星空の下で…

●星降る夜はいつまでも……

 のどかな昼下がり。
 オーエンは朝露の花園で、エルシエーラを待っていた。
「………早すぎたか……」
 そう呟き、花に囲まれながらごろんと寝転がる。
 ZZZZZ………。
 あっという間に夢の中へ。
 オーエンはエルシエーラが来るまでの間、ずっと寝ていることにしたのであった。

 エルシエーラはゆっくりと待ち合わせ場所へと向かう。
「きっと遅くなるでしょうから……」
 その首には暖かいマフラーがかけられている。
 これからの時間を一緒に過ごす。
 それがどれだけ楽しみか。
「しかも、綺麗な星空が見られるのですから、とても楽しみですね」
 微笑みながら、エルシエーラは朝露の花園にたどり着いた。
「オーエンさんは……どこでしょう?」
 それもそのはず。
 オーエンは寝ている。
 沢山花の咲いている花園の中で。
 その後、エルシエーラは日が落ちる頃にやっと、すやすやと気持ち良さそうに寝ているオーエンを見つけるのであった。

 合流を果たした二人は、そのまま星屑の丘へと登っていった。
「あそこにしましょうか?」
「そうだな」
 二人は星を見るのに良さそうな場所を見つけ、そこに腰を下ろす。
「…………エル、横になってもいいか?」
「寝てばっかり、ですね」
 くすくすと笑みを浮かべるエルシエーラ。オーエンはエルシエーラの膝枕で気持ち良さそうに空を見上げていた。
 空には、星が瞬きはじめている。
「綺麗な星……オーエンさん、見てください。とっても綺麗ですよ」
「……ああ、綺麗だな。この星をお前の髪に散りばめられるのなら、もっと綺麗だろうに……」
「もう、何を言っているんですか……オーエンさん」
 ふと視線をオーエンに向けるエルシエーラ。
 そこには、すやすやと寝息を立てているオーエンの姿が。
「疲れているんでしょうね」
 そっと微笑み、エルシエーラはオーエンの側にプレゼントを置く。
 起きたオーエンが喜ぶようにと……。
「また、一緒に来れますように……」
 エルシエーラは眠っているオーエンの側で、流れる星に願いをかけたのであった。


イラスト: S.of.L