そんなグリモアを探す気はさらさらなかった。
ただ、ドリアッド達のお祭りであるランララ聖花祭の様子を見て回り、調査する事。
それがホノカの目的であった。
とはいっても、実際のところ、調査なんて名ばかり。
二人は楽しげにランララ聖花祭の会場をくるくると散歩しているだけである。
けれど。
それだけで二人は楽しかった。
目的は違うけど、楽しい事には変わりない。
「うう、見つかりませんでした〜」
しょぼんと落ち込むシーラにホノカは励ます。
「ちょっと残念だったね。今日はこれくらいにして、町で美味しいもの、食べに行こうよ」
「ホノカ様………はい、行きましょうっ!!」
こうして二人の調査は終了する。
後日、二人の調査報告は以下の通りである。
『貧乳のグリモアは見つからず。一体何処にあるんでしょうか? 謎は深まるばかりです……』
『楽しいお祭りでした。今度は私も大切な人と一緒にお菓子を食べたいな♪ シーラちゃんとかとね』
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貧乳の女神の高司祭・シーラ
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湯の瀬遊撃隊旅団長の・ホノカ >
イラスト: 桜木晶